絶版文庫書誌集成

新潮文庫 【あ】

会津 八一 (あいづやいち)
「自註鹿鳴集」
 (じちゅうろくめいしゅう)


*「新潮文庫の復刊」版カバー
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*カバー・槙誠五郎

*280頁
*発行 昭和44年

*カバー文
歌人、美術史家、書家としての碩学を世に謳われた会津八一。万葉調、良寛調を昭和に蘇らせて、その歌人としての名を決定的に高めた代表作を処女歌集と併せて作者自ら注解する。美術史の教養と芸術的意図をふんだんに盛り込むことで、近代文学史上稀有の存在となった最晩年の労作。

*解説頁・宮川寅雄
*写真・入江泰吉


青木 冨貴子 (あおきふきこ)
「占領史追跡 ニューズウィーク東京支局長パケナム記者の諜報日記」 (せんりょうしついせき)


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*404頁 / 発行 平成25年
*カバー写真・上段左より マッカーサーと昭和天皇、C・パケナム、鳩山一郎 / 下段左より ハリー・カーン、岸信介、ジョン・フォスター・ダレス、吉田茂

*カバー文
占領時代の歴史を追う著者が発見したニューズウィーク東京支局長パケナムの『日記』。そこから見えてきたのは、知られざる戦後日本の深層だった。昭和天皇と米政権の中枢を非公式ルートでつないだ男たちが水面下で描いた「影のシナリオ」とは何か……。日本政治の裏面と英国人記者の数奇な人生を徹底追跡した本格ノンフィクション! 『昭和天皇とワシントンを結んだ男』改題。

*目次
第一章 鳩山邸を訪ねる英国人記者
第二章 マッカーサーに嫌われた男
第三章 占領された日本への再入国
第四章 「昭和天皇の側近」松平康昌
第五章 フリーメーソンへの誘い
第六章 天皇の伝言とパケナム邸の夕食会
第七章 鳩山一郎とダレスの秘密会談
第八章 マッカーサー解任と日本の独立
第九章 岸政権誕生のシナリオ
第十章 パケナム追跡
終章 多磨霊園に眠る
 あとがき
 文庫版のためのあとがき
 主要参考文献
 解説 佐藤優


赤瀬川 原平 (あかせがわげんぺい)
「櫻画報大全」 
(さくらがほうたいぜん)


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*発行 1985年 / 589頁

*カバー文
騒然とした世情の余韻まだ冷めやらぬ1970年7月、『朝日ジャーナル』誌上に誕生した「櫻画報」はその後、虚構と現実を往復しつつ、各活字メディアを次々と乗取り発表された。 ― そして『櫻画報大全』に至るまで装いを変え三たび刊行された「櫻画報」が今、文庫版を身にまとい登場、作家・尾辻克彦でもある著者の赤瀬川名義における金字塔、不滅のパロディ・イラストレーション集!

*目次
アルバム 櫻画報
櫻画報 一九八五年文庫版への序文
櫻画報 一九七七年最終決定版への序文
櫻画報 一九七四年練馬版への序文
野次馬軍団宣言 一九七四年練馬版への序文
野次馬軍団宣言
櫻画報特別号
野次馬画報
櫻画報〈一〉
包紙回収事件の全貌
櫻画報〈ニ〉
主筆デスク日記
〈附〉桜・馬に関する主筆作品
櫻画報海外版
櫻画報外伝
続・主筆デスク日記
あとがき
続・あとがき
文庫版あとがき
解説座談会
 櫻ギャラリィ 目次 (略)


阿川 弘之 (あがわひろゆき)
「水の上の会話」
 (みずのうえのかいわ)


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*357頁 / 発行 昭和58年
*カバー・高松次郎

*カバー文
復員して被爆地広島に家族の安否をたずねる処女作『年年歳歳』から、東南アジアを回る貨物船の機関長の心象を描く表題作、そして最近作の『さくらの寺』まで、著者の短編の成果全14編を収める。淡々とした筆致の中に、諧謔に満ちた語り口の中に、人間の実相への透徹した眼差しを孕んで、著者の精神の軌跡をうかがわせる珠玉の作品集。作品後期を併せて収録。

*目次
年年歳歳 / 霊三題 / 八月六日 / こけし / 鱸とおこぜ / 夜の波音 / 友をえらばば / スパニエル幻想 / 歪んだ自画像 / 水の上の会話 / 空港風景 / 花馬湾 / テムズの水 / さくらの寺 / 作品後記 / 解説 磯田光一


