絶版文庫書誌集成
新潮文庫 【い】
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎＝編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第1巻 1914-1923 夢見る部屋｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・唐仁原多里
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＊490頁 / 発行 2014年
＊カバー文
第一次世界大戦が勃発し、関東大震災が発生 ―― 。激動の10年間に何が書かれていたのか。
＊目次
1915 ─ 父親 荒畑寒村
1916 ─ 寒山拾得 森 鴎外
1918 ─ 指紋 佐藤春夫
1918 ─ 小さな王国 谷崎潤一郎
1919 ─ ある職工の手記 宮地嘉六
1921 ─ 妙な話 芥川龍之介
1921 ─ 件 内田百閒
1921 ─ 象やの粂さん 長谷川如是閑
1922 ─ 夢見る部屋 宇野浩二
1923 ─ 黄漠奇聞 稲垣足穂
1923 ─ 二銭銅貨 江戸川乱歩
読みどころ
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎＝編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第2巻 1924-1933 幸福の持参者｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・秋山花
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＊500頁 / 発行 2014年
＊カバー文
関東大震災からの復興、昭和改元、漂う大戦の気配 ―― 。この10年だから生れた、厳選15編。
＊目次
1924 ─ 島守 中勘助
1925 ─ 利根の渡 岡本綺堂
1926 ─ Kの昇天 梶井基次郎
1926 ─ 食堂 島崎藤村
1928 ─ 渦巻ける烏の群 黒島伝治
1928 ─ 幸福の持参者 加能作次郎
1928 ─ 瓶詰地獄 夢野久作
1930 ─ 遺産 水上瀧太郎
1930 ─ 機関車に巣喰う 龍胆寺雄
1931 ─ 風琴と魚の町 林芙美子
1932 ─ 地下室アントンの一夜 尾崎翠
1932 ─ 薔薇盗人 上林暁
1932 ─ 麦藁帽子 堀辰雄
1933 ─ 詩人 大佛次郎
1933 ─ 訓練されたる人情 広津和郎
読みどころ
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎＝編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第5巻 1954-1963 百万円煎餅｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・柳智之
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＊555頁 / 発行 2014年
＊カバー文
敗戦から10年。描かれたのは戦争の爪痕か、未来の日本の肖像か。16編の傑作を収録。
＊目次
1954 ─ 突堤にて 梅崎春生
1954 ─ 洲崎パラダイス 芝木好子
1957 ─ 毛澤西 邱永漢
1957 ─ マクナマス氏行状記 吉田健一
1958 ─ 寝台の舟 吉行淳之介
1958 ─ おーい でてこーい 星新一
1958 ─ 江口の里 有吉佐和子
1959 ─ その木戸を通って 山本周五郎
1960 ─ 百万円煎餅 三島由紀夫
1960 ─ 贅沢貧乏 森茉莉
1961 ─ 補陀落渡海記 井上靖
1961 ─ 幼児狩り 河野多惠子
1962 ─ 水 佐多稲子
1962 ─ 待っている女 山川方夫
1963 ─ 山本孫三郎 長谷川伸
1963 ─ 霊柩車 瀬戸内寂聴
読みどころ
池内 紀・川本 三郎・松田 哲夫＝編 (いけうちおさむ・かわもとさぶろう・まつだてつお)
｢日本文学100年の名作 第6巻 1964-1973 ベトナム姐ちゃん｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・北住ユキ
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＊543頁 / 発行 2015年
＊カバー文
五輪に万博。好景気に沸く時代にも、文学は実直に鮮やかに日本の姿を映し出す。厳選12編。
＊目次
1964 ─ 片腕 川端康成
1964 ─ 空の怪物アグイー 大江健三郎
1965 ─ 倉敷の若旦那 司馬遼太郎
1966 ─ おさる日記 和田誠
1967 ─ 軽石 木山捷平
1967 ─ ベトナム姐ちゃん 野坂昭如
1968 ─ くだんのはは 小松左京
1969 ─ 幻の百花双瞳 陳舜臣
1971 ─ お千代 池波正太郎
1971 ─ 蟻の自由 古山高麗雄
1972 ─ 球の行方 安岡章太郎
1973 ─ 鳥たちの河口 野呂邦暢
読みどころ
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎＝編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第7巻 1974-1983 公然の秘密｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・いとう瞳
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＊555頁 / 発行 2015年
＊カバー文
石油危機、ロッキード事件、日航機ハイジャック ── 。混乱と狂騒のなか生まれた17の名作。
＊目次
1974 ― 五郎八航空 筒井康隆
1974 ― 長崎奉行始末 柴田錬三郎
1975 ― 花の下もと 円地文子
1975 ― 公然の秘密 安部公房
1975 ― おおるり 三浦哲郎
1975 ― 動物の葬禮 富岡多惠子
1976 ― 小さな橋で 藤沢周平
1977 ― ポロポロ 田中小実昌
1978 ― 二ノ橋柳亭 神吉拓郎
1979 ― 唐来参和 井上ひさし
1979 ― 哭 李恢成
1979 ― 善人ハ ム色川武大
1979 ― 干魚と漏電 阿刀田高
1981 ― 夫婦の一日 遠藤周作
1981 ― 石の話 黒井千次
1981 ― 鮒 向田邦子
1982 ― 蘭 竹西寛子
読みどころ
