絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【あ】

赤江 瀑 (あかえばく)
「禽獣の門 赤江瀑短編傑作選〈情念編〉」
(きんじゅうのもん)
光文社文庫


*カバーデザイン・泉沢光雄
 カバーイラスト・寺門孝之
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*553頁 / 発行 2007年

*カバー文
 立花春睦(たちばなはるむつ)は能楽のシテ方S流家元の次男である。彼は能楽に奥深い美を見いだしながらも、虚無を感じていた。能の世界を離れデザイン関係の会社に勤めた春睦は、妻・(あかね)を連れて日本海の漁村を訪れる。そこで起こった衝撃的な出来事が、二人の関係に裂け目を生み出す(表題作)。
 巡りくる宿命、まとわりつく情念を描いた十作品を収録。

*目次
花夜叉殺し / 獣林寺妖変 / 罪喰い / 千夜恋草 / 刀花の鏡 / 恋牛賦 / 光悦殺し / 八月の蟹 / 万葉の甕 / 正倉院の矢
 人ならぬものとの恋 篠田節子
 解題 成田守正


赤江 瀑 (あかえばく)
「光堂」
(ひかりどう)
徳間文庫



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*317頁 / 発行 1996年
*カバー人形制作、題字=辻村ジュサブロー / カバーデザイン=秋山法子

*カバー文
 二十数年ぶりの新宿。五藤涼介は、そこで三千社文彦監督の幻の傑作と言われる映画『火雨』の上映会に出くわす。涼介は、かつてふとした出会いから三千社のアパートに引越した。一台のオート三輪で。車は東京の街なかを走っているのに、深い森の奥の径を、奥へ奥へと分け入って行くように見えた。異様な蔦や葛におおわれ、奇怪な巨木が蔓草がしげる ―― そう。あのオート三輪が、僕を妖怪の棲む森へ運んで行った。

*目次
美酒の満月 / 逢魔が時の犀 / YY庭(ようようてい)の幻術 / 青毛 / 雛の夜あらし / 夜市 / 光堂 / 艶(なまめ)かしい坂 / 青き鬼恋いうる山 / 解説 ムルハーン千栄子


赤江 瀑 (あかえばく)
「ポセイドン変幻」
(ぽせいどんへんげん)
集英社文庫


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*343頁
*発行 1994年
*カバー・堀晃 / AD・ZOO

*カバー文
何者かの手に寄せられるように、二人の女が旅立っていった山陰の海。そこには一匹の巨大な海魔に憑かれた青年と“地獄"が待っていた ―― 「ポセイドン変幻」。他に「恋牛賦」「灯籠爛死行」など、夢幻のエロスのなかに、清冽なリリシズムをたたえる著者独壇場の小説世界。

*目次
恋牛賦 / 春猿 / ポセイドン変幻 / ホタル闇歌 / 灯籠爛死行 / 八月は魑魅と戯れ / 解説 ―― 濃密なエロティシズムの陰に潜むもの……司 修


赤松 光夫 (あかまつみつお)
「女刺客人 ― 尼僧お庭番」 (おんなしかくにん)
光文社時代小説文庫


(拡大不可)
*288頁
*発行 1997年

*目録文
文庫書下ろし・天一坊は処刑された。だがそれは替え玉だった。女忍者・鈴鹿は、生母の故郷へ落ちる真の天一坊に同行する。妖艶な女刺客人やくノ一との対決を描く。

*解説頁・平田稔


秋 竜山 (あきりゅうざん)
「秋竜山のすってんころりん劇場」 
(あきりゅうざんのすってんころりんげきじょう)
朝日文庫



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*191頁
*発行 1988年
*カバー装画・秋竜山

*内容
『週刊朝日』一九八二年一月一五日号から一九八七年十二月二五日号掲載分より抜粋。


秋山 庄太郎 (あきやましょうたろう)
「昭和の美女」 (しょうわのびじょ)
朝日文庫


*カバー写真「吉永小百合」=秋山庄太郎
 カバー装幀=熊谷博人
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*227頁 / 発行 1989年

*カバー文
戦後の廃墟の中で、美女を撮り始めて約45年、いまなお“婦人科カメラマン”の看板を外さない秋山庄太郎さん。古稀を迎えた現在も、年間7、80人の美女にレンズを向ける秋山さんが、昭和の終焉を惜しみつつ振り返る「昭和の美女たちの系譜」。

*目次
原節子 / 高峰秀子 / 藤田泰子 / 高峰三枝子 / ジプシー・ローズ / 越路吹雪 / 乙羽信子 / 淡島千景 / 有馬稲子 / 岸恵子 / 久我美子 / 新珠三千代 / 山本富士子 / 若尾文子 / 奈良岡朋子 / 南田洋子・石川和子 / 京マチ子 / 入江美樹 / 丘ひろみ / ジェーン・アダムス / 松本弘子 / 鰐渕晴子 / 小川まゆみ / 若林映子 / 岡田茉莉子 / 白川由美 / 岩下志麻 / 星由里子 / 浜美枝 / 司葉子 / 池内淳子 / 野添ひとみ / 中原ひとみ / 安西ク子 / 淡路恵子 / 内藤洋子 / 藤村志保 / 江波杏子 / 藤純子 / 樫山文枝 / 小林千登勢 / 松岡きっこ / 吉永小百合 / 栗原小巻 / 松原智恵子 / 三田佳子 / 佐久間良子 / 十朱幸代 / 大原麗子 / 倍賞美津子 / 加賀まりこ / いしだあゆみ / 篠ひろ子 / 伊東ゆかり / 小柳ルミ子 / 園まり / 関根恵子 / 林美智子 / 浜木優子 / 浅岡ルリ子 / 辺見マリ / 日野てる子 / 野際陽子 / 山本リンダ / 八代亜紀 / 松坂慶子 / 小泉一十三 / 香山美子 / 奈美悦子 / 兼高かおる / 仁科明子 / 多岐川裕美 / 松尾嘉代 / 原田美枝子 / 田中裕子 / 桜田淳子 / 志穂美悦子 / 喜多嶋舞 / 田中真理 / ハニー・レイヌ / 川崎茜 / 池島ルリ子 / 東てる美 / 夏木マリ / 岸田今日子 / 麻実れい / 大地真央 / 和由布子 / 萬田久子 / 浅野温子 / 紺野美沙子 / 夏目雅子 / 樋口可南子 / 三雲孝江 / 島田陽子 / 桃井かおり / 後藤久美子 / 麻生祐未 / 沢口靖子 / 斉藤由貴 / 早見優 / 浅野ゆう子 / 本田美奈子 / 賀来千香子 / 宮崎美子 / かとうかずこ / 榊原郁恵 / 菊池桃子 / 富田靖子 / 手塚理美 / 河合奈保子 / 工藤夕貴 / 原田知世 / 山崎浩子 / 荻野目洋子 / 岡田有希子 / 堀江しのぶ / 山口百恵 / 松田聖子 / 岩崎宏美 / 南野陽子 / 竹下景子 / 秋吉久美子 / 古手川祐子 / 太地喜和子 / 杉村春子 / 山田五十鈴
対談 昭和の美女を語る … 秋山庄太郎 / 加東康一
昭和時代を象徴した女たち … 加東康一
我が心の内なる昭和美人史 … 秋山庄太郎
戦後主要芸能年表


阿久 悠 (あくゆう)
「テレビ、このやっかいな同居人」
(てれび、このやっかいなどうきょにん)
朝日文庫


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*269頁 / 発行 2008年
*カバーアートディレクション・長友啓典 / カバーデザイン・上浦智宏(K2)

*カバー文
テレビ登場から半世紀。テレビ番組を自ら創り、テレビをよく知り、テレビを愛した男・阿久悠が熱誠こめて語り、綴ったメディア論。テレビの本質、その魅力と悪魔性を衝きつつ、共生する術を探る。著者一流の文明批評でもあり、21世紀へ発信すべく遺されたメッセージ。

*目次
 プロローグ
パート1◆ロングインタビュー 悪魔の発明
パート2◆阿久悠テレビ日記 第3の家族
 エピローグ
〈解説〉過去を知らなければ「現在」は見えない。―― 浅井慎平


阿佐田 哲也 (あさだてつや)
「阿佐田哲也の怪しい交遊録」
(あさだてつやのあやしいこうゆうろく)
集英社文庫


*カバー・千葉督太郎
 AD・岡邦彦
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*304頁 / 発行 1991年

*カバー文
友人は財産、多ければ多いほど人生は楽しい。直木賞作家「色川武大」と麻雀の名人「阿佐田哲也」の二つの名前をもつ著者のすばらしき仲間達、芸能人、勝負師、作家、画家、漫画家等々との魅力あふれる交流を、愛情ゆたかに綴ったユーモラスな交遊録。