秋尾 沙戸子 (あきおさとこ)
「ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後」


*カバー写真・ワシントンハイツから出てくるアメリカの大型車
(昭和30年)
 写真提供・白根記念渋谷区郷土博物館・文学館
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*545頁 / 発行 2011年

*カバー文
終戦からほどなく、東京の真ん中に827戸を擁する米軍家族住宅エリアが出現した。その名も「ワシントンハイツ」。「日本の中のアメリカ」の華やかで近代的な生活は、焼け野原の日本人にアメリカ的豊かさへの憧れを強烈に植え付けた。現代日本の「原点」ともいうべき占領期を、日米双方の新資料と貴重な証言から洗いなおした傑作ノンフィクション。日本エッセイスト賞受賞。

*目次
序章 帝国アメリカの残像
第一章 青山表参道の地獄絵図
第二章 ある建築家の功罪と苦悩
第三章 「ミズーリ」の屈辱
第四章 乗っ取られた代々木原宿
第五章 オキュパイド・ジャパン
第六章 かくて女性たちの視線を
第七章 GHQデザインブランチ
第八章 まずは娯楽ありき
第九章 有閑マダムの退屈な日々
第十章 尋問か協力か
第十一章 GHQのクリスマス
第十二章 立ち上がる住民たち
第十三章 諜報部員「ニセイ・リンギスト」
第十四章 アイドルの誕生
第十五章 瓦解したアメリカ帝国
第十六章 そして軍用ヘリは舞い降りる
終章 視界から消えた「占領」
あとがき / 文庫版あとがき
主要参考文献
解説 片岡義男


秋山 駿 (あきやましゅん)
「信長」
 (のぶなが)


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*567頁
*発行 平成11年
*カバー装画・戸屋勝利

*カバー文
日本史上、もっとも非凡、もっとも独創的、もっとも不可解な男―信長。桶狭間から本能寺まで、従来の日本的な発想では理解出来なかった信長の行動を、プルターク『英雄伝』、スタンダール『ナポレオン』など、東西の古典を縦横に引いて明らかにしてゆく。並みいる世界の指導者と対比し、その比類なきスケールの「天才性」に迫る、前人未到の力業。野間文芸賞、毎日出版文化賞受賞作。

*解説頁・石原慎太郎


阿久 悠 (あくゆう)
「歌謡曲の時代 ― 歌もよう人もよう」 (かようきょくのじだい)


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*335頁 / 発行 2007年
*カバー写真・(C)Micheal Simpson/Getty Images タイトル書き文字は著者

*カバー文
「勝手にしやがれ」「あの鐘を鳴らすのはあなた」「ペッパー警部」…。今も人々が口ずさむ、五千を超すヒット曲を作詞し、平成十九年に世を去った阿久悠。「歌謡曲は時代を食って巨大化する妖怪である」と語った稀代の作詞家が、歌手との思い出、創作秘話、移り行く時代を、鋭く、そして暖かな眼差しで描く。歌謡曲に想いを託し、日本人へのメッセージを綴った珠玉のエッセー。

*目次
 妖怪としての歌謡曲〜序にかえて
T 人もよう時のうつろい
U 歌もよう演歌の風景
V 人もよう出逢いと別れ
W 歌もようアイドルの変幻
X 人もよう人の世の相
Y 歌もよう流行歌の心
Z 人もよう男と女のかたち
 歌謡曲の時代年表
 解説 近田春夫


芥川 龍之介 (あくたがわりゅうのすけ)
「煙草と惡魔」
 (たばことあくま)


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*129頁 / 発行 昭和24年 / 旧仮名旧字体

*目次
ひよつとこ
野呂松人形
煙草と惡魔
煙管
MENSRA ZOILI
道祖問答
さまよへる猶太人
二つの手紙
片戀
 解説 瀧井孝作


朝日新聞社会部 (あさひしんぶんしゃかいぶ)
「神田川」 
(かんだがわ)


*カバー・石丸弥平
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*185頁 / 発行 昭和61年

*カバー文
井の頭池に源を発する神田川は、東京のど真ん中、ビルの谷間を流れて柳橋で隅田川にそそぐ。両岸はコンクリートで固められ、水質も汚れてしまっているけれど、川辺には江戸時代以来の、川とかかわりあった暮しが営まれている。本書は、神田川を下流から上流へと遡りながら、下町から山の手へとおもむきを変える街の姿と、そこに残る由来の数々を石丸弥平のスケッチとともに綴る。