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎＝編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第9巻 1994-2003 アイロンのある風景｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊カバー装画・agoera
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＊2015頁 / 発行 2015年
＊カバー文
阪神・淡路大震災と復興。情報革命。変わるものと変わらぬもの。世紀を跨ぐ十年を彩る16編。
＊目次
1994 ─ 塩山再訪 辻原登
1995 ─ 梅の蕾 吉村昭
1996 ─ ラブ・レター 浅田次郎
1997 ─ 年賀状 林真理子
1997 ─ 望潮 村田喜代子
1997 ─ 初天神 津村節子
1997 ─ さやさや 川上弘美
1998 ─ ホーム・パーティー 新津きよみ
1999 ─ セッちゃん 重松清
1999 ─ アイロンのある風景 村上春樹
2000 ─ 田所さん 吉本ばなな
2000 ─ 庭 山本文緒
2001 ─ 一角獣 小池真理子
2001 ─ 清水夫妻 江國香織
2003 ─ ピラニア 堀江敏幸
2003 ─ 散り花 乙川優三郎
読みどころ
池内 紀・松田 哲夫・川本 三郎編 (いけうちおさむ・まつだてつお・かわもとさぶろう)
｢日本文学100年の名作 第10巻 2004-2013 バタフライ和文タイプ事務所｣ (にほんぶんがくひゃくねんのめいさく)
＊日本文学100年の名作 全10巻
＊カバー装画・白村玲子
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＊639頁 / 発行 2015年
＊カバー文
自衛隊のイラク派遣、東日本大震災と原発事故。激動の現代を鮮やかに映し出す傑作16編。
＊目次
2004 ─ バタフライ和文タイプ事務所 小川洋子
2004 ─ アンボス・ムンドス 桐野夏生
2005 ─ 風来温泉 吉田修一
2005 ─ 朝顔 伊集院静
2006 ─ かたつむり注意報 恩田陸
2006 ─ 冬の一等星 三浦しをん
2007 ─ くまちゃん 角田光代
2007 ─ 宵山姉妹 森見登美彦
2008 ─ てのひら 木内昇
2008 ─ 春の蝶 道尾秀介
2009 ─ 海へ 桜木紫乃
2009 ─ トモスイ 髙樹のぶ子
2009 ─ 〆 山白朝子
2009 ─ 仁志野町の泥棒 辻村深月
2013 ─ ルックスライク 伊坂幸太郎
2013 ─ 神と増田喜十郎 絲山秋子
読みどころ
第1巻 1914－1923 夢見る部屋
第2巻 1924－1933 幸福の持参者
第3巻 1934－1943 三月の第四日曜
第4巻 1944－1953 木の都
第5巻 1954－1963 百万円煎餅
第6巻 1964－1973 ベトナム姐ちゃん
第7巻 1974－1983 公然の秘密
第8巻 1984－1993 薄情くじら
第9巻 1994－2003 アイロンのある風景
第10巻 2004－2013 バタフライ和文タイプ事務所
池田 弥三郎 (いけだやさぶろう)
｢私の食物誌｣ (わたしのしょくもつし)
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＊431頁
＊発行 1980年
＊カバー文
たべものにまつわる言葉の語源、歴史、食生活のしきたりをはじめ、一年356日の暮らしの中の食物に焦点を合わせて綴る楽しい話の数々――日々の暮しを彩るさまざまな味のすがたを、古今東西の文献や流行歌などに幅広く求め、また、町角での買いぐいをはじめ、著者が幼少の日より親しんできた味の思い出を、四季折々の風物と、周辺の人々の回想とともに語る味の歳時記。
池波 正太郎 (いけなみしょうたろう)
｢味と映画の歳時記｣ (あじとえいがのさいじき)
＊カバー・池波正太郎
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＊191頁 / 発行 昭和61年
＊カバー文
正月には、幼い頃の御供えの橙のしぼり汁にたっぷりと砂糖を加えた味を思い出し、八月には、もぎたてのトマトと氷水のおいしさをたたえる。また五月には、ジャン・ルノワール監督〔ピクニック〕の野草の香りを想い、十一月には〔第三の男〕の落葉のラスト・シーンを語る。半生を彩り育んだ“味と映画”の思い出にのせながら、現代に忘れられた四季折々の風趣と楽しみを存分に綴る。
＊目次
味の歳時記
一月 橙 / 二月 小鍋だて / 三月 白魚と蛤 / 四月 鯛と浅蜊 / 五月 鰹とキャベツ / 六月 鮎とさくらんぼ / 七月 茄子と白瓜 / 八月 トマトと氷水 / 九月 小鰭の新子と秋刀魚 / 十月 松茸と栗 / 十一月 葡萄と柿 / 十二月 柚子と湯豆腐など
映画歳時記
一月 正月映画 / 二月〔道〕と〔たそがれの維納〕 / 三月 雪と雨 / 四月〔白き処女地〕と〔春の序曲〕 / 五月 初夏の陽光 / 六月〔人情紙風船〕 / 七月〔巴里祭〕と〔残菊物語〕 / 八月 外人部隊の人びと / 九月〔商船テナシチー〕と〔ピクニック〕 / 十月 長谷川伸の世界 / 十一月〔秋のソナタ〕と〔第三の男〕 / 十二月〔忠臣蔵〕
解説 常盤新平
池波 正太郎 (いけなみしょうたろう)
｢池波正太郎のフィルム人生｣ (いけなみしょうたろうのふぃるむじんせい)
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＊318頁
＊発行 1983年
＊カバー・池田満寿夫
＊カバー文
シネマディクト(映画狂)池波正太郎が、半世紀をこえる映画遍歴をもとに、〔愚かなる妻〕(1923年)、〔夜ごとの夢〕(1933年)から〔この生命誰のもの〕〔E.T.〕(1982年)までを語る映画エッセイ。懐かしの名画や新作を通し、その時代の人間像を掘り下げ、風俗、生活、感覚、モラルに及ぶ鋭い洞察から、人間の本質、生き方を知るすべがつたわってくる。写真多数収録。
＊解説頁・佐藤隆介
池部 良 (いけべりょう)
｢続続 そよ風ときにはつむじ風｣ (ぞくぞくそよかぜときにはつむじかぜ)
＊カバー装幀・村上豊
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＊355頁
＊発行 1997年
＊カバー文
昭和17年冬、ついに僕にも召集令状が来た。中国えん州で、初年兵教育を受けるが、軍隊に馴染めぬ僕には辛い日々だった。おやじは頻繁に手紙をくれた。便りは有り難かったが、ハラハラさせられもした。幹部候補生にされてしまうが、僕にはいい迷惑だった。やがてわが師団は南方転進に失敗、撃沈されてしまう。復員できるまで僕はハルマヘラ島で必死に生きた。おやじと僕の物語三部作完結。