*目次
はじめに合掌
 有馬頼義さん / 五味康祐さん / 藤原審爾さん / 川上宗薫さん / 芦沢博文さん / 亡友追記
最敬礼の人たち
 山田風太郎さん / 武田百合子さん / 吉行淳之介さん / 文壇諸家
なつかし麻雀友
 畑正憲さん / 福地包介さん / 秋野卓美さん / 長門裕之さん / 長谷川ひろしさん / 園山俊二さん
座談閑談芸談の友
 小沢昭一さん / 永六輔さん / 江國滋さん / 和田誠さん / 山藤章二さん
エンタテイナーたち
 立川談志さん / 三遊亭円楽さん / 水森亜土さん / 笈田敏夫さん / 大山のぶ代さん / 内藤陳さん / パン猪狩さん / 木下華声さん
舞台をとおして
 杉浦直樹さん / 岸田今日子さん / 十朱幸代さん / 加賀まりこさん
遊びファミリー
 黒鉄ヒロシさん / 井上陽水さん / 森?二さん / 伊集院静さん
みんな最高
 秋野不矩さん / 美輪明宏さん / 中山千夏さん / 花柳幻舟さん / 二所ノ関正裕さん / 高橋三千綱さん / 佐藤愛子さん / 田中小実昌さん
 解説・立川談志



浅野 建二校注 (あさのけんじ)
「山家鳥虫歌 近世諸国民謡集」
(さんかちょうちゅうか)
岩波文庫


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*332頁 / 発行 1984年

*カバー文
江戸中期の民謡集。68ヵ国、398首を収める。今も残る「めでためでたの若松様よ」の祝歌を最初に、田植え、草取り、収穫など、労働につれて歌われたものが多い。また「恋に焦がれて鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす」と、人目を忍ぶ恋の辛さを歌ったものも少なくない。民謡の祖であり、その主題は現代歌謡に受けつがれている。

*目次
 凡例 / 山家鳥虫歌序
巻之上 (畿内五国) / (東海道十五国) / (東山道八国)
巻之下 (北陸道七国) / (山陰道八国) / (山陽道八国) / (南海道六国) / (西海道九国 並二島)
 書後 / 補注 / 校注 / 解説 / 歌謡初句索引


朝日新聞社編 (あさひしんぶんしゃ)
「朝日新聞の記事にみる奇談珍談巷談 (明治)」
 (あさひしんぶんのきじにみるきだんちんだんこうだん・めいじ)
朝日文庫



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*425頁
*発行 1997年
*カバー装丁・田村義也 / カバー装画・三代広重 「東京滑稽名所 両国広小路 鳶の戸満どい」(部分)

*カバー文
新聞の紙面中で最後まで“かわら版”的な性格を残していた雑報欄。擬古文あり、美文調あり、戯作調ありで明治のうわさ話、巷間の興味をいきいきと伝える。その話題も、偽札事件、泥棒の手口、日本最後の仇討、花井お梅、日清戦争異聞、伊藤博文の御乱行、出歯亀事件、ハレー彗星接近など幅広い。


朝日新聞社編 (あさひしんぶんしゃ)
「旅芸人の世界」
(たびげいにんのせかい)
朝日文庫


*カバー写真・小瀧達郎
 カバー装幀・柴永文夫
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*205頁 / 発行 1985年

*〈筆者〉
 小沢昭一 / 久保覚 / 小西正捷 / 篠崎弘 / 外岡秀俊 / 谷本一之 / 星野龍夫
 〈写真〉
 小瀧達郎 / 佐賀文雄(朝日新聞社) / 柴永文夫 / 名智健二 / 本田嘉郎(朝日新聞社)
 〈協力〉国際交流基金・日本文化財団

*目次
 インド 砂漠をゆく芸人たち ジプシーたちの原郷
  日本が失った「道の文化」を見た ── 小沢昭一
 大空と大地を舞台に デリーの芸人村
  絵ときと蛇づかい インド大道芸の特質 ── 小西正捷
 インド 舞姫たちの熱い夜
  「私の」インド大道芸人 日常の生活の基づく芸 ── 外岡秀俊
 韓国 さすらい芸のデパート 男寺党 神に交わり遊ぶ芸能
  「人すなわち天」の芸能 朝鮮半島にあふれる民衆性 ── 久保覚
 韓国 民衆芸の湧き上がる風土
  神ごとから芸能へ、そして再び神ごとへ 韓国放浪芸ルポ ── 篠崎弘
 タイ メコンに流れる歌語り モーラム モーラムの故郷 イサーンをゆく
  月の歌ラム・夜の音ケェーン タイの旅芸人 ── 星野龍夫
 ハンガリー東部 アジアにつながる旅芸人 ジプシー
  ジプシーの芸能 ハンガリーの放浪芸人 ── 谷本一之
 あとがき / 写真撮影者一覧


朝日新聞社編 (あさひしんぶんしゃ)
「日本百年写真館 T」
 (にほんひゃくねんしゃしんかん)
朝日文庫



*装丁・装画 荒川じんべい
 タイトル・レタリング 桜井一
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*244頁 / 発行 昭和60年

*紹介文
アルバムに貼られた1枚の写真が、家族の思い出だけでなく、日本100年のドラマを語る。

*目次
まえがき
幕末維新の兵(つわ)ものども
激流に生きた男のダンディズム … 早乙女貢
兎追いしかの山
 1 みんな楽しい思い出ばかり
 2 子どもたちと戦争
さまざまな青春
学徒動員のころ … 安岡章太郎
町に楽しみありき
 1 さあ仮装行列だ!
 2 年に一度の骨休め
舶来憧憬
思い出す新しがり屋のぜいたく … 植草甚一
明治の東京
行商百態
道の商いが“街の風物詩”だったあの頃 … 小沢昭一
暮し点景
アジアの顔・日本の顔
わたしが生まれた「朝鮮」 … 後藤明生
銃なき戦場


朝日新聞社会部 (あさひしんぶんしゃかいぶ)
「東京地名考」(上下)
 (とうきょうしめいこう)
朝日文庫



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*上410頁・下404頁 / 発行 1986年

*カバー文

この本の主人公は『地名』。地名はその一つ一つが、さまざまな歴史を持ち、地形の変化・政治上の改革・近代化などの影響を受けつつ移り変わる。変貌激しい東京の、約五百の地名について、それぞれの由来、変遷、その地の歴史や話題、街の表情などを紹介する、足で歩いた地名ガイド。

地名と云うものには、不思議な重味が感じられる。それは、歳月が与えた重味なのだろうか。祖先から代々受け継がれ、人の口から口へ言い慣らされているうちに、自然に積もり積もった重味なのだろうか――私は、この本を一篇の抒情詩として読み、大いに心足りた。(神吉拓郎・「解説に代えて」から)

*解説頁・神吉拓郎


朝日新聞東京本社社会部 (あさひしんぶんとうきょうほんしゃしゃかいぶ)
「下町」 (したまち)
朝日文庫


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*239頁
*発行 昭和59年
*カバー文様 / 谷中いせ辰製作・江戸千代紙吉原廓つなぎ
*写真 / 上條道夫 朝日新聞東京本社写真部 図版 / 吉沢スタジオ

*目次
電気ブラン / 佃祭り / 人形師 / 田谷力三 / 玉の井 / 船宿 / 隅田川 / 千社札 / 彫物師 / 本場 / 辰巳芸者 / 長屋 / 浅草観音 / 柴又帝釈天 / 啖呵売 / 親子 / 職人 / 都電 / 古本屋街 / 落語 / 伝統の味 / あとがき / 解説……というよりは(半村良)


朝日新聞論説委員室編 (あさひしんぶんろんせついいんしつ)
「天声人語にみる戦後50年 (下) 1971.1〜1995.6」
(てんせいじんごにみるせんごごじゅうねん)
朝日文庫



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*459頁
*発行 1995年
*カバー装幀・熊谷博人

*カバー文
私たちにとって戦後50年とは何であったのか? 朝日新聞の名物コラム「天声人語」の中から重要なニュースの論評を選んで、改めて戦後50年の意味を考える。下巻は1971年(昭和46年)1月から1995年(平成7年)6月までを収録し、昭和の高度成長の歪みから平成の阪神大震災、サリン事件までを辿る。


朝松 健 (あさまつけん)
「妖臣蔵」 (ようしんぐら)
光文社時代小説文庫


(画像拡大不可)