*目次
プロローグ ・ 小さな石鹸カタカタ鳴った / 柳橋にんきや ・ 忘れられた灯籠流し / 俥屋 ・ つぶれる料亭 / 浅草橋つち鉄 ・ 川底から壁土が / 人形問屋 ・ 趣味と実益の商売 / アキバガハラ ・ 運河のミステリー / 青物市場 ・ 神田っ子の勇み肌 / バラック ・ つみ草じいさんの話 / おなりみち ・ メガネ橋だった万世橋 / 開花楼 ・ へなちょこの起源 / 神田明神 ・ 銭形平次の墓が? / グラマー ・ ビルが攻めてくる / 聖橋かいわい ・ ニコライの堂役は大学生 / 漢方の町 ・ だいしやうべんつまり / 三崎町 ・ 青年団解放通知 / 御茶ノ水 ・ 大学と病院の街 / じんせい通り ・ ごはんは残さないこと / 臭い話 ・ オツリ現象防止法 / 古本屋 ・ 生きのびる道 / 給水物理学 ・ もいとりのつかさの話 / 山の上ホテル ・ かんづめサービス / 後楽園 ・ 空を飛んだ工員の足 / 江戸川 ・ ウナギのいけす / 神楽坂 ・ 早稲田に勝たせたいワ / 音羽の紙屋 ・ 鶏卵安定台紙の発明 / 牛込 ・ 文学・芸術・音楽 / 芭蕉庵 ・ 三〇〇年のどんどん / 低湿地早稲田 ・ 砂利場大将 / 高田馬場 ・ 安兵衛の五合枡は銀行に / はんらん ・ 都市の病理 / 落合文化村 ・ おとめ山の湧き水 / 染物の町 ・ 川の中に縁日の夜店 / 処理場 ・ 電車の客が川へ落ちた! / 中野新橋 ・ 料亭がマンションに / 淀橋 ・ 太陽が二つ照る街 / 立正佼成会 ・ 西独製パイプオルガンの音 / 方南町 ・ 四〇〇人分炊く釜 / あんにゃもんにゃ ・ 道路を曲げたたたりの木 / 杉並木 ・ 梅五郎・梅子の悲しい話 / 遺跡 ・ 「水豊陽多」の住条件 / 杉並の間男 ・ 七〇万円? の据え膳 / 高井戸宿 ・ 国鉄中央線に命を取られる / 井の頭線 ・ つけ文された女子車掌 / 鍛冶屋健在 ・ 四〇〇軒の農家 / ナタを追え ・ 交通巡査殺害事件の謎 / 久我山 ・ カタクリの花は残った / 情死 ・ 太宰が高めた玉川上水の名 / 浴風会 ・ 猫じいさんの話 / 水源 ・ 井ノ頭イガシラ / わたしの神田川 ・ まだ死んでいない! / あとがき / 解説 早乙女勝元


安部 公房 (あべこうぼう)
「死に急ぐ鯨たち」
(しにいそぐくじらたち)


*カバー写真・安部公房
 カバーデザイン・辰巳四郎
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*238頁 / 発行 1991年

*カバー文
いつ崩れるかほからない、危うい均衡の上に成り立つ現代世界。破局が来るその日まで、我々は引き延ばされた日常に居座り続けるつもりなのか?文学の最先端を疾走し続けてきた作家が、国家、科学、芸術、言語、儀式などを縦横に論じてゆく中で、時代を解く鍵が鮮やかに浮かび上がる……。論文、エッセイ、インタビュー、写真など多様な表現で、危機的現代を明快に摘出する評論集。

*目次
なぜ書くか……
T
シャーマンは祖国を歌う
U
死に急ぐ鯨たち / 右脳閉塞症候群 / そっくり人形 / サクラは異端審問官の紋章 / タバコをやめる方法 / テヘランのドストイエフスキー
V
錨なき方舟の時代 / 子午線上の綱渡り / 破滅と再生
W
地球儀に住むガルシア・マルケス / 「明日の新聞」を読む / 核シェルターの中の展覧会
 解説 養老孟司


阿部 知二 (あべともじ)
「冬の宿」
 (ふゆのやど)


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*193頁
*発行 昭和23年

*カバー文
昭和10年前後の知識人一般が、行動と思想を結びつけることができず、また行動とは盲目的な衝動にすぎぬのか、という懐疑に陥っている状態を、暗鬱な下宿生活を送る大学生の姿を通して描く。一時期高揚した社会運動がすべて禁圧され、軍閥の跳梁におののく“冬の時代”を背景に、昭和の知識階級が背負わねばならなかった問題を文学的に定着させ、その後に大きな影響を与えた作品。

*解説頁・松村達雄


嵐山 光三郎編著 (あらしやまこうざぶろう)
「インスタントラーメン読本」
 (いんすたんとらーめんどくほん)