＊解説頁・加藤芳郎
＊カット・村上豊
石川 淳 (いしかわじゅん)
｢紫苑物語｣ (しおんものがたり)
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＊208頁
＊発行 昭和32年
＊カバー文
王朝末期、宗頼は秀れた才能に恵まれながら、歌を捨て、絶対的なものを求めて力の世界に生きるべく弓先の人となり、国の守として遠国におもむく。その若い領主の尖鋭すぎる理知と、女狐によって象徴される野生の情熱との、宿命的な触れ合いと破局を描き、著者の文学の最高峰をなす『紫苑物語』、思想に裏うちされた幻想的な冒険小説『鷹』、ほかに『善財』を収録。
＊解説頁・福永武彦
石川 淳 (いしかわじゅん)
｢焼跡のイエス 処女懐胎｣ (やけあとのいえす しょじょかいたい)
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＊306頁 / 発行 昭和55年
＊カバー文
終戦直後、上野ガード下の闇市で、主人公私が、鼻をつくような悪臭を放ち、頭部をデキモノでおおわれた浮浪児が、一瞬、キリストの姿に変わるのを見る『焼跡のイエス』。女学校を卒業したばかりのういういしい少女の身に突然神秘的な奇蹟が起る『処女懐胎』など、人間の生活を地上的制約から解き放つため、大胆なフィクションによって夢想した人生模索の短編9編を収録する。
＊目次
葦手 / 山桜 / マルスの歌 / 張柏端 / 焼跡のイエス / かよい小町 / 処女懐胎 / 変化雑載 / 喜寿童女 / 解説 佐々木基一
石原 千秋監修・有馬 義貴・木下 優・近藤 仁美・佐藤 浩一・阿部 光麿著
(いしはらちあき・ありまよしたか・きのしたゆう・こんどうひとみ・さとうこういち・あべみつまろ)
｢新潮ことばの扉 教科書で出会った古文・漢文一〇〇｣ (きょうかしょでであったこぶんかんぶんひゃく)
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＊421頁 / 発行 2017年
＊デザイン・新潮社装幀室
＊カバー文
むかし、男ありけり。女のえ得まじかりけるを / やまと歌は、人の心を種として / ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず / 春眠不覺暁
誰しも一度は読んだことがある珠玉の名文や名句。古来、読み継がれてきた言葉の宝庫から、その真髄を精選しました。日本語の言霊がやどる古典文学から、口ずさみたくなる漢詩、老荘、史記などの代表的漢籍まで、言葉と感性と叡智の頂点を楽しむ一冊です。
＊解説頁・身体に染みついた感性と出会う 石原千秋
泉 麻人 (いずみあさと)
｢泉麻人の僕のTV日記｣ (いずみあさとのぼくのてれびにっき)
＊カバー人形制作
修理秀隆 泉麻人
佐藤邦彦 林家三平、ピンクレディー
力道山、アグネス・ラム
ジョン・トラボルタ
上田和幸 ウルトラマンたち
仮面ライダーたち
鹿野智秋 小川ローザ
撮影 田村邦男
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＊322頁 / 発行 1994年
＊カバー文
快傑ハリマオが象に踏まれたことをご存じですか？ ｢ウルトラQ｣の万城目淳がローレックスを愛用し、スカイラインのオープンを乗り回していたことはどうでしょう？ 仮面ライダーの本郷猛が骨折して一文字隼人にバトンタッチした事実も押さえてますか？ テレビのウラ技、キメ技なんでもアリ、昭和30年代以降のあの番組、このヒーロー。テレビとともに育った全世代に捧げるコラム。
＊目次
象に踏まれたハリマオ / カレー好きの少年ジェット / ヒーローと靴みがき少年 / ｢ピロンの秘密｣の景色 / 千秋パパと鯛の小骨 / 九ちゃんとカキ氷 / 力道山の記憶 / チャコちゃんの胸 / 忍者ごっこの頃 / オリンピックとエイトマン / アルファルファと三バカ大将 / ルーシーショーの笑い声 / ハーキュリーの牛乳一気飲み / アスパラでやりぬいた / ｢良太の村｣の時間 / 演歌ガキ製造番組 / 林家三平の踊る家族 / エレキ上陸の頃 / ウルトラ元年 / カラーテレビが来た日① / カラーテレビが来た日② / GS時代の肥満児 / 玉置宏の象印話法 / 欽ちゃんとカレーソフトめん / '60年代の大晦日テレビ / 紅白とは何か？ / ミニミニと川奈ミキ / レ・ガールズの肢体 / 1969年のカセットテープ(その1) / 1969年のカセットテープ(その2) / 1969年のカセットテープ補足 / 牛も知ってるカウシルズ / ビートポップ続報 / 僕と手塚漫画 / S・Hと梓英子 / 青春学園モノの研究① / 青春学園モノの研究② / 青春学園モノの研究③ / 小川ローザの時代 / 松任谷国子と電光ニュース / 時間ですよとお荷物小荷物 / 二丁目三番地と范文雀の頃 / プロボウラーはオミズ顔 / 骨折した仮面ライダー / 栗田ひろみの話① / 栗田ひろみの話② / スタ誕の頃① / スタ誕の頃② / 日記｢どっきりカメラ｣ / 力石徹の死 / あさま山荘体験 / 佐藤総理、怒る！ / 放課後はぎんざNOW① / 放課後はぎんざNOW② / 放課後はぎんざNOW③ / クレイジーとドリフ① / クレイジーとドリフ② / ゲバゲバ元禄 / '70Sドラマと難病 / Mr.マリックとユリ・ゲラー / 午後4時の男・海野かつお / 石立鉄男シリーズの魅力 / 傷だらけの時代① / 傷だらけの時代② / ｢前略｣と｢悪魔｣とBGM / 23時以降のおピンクゾーン / プレイガールの誘い / みごろ！ 食べごろ！ の頃① / みごろ！ 食べごろ！ の頃② / アグネス・ラムの｢ホッ｣ / ｢麻美・木之内・大場｣時代① / ｢麻美・木之内・大場｣時代② / ｢麻美・木之内・大場｣時代③ / ほんものは僕だ！① / ほんものは僕だ！② / 多摩川の岸辺 / B級歌番組の魅力 / あこがれ共同隊と原宿 / 正月とカレー / ピンクレディーの時代① / ピンクレディーの時代② / ピンクレディーの時代③ / 天気予報の魅力① / 天気予報の魅力② / ビデオの時代 / ヨジョーハンに於けるテレビの位置 / 僕が初めてテレビに出た日 / 文庫化にあたって / 泉さんが教えてくれた。
泉 鏡花 (いずみきょうか)
｢婦系図 前後篇｣ (おんなけいず)
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＊前篇209頁・後篇194頁 / 発行 昭和27年