*731頁
*発行 1997年

*目録文
文庫書下ろし・徳川綱吉の代。町は魔界の悪霊たちに荒らされていた。江戸を守るため、悪霊祓い師・祐天が立ち上がった。忠臣蔵など史実ともとに描く伝奇小説。

*解説頁・二上洋一


アーサー・ミラー著 倉橋 健訳 (Aethur Miller くらはしたけし)
「アーサー・ミラーT セールスマンの死」
(Death of a Salesman)
ハヤカワ演劇文庫


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*248頁 / 発行 2006年
*カバーデザイン・工房はやし

*カバー文
かつて敏腕セールスマンで鳴らしたウイリー・ローマンも、得意先が引退し、成績が上がらない。帰宅して妻から聞かされるのは、家のローンに保険、車の修理費。前途洋々だった息子も定職につかずこの先どうしたものか。夢に破れて、すべてに行き詰まった男が選んだ道とは……家族・仕事・老いなど現代人が直面する問題に斬新な手法で鋭く迫り、アメリカ演劇に新たな時代を確立、不動の地位を築いたピュリッツァー賞受賞作。

*目次
セールスマンの死 二幕と鎮魂曲からなるある私的な会話
 訳注 / 訳者あとがき / 解説 岡崎凉子


アーサー・ミラー著 倉橋 健訳 (Aethur Miller くらはしたけし)
「アーサー・ミラーU るつぼ」
(The Crucible)
ハヤカワ演劇文庫



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*288頁 / 発行 2008年
*カバーデザイン・工房はやし

*カバー文
実直な農夫プロクターは召使いの少女アビゲイルと一夜の関係を持ってしまう。少女はプロクターを我がものにすべく、神の名のもと彼の妻を「魔女」として告発。折しも村人の悪魔憑きへの恐怖や日頃の相互不信と相まって、村には壮絶な魔女狩りの嵐が吹き荒れる……17世紀の実話に基づく本作は、1953年に発表されるやマッカーシズムに揺れる米国に衝撃を与えた。峻厳すぎる正義の暴走と人間の尊厳に鋭く迫る、巨匠不朽の代表作。

*解説頁・岡崎凉子


芦澤 一洋 (あしざわかずひろ)
「故郷の川を探す旅 伝説のバックパッカーが綴る水辺のエッセイ1」
(こきょうのかわをさがすたび)
小学館文庫


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*269頁 / 発行 1999年
*装画・栂岡一考 / カバーデザイン・大野鶴子+Creative・Sano・Japan

*カバー文
世界中の鱒のいる風景を見るために、伝説のバックパッカーは旅をした。イエローストーン、アラスカ、アイルランド、大連……釣りを通して故郷を探す旅に出た著者は、心に染みる大自然への讃歌を「哲学」してみせる。JFFを設立し、日本で初めてのアウトドアライターとして、自然を愛し、モノにこだわり、人生の温もりを語った。バックパックを背負い、テントを持ち、鱒のいる風景の中に自分を運びながら……。

*目次
 まえがきにかえて 日本の友に… 芦澤一洋
第一章 鱒に釣られた男たち
第二章 イエローストーンの思い出
第三章 故郷の川を探す旅
第四章 Life on Earth 生きものたちの鼓動
 あとがきにかえて 芦澤さんとの出会い 佐藤盛男


飛鳥 高 (あすかたかし)
「細い赤い糸 日本推理作家協会賞受賞作全集(15)」
(ほそいあかいいと)
双葉文庫


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*290頁
*発行 1995年
*装幀・菊地信義 / 装画・落合洋子

*カバー文
汚職摘発の動きが自分に波及するのを防ぐため、戸塚は上司の殺害を決意する。だが罠にかけた上司はすでに絶命していて、戸塚自身が殺されてしまう。同様に奸計をめぐされた三人がいずれも成功を目前にして殺されてしまった。一見無関係な四つの死。そこに低通する見えざる手。

*解説頁・山村正夫


梓 林太郎 (あずさりんたろう)
「回想・松本清張 私だけが知る巨人の素顔」
(かいそう・まつもとせいちょう)
祥伝社文庫



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*296頁 / 発行 2009年
*カバーデザイン・芦澤泰偉 / 題字・大蔵玉鴦

*カバー文
昭和三十五年、コンサルタント会社に勤める著者は、社会派推理で時代の寵児となっていた松本清張と出会う。以来、著者が企業調査で得た情報をヒントに、清張は何編かの作品を世に送り出す。著者が接した大流行作家の執筆への執念と、意外な素顔とは? 激動の昭和、職を転々とした自身の経験を縦軸に、偉大なる巨人との二十年余の交流を振り返る一大回想録。
四六版『霧の中の巨人 ─ 回想・私の松本清張』改題作品

*目次
はじめに ― 小倉・下関 / 1 出会い / 2 馬と光 / 3 視聴率 / 4 砂の絵 / 5 ガラスの城 / 6 越後へ / 7 流転 / 8 三人の女 / 9 都落ち / 10 紳士録 / 11 失格探偵 / 12 錆色の川 / 13 土曜の災害 / 14 親子の荒野 / 15 詐欺師 / 16 酒場にて / 17 失態 / あとがき / 松本清張略年譜


梓澤 要 (あずさわかなめ)
「阿修羅」
(あしゅら)
新人物文庫(新人物往来社)


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*447頁 / 発行 2009年
*表紙カバー・阿修羅像(国宝・興福寺) / カバーデザイン・樺経出版デザイン室

*カバー文
天平の美少年像に秘められた物語
 いま日本でいちばん愛されている仏像 ―― 奈良興福寺の阿修羅像。折れそうに華奢な肢体に、憂いをふくんだ口元、遠くを見つめる眼差……その少年のような姿かたちの仏像に面影を刻まれた男がいた。
 藤原氏の一族に生まれながら、光明皇后、藤原仲麻呂らの専制を憎み、打倒藤原氏に起ち上がった橘奈良麻呂。みずからの出生の秘密に苦悩し、謀叛を企てた罪で非命の最期をとげた奈良麻呂の生涯を描く壮大な古代ロマン。千三百年の時空を超えて、阿修羅の物語がいま甦える!

*目次
第一章 眉曇り / 第二章 藤四娘 / 第三章 初恋 / 第四章 出身 / 第五章 大仏開眼 / 第六章 訣別 / 第七章 決起 / 解説 竹村牧男


梓澤 要 (あずさわかなめ)
「喜娘」
(きじょう)
新人物文庫



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*431頁 / 発行 2010年
*カバーデザイン・幅雅臣

*カバー文
平城京に交錯する光と影
 帰国を前にして皇帝代宗に謁見した第十四次遣唐使一行の前に、ひとりの娘が現れた。第十次遣唐大使として入唐しながら帰国できず、唐の朝廷に仕えて一生を終えた藤原清河の娘である。その忘れ形見・喜娘を父の故国日本へ連れてゆくよう申し渡される……。
 帰国した喜娘たちの運命を軸に、日唐交流の秘話とロマンを描く歴史文学賞受賞の表題作「喜娘」、梅の老樹から浮かび上がる下級官人の数奇な過去「惜花夜宴」、ほかに三篇を収録。
 平城京に生きる人びとの息吹きが今に甦る秀作集。

*目次
喜娘 / 惜花夜宴 / 夏の果て / すたれ皇子 / 嘉兵衛のいたずら / 解説 中川収


アダム・カバット (Adamu Kabt)
「大江戸化物図譜」
(おおえどばけものずふ)
小学館文庫


*カバーデザイン・岡田恵子
(画像はクリックで拡大します)

*285頁 / 発行 2000年

*カバー文
 河童、ろくろ首など今も有名な妖怪から、豆腐小僧、鬼娘など、すでにだれも覚えていないものまで、江戸時代のマンガ、草双紙では、個性ゆたかな化物が、凝りに凝った趣向や設定のもと、のびのびと暴れ回っていました。
 江戸の化物キャラクターは、今見てもビックリの個性派ぞろい。江戸草双紙の魅力あふれる化物たちを、一冊に凝縮。化物キャラクター設定のおかしみ、造形・デザインの豊かさも満載。
 学術的にもたいへん価値の高い研究を積み重ねたエッセンスでもある、魅力の珍図鑑。

*目次
おシャレな江戸の化物たちに アダム・カバット
豆腐小僧のすべて
大頭登場
ろくろ首の首尽くし
河童の真相
江戸のアイドル鬼娘
 出典一覧 / 化物性格判断 / 僕の大好きな江戸化物 市川染五郎