*カバー・安西水丸
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*263頁 / 発行 昭和60年

*カバー文
最新の科学技術を結集、中国四千年の歴史を3分間に封じこめる“台所のスペースシャトル”インスタントラーメン。 全世界で年間100億食を売る驚異の即成食品の秘密とは? 研究開発秘話、受難の歴史、純近未来小説「ラーメンが消えた日」、編者自らによる101種完全踏破記録……。 橋本治、南伸坊、糸井重里など、多彩なゲストをまじえ、その魅力を徹底解剖する書下ろし即席めん百科全書。

*目次
プロローグ
即席対談 三分間のインスタント宇宙 嵐山光三郎vs南伸坊
嵐山光三郎の五泊六日、インスタントラーメン一〇一食
即席論文
 私、即席ラーメンの味方です ― 村松友視
 燃えあがる炎、インスタントラーメン ― 中沢新一
 思い知ったか! 四年目の完全勝利 ― 渡辺えり子
 れい子のヌードル・モノローグ ― 中村れい子
 インスタントラーメンは渡辺真知子だ ― 橋本治
 インスタントラーメン世界の消失。 ― 糸井重里
インスタントラーメン具の骨頂番付 世紀松番付審議会・編
〔純近未来小説〕 ラーメンが消えた日・嵐山光三郎
即席めんの開発・研究に捧げて幾星霜
インスタントラーメン受難史・波角ゴメン堂
インスタントラーメン即席ゼミナール
 
即席めん発展史年表
 インスタントラーメングッズ
 外人四人に聞きました ― 私とインスタントラーメン
 WORLD MAP
インスタントラーメン俳壇・歌壇 佐々木隆信 / 中村誠一 / 所ジョージ
人気即席めんリスト

 本文レイアウト・鳥居満デザイン事務所


嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「口笛の歌が聴こえる」 (くちぶえのうたがきこえる)


*カバー・安西水丸
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*465頁 / 発行 1988年

*カバー文
いたるところでブルドーザーがうなりをあげ、ついでに若者の頭の中も工事中だった東京、60年代。サルトルを片手に女の子をくどき、路地裏でチンピラと乱闘、就職試験トレーニングの合い間に火炎ビンを投げていたあの頃。唐十郎、三島由紀夫、安西水丸など数百人の実名オールスター・キャストで、オリンピックと安田講堂の東京を再現する、嵐山光三郎初の自伝的大河青春小説。

*目次
 東京の街は、どこも港町のようだった。 一九六四年冬。 口笛が風に舞う港町。
 実存主義とは何か。 サルトル学者、シンポジウムに登場し、 「われこそサルトル印ブランドだ」と丁丁発止の論戦。
 闇の徒党「東京薔薇色社交会」が密議する 寺山修司飼育計画とは何か。
 町はいずこも工事中だ。 工事中であることが、 町が生きている証なのだった。
 大学祭の統一テーマはやたらと長い 入試の倍率に比例して 永く難解だ。
 文部省中央教育審議会の 〈期待される人間僧〉第十条は、 「消費文化におぼれてはいけない」
 さよならタンメン袋小路 ── 恋文横丁、一夜にして焼亡。 英介、焼け焦げた街を検屍する。
 セップンとウンコが人間を動かす ── 精神分析の授業そのままに、 英介、金粉ショーの死の淵をかいま見る。
 一九六五年夏。 ベトナム北爆のさなか、学生は就職戦線の日常だ。 夏の昼下がり、渋谷ではウィンチェスター銃の市街戦。
 周造、暴漢に胸を撃たれて死す。 「涙の連絡船」を聴きながらの通夜。
 平凡社は無頼の館だ。 奇人・変人・旗本・学者・詩人・ダダイスト入り乱れて 書物の砦に隠棲する。
 無届け無許可の野外公演。 唐十郎の「腰巻お仙」戸山ハイツを騒がす。
 ジャズバー・CATで、 英介、ハクイ女(スケ)に出喰わす。 難波律郎経営の「北ホテル」へ
 上石神井の壇一雄邸には昨夜の酒のにおいがたれこめていた。 英介、壇一雄を巨人戦へ連れ出す。
 三島由紀夫、死へ向かう突撃の美学。 いつか自己の「芯」を見せてやると、 ボディビルセンターで宣言した。
 新宿にフーテン族出現。 都市の地下沼から湧いてくる 新アブク民族だ。
 唐十郎の紅天幕が新宿花園神社に出現した。 客は汗に糸をひきあい、汗の納豆地獄となる。
 ラブミー農場の深沢七郎、 「うまいものはみんなウンコの匂いがする」と泰然自若。 時代の地殻変動もどこ吹く風だ。
 一九六八年一月、円谷幸吉が自殺した。 金嬉老事件。リボンとの別離。 英介二十六歳、その日暮らし。
 東大全共闘、安田講堂を占拠。 英介、武闘派の雄・大村秋人を トリスで陣中見舞する。
 横尾忠則、やるせない時代のヒーロー。 稼業は股倉絵師、 その圧倒的な俗悪さ。
 新宿炎上、10・21国際反戦デー。 山手線・中央線はストップし、騒乱罪が適用される。
 三億円強奪事件は、 時代の気分へ芯を通した無鉄砲な爽快感があった。 英介、犯人へ拍手をおくる。
 英介、新宿ビレッジ・バンガードで永山則夫と出喰わす。 生気のない曇りガラスの目の男だ。 永山、すでに四人殺している。
 東大安田講堂落城する。 列品館の炎上、こいつは気分がいい活劇だ。
 さらば新宿、さらばヤツデ荘、さらば口笛の街。さらばトミー。 涙が出てきてとまらない。 燃えろ野良犬の街。
 時代テーブル'64〜'69 / 虚実登場人物索引 / 解説・唐十郎