＊旧仮名旧字体 / 解説頁・吉田精一
＊カバー画像・平成6年発行｢新潮文庫の復刊｣版カバー
＊カバー文
前篇
〈俺を棄てるか、婦(おんな)を棄てるか〉世間に内緒で芸者あがりのお蔦と世帯を持っていた早瀬主税は、大恩ある師、酒井俊蔵に迫られ泣く泣く別れることに。更に、すりの片棒を担いだと新聞に書き立てられた主税は、東京にいられなくなり、故郷静岡へ一人旅立つ。鏡花の半自叙伝的長篇前篇。
後篇
主税と別れてからお蔦は日に日に弱まり、遂にその臨終の枕元、酒井俊蔵が涙を流して詫びる。〈せ、先生が逢ってもいいって、嬉しいねえー〉主税を心待ちにしながらお蔦は冷たくなる。その頃、主税も病床にあり、ある決意を胸に秘めていた……。鏡花得意のスリルに満ちた演劇的大団円。
井田 真木子 (いだまきこ)
｢フォーカスな人たち｣
＊カバー撮影・城ノ下俊治
カバー装幀・緒方修一
(写真提供・フォーカス編集部)
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＊492頁 / 発行 2001年
＊カバー文
1980年代から90年代前半、バブル景気を踏み台に活躍し、写真週刊誌の格好の被写体となった5人がいた。ＡＶ女優の黒木香、その黒木を撮った監督・村西とおる、事故死した個性派女優・太地喜和子、金融詐欺で逮捕された料亭女将・尾上縫、そして元総理大臣の細川護煕である。時代に翻弄された彼らの苦悩を、入念な取材と巧みな文章表現で浮かび上がらせた傑作ルポ。｢旬の自画像｣を解題。
＊目次
文庫版プロローグ
プロローグ
黒木香 ── 生真面目に猥褻を生きた“わたくし”
村西とおる ── 日本一忙しい男根をもつ名セールスマン
太地喜和子 ── けたたましく笑いながら海へ還った紀州女
尾上縫 ── 日本経済に大穴をあけた稀有なミナミの女将
細川護煕 ── 虚ろなリベラル人気に浮かれた肥後の“殿”
エピローグ
文庫版エピローグ
解説 福田和也
伊藤 桂一 (いとうけいいち)
｢遙かなインパール｣ (はるかなImphal)
＊カバー装画・星襄一
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＊535頁 / 発行 1995年
＊カバー文
太平洋戦争末期、劣勢の戦局を挽回するべくビルマから東インド・インパールへの侵攻作戦が強行された。多くの人命の損失を招き、日本陸軍史上有数の悲惨な戦いとなったインパール作戦を枠組みに、主力部隊・祭兵団歩兵第六十連隊の行動に焦点をしぼって、その軌跡を忠実にたどる。風化してゆく戦争の現実と、激戦地におかれた兵士たちの人間的真実を描きとどめた入魂の戦場小説。
＊目次
まえがき ―― インパール作戦について、ほか
前章 インパールへの遠い道
一、本多挺進隊ミッション橋へ / 二、サンジャックの戦い / 三、カングラトンビの戦い / 四、センマイ高地の戦い / 五、二つの挺進隊と岩田中隊の全滅 / 六、ライマトルヒルへ / 七、ライマトルヒルの戦い
後章 渡河点までの遠い道
一、北インパールの戦いとミッションの悲劇 / 二、ミッションよりウクルルへ / 三、ウクルルより渡河点へ / 四、渡河点付近にて
あとがき / 解説 春名徹
伊藤 桂一 (いとうけいいち)
｢兵隊たちの陸軍史｣ (へいたいたちのりくぐんし)
＊カバー装画・山根良三
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＊425頁 / 発行 2008年
＊カバー文
我々は、あの戦争を闘った生身の兵隊たちのことを知らない。そして、空虚な戦争論が展開されている ── 。兵士たちはいかに生活し、いかに戦闘したのか。教練、食事、給与、上下の人間関係、戦闘での名誉心や功績の在りかたまで、日中戦争に一兵士として従軍した著者の実体験と豊富な資料で、露悪も虚飾も避けて、兵隊たちの姿を余すことなく伝える。後世に贈る渾身のノンフィクション。
＊目次
文庫版まえがき
昭和二十年八月十五日の印象 ―― 序に代えて
兵隊の誕生 ―― 軍隊はいかに組織されたか
1 軍隊のはじまり
(一) 徴兵令の制定
(二) 兵役の制度
2 軍隊の成り立ち
(一) 軍隊の制度
(二) 動員と復員
兵営生活の実態 ―― 入隊から除隊まで
1 初年兵の生活
(一) 兵営生活のうつりかわり
(二) 内務班の生活行事
(三) 初年兵の第一日目
(四) 初年兵の第二日目以後
(五) 一期の検閲後の生活
2 内務生活のさまざま
3 二年兵としての生活
兵隊の戦史 ── 兵隊はいかに戦ってきたか
1 台湾の生蕃討伐
2 西南の役
3 日清戦争
4 台湾征討
5 北清事変
6 日露戦争
7 シベリア出兵
8 満洲事変
9 ノモンハン事件
大東亜戦争下の戦場生活 ── 極限の場における兵隊の姿
1 駐屯業務
(一) 駐屯地の選定と駐屯方式
(二) 駐屯生活
2 戦闘行動の実態
(一) 討伐と作戦
(二) 一番乗りの意識
(三) 戦場の裏面
(四) 兵隊 ── 戦場の英雄たち
あとがき
(付録) 主要部隊一覧 ── 日支事変・太平洋戦争
解説 保坂正康
伊東 静雄著 桑原 武夫・富士 正晴編 (くわはらたけお・ふじまさはる)
｢伊東静雄詩集｣ (いとうしずおししゅう)
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＊180頁・旧仮名旧字体 / 発行 昭和36年
＊カバー画像・平成6年24刷｢新潮文庫の復刊｣版カバー
＊カバー文
昭和十年、処女詩集『わがひとに与うる哀歌』が自費出版されるや、ドイツ浪漫派の流れをくむ結晶度の高い抒情は多くの反響を呼んだ。本書には、大阪の中学に国語の教師として勤務しながら、生涯休らうことなく“わが痛き夢”をうたいつづけた詩人のほぼ全作品を収録する。
＊目次
わがひとに與うる哀歌 / 夏花 / 春のいそしぎ / 反響 / 反響以後 / 拾遺
註 / 伊藤靜雄略年譜 / 解説 桑原武夫
伊東 潤 (いとうじゅん)
｢義烈千秋 天狗党西へ｣ (ぎれつせんしゅう)
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＊575頁
＊発行 2014年
＊カバー装画・浅野隆広
＊カバー文
開国から十年。貿易の激化で北関東の民は困窮していた。水戸藩士・藤田小四郎は、幕政を正し外敵を掃おうと各地に書状を放つ。集まったのは貧しくも真摯に国を想う、若き志士たち。一同は筑波山で挙兵するが、幕府の討伐軍が迫り来る。内部分裂、強大な追手、峻烈な山越え。犠牲を払いながらも、一橋慶喜に志を訴えるべく京を目指し ── 。理想に燃えた男たちの歩みに涙する、歴史長編。