阿部 昭 (あべあきら)
「子供部屋」 (こどもべや)
集英社文庫


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*247頁
*発行 昭和53年
*カバー・島田章三

*カバー文
精神異常の兄をもつ春男の家庭は、正気と狂気が交錯し、絶望的な毎日が続いている。母親の兄に対する偏愛は、多感な中学生を孤独に追いこんでゆく。傷つきやすい少年期の心理の襞、人生の深い悲しみを細やかに描いた表題作「子供部屋」他、「幼年詩篇」「月の光」「未成年」「孫むすめ」収録。

*解説頁・近藤信行


阿部 謹也 (あべきんや)
「ヨーロッパを見る視角」 (よーろっぱをみるしかく)
岩波現代文庫


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*344頁 / 発行 2006年

*カバー文
十一世紀以前においては、日本と同様な「世間」が存在していたヨーロッパが、なぜ個人を重視する社会へと転換したか。個人の誕生の背景には何が存在していたか。恋愛の成立、市民意識の形成というヨーロッパ社会の基底に関わる諸事象を、日本社会との比較史的考察を通じて明快に解明する。長年の西洋中世史研究と日本社会論との鮮やかな連結。

*目次
第一講 「世間」からの離陸
第二講 個人の成立
第三講 恋愛の成立と新しい男女関係
第四講 市民意識の成立
第五講 キリスト教と伝統社会
 あとがき
 解説 安丸良夫


阿部 善雄 (あべよしお)
「最後の『日本人』 朝河貫一の生涯」
(さいごのにほんじん あさかわかんいちのしょうがい)
岩波現代文庫


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*319頁 / 発行 2004年

*カバー文
朝河貫一は、明治六年賊藩二本松に生まれ、二一歳で渡米。英文の『大化の改新』で、エール大学哲学博士号を取得、『入来文書』の研究で欧米歴史学界に衝撃を与えた。一方、『日露衝突』『日本の禍機』などの著書で日露戦争以後の日本外交への批判に全力を傾注し、日米開戦を回避すべく奔走する…激動の生涯を描く感動のヒューマンドキュメント。

*目次
序文 / 1 少年のさくら / 2 父上様母上様 / 3 日露戦争と朝河 / 4 日本外交への忠告 / 5 日米文化交流上の巨歩 / 6 『入来文書』完成への道 / 7 大陸侵攻への警告 / 8 ヒトラーの自殺予言 / 9 大統領への親書運動 / 10 敵国内の自由人 / 11 永遠のニューヘーブン / 朝河貫一年譜 / 解説 井出孫六


天野 正子・桜井 厚 (あまのまさこ・さくらいあつし)
「『モノと女』の戦後史 身体性・家庭性・社会性を軸に」 (ものとおんなのせんごし)
平凡社ライブラリー


*カバー画・会田誠『群娘図′97』(部分)
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*339頁 / 発行 2003年

*カバー文
戦後に登場し、進化したモノによって、女性の生活や意識はどのように変貌したか。モノと人間の関係、人間と人間の関係、男と女の関係、そしてジェンダーの再編成を、パンスト・下着・ナプキン・避妊具・洗濯機など九つの「モノ」を切り口に、その交渉史をさぐり、これからの生き方を探求する。

*目次
まえがき 「モノと女」がつくる時代の表情 … 天野正子
序章 「モノと女」の交渉史にむけて
 モノへの注目 / 「つくる側」「使う側」の流動化 / 生活革命と無意識の「転向」 / 日常史からの視点 / 身体性・家庭性・社会性 ―― 本書の方法
1章 パンスト ―― 身体感覚を変える … 身体性1
 アッという間の進化 / ストッキング、「階層」を分ける / シルク・ストッキング・ストーリー革命 ―― ナイロンの登場 / 変わる美意識 ―― シームレスの登場 / 「みせる」と「かくす」のバランス・シート ―― ミニとパンスト / 「第二の皮膚」のゆくえ
2章 下着 ―― 性と生を支配するもの … 身体性2
 「下着は外着」の風景 / 洋式下着の登場 / 成型された身体 / 身体の自己主張 / ヘルシー&セクシーの陥穽
3章 ナプキン ―― 「汚れ」の呪縛を解く … 身体性3
 「月に一度の日清戦争」 / 時代の子 / アンネ・ナプキン / 女たちの昭和前史 / 戦争と女 / 戦後を創る ―― 「身だしなみ」から「カルチャー」へ / 感性の断絶 ―― 脱脂綿とナプキンのあいだ
4章 避妊具 ―― 身体管理の社会装置 … 身体性4
 出生率の低下 / 間引きと堕胎 / 避妊史をひもとけば / 性の言説の支配者たち / 開化の避妊法 ―― 近代日本の場合 / 優生保護法と避妊薬解禁 ―― 戦後の避妊意識 / 愛と権力のはざま
5章 洗濯機 ―― 「戦後」の幕をひく … 家庭性1
 五年の時差でとどいた「戦後のおわり」 / お婆さんは川へ…… / 「洗多苦」文化 / 三種の神器 / ライフスタイルの「いま」と「これから」
6章 流し ―― 「屈む」から「立つ」への道程 … 家庭性2
 生活世界の生きた空間 / 「流し」立ちあがらず / 身体技法が語る「地位」 / 都市生活の主役 / ステンレス製流し台 / 農村で「流し」やっと立ちあがる / 「流し」の進化と後退と
7章 トイレ ―― 女役割を映す鏡 … 家庭性3
 女性用トイレの混雑 / 実用機能と厠神信仰 / はばかり空間 / 潔癖症 ―― 「内・外」観念の正体 / 快適空間化がはらむジェンダー再生産機能
8章 手帳 ―― 暮らしのコントロール・システム … 社会性1
 シングル時代の使用法 / 手帳の系譜をたずねて / アイデンティティの模索 / 「ふりかえる」から「予定する」へ / 「空白」という不安 / 自分流儀の手帳哲学
9章 たばこ ―― 自己主張を超えて … 社会性2
 「男」の記号としてのたばこ / タブー化の歴史 / もうひとつの系譜 / ニセモノ・配給・男女同権 / 「自由」と「再生」の心情世界 / いま、女性はたばこに何を……
「モノと女」の戦後史 / 文献案内
平凡社ライブラリー版 あとがき 世代間の対話を


網野 善彦 (あみのよしひこ)
「海民と日本社会」
(かいみんとにほんしゃかい)
新人物文庫(新人物往来社)


*カバー写真・「江指浜鯨漁図」
 函館市中央図書館所蔵
 カバーデザイン・佐山トオル
(画像はクリックで拡大します)

*374頁 / 発行 2009年

*カバー文
明らかになる77”海民”が果たした大きな役割
 ……百姓は本来、多くのさまざまな姓を持つ人民、一般平民を意味する語で、そこには農民の意味は全く含まれておらず、「村」も群と同じ語源で人家のむらがっている区域をさす語で、農業との関係はなんらないのであり、これを農民・農村と結びつけたのは全く日本特有の現象といわなくてはならない。ところが、実態を調べてみると、古代から近世まで、これらの語はその語義通りに用いられており、実態に即してみても、百姓は決して農民だけではなく、村もまた農村とは限らなかったのである。(本文より)

*目次
海民と日本社会
海の領主安藤氏と十三湊
能登の中世
東海道の津・宿と東西の王権
河海の世界尾張・美濃
紀州の山村と海民
内海の職人・商人と都市
瀬戸内の島々紙背文書にみる歌島
海上交通の要衝、宗像
世界に開かれた日本列島
新しい歴史学を拓く地域史研究
あとがき
初出一覧


新井 白石著・村岡 典嗣校訂 (あらいはくせき・むらおかつねつぐ)
「読史余論」
(どくしよろん)
岩波文庫


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*321頁
*発行 1995年
*カバー・中野達彦

*カバー文
幕府儒官新井白石が正徳二(一七一二)年六代将軍徳川家宣のために、武家の代となり秀吉の天下にいたるまでの総合的史論を講義した草案。家宣はこの年に病没。

*解説頁・大久保利兼


荒川 洋治 (あらかわようじ)
「日記をつける」
(にっきをつける)
岩波現代文庫


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*224頁 / 発行 2010年

*カバー文
日記は長く難しく書くものではない。ちょこっと気軽につけるもの。小さな積み重ねから、つける人の人生がみえてくる。つけたくないときにも、そばにある。忘れてしまうものも、記憶してくれる。様々な文学作品から日記をめぐる情景をひきつつ、日記のつけかた、広がりかた、その楽しみかたをやさしく説く。

*目次
1 日記いろいろ / 2 日記はつけるもの / 3 日記のことば / 4 日記からはじまる / 5 あなたが残る日記 / あとがき / 岩波現代文庫版のあとがき / 参考文献一覧