新風舎文庫版(サイト内リンク)


嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「追悼の達人」 (ついとうのたつじん)


*カバー装画・中島洋子
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*642頁 / 発行 平成14年

*カバー文
死んでけなされた漱石。切腹を許されなかった鴎外。追悼によって世に出た宮沢賢治。臨終の田山花袋に「死ぬ気分はどんなものかね」と訊ねた島崎藤村……死にまつわるエピソードは、小説家の生身の姿を鮮やかに浮き彫りにする。文人たちは知人の死をどう捉え、どう表現したのか? 明治、大正、昭和の文士四十九人の死に寄せられた傑作追悼文や弔辞を通して、近代文学の新たな一面を語る。

*目次
明治
正岡子規(35年9月19日) ―― 死んで百余の句となる
尾崎紅葉(36年10月30日) ―― 親分は哀しい
小泉八雲(37年9月26日) ―― 死もまた「怪談」
川上眉山(41年6月15日) ―― とまどう追悼者たち
国木田独歩(41年6月23日) ―― 嫌われた自分流
二葉亭四迷(42年5月10日) ―― 文学では死身になれない?
石川啄木(45年4月13日) ―― 新聞記者の友情
大正
上田敏(5年7月9日) ―― 葬式に行かない理由
夏目漱石(5年12月9日) ―― 漱石をけなした人々
岩野泡鳴(9年5月9日) ―― ちょうど死にごろ
森鴎外(11年7月9日) ―― 切腹を許されなかった軍医
有島武郎(12年6月9日) ―― 情死をどう追悼するか
滝田樗陰(14年10月27日) ―― 編集者への追悼
昭和
芥川龍之介(2年7月24日) ―― 「お父さん、よかったですね」
若山牧水(3年9月17日) ―― アル中患者を成仏させる
小山内薫(3年12月25日) ―― 役者は死人にすがりつく
内田魯庵(4年6月29日) ―― 毒舌家が死ぬと、どう言われるか
岸田劉生(4年12月20日) ―― 飛びすぎた鷲
田山花袋(5年5月13日) ―― 臨終問答
小林多喜二(8年2月20日) ―― 虐殺された者への鎮魂
巌谷小波(8年9月5日) ―― ユカイなおじさんの死
宮沢賢治(8年9月21日) ―― 追悼でよみがえる
竹久夢二(9年9月1日) ―― 女にもてた画家はうとまれる
坪内逍遥(10年2月28日) ―― 遊女を妻とした男
与謝野鉄幹(10年3月26日) ―― 復讐する挽歌
鈴木三重吉(11年6月27日) ―― 罵倒しても友情
中原中也(12年10月22日) ―― 追悼なんてくそくらえ
岡本かの子(14年2月18日) ―― 女は追悼で二度化ける
泉鏡花(14年9月7日) ―― つきあい嫌い
萩原朔太郎(17年5月11日) ―― 死んだきみの腹がへる
与謝野晶子(17年5月29日) ―― 嘘から出た真実
北原白秋(17年11月2日) ―― 義絶した友へ
島崎藤村(18年8月22日) ―― 狡猾なエゴイストの死
幸田露伴(22年7月30日) ―― おれはもう死んじゃうよ
横光利一(22年12月30日) ―― 讃辞に耐える
太宰治(23年6月13日) ―― 若年にして晩年
林芙美子(26年6月28日) ―― 生も恐ろし、死も恐ろし
斎藤茂吉(28年2月25日) ―― あかあかと一本の道
堀辰雄(28年5月28日) ―― 逞しき病人
高村光太郎(31年4月2日) ―― 死者アンケート
永井荷風(34年4月30日) ―― 追悼する人が試される
火野葦平(35年1月24日) ―― 芥川になれなかった侠客
柳田国男(37年8月8日) ―― 柳田はなぜ旅に行くか
谷崎潤一郎(40年7月30日) ―― 瘋癲老人の死
三島由紀夫(45年11月25日) ―― 再生する三島
志賀直哉(46年10月21日) ―― ナイルの一滴
川端康成(47年4月16日) ―― 末期(まつご)の眼
武者小路実篤(51年4月9日) ―― ボケた追悼の味
小林秀雄(58年3月1日) ―― 八十歳の若死
 あとがき / 文庫本のあとがき / 追悼の至道 林望 / 主要参考文献
  カット 森英二郎