＊解説頁・末國善己
伊藤 信吉 (いとうしんきち)
｢詩のふるさと｣ (しのふるさと)
＊カバー写真・風見武秀
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＊289頁 / 発行 昭和43年
＊目次
旅立ちに / さいはての町 釧路 (石川啄木) / 雪の曠野の旅 空知川 (石川啄木) / 砂山の思い出 函館 (石川啄木) / ふるさとの歌 渋民村 (石川啄木) / 空知川の岸辺 歌志内 (国木田独歩) / 情感の物語り 小樽 (伊藤整) / 浜風のなでしこ 塩谷・忍路 (伊藤整) / 花の田舎唄 津軽 (福士幸次郎) / 湖畔の乙女像 十和田 (高村光太郎) / 樹下の二人 阿多多羅山 (高村光太郎) / 山麓の二人 裏磐梯 (高村光太郎) / 自己流謫の地 岩手 (高村光太郎) / 北上川の畔り 花巻 (宮沢賢治) / 地人・土地の愛 花巻 (宮沢賢治) / 古城にうたう 仙台 (土井晩翠) / 懐郷の国語読本 上小川 (草野心平) / 利根のアカシヤ 前橋 (草野心平) / 波宜亭の秋 前橋 (萩原朔太郎) / 追憶の古き林 前橋 (萩原朔太郎) / おだまきの花 山科 (萩原朔太郎) / 山脈の方へ 三国峠 (高橋元吉) / 雲に寄せて 大洗 (山村暮鳥) / 蓮に書ける歌 不忍池 (与謝野鉄幹) / 都会の蝕手 東京 (萩原恭次郎) / ｢はけ｣の村の記憶 多摩 (村野四郎) / 旅人かへらず 相模川 (西脇順三郎) / 湖畔の亡命者 山中湖 (金子光晴) / 湖に凍る歌 山中湖 (金子光晴) / 秋の夜をこめて 甲府盆地 (尾崎喜八) / 高原に立って 美ケ原 (尾崎喜八) / 浅間山麓の村 追分 (立原道造) / 生涯の秋の歌 追分 (立原道造) / 林檎の花の慕情 馬籠 (島崎藤村) / 千曲川のほとり 小諸 (島崎藤村) / 伝説の荒い海 親不知 (中野重治) / 荒涼の旅情 親不知 (中野重治) / 裏日本の村 生地 (田中冬二) / 湖面の星座 松江 (田中冬二) / 犀川のほとり 金沢 (室生犀星) / 雪に萌える春 金沢 (室生犀星) / 朝明けの空の雁 洲崎 (室生犀星) / 切なき思いぞ 軽井沢 (室生犀星) / 砂丘の空の流星 内灘 (井上靖) / 薬種商の町で 富山 (井上靖) / 豪奢なる亡び 京都 (村山槐多) / ｢葦の地方｣で 大阪 (小野十三郎) / 物質の精神 大阪 (小野十三郎) / 市民精神の歌 堺 (与謝野晶子) / 追懐の雨の夜 奈良 (西條八十) / 紀の国の五月 新宮 (佐藤春夫) / ｢愚者｣の墓地 新宮 (佐藤春夫) / 名もしらぬ花 犬吠岬 (佐藤春夫) / 金釘流の母たち 播磨 (坂本遼) / 一輪の花の幻 広島 (原民喜) / 人間を返せ！ 広島 (峠三吉) / 水は流れて… 長門峡 (中原中也) / ふるさとの風 湯田 (中原中也) / ＧＯＮＳＨＡＮ．ＧＯＮＳＨＡＮ．柳川 (北原白秋) / 水の上の廃市 柳川 (北原白秋) / 利休鼠の雨 城ケ島 (北原白秋) / 落葉松の林 軽井沢 (北原白秋) / 泥海の物語り 有明海 (伊東静雄) / 帰郷者の墓 諫早 (伊東静雄) / 殉教者たちの声 長崎 (大江満雄) / 山村の天主堂 大江 (木下杢太郎) / 雨の放牧場で 草千里浜 (三好達治) / 二十年の回憶 草千里浜 (三好達治) / 西南戦争の後に 阿蘇 (落合直文) / 叢の中の礎石 都府楼址 (伊藤信吉) / 詩的紀行の覚え書
伊藤 整 (いとうせい)
｢鳴海仙吉｣ (なるみせんきち)
＊カバー・村田博
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＊423頁・旧仮名旧字体 / 発行 昭和31年
＊紹介文
鳴海仙吉とは、戦後の混乱から地獄的様相を呈している地上生活に戦慄しながら、大学へ、街へ、恋人のもとへ、酒場へと出かけてゆく現代日本の弱気なオデュｯセウスである。この作品は普通のロマンのように一筋の物語の糸でつづられてはいず、詩、小説、評論、戯曲といった文学上の各種ジャンルをとりいれて、”交響的効果”をみせた長篇小説であり、酒脱な文明批評的内容をもつ。
＊冒頭｢讀者へ｣より
鳴海仙吉とは誰か。作者自身にちがいないとあなたは思うでしよう。
とんでもないことです。鳴海仙吉は君です、あなたです。
一つ氣の利いたことをいつてやろうと思う時、君は鳴海仙吉です。
この急場を何とか切り抜けようと思う時、君は鳴海仙吉です。
心の傷に眼をつぶつて生きのびようと思う時、君は鳴海仙吉です。
鳴海仙吉は自殺もせず、革命もしませんでした。將來もしないでしよう。彼は飴色縁の眼鏡をかけ、鼠色のダブルの洋服を着、革鞄を持つて、智慧あり顏に歩いています。君のように、また作者のように。
＊解説頁・瀬沼茂樹
いとう せいこう
｢職人ワザ！｣ (しょくにんわざ)
＊カバー装幀・坂本志保
カバー装画・白根ゆたんぽ
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＊256頁 / 発行 平成20年
＊カバー文
近くば寄って目にも見よ！ 職人のワザの見事さ、知恵の深さと心意気。扇子づくり、江戸文字、手ぬぐい、効果音、パイプ製造、鰻職人から、かりんとう作りやスポーツ刈りの達人まで。己の腕を磨き、道を究めるモノづくりたちのプロ魂。東京は下町で育ち、浅草に住む作家が選りすぐりの仕事師たちを訪ね歩いて、驚くべき｢ワザの秘密｣に迫る。刺激に満ちた聞き書きルポルタージュ。
＊目次
まえがき
一 扇子職人の幾何学 … 『文扇堂』荒井修
二 文字の生命力 … 『文字プロ』橘右之吉
三 手ぬぐいに風を感じる … 『ふじ屋』川上千尋
四 見えない音の描きかた … 効果音製作・南二郎
五 彫れば、わかる … 原型師・山口緩奈
六 あわてる者は京都へ行け … 京小間物『まねき屋』東海枝享子
七 オーダーメイドはソリューションである … 『テーラーホリベ』堀部新一
八 音楽のように作るオリジナルかりんとう … 『富士かりんとう』一柳製菓・菅逸朗
九 金鉱を掘り当てるようにパイプをつくる … 『柘製作所』柘恭三郎
十 鰻の味は｢一味清風｣ … 『鰻禅』村瀬保夫
十一 スイッチひとつで奇跡を起こす … 『テレビ朝日』福元昭彦
十二 スポーツ刈りは武道と見つけたり … 『ヘアモードsegawa』瀬川守
あとがき
町の人間国宝 … 北原亞以子
掲載店リスト
井上 章一 (いのうえしょういち)
｢パンツが見える。 羞恥心の現代史｣ (ぱんつがみえる。)
＊カバー装画・｢ふしぎなメルモ｣