荒木 陽子・荒木 経惟 (あらきようこ・あらきのぶよし)
「東京日和」
(とうきょうびより)
ポプラ文庫



*写真 荒木経惟
 デザイン 岡本洋平・島田美雪(岡本デザイン室)
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*288頁 / 発行 2010年

*カバー文
「私の写真人生は、ヨーコとの出会いから始まった。」 ── 絶筆を含む陽子夫人最後のエッセイ、新盆までの夫の日記、東京の写真を収録。写真の天才アラーキー、二人三脚の人生の、切ない光に満ちた名作、待望の文庫化。

*目次
まえがき
東京日和 文・荒木陽子 写真・荒木経惟
新盆まで
廃墟で
ひとりで東京日和を歩く
あとがき
文庫版解説 町田康


嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「口笛の歌が聴こえる」
(くちぶえのうたがきこえる)
新風舎文庫


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*497頁 / 発行 2003年
*カバーイラストレーション・安西水丸 / カバーデザイン・久米亜紀子

*カバー文
唐十郎、安西水丸、三島由紀夫などなど、実名で登場する数百人のオールスター・キャストが、混迷する1960年代日本を臆することなく自由奔放に生きる ── 。街中に響き渡るブルドーザーの唸りをBGMに、喧嘩、焼酎、恋愛に明け暮れる日々、オリンピックと安田講堂に象徴される、これでもかと言うほど熱かったあの頃の青春を再現した、嵐山光三郎の自伝的大河小説。

*解説頁・唐十郎

新潮文庫版(サイト内リンク)


嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「恋横丁恋暦」
(こいよこちょうこいごよみ)
徳間文庫


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*283頁 / 発行 1993年
*カバーイラスト・安西水丸 / カバーデザイン・秋山法子

*カバー文
 西武線恋ヶ窪駅北口の恋横丁。F字型の細い路地に二十九軒の店がひしめいている。横丁の溜まり場のバー“停車場”マスター・譲司、郵便局員・哲ちゃん、金文堂の若、助六寿司の銀ちゃん、アパート緑風荘住人。バー停車場のカウンターで今日も僕は恋横丁の連中が織りなすはかなくもせつない恋の物語に耳を傾ける。めぐる季節の暦を繰るたびにまた一つの恋の花が咲き、また一つ消えていく。恋暦情話十二ヶ月。

*解説頁・坂崎靖司


アルチュウル ランボオ著・小林 秀雄譯 (Arthur Rimbaud・こばやしひでお)
「ランボオ詩集」
(らんぼうししゅう)
創元ライブラリ



*カバー装画・ポール・ヴェルレーヌによるランボー
 カバーデザイン・小倉敏夫
(画像はクリックで拡大します)

*282頁 / 発行 1998年 / 旧仮名旧字体

*カバー文
驚くべき早熟さで、彗星のごとく、フランス誌壇に登場し、人間の愚劣と文明を呪詛し、瞬時にしてアフリカの沙漠に光芒を没した天才詩人アルチュウル・ランボオ。その作品を、小林秀雄訳で贈る永遠の美神の書。「地獄の季節」「飾画」その他の韻文詩と、巻末に、訳者によるランボオ論T、U、Vを収める。

*目次
地獄の季節
飾畫
韻文詩
ランボウ 小林秀雄
後記 小林秀雄
解説 高橋英夫


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「異都発掘 新東京物語」
(いとはっくつ)
集英社文庫


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*304頁 / 発行 1987年

*目録文
興亡を繰り返して来た東京で「消された」亡霊たちはどこに隠れているのか? 豊富なデータと特異な想像力を駆使して、著者と特捜班が東京の亡霊をとらえた! 究極の路上観察が生んだ異色ノンフィクション。

*目次
1 オブジェ・ツアー編
 軍事都市 / 風水都市 / 地下都市 / 南方都市 / 快楽都市 / 怨霊都市 / 幻想都市 / 未来都市ーTOKIO=SHANGHAI
2 イメージ・ツアー編
 ユートピア都市 / 南方ユートピア都市 / 都市の少女のために / 都市の少年のために / 装飾都市


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「アラマタ図像館 1 怪物」
(あらまたずぞうかん いち かいぶつ)
小学館文庫



*カバーデザイン・春井裕
(画像はクリックで拡大します)

*285頁 / 発行 1999年

*カバー文
 怪物とは〈異常〉〈例外〉の別称であり、怪物研究は、自然界の〈例外〉を扱った「畸型学」、自然の埓外とされた辺境の地に住む怪物を対象とする「怪物学」として発達した。
 怪物の出現は災害の予兆とされ、それは人類に対する警告と受けとめられた。時代の混乱のエネルギーを糧に形づくられてゆく、奇怪な怪物たち。かれらは、どのような警告を伝えようとしたのだろうか。

*目次
イメージ解読のための図像学入門 第一講 図像と図版
ゲスナー『怪物誌』
セバ『博物宝典』
ベルトゥーフ『少年絵本』
モロー『人間と動物の畸型原論』
邉景昭『百獣図』
『アメリカ・パルプ雑誌の宇宙怪物』
パレ『怪物について』
アンドロヴァンディ『怪物誌』
トプセル『四足獣の歴史』
ヨンストン『禽獣虫魚図譜』
レチフ『南半球の発見』
ポルドロン『ムッシュー・ウルフの物語』
クック『グロテスク・アニマルズ』
『フランス雑誌の美しい妖怪たち』
[総解説]怪物誌の復活
口絵解題
本文図版解題


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「『歌枕』謎ときの旅 歌われた幻想の地へ」
(うたまくらなぞときのたび)
知恵の森文庫(光文社)


*カバーデザイン・盛川和洋
 カバー写真・安井仁
(画像はクリックで拡大します)

*274頁 / 発行 2005年

*カバー文
宝の八島、白河関、末の松山、壺の碑、松島、象潟……。『万葉集』から『おくのほそ道』まで、古歌に詠み継がれてきた名所「歌枕」。文学上の土地を探して東北へと旅立った先に見たものは、雅な詩情に隠された死の記憶であった。博覧強記の著者が、芭蕉・西行・能因を追う魅惑の歴史紀行。幻想と実存が交差する「心かすめし」地へ、いざ参らん!

*目次
序章 旅のはじまり
 歌枕を訪ねる旅が不可能である理由 / 三輪明神と住吉明神のはざまで / トヨタマヒメの出産譚 / 象潟という幻想
第一章 歌枕の地に秘められた謎の発見
 かれらは本当に歌枕巡りができたのであろうか? / 能因・西行・芭蕉のあとを追って / 芭蕉も現地でつくった句を採用しなかった / 旅へ出ずに旅を感じる方法があった! / 存在しなかった歌枕の名所「宝の八島」 / 日光・瀧尾神社に駆けつける
第二章 東北の歌枕に見る縄文の俤
 歌枕は言霊信仰の地名版か / 白河関はどこだ / 芭蕉はどうやって白河関をみつけたか? / 光圀と定信が歌枕を現実の土地にむすびつけた / 歌枕と蝦夷遺跡とのかかわり / 古代発掘としての歌
第三章 陸奥の鬼と碑にはじまる伝説
 歌枕は化外境からの民族情報 / 鬼のイメージの原型は「山の神」 / 文知擦石はなぜ歌枕になったのか / 「日本中央」幻の碑を東北に探して
第四章 多賀城から平泉へ
 フィクションが現実の地になるところ / 芭蕉の「壺の碑」訪問は蝦夷への鎮魂 / 平泉へ向かう芭蕉の奇妙な行動 / 過去の地霊との対話
第五章 田村麻呂から阿弖流為(あてるい)へ
 蝦夷の奥地を覗く / 日本の彼方の歴史 / 胆沢の悪路王 / 田村麻呂伝説の正体
第六章 黄金の平泉と墨色の山寺
 安倍氏と藤原氏と平氏の繋がり / 西行という名のネットワーク / 義経は西行を知っていたか / 奥州平泉に輝く金色堂 / 慈覚大師・円仁の果たした役割
第七章 生と死を分ける山へ
 生と死が同居する異界の地 / 峰子皇子の伝説 / 修験道の出羽三山から象潟へ / 出雲族と越の国
第八章 東北の涯へ
 歌枕の真実をもとめて / 北斗信仰 / 星と七神社 / 岩木山神社 / 古き北の鬼と鉄
あとがき / 文庫版へのあとがき / 解説 高橋克彦


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「性愛人類史観 エロトポリス 荒俣宏COLLECTIONU」
(せいあいじんるいしかん)
集英社文庫


*AD・宇治晶
 「」Illustrations du Roi Pausole」1930
(画像はクリックで拡大します)

*384頁 / 発行 1998年

*カバー文
ポルノとアートの違いは何か。セックスと文化の関係はいかなるものか。エロスの本質を探究すべく、数々の例をあげて解析する荒俣宏コレクションの白眉。ピンナップ、セックス博物館、ストリップの歴史、春画など、カラー図版も豊富に、美と喜びと欲望に満ちた悦楽の園へ誘う禁断の書。ああ、好奇心が止まらない!