有栖川 有栖編 (ありすがわありす)
「大阪ラビリンス」
(おおさかlabyrinth)


*カバー装画・影山徹
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*383頁 / 発行 2014年

*カバー文
大阪―ここは数多の物語を生み出してきた迷宮都市である。 / ミステリ、SF、純文学。ジャンルを越えた傑作小説11編を人気作家がセレクト。

*目次
ラビリンスへようこそ 有栖川有栖
 橋の上 宇野浩二
 面影双紙 横溝正史
 大阪の女 織田作之助
 大阪の穴 小松左京
 梅田地下オデッセイ 堀晃
 コンニャク八兵衛 田辺聖子
 川に消えた賊 有明夏夫
 おたふく 岩阪恵子
 天幕と銀幕の見える場所 芦辺拓
 火花1/火花2 柴崎友香
あとがきにかえて 有栖川有栖


アルフレッド・コルトオ著 河上 徹太郎訳 (ASPECT DE CHOPIN / かわかみてつたろう)
「ショパン」
(Alfred Cortot)


*カバー画像・平成6年発行「新潮文庫の復刊」版
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*291頁 / 発行 1952年

*目録文
ピアノを弾く人間の手がどのように心と結びつき、音楽をつくるのか。近代フランス最高の名ピアニスト、A・コルトオが心からの敬愛の念をもって語るユニークなショパン論。

*目次
T 肖像畫を通じて
U ショパンの手
V ヘ師としてのショパン
W ショパンの作品 ―― 書簡を通じて見たる
X ショパンがフランスに負ふもの
Y ショパンの演奏會
Z ショパンの性格
あとがき


安西 水丸 (あんざいみずまる)
「青山の青空」
(あおやまのあおぞら)


*カバー・安西水丸
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*230頁 / 発行 1993年

*カバー文
雨が降る日も曇る日もあるけれど、ぼくの心の中の青山はいつも晴れだ。今日はふらりと映画でも見に行こうか。銀座に出て路地裏の居酒屋で一人酔おうか。それとも…。仕事場を構える青山で、著者が折りにふれ感じたこと、思ったこと、考えたこと。そんなささやかな日常の気分を、イラストレーションと文章で綴ったエッセイ集。巻末には、漫画家・柴門ふみ氏とのオリジナル対談付き。

*目次
 まえがき
第1章 僕の風景
第2章 街の風景
第3章 時の風景
 あとがき
〈特別対談〉「プレゼント」 柴門ふみ×安西水丸


安西 水丸・和田 誠 (あんざいみずまる・わだまこと)
「青豆とうふ」 (あおまめとうふ)


*カバー 和田誠・安西水丸
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*245頁 / 発行 2011年

*カバー文
ジャンルを越えて活躍するふたりのイラストレーターが、交互に絵と文を描いたエッセイ集。お題を決めず、俳優のハゲ頭からスタートした話は、時代を飛び越え、世界を回り、映画に音楽、旅行にファッションと、まったく予想のつかない展開に。イラスト満載、和田・安西ワールドの魅力が存分に詰まった楽しさ溢れる一冊。解説は村上春樹さん、本のタイトルも村上さんがつけました。