(C)手塚プロダクション
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＊483頁 / 発行 2018年
＊カバー文
パンツが見える ── それを喜ぶ男性、恥じらう女性。もちろんこれは本能の問題ではない。｢はいてるから見えても恥ずかしくない｣と思う少女、｢ちぇっ！ はいてやがる！｣と落胆する男、1930年代ではこれが普通のことだったのだ。和装から洋装へ、腰巻きからズロース、パンティへ。下着を巡る羞恥心の劇的な変容を、数多の文献から圧倒的な熱量で考証する。貴方の知的好奇心を刺激する名著。
＊目次
1 白木屋ズロース伝説は、こうしてつくられた
百貨店の大火災 / さまざまな墜落者 / 死線をさまよった女たち / 白木屋を代弁して / その後、ズロース着用者はふえたのか / 大震災と大火災
2 パンツをはかなかったころの女たち
粋な姉チャン、立ちションベン / 便所に男女の区別がなかったころ / 少女たちの下半身 / ローアングルにひらく花 / ｢裸の大将｣が目にしたもの / ｢松屋風｣とよばれた風 / 毛の呪術
3 ズロースがきらわれたのは、どうしてか
きどった男のアドバイス / ブリキのズロース / 二枚、三枚、四枚、五枚 / きゅうくつで、気持ちが悪いもの / 和装の美観にはばまれて / サルマタかズロースか / ズロースをはきわすれたお嬢さん / 洋装時代の下着観
4 ｢みだら｣な女も、はいていた
ズロースと共産党 / 花柳界の女たち / ノーズロ、ショースカ / ズロースがおちる金曜日 / 踊り子たちにさそわれて
5 パンチラをよろこぶ感情が、めばえるまで
みんな、はいている / 風のはこんだ物語 / 電車のなかの淑女たち / ズロースを気にした男たち / パンツを見せたじゃないですか
6 ズロースからパンティへ
きたないズロース / メリケン粉の袋まで / 大きいパンツ、小さいパンツ / 色とりどりの
7 くろうと筋からの風俗史
カラー・ズロースをはいたころ / 風俗嬢、ホステス、ストリッパー / 女を娼婦にする百貨店 / パンツでデート / ズロースの時代がおわる時 / 時には娼婦のように
8 一九五〇年代パンチラ革命説
パンツにときめく男たち / 行儀のよい女たち / パンチラの誕生 / 文字の可能性 / 『七年目の浮気』 / スカートの下に劇場ができるまで
あとがき / 文庫版へのあとがき / 解説 酒井順子
井上 光晴 (いのうえみつはる)
｢虚構のクレーン｣ (きょこうのくれーん)
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＊301頁
＊発行 昭和44年
＊カバー・斎藤義重
＊カバー文
革命とは何か、愛とは何か。太平洋戦争末期から敗戦直後の混乱期を、九州佐世保地区の炭鉱で死を目前にしながら、朝鮮人青少年とともに過した若者の生き方と情念を執拗に追求した本格的な青春小説。日本人と朝鮮人とを｢同胞｣として結びつける天皇制という巨大な虚構、そしてそのもとでの戦争が著者に残した傷痕を徹底的に検証し、批判と反省をこめて重厚に描いた力作長編である。
＊解説頁 橋川文三
井上 光晴 (いのうえみつはる)
｢丸山蘭水楼の遊女たち｣ (まるやまらんすいろうのゆうじょたち)
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＊402頁
＊発行 昭和57年
＊カバー・磯見輝夫
＊カバー文
一八六三年。時代は数年後に控える明治維新という一大転換を予感するかのように、その歩みを早めていた。長崎は丸山の遊廓界隈を舞台に、時代の波に翻弄されながらも、ひたむきに生きようとする数人の男女の愛憎、苦悩、希望が同時進行の形で描き出されてゆく。綿密な考証に裏付けられ、土地の言葉を自在に操って、叙情性と力感溢れる文体で生き生きと語られる、著者初めての歴史小説。
＊解説頁・駒田信二
原作・井上 靖 (いのうえやすし) / キャラクターデザイン・小林 治 (こばやしおさむ)
｢あすなろ物語 ― 名作アニメシリーズ｣ (あすなろものがたり)
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＊157頁
＊発行 昭和62年
＊カバーデザイン・日下潤一 (C)日本アニメーション / 日本テレビ
＊1986年に日本テレビ系列で放映されたテレビアニメの文庫版
井上 靖 (いのうえやすし)
｢河岸に立ちて ― 歴史の川沙漠の川｣ (かわぎしにたちて)
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＊291頁
＊発行 平成元年
＊カバー・平山郁夫
＊カバー文
川は人間を育み、人間は川の恵みによって文明を築いた。川の畔りに立つと、往古の人々の姿が鮮やかによみがえる。―悠然と横たわる黄河や揚子江。沙漠の砂の中に消えていく西域の川。セーヌやラインなど伝統を背負ったヨーロッパの川。…著者が旅の中で出会い、心を奪われた〈歴史の川〉〈沙漠の川〉の魅力を余すところなく伝える。自に撮影したカラー写真45枚を添付。
＊解説頁・大岡信
井上 靖 (いのうえやすし)
｢忘れ得ぬ芸術家たち｣ (わすれえぬげいじゅつかたち)
＊カバー・平野甲賀
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＊170頁 / 発行 昭和61年
＊カバー文
法隆寺壁画の模写に没頭し、戦争のさなかに法隆寺へ向う列車の中で倒れた日本画家の荒井寛方。烈しく一途に美を語り、最初の出会いから著者をとりこにしてしまった陶工・河井寛次郎。ほかに橋本関雪、上村松園、国枝金三など、著者が美術記者時代にめぐり会った画家や陶芸家たちとの交わりを中心に、美の創造者たちの内面と風貌を生き生きと描き、鎮魂の思いあふれる美術エッセイ集。
＊目次
Ⅰ
河井寛次郎のこと / 荒井寛方 / 橋本関雪 / 前田青邨のこと / 国枝金三 / 上村松園 / ｢坂本繁二郎追悼展｣を見る / 須田国太郎の世界
Ⅱ
岡倉天心 / 岡鹿之助の｢帆船｣について / ｢湖畔｣の女性 / 広重の世界 / 美女と龍 / 安閑天皇の玉碗 / 白瑠璃碗を見る / 妙来形立像
解説 高階秀爾
親本
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井上 靖
｢忘れ得ぬ芸術家たち｣
新潮社
＊170頁
＊発行 1983年
＊単行本
井上 雪 (いのうえゆき)
｢廓のおんな 金沢 名妓一代記｣ (くるわのおんな)
＊カバー写真
(C)TAKAHIRO MIYAMOTO