*目次
 エロトポリスで聞いた噂 ── 序にかえて
【第一部】 エロスは疲れない
 第一章 子どもには分からないピンナップの真実
 第二章 セックス文明の驚異
 第三章 「セクソラマ」で視る明日の世界
 第四章 悪趣味な美神
 第五章 タヒチ伝説 ── 南洋の楽園に美女がいて
 第六章 バルガスの移動するヴァギナ
 第七章 中国の愛図
 第八章 神は“股間”に宿る
【第二部】 ファッショナブルな性
 第九章 よい裸、悪い着衣
 第十章 誠実な嘘の記録 ── ファッションプレート
 第十一章 ファッションの陰謀
 第十二章 頬を赤らめる植物
 あとがき


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「図像探偵 ― 眼で解く推理博覧会」 (ずぞうたんてい)
光文社文庫


(画像はクリックで拡大します)

*205頁 / 発行 1992年
*カバー写真について・ジュール・フェラーリオ『古今世界風俗図誌』(1820)より、ルネサンス期に確立した〈アメリカ〉の擬人化、南アメリカの原地民を大地母神にかたどり、下に海ガメ(航海のシンボル)、頭部(人喰いのシンボル)が見られ、全体として豊かな未開の地をあらわす。後方にラマ(またはアルパカ)がフェスりの〈夢魔〉を思いださせる。

*カバー文
●「まだらの紐」の作者コナン・ドイルは、ヘビが尺取り虫のように立って這うと信じていた!?
●「モルグ街の殺人」を書いたエドガー・ポオは犯人役にしたオランウータンを知らなかった!
●飛行機もなかった江戸時代に、富士山を真上から描いた絵が! ― 蒐集した古今東西の書物から100点以上の図像を選びだし、鬼才・荒俣宏の〈眼〉が推理する。奇想天外、空前絶後の図像綺譚。

*目次
前口上 / A 群集のロンドン / B 遥かなるギアナ台地へ / C 立ち這いするヘビたちの謎 / D 黒か斑か? ― 魔犬たちの正体 / E ポオはオランを知らなかった? / F 大聖堂の奇人が見た夢 / G BはバベルのB / H 十九世紀初頭のSFX / I 馬が小さかった頃 / J 東西不思議大好きの旅 / K 生きている岩石 / N 彼がパンツをはいた理由 / L ダビデの星をつけた武士 / M クラゲはどうして人になれないか / O なぜ恵比須はミカドに扮したか / P 富士と伊勢の鳥あらそい / Q 文久元年のスカイダイブ / R ズボンをはいたエビ / S 潜水服の姫君 / T カエルの絵言葉を解く / U 『回顧された女の胸像』に寄せて / V 「生はまぼろし、死こそ現」 / W ロマンティックな結末


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「図の劇場」
(ずのげきじょう)
朝日文庫


*カバー装画・Chateaubriand"les Aventures da dernier Abencerage"(1980)より
 カバー装幀・金子裕
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*223頁 / カラー図版約85点収録
*発行 2000年

*カバー文
自分自身の臓器を脱ぎ捨てる人体、キツネの姿をしたアミダ、小さな椰子に宿る“モスラ”……。見る者をドキドキさせる、魅力あふれる「ゴミ図像“エフェメラ”」たち。難解であることで魅力を保つ二十世紀アートの、いわば対極に位置するかれらの奇妙なおしゃべりに、しばし耳を傾けていただきたい。

*目次
まえがき 目と絵のための伝記集 / 図の劇場の舞台装置 / 図と建築のシンボル / 古代と現代の統合 / 奥行の成立と視覚の飼い馴らし / 寓意という名の図像劇場 / 家族の肖像 / 色に出にけり、わが威光 / 理想の貴女 / パリの溝渡し / 群集の思想 / 埋もれた宝をもとめて / 夜への旅 / モスラは小さな椰子に宿る / コレクターの孤独 / 力持ちと天秤かつぎ / 楽園の地獄 / 想像力が誘った極点探検史 / グラスに落ちる聖光 / ピクチャレスク・ツアーに出発 / カルカッタはピンクの宝 / 異風俗の誘い / 熱帯アジアの楽しい日常 / 遺物への旅 / 美食文化を生んだ饗宴 / よみがえる古代劇場 / 〈シンプル・ライフ〉の理想郷へ / 教養としての古物収集 / 極寒の地に舞うシャーマン / 目に痛いほどのパゴダ ―― ビルマ紀行 / 静かな戦争 / 黄金の輝き / 偶像見物なら日本がいちばん / トレースされた漢字のように / 唐子と天使 / 高度な古代への“熱病” / 仏陀をみる異邦人 / あとがき いつまでも終わらぬ目の劇場


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「【荒俣宏コレクション】 短編小説集」
(たんぺんしょうせつしゅう)
集英社文庫


*AD・宇治晶
(画像はクリックで拡大します)

*318頁 / 発行 1994年

*カバー文
著者が初めて書いた幻の中編小説「平安鬼道絵巻」の復活にはじまり、これまた初めて手がけた戯曲「ホーキング博士の四次元生活」の小説バージョン、長嶋茂雄を平将門の生まれかわりとする伝奇小説「長嶋明神縁起」、南方熊楠のロンドン大英博物館勤務時代をモデルとした博物学小説など、妖しの語り部、荒俣宏ならではの奇想天外、空前絶後、傑作おもしろ短編小説集。

*目次
福子(ふくご)妖異録
可坊草紙(べらぼうぞうし)
弁天小僧
平安鬼道絵巻 ── 九つの鬼草紙
目玉の熊ちゃん龍動(ロンドン)奇談 ── 奇想天外博物館小説
生える悩み ── 香港ファンタジー・ノベル
長嶋明神縁起
無憂物語(アソカ・ストーリー) ── ハワイのカメレオン・ハンターから聞いた話
ホーキング博士の四次元生活
恐怖をふたたび愛する ── ホラー小説と現実の恐怖


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「【荒俣宏コレクション】 南方に死す」
(なんぽうにしす)
集英社文庫


*カバー・宇治晶
(画像はクリックで拡大します)

*288頁 / 発行 1994年

*カバー文
著者にとって、キャプテン・クックが子供の頃からの英雄だった。暖かくて優しい南の島を故郷のように愛する著者が、それらの島々をフィールドワークしながら、その魅力をあますところなく描いた南島論の決定版。キャプテン・クックが捜し求めた南方大陸から、ハワイ、タヒチ、フィジー、バリ、宮古島などを巡り、最後は環太平洋ユートピアを謳うオリジナル文庫。

*目次
第一部
 キャプテン・クックと幻の南方大陸
 楽園の発見者たち ── 十八、十九世紀世界探検航海がもたらしたもの
 なつかしい陳腐 ── 十八世紀と驚異の探検航海図録について
 植民地の少年
第二部
 バリ島の自然に魅かれて
 印象はファッショナブルな闇“楽園”紀行 ── わが内なるバリ島幻想を求めて
 南島美女画論 ── 裸女は盛装するか
 漂流するヤシの実
 原楽園への旅 ── 南の島の魔法
 南方と宇宙 ── 観光の謎をめぐって
 熱帯が好き
 回復された楽園の旅
 人生を棒にふるタヒチ ── 楽園でありすぎた島
 アルカディア ── 神々の楽園、タヒチ
 博物學的探訪實話、南太平洋フィジー
 火と海から生まれた神の島
 ハワイ・闇の支配者”カフナ・ヌイ”をさがして
 ぼくの長年の憧れ、ジャワの近世二大名所
 色っぽい旅 ── マレーシア
 島が陸に変わるとき
 宮古島再訪
 イリオモテ ── 行くほどに謎はふかまる
第三部
 ゾウに揺られて驚異都市 ── ワンダー・シティー
 南米を制した探検家 ── アマゾンとメキシコ
 古代の氷河と南の雪 ── アルプスと南アメリカ
 環太平洋ユートピア構想ノート


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「【荒俣宏コレクション】本朝幻想文学縁起〈コンパクト版〉」
 (ほんちょうげんそうぶんがくえんぎ)
集英社文庫



(画像はクリックで拡大します)

*415頁
*発行 1994年
*AD・宇治晶

*カバー文
日本の幻想文学は神話、説話に始まっていた。欧米の幻想文学に通じる著者が日本に目を転じ、1300年にわたる“オカルト文学”の意味と価値を問う。小野小町伝説、八犬伝、空海から上田秋成、安藤昌益まで、有名作品のみならず、うずもれた名作・著者にまで言及し、妖しくも恐ろしい日本文学の隠された潮流をときおこした。かつてない荒俣流『日本オカルト文学』ガイド。


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「【荒俣宏コレクション】 漫画と人生 〈コンパクト版〉」
 (まんがとじんせい)
集英社文庫



*カバー=AD・宇治晶
 原画・荒俣宏
(画像はクリックで拡大します)

*368頁 / 発行 1994年

*カバー文
かつて漫画家を志したこともあるほどの漫画マニアの著者がその該博な知識と漫画的感性で、少女漫画からファンタジー絵画、そして手塚治虫、水木しげるまで、日本の漫画シーンを鋭く解析する。漫画を読み解くのに欠かせない図版、傑作指南書「漫画の描き方」など、ビジュアルも充実した実践的漫画論。著者自筆の幻のSFマンガを特別に収録!