*目次
まえがき (和田誠)
安西 ハゲの話
和田 ハゲの話→カツラ→編集長の伝説→取材の話
安西 取材の話→建築家→フランク・ロイド・ライト
和田 フランク・ロイド・ライト→映画の中の建築→ループタイ→アシモフ→カレル・チャペック
安西 カレル・チャペック→ロボット→理科室の人体模型
和田 理科室の人体模型→山口百恵→美空ひばり
安西 美空ひばり→似顔絵→スノードーム→ワールド・トレード・センター
和田 ワールド・トレード・センター→キングコング→初めてのNY→お小遣い
安西 お小遣い→よい子の会→GIキャップとアメリカ兵→英語向きの声→市原悦子
和田 市原悦子→昔観た舞台→来日したシナトラとビートルズ→寺山修司
安西 寺山修司→サラリーマン時代の失敗→芸の話
和田 芸の話→学生時代の歌
安西 学生時代の歌→予言→占い
和田 占い→怪奇的体験
安西 怪奇的体験→白い着物の女→騙された話
和田 ニセモノ→京都好き嫌い→ファン
安西 ファン→ファンレター→淀川長治→ジェイムズ・ステュアート→IVYファッション
和田 IVYファッション→ブルックス・ブラザーズ→マルクス兄弟→アルファベット順とアイウエオ順
安西 アルファベット順とアイウエオ順→カシオペア座→ニックネーム
和田 ニックネーム→和田違い→粋な計らい
安西 粋な計らい→食い逃げ→ローマ→映画で観た景色
和田 映画で観た景色→俳優の歳のとり方→ハゲの話
 あとがき (安西水丸)
 『青豆とうふ』文庫版のおまけ 村上春樹


アンドレ・ジッド著 辰野隆他訳 (たつのゆたか)
「秋の斷想」 
(あきのだんそう)


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*312頁 / 発行 昭和27年
*カバー画像・平成6年発行「新潮文庫の復刊」版

*カバー文
人間性の自由を求める偉大な個人主義者ジッドが残した偏見のない精神と鋭い批判力。本書は、ノーベル賞作家ジッドの個人的な思い出。ヴァレリイへの追悼文。ゲーテ、マン、コンラッドなどの作家論。ニコラ・プサンの美術論など、一九二五年から四八年までに書かれた後期の随想集。

*目次
第一部
 春 …… 新庄義章譯
 春 …… 今日出海譯
 私の母 …… 朝吹三吉譯
 九月二十七日の事 …… 朝吹三吉譯
 アクワサンタ …… 朝吹三吉譯
 ディンデッキ …… 朝吹三吉譯
第二部
 ジョゼフ・コンラッド …… 中村眞一郎譯
 フランシス・ジャム …… 河盛好蔵譯
 ポオル・ヴァレリイの光輝 …… 河盛好蔵譯
 ポオル・ヴァレリイ …… 河盛好蔵譯
 ウージェンヌ・ダビを想ふ …… 中村眞一郎譯
 クリスチャン・ベック …… 中村眞一郎譯
 アントナン・アルトー …… 中村眞一郎譯
 メルキュール・ド・フランス …… 中村眞一郎譯
 白評論(ルヴィユ・ブランシュ) …… 中村眞一郎譯
第三部
 ゲエテ …… 辰野隆譯
 プサンの教へ …… 吉川逸治譯
 ロートレアモン …… 山本功譯
 アルチュール・ランボー …… 山本功譯
 ヴァルシーヌと會った三度のこと …… 山田?譯
 文學的囘想と現在の問題 …… 朝吹三吉譯
第四部
 『夜間飛行』の序 …… 堀口大學譯
 トーマス・マンの最近の文章を讀んで …… 渡邊一夫譯
 ジョン・ランベールによる佛譯
  ヘルマン・ヘッセ著『東方の旅』の序文 …… 原田義人譯
  ジョン・ラカーズの『出發の歌』への書翰體序文 …… 朝吹三吉譯
 正義か愛か …… 森有正譯
 勇氣 …… 森有正譯
 眞理 …… 森有正譯
第五部
 二つの架空會見記 …… 堀口大學譯
 頁 …… 堀口大學譯
 秋の斷想 …… 朝吹三吉譯
 書誌
 あとがき …… 朝吹三吉


アンドレ・ジッド著 生島 遼一訳
「法王庁の抜穴」
 (ほうおうちょうのぬけあな)


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*333頁
*発行 1952年
*カバー画像・平成6年刊「新潮文庫の復刊」版カバー

*カバー文
ローマに治療に来た無神論者アンチムに起った奇跡に、喚声と揶揄が乱れ飛んだ。悪党「百足組」が仕組んだローマ法王の幽閉詐欺事件に巻き込まれた善良な凡人アメデは、予期せぬ遺産を手にした美貌の私生児ラフカヂオの動機なき殺人の犠牲に……。錯綜する皮肉と諷刺の傑作長編。