SEBUN PHOTO
amanaimages
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＊320頁 / 発行 2016年
＊カバー文
百円 ── それが彼女の値段だった。山口きぬは父によって、東の廓｢福屋｣へ身売りされた。明治三十三年、わずか七歳の折の出来事だ。置屋の養女となったきぬは、厳しい暮らしに耐え、踊り、三味線、鼓の稽古に励み、やがて金沢を代表する名妓鈴見となる……。明治から昭和まで、城下町の世相を背景に、花街に生きる女の華やかさと、その裏の切ない心情を描き切った、不朽の名著。
＊目次
雛妓(すうぎ)の頃
梅ノ橋 / 姉妹のこと / たあぼの頃 / 振袖芸者 / ロシア俘虜と廓 / 水揚げの日
芸者の頃
芸のこと / 廓遊びの四季 / 観音町ぐらし / 愛人とともに
女将(おかみ)の頃
｢すず見｣のあるじに / 芸者をそだてる / 戦争のあとさき / 戦後の廓 / おんなふたり
解説 井上理津子
＊朝日文庫版(サイト内リンク)
井伏 鱒二 (いぶせますじ)
｢かきつばた・無心状｣ (かきつばた・むしんじょう)
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＊264頁
＊発行 1994年
＊カバー装画・平松礼二
＊カバー文
著者は知人の家で池の中にかきつばたの狂い咲きを見た。が、見たものはそれだけではなかった。水面には女の死体が浮いていたのだ―終戦時の混乱を描いて鬼気迫る｢かきつばた｣。早稲田の貧乏学生の著者は田舎の兄に送るつもりだった無心状を、あろうことかレポートと取り違えて敬愛する師・吉田絃二郎に提出してしまった ― ほのぼのと心なごむ青春回想記｢無心状｣。名品全15編。
＊解説頁・小沼丹
井伏 鱒二 (いぶせますじ)
｢集金旅行｣ (しゅうきんりょこう)
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＊213頁 / 発行 昭和32年
＊カバー文
あるアパートの主人が死んで、小学一年の男の子が一人残された。主人と親しかった"私"は、部屋代を踏み倒して逃げた人たちから勘定を取立てるため、昔の恋人に慰謝料を請求する年増美人"コマツさん"を伴って飄々と集金旅行に出たが……。諷刺とユーモアに富む風俗絵巻『集金旅行』ほか、『追剥の話』『因ノ島』『白毛』『丑寅爺さん』『開墾村の与作』『釣場』の7編を収録。
＊解説頁・山本健吉
井伏 鱒二 (いぶせますじ)
｢多甚古村｣ (たじんこむら)
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＊193頁
＊発行 昭和25年
＊カバー・香月泰男
＊カバー文
甲田巡査の駐在日記の形で、南国の海辺の村、多甚古村に起った喧嘩、醜聞、泥棒、騒擾など、庶民の実生活が軽妙に描かれ、これに対するに苦労人で平和を愛する甲田巡査の思いやりある暖かい心情を配置して、井伏文学独特の山あり川ありといった人生縮図を展開させる。平俗の言葉を使って文体の気品、格調は高く、庶民を描きつつ庶民に溺れぬきびしさを持つ代表的長編小説。
＊解説頁・伊藤整
井伏 鱒二 (いぶせますじ)
｢釣師・釣場｣ (つりし・つりば)
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＊185頁
＊発行 1964年
＊平成5年刊｢新潮文庫の復刊｣版カバー
＊カバー文
三浦三崎の鯛に甲州のヤマメ。長良川の鮎に奥日光のマス。釣好きで知られる著者が、全国各地の釣の穴場を旅し、土地土地の釣名人に教えを乞う。虚心坦懐に糸を垂れ、一瞬の引きに手先の神経を集中する ― 。釣の醍醐味と旅の風情溢れる、飄逸な味わいの井伏流釣魚記・釣談義全12編。
＊目次
三浦三崎の老釣師 / 外房の漁師 / 水郷通いの釣師 / 尾道の釣・鞆ノ津の釣 / 甲州のヤマメ / 阿佐ヶ谷の釣師 / 最上川 / 庄内竿 / 長良川の鮎 / 奥日光の釣 / 笠置・吉野 / 淡路島
今江 祥智編 (いまえよしとも)
｢それはまだヒミツ 少年少女の物語｣
＊カバー装画・柴田純与
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＊315頁 / 発行 2012年
＊カバー文
いやなことも、楽しいことも、まとめてひとつ ── 。男ばかり四人兄弟のぼくをいつも受け入れてくれた、おばの死。担任に言われてバスケの試合にしぶしぶ出した、どんくさいクラスメートのフリースロー。八年前におぼれて死んだ少年と出くわした夏のプール。毎晩立て続けに見る、いやな夢……。苛立ちや葛藤、そして歓び。生命力に満ち溢れた十代の心をリアルに描く傑作アンソロジー。
＊目次
グッド・オールド・デイズ 石井睦美
セカンド・ショット 川島誠
なんの話 岡田淳
亮太 江國香織
オーケストラの少年 阪田寛夫
先生の机 俵万智
いまとかあしたとかさっきとかむかしとか 佐野洋子
二宮金太郎 今江祥智
ハードボイルド 長新太
主日に 長谷川集平
親指魚 山下明生
原っぱのリーダー 眉村卓
きみ知るやクサヤノヒモノ 上野瞭
ばく 夢枕獏
編者あとがき 今江祥智
忌野 清志郎 (いまわのきよしろう)
｢忌野旅日記｣ (いまわのたびにっき)
＊カバー・忌野清志郎
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＊243頁 / 発行 1993年
＊カバー文
ステージ狭しと飛び跳ね、ソウルフルにシャウトする―。日本ロック界のボス・忌野清志郎が、旅の徒然に見聞きしたオカシなヤツらの笑えるウラ話をイマーノ言葉で語り尽くす。泉谷しげる、山下洋輔、桑田佳祐など、音楽業界の重鎮総登場。さらに、タイマーズ、細野晴臣、井上陽水、MG’S、小林薫篇を加筆し、最新の活動までフォローしたロック・ギョーカイ交遊録エッセイ完全版。
＊目次
前口上
話の1 三浦友和君は胃袋も心もデカイヤツなんだぜ
話の2 泉谷しげるは犯人役を地で出来る稀少な役者だぜ
話の3 ソウル・ブラザーJBのヒミツを見てしまったぜ
話の4 川崎徹さんには半ズボンとあけびの帽子が似合うぜ
話の5 ロンドンはバカ濃い霧と紅茶でオレを歓迎したぜ
話の6 オレを追ってオーグラがやって来たぜ
話の7 某ドイツ製高級スポーツカーはアウトバーンをひた走ったぜ
話の8 ジョニー、ルイス＆チャーと『ひょうきん族』へ出てしまったぜ
話の9 ディスコで踊りまくる坂本龍一は純なヤツだぜ
話の10 RCミーハーの温泉主人がもてなしてくれたぜ
話の11 ドクトル梅津は甲殻類が大のニガテだぜ
話の12 DUBはショーガないヤツの集まりみたいだぜ