*目次
 THE DUST LADY
第一部 漫画と人生
 倉庫に埋もれた夢 ― 貸本屋まんが本のこと
 〈超少女〉の寓話
 差異を生む表現・少女マンガ
 夢みる装飾 ― 少女まんが前史とその意味
 大ホームランと新しい人物伝
 漫画と人生 対談 ― 竹熊健太郎
第二部 少女とSFと
 意匠としての少女マンガ
 少女まんがとSF ― 身近ファンタジーの綻びから
 七十年代SFマンガを「枠」でくくる方法
 幻想絵画館
 地上界原理からの離翔 ― 絵のように語られたSFたち
 SFアート案内
 ゴシック・ファンタジー絵画館
 『眠れる森の少女』 ― アニメはもしかしたらアミメかもしれなかった
 ウォルト・ディズニー・ストーリー
第三部 漫画の内と外
 後見人と〈めまい〉 ― 佐藤史生『金星樹』をめぐって
 高野文子とコマ切れのページ
 地獄浄土にある幸福 ― 『日出処の天子』という聖なる罪業に寄せて
 時空から幽冥へ ― 『火の鳥』の飛翔に寄せて
 呪いと祓い ― 百鬼丸の運命
 妖怪はなぜ数が多いか
 あやうい都市めぐり・KAIDA風
 Making of SHINGO 対談 ― 楳図かずお


荒俣 宏編著 (あらまたひろし)
「大都会隠居術」
(だいとかいいんきょじゅつ)
光文社文庫



*カバーデザイン・亀海昌次
 カバーイラスト・峰岸達
(画像はクリックで拡大します)

*398頁 / 発行 1996年

*カバー文
 喧騒の都市に隠れ住みつつ、最高のわがままと贄沢を入手できる方法がある。それは、若さと力を自ら放棄し都会の隠居となることである。いまこそ、自らの意志と叡知によって、心朽ちはてた老いの境地に至ろうではないか。『帝都物語』の著者が、先達の佳編と自らの書下ろしで編む、世のしがらみを脱しきれぬ人へ贈る危険な福音の書。

*目次
序 老ひて成りたや巷なる妻子泣かせの放蕩児
第1ステップ 都会隠居術事始め 世の煩わしさから遁れる ── 逃げるか、捨てるか
 男は溺れる 大岡昇平
 亀太郎(抄) 安藤鶴夫
 客ぎらひ 谷崎潤一郎
 西瓜(抄) 永井荷風
 南方の楽園に帰る 水木しげる
第2ステップ 都会に潜む悦楽 女子供に分らぬ世界へ ── 愛の日々、哀の彼岸
 群衆の中のロビンソン・クルーソー+マッケンの事 江戸川乱歩
 特別阿房列車 内田百
 忙しさ 里見ク
 岡本一平論 親の前で祈祷 岡本かの子
 幻談(抄) 幸田露伴
第3ステップ それぞれの隠居たち 心朽ちた聖者の伝記を読む ── 贅沢いろいろ
 千萬老人 宇野浩二
 日和下駄(抄) 永井荷風
 小言幸兵衛 古今亭今輔
 早春雑記 谷崎潤一郎
 無茶法師 千早耿一郎
 都会の隠者列伝 荒俣宏
  荷風散人(小門勝二著「墨東の荷風散人」より)
  平井呈一(紀田順一郎著「略して記さず(『日記の虚実』)より」)
  物好銘々伝
   犬の啼声研究家 高橋虎雄…蛙の採集 小澤一蛙…ハイカラ変り物集め 石橋試案…お寺ごっこ 三田知空…桃太郎集め 堀野文禄…死人と墓の研究 和田千吉…甘い物行脚 林辰行
第4ステップ 骨董、味道の悦楽 平成あこがれのご隠居たち ── 敬われる通人の生きかた
 青山二郎の話(抄) 宇野千代
 北大路魯山人 青山二郎
 料理一夕話 北大路魯山人
第5ステップ そして、死との対面 都会での死に方を知る ── 隠居“最期の美学”
 二十五歳までに決定すべきこと 稲垣足穂
 幽霊船長(抄) 河原晉也
 心地よく秘密めいたところ(抄) ピーター・S・ビーグル 山崎淳訳
 うたかたの日々(抄) ポリス・ヴィアン 伊東守男訳
 著者紹介・収録作品出典一覧
 ●文庫版あとがき●


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「日本橋異聞 
東京の『今昔』町案内 増補版『江戸の快楽』 (にほんばしいぶん)
光文社知恵の森文庫


*カバーデザイン・十河岳男
 カバー作品「東都両国夕涼之図」歌川貞房画
 (江戸東京博物館蔵、Image:東京都歴史文化財団イメージアーカイブ)
(画像はクリックで拡大します)

*285頁 / 発行 2008年

*カバー文
「これほどなつかしく、しかも新鮮なところは、そう滅多にあるものではない」(「まえがき」より)。 江戸と東京をつなぐ町、日本橋界隈は徒歩が楽しい。街並み、建築、老舗の味、伝統の技、庶民が親しんできた七福神etc.。目まぐるしく変貌を遂げる都会の中に残る歴史の断片。本書を片手に散歩に出れば、自分の目で発見できる極上の名所巡りが待っている。

*目次
まえがき 江戸と東京をつなぐ町めぐりの「すすめ」
日本橋界隈地図
プロローグ 江戸の町割り、今と昔
第一章 日本橋異聞
イントロダクション 日本橋と東海道
 1 お江戸日本橋の周辺見分
 2 日本銀行の歴史を覗く
 3 高島屋と丸善で新しい商業を知る
 4 山本海苔店と明治天皇の「おみやげ」
 5 繊維問屋街の心意気にふれる
 6 明治の未来都市・兜町の現在と過去
 7 日本橋の七福神詣にでかける
 8 日本橋文学散歩 地元作家の足跡を追う
 9 江戸職人芸「伊場仙」の団扇で涼む
第二章 人形町そぞろ歩き
イントロダクション 人形町の謎
 10 ジュザブロー館で人形見物をする
 11 水天宮の賑わいにおどろく
 12 江戸の芝居町、その名残りをさぐる
 13 明治座と大衆演劇の歩み
 14 江戸の「吉原」は芳町が元祖だった
 15 椙森
(すぎのもり)神社の富くじに運を託す
 16 町火消「は組」と「一区八番」の名誉
 17 末廣神社と「白木の神輿」のこと
 18 人形町の街並みウォッチング
 19 老舗「松榮堂」で香を聞く
 20 【職人芸 その一】楊枝職人と刃物職人
 21 【職人芸 その二】京菓子職人、つづら職人、半纏職人
 22 【職人芸 その三】組紐職人ともぐさ職人
 23 浴衣と提灯の似あう町
 24 東京のお正月は門松から
第三章 隅田川のぼりくだり
イントロダクション 米市場の誕生と相場の町の歴史
 25 大相撲の美に酔う
 26 隅田川の花火に秘められた願い
 27 川開き・川遊びの江戸
 28 新大橋〈安宅丸〉物語
 29 佃島 人工島のたたずまい
 30 【江戸前の味 その一】すし・てんぷら・そば
 31 【江戸前の味 その二】うなぎ・人形焼
 32 大名屋敷の生活は優雅だった
 33 大名や富豪の夢が宿された庭園を辿る
 34 親水公園と“パナマ運河”の驚き
 35 紀伊國屋文左衛門の墓と富岡八幡宮
エピローグ 変わりゆく日本橋界隈を歩いて東京の再生を感じること
文庫版あとがき