*解説頁(あとがき)・訳者


アンドレ・マルロー著 滝田 文彦訳 (たきたふみひこ)
「王道」 
(おうどう)


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*219頁
*発行 昭和45年
*カバー画像・平成6年発行「新潮文庫の復刊」版カバー

*カバー文
インドシナへ向う船中で青年考古学者クロードは、何かに憑かれたような冒険家ペルケンと出会う。二人は密林の中にかつての王道を探る探検の旅を共にし、艱難辛苦の末、見事なクメールの彫刻を発掘するが……。不条理に絶望しながらも力への意思に取り憑かれた人間を強烈に描く。


アンドレ・モロワ著・鈴木福一訳 (すずきふくいち)
「アメリカ史(上
)」 (あめりかし)


*「新潮文庫の復刊」版カバー
(デザイン・新潮社装幀室)
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*上巻358頁・下巻368頁・旧字体
*発行 昭和28年

*カバー文
上巻
いかにしてヨーロッパ人が新大陸に到達していったのか。新しい国家アメリカなどのように形成されていったのか。新大陸における15世紀末のスペインの政策。16〜17世紀のイギリス人フランス人の植民地生活の状況、18世紀の独立戦争(一七七五〜一七八三)を経て新国家の誕生までを描く。
下巻
独立戦争後のアメリカ合衆国のロマンティックな封建時代は南北戦争(一八六一〜一八六五)とともに終止符を打つ。個人主義の発達と実業家の未曾有の繁栄の19世紀末、そして第一次世界大戦、株価大暴落、第二次世界大戦終結までの「アメリカ史」を「英国史」「フランス史」の著者が描く。


アンドレ・モロワ著 水野 成夫・小林 正訳 (みずのしげお・こばやしただし)
「英国史」〔上〕
 (えいこくし)


*平成5年19刷「新潮文庫の復刊」版カバー
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*371頁 / 発行 昭和33年 / 上下巻全2冊

*カバー文
今世紀屈指の英国通であるフランスの文学者モロウによる島国王国二千年の歴史の軌跡。本書ではローマおよびノルマン征服を経て、封建制度の盛衰、君主政治の勝利にみるエリザベス一世の全盛時代の16世紀まで、王侯から庶民にいたる全階級の赤裸の思考と生活と世界観を描破する。

*目次
原著書の序
凡例
第一篇 先住民族
第二篇 仏蘭西系諸王
第三篇 封建制度の盛衰(一二七二〜一四八五)
第四篇 チャードル王統、又は君主政治の勝利
 あとがき


安野 光雅 (あんのみつまさ)
「手品師の帽子」 (てじなしのぼうし)


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*212頁
*発行 昭和60年
*カバー・安野光雅

*カバー文
ストーン・ブレイン(石頭)博士によって創り出された2人、放浪の吟遊詩人と謎の手品師が、ある居酒屋で出合った。手品師は、あらゆるものを取り出せる帽子からあらゆるものを取り出せる帽子を取り出して、詩人に与えた。詩人はその中に入りこみ、自分たちの創造主を捜す旅に出る ―― 次元を超越した不思議な風景と物語が織り成す、著者唯一の創作ファンタジー。


安野 光雅 三木 卓 (あんのみつまさ みきたく)
「らんぷと水鉄砲」
 (らんぷとみずでっぽう)


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*229頁
*発行 昭和60年
*カバー・安野光雅

*カバー文
年々私たちのまわりから姿を消していく、手作りの玩具や道具たち、野の花 ― 日めくり、七輪、リリアン、ざる、紙芝居、ところてん、ふきのとう……。幼いころのたのしかった日を思い出させる品々、初めて出会ってもなぜか懐かしい気持を起させるものたちを、せめて絵に描きとめて残しておきたいと、一枚一枚に心をこめた画文集。絵と文で綴った日本ふるさと博物館。


アンリ・ド・モンテルラン(Henry de Montherlant) 堀口 大學訳 (ほりぐちだいがく)
「闘牛士」
(とうぎゅうし)


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*332頁・旧仮名旧字体
*発行 昭和26年
*カバー画像・平成6年刊「新潮文庫の復刊」版カバー

*カバー文
闘牛の技術中、素晴らしい身振りが一つある。それはじっと身動がずにいる牛の前に、闘牛士がひとり進み出て、牛に向かって胸をつき出し、足を踏み鳴らし、戦いを挑むあの瞬間である ―― 自分を超越する手段に闘牛を選び、そこに燃焼する精力に生の本質を捉えたモンテルランの代表作。