話の13 カゲキなアン・ルイスちゃんは素敵な素顔を持ってるぜ
話の14 元RCボーヤの三宅伸治はスター候補生だぜ
話の15 春日“ハチ”博文がゴーインなのはギターだけじゃないぜ
話の16 サンセッツの面々は海外で顔がきくんだぜ
話の17 サンプラザ中野はなかなかイイ目をしているぜ
話の18 シュークリームシュのマリちゃんがさわっていい？ と聞いたぜ
話の19 年末はチャボの家に乱入してひさこちゃんにもてなしてもらったぜ
話の20 マジメな山下洋輔サンは飲むと人間が変わるんだぜ
話の21 タラコくちびるの桑田佳祐は礼儀正しいヤツだぜ
話の22 海を越えてきたヤツらが笑いと感動の龍巻を起こしていったぜ
話の23 ミッキーとトッパーの自宅を訪問してきたぜ
話の24 高井麻巳子ちゃんは遠近法を使って写真を撮ったぜ
話の25 イアン・デューリーとデイビーは二人だけの世界へ入っていたぜ
話の26 ザ・タイマーズのゼリーは煙といっしょに消えてったぜ
話の27 プロデューサーの細野さんはタッペイちゃんのポッキー仲間だぜ
話の28 陽水はオレが教えた『転調』にミョ－に驚いてたぜ
話の29 憧れのメンフィスはゴキゲンなド田舎だったぜ
話の30 競馬にウルさい俳優小林薫さんはフクロにもウルさいぜ
あとがき / あとがきのあとのあとがき / 忌野中毒 角田光代
＊構成 片岡たまき / イラスト 忌野清志郎
色川 武大 (いろかわぶだい)
｢なつかしい芸人たち｣ (なつかしいげいにんたち)
＊カバー装幀・南伸坊
めんこ＝『めんこグラフィティ』(光琳社出版)
鷹家春文所蔵・編よし
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＊314頁 / 発行 平成4年
＊カバー文
学校をサボって浅草六区に通い詰めた幼少の頃から、映画・テレビの普及した今日まで、著者が心ひかれ、熱い視線を注ぎ続けた、忘れがたい芸人たち。かれらは、独特の芸と異才で人気を博したが、どこか危ういはみ出し者でもあった……。エノケン、ターキー、金語楼など名だたるスターはもとより、青バットの大下、ヒゲの伊之助から、トニー谷、左卜全、渥美清まで、奇人・変人が総登場！
＊目次
化け猫と丹下左膳
馬鹿殿さま専門役者 ── 小笠原章二郎のこと
アノネのオッサン
故国喪失の個性 ── ピーター・ローレ
流行歌手の鼻祖 ── 二村定一のこと
ガマ口を惜しむ ── 高屋朗のこと
誰よりトテシャンな ── 岸井明のこと
マイナーポエットの歌手たち
チャンバラ映画の悪役たち
パピプペ パピプペ パピプペポ ── 杉狂児のこと
敗戦直後のニューフェイス
浅草有望派始末記
いい顔、佐分利信
怒りの金時の名寄岩
ロッパ・森繁・タモリ
青バット 赤バット
超一流にはなれないが ── 原健策のこと
ヒゲの伊之助
バンのおとうさん
話術の神様 ── 徳川夢声のこと
明日天気になァれ ── 春風亭柳朝のこと
歌笑ノート
日曜娯楽バーン ── 三木鶏郎のこと
プーちゃんマイウェイ ── 市村俊幸のこと
渥美清への熱き想い
とんぼがんばれ ── 逗子とんぼのこと
エンタツ・アチャコ
忍従のヒロイン ── 川崎弘子のこと
リズムの天才 ── 笠置シズ子のこと
金さまの思い出 ── 柳家金語楼のこと
アナーキーな芸人 ── トニー谷のこと
本物の奇人 ── 左卜全のこと
あこがれのターキー ── 水の江瀧子のこと
エッチン タッチン
有島一郎への思い入れ
唄のエノケン
解説 矢野誠一 / カット 南伸坊
岩瀬 達哉 (いわせたつや)
｢血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀｣ (けつぞくのおう)
＊カバー写真・時事
デザイン・新潮社装幀室
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＊394頁 / 発行 2014年
＊カバー文
米相場で破産、没落した家名を再興すべく、松下幸之助は九歳で大阪へ丁稚奉公に出た。事業拡大への飽くなき執念は、妻と始めた家内工業を従業員38万人の一大家電王国へと成長させた。されど、好事魔多し。盟友だった義弟との訣別、GHQの圧力、後継者問題、スキャンダル……。激動の時代を背景に、数々の神話に彩られた｢経営の神様｣を、新資料と徹底取材で丸裸にした評伝決定版。
＊目次
序章 里道を抜けて
第一章 “神話”の始まり
第二章 十一歳の家父
第三章 家族三人の作業場
第四章 師であった男
第五章 ラジオの時代
第六章 一大コンツェルンの誕生
第七章 ある海軍大将の日記
第八章 義兄弟の違う道
第九章 崩れゆく王国
第十章 新たな市場へ
第十一章 密使のアメリカ工作
第十二章 シナリオにない涙
第十三章 燃え上がる老松
第十四章 君臨する｢教主｣
第十五章 八十五年の時を経て
終章 ふたつの家族
あとがき
解説 江上剛
本文引用文献 / 主要参考文献 / 参考資料 巻末
岩田 豊雄 (いわたとよお)
｢海軍｣ (かいぐん)
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＊359頁
＊発行 昭和37年
＊カバー文
真珠湾攻撃における特殊潜航艇九勇士の活躍は、当時、史上空前の壮挙とうたわれた。本書は、これら九人の勇士を生んだ“海軍”を主題に、勇士の一人をモデルとしてその人間性を愛情深く描きながら、国運を賭した大戦に直面した国民の緊張感、必死の覚悟を如実に伝えている。太平洋戦争の生んだ注目すべき作品の一つであり、日本海軍の精髄を語る記念的作品である。
＊解説頁・河盛好蔵
＊岩田豊雄は獅子文六の本名。
岩野 泡鳴 (いわのほうめい)
｢泡鳴五部作(上下)｣ (ほうめいごぶさく)
＊平成6年刊｢新潮文庫の復刊｣版カバー
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＊上巻368頁・下巻480頁 / 旧仮名旧字体 / 発行 昭和30年
＊カバー文
上巻
因襲や道徳にとらわれず自己発展のみを己の人生哲学に据えた文学者は、妻子を捨て、妾を求め、妾を捨て、新たな事業を求めた。全てを犠牲にして己の生を貫こうとする人間を赤裸々に写して日本の自然主義文学に新たな地平を切り拓いた連作長編。前編｢発展｣｢毒薬を飲む女｣を収録。
下巻
｢おれは宇宙の帝王だ！ 否、宇宙その物だ！｣義雄の自我独存の演説は人々の失笑を買い、狂気ととり沙汰された。北海道の太地を舞台に失意の放浪は続くが……。自我の要求を唯一の行動原理として、文学即実行を目指した泡鳴文学白眉の大作。後編｢放浪｣｢断橋｣｢憑き物｣を収める。
＊解説頁・吉田精一