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「バッドテイスト 悪趣味の復権のために 【荒俣宏コレクションU】」
(budtaste)
集英社文庫



*AD・宇治晶
 illustration;LABOCCETTA
 「Les Fleurs Du Mal」
 1939
(画像はクリックで拡大します)

*352頁 / 発行 1998年

*カバー文
テイストとは何ぞや。良い趣味と悪趣味の違いとは何か? アラマタは説く、悪趣味とは美とモラルとハーモニーの対極にあるものだと、これこそが魂の健康を取り戻す服用薬になりうると。本書に展開されるのは、現代を読み解くバッドテイストの実際。怪奇でグロなカラー図版満載で贈る悪趣味の世界へようこそ。

*目次
第1部 バッドテイストの勝利
 第一章 美の下半身 ── バッドテイストの黄金時代へ
 第二章 異星人の肖像画家
 第三章 不健康な誘惑
 第四章 食欲はテイストの彼方に ── ローマの食休み旅行
第2部 フェイクとお月さま
 第五章 トロンプルイユ、蝋人形 ── テクノロジーとしての悪趣味
 第六章 標本(レプリカ)は本物を超えられるか ── 京都伏見 京都科学館
 第七章 贋作世界史
 第八章 MOONRAKAER・MOONFAKER
 第九章 月の秘密を探りに
第3部 グロテスクとアラベスク
 第十章 ヨーロッパ怪物博物館ツアー
 第十一章 金魚という名の覗き穴
 第十二章 衛生博覧会の衝撃
 第十三章 民族という名の偏見
 第十四章 機械への嗜好性 ── 乱歩とプロレタリア文学
 第十五章 まぼろしの共産主義万歳!
 第十六章 九龍(クーロン)城砦最後の迷宮


荒俣 宏 (あらまたひろし)
「ブックライフ自由自在 本の愛し方 人生の癒し方 荒俣宏COLLECTIONU」
(ぶっくらいふじゆうじざい)
集英社文庫


*AD・宇治晶
 Illustration:George Barbier
 「La Double Meitoresse」
 1928
(画像はクリックで拡大します)

*288頁 / 発行 1997年

*カバー文
「よい古本に巡り合うのはむずかしい、生涯の恋人に巡り合うほうがよっぽどやさしい」とのたまう貧書生ことアラマタの、悲しくもおかしい古本まみれの人生の来し方。本を愛し、本に癒され、本に囚われたる日々の、知的悦楽に満ちた告白的読書日誌。他に、いかによき古本を手に入れるか、ノウハウをも伝授する。

*目次
第1部 腐っていく収集家の日記
 プロローグ もしも書物の海があれば
 一九八六年一月 ああ、本足りて一生終わる
 一九八六年五月 書物の謎、都市の謎
 一九八六年九月 孤老、蒲原の海に立つ
 一九八六年十一月 日々是好日 ── 貧書生アラマタ、善き市民生活に復帰します
 一九八七年六月 観光旅行はやっぱり日本!
 一九八七年九月 盛り上がったインクと沈んだ心
 一九八八年二月 「大野麦風」追跡が始まる!
 一九八八年十月 ああ自粛の秋、古書よいずこ
 一九八九年三月 市ヶ谷の〈モルグ〉より、愛をこめて
 一九八九年八月 悪魔の物品引き寄せ術
 一九八九年十一月 あらかじめ失われた旧友
 一九九〇年三月 世の中に絶えて稀本のなかりせば……
 一九九〇年九月 世界の逸品が集まる哀しみ
 一九九一年二月 大団円 ── 幸せはいずこ
第二部 読んだ本・読めなかった本
 読書日記 / 少年時代に置き忘れた一冊 / わが青春のラヴクラフト / 古本三題 / 愛書趣味と〈愛妾の旅〉 / 稀覯書の美しさと楽しさ
  《対談 ── 新田満夫(雄松堂書店社長)×荒俣宏》
 初版あとがき / 文庫版あとがき



荒俣 宏・高橋 克彦 (あらまたひろし・たかはしかつひこ)
「荒俣宏・高橋克彦の岩手ふしぎ旅」
(あらまたひろし・たかはしかつひこのいわてふしぎたび)
実業之日本社文庫



*カバーデザイン・杉本欣右
 カバー写真・飯島幸永
(画像はクリックで拡大します)

*268頁 / 発行 2012年

*カバー文
博覧強記の怪人ふたりが案内する、ミステリアスな歴史探訪!
ふるさと岩手をこよなく愛する作家・高橋克彦が、畏友である博物学者の荒俣宏と岩手県内のふしぎなスポットを3回にわたって縦横に歩きまわった。そこで見たもの、聞いたもの、感じたものを現地で語り合うなかで浮かび上がってきたこととは? 意図的に隠されながら、歴史の中で忘れ去られた東北の真実の姿がいま解き明かされる! 歴史好き、旅行好き必読の一冊。

*目次
岩手・県中央部を歩く
岩手・県南を歩く
岩手・県北を歩く
対談 県北の秘められた暮らし 二戸編
二戸周辺注目スポット
岩手の歴史を彩るヒーローたちの魅力と謎


荒俣 宏・松岡 正剛 (あらまたひろし・まつおかせいごう)
「月と幻想科学」
(つきとげんそうかがく)
立東舎文庫


*カバーデザイン・長井雅子(inC)
 撮影・右近倫太郎
(画像はクリックで拡大します)

*160頁 / 発行 2016年

*カバー文
「たぶん月は、われわれが“等身大"に思考できる対象のうちで最高のものじゃないでしょうか?」。ギラギラの太陽ではなくあえて冷え冷えの月をテーマとして、若き日のアラマタ、セイゴオ両氏が古今東西の作品やエピソードを語り尽くす。ホフマン、ノヴァーリス、サミュエル・パーマー、ユング、ラフォルグ、マクスウェルの悪魔、フランソワ・ジャコブ、イエイツ、フランシス・ジャム、ジョン・キーツ、宮本正太郎、コールリジ、ジャック・スミス、ディドロ、ジョージ・バークリー、宮沢賢治、萩原朔太郎、トマス・モア、アリスター・クラウリ、ヴェルヌらを介して語られる、まさにルナティックな世界。

*目次
プラネタリー・ブックス次第 松岡正剛
第1談 月の冷光力・月の粋
 白昼の月からの別世界通信 / 役に立たないふりをする月の粋 / 月の冷光力がスピリットを牽引した / 「月学」と「尾学」はわれわれが失った魂を回復する / 月光が律する生命のリズム / 冷光は知識をもっている? / 月の未来は地球の時間系を逆転する / コンピュータも脇見するプログラムへ
第2談 月球経由の遊星的失望
 月は私有されない唯一の天体だ / 太陽に背を向けるディジタルな月音たち / ヨーロッパにとって「月=東洋=神秘」だった / オーバー・マインドの代行者 / 月と植物と翼の関係 / ラフォルグの遊星的失望
第3談 ルナティシズム逍遥
 シダ植物とジャック・スミス / 月光ファンタシウムは鏡のむこう側からやってくる / 十八世紀のフランケンシュタイン感覚とディーモンたち
第4談 月球精神圏へ
 「をかし」と「ルナティック」の暗合 / SFと神秘主義にルナチーンを探す / 土くれを介して「月」を語るまいとするタルホの倫理観 / 月球精神圏をめぐって
松岡正剛が選んだ月をめぐる一〇〇冊の本
エピローグ
解説 岡和田晃


有馬 頼義 (ありまよりちか)
「兵隊やくざ 戦中編」
 (へいたいやくざ せんちゅうへん)
光文社文庫



(画像はクリックで拡大します)

*285頁
*発行 昭和62年
*カバーイラスト・永田力

*カバー文
「私」は北満・孫呉を守る上等兵。同じ中隊に貴三郎と名乗るテキ屋上がりの初年兵が入隊してきた。坊ちゃん育ちの私は驚くばかり。その貴三郎の生活訓練を私が受け持つとは!入隊式の日、貴三郎は早速、暴れた。が、私は彼に人間的な愛を感じていく。中隊に移動命令が下った。「列車を切り離して脱走を」と考えた2人は……。

*解説頁・菊村到


有吉 佐和子 (ありよしさわこ)
「日本の島々、昔と今。」
(にほんのしまじまいまとむかし)
岩波文庫


*カバー・中野達彦
 カバー写真・本橋成一撮影
(画像はクリックで拡大します)

*512頁 / 発行 2009年

*カバー文
海を国境とする島国日本.北は天売へ焼尻へ南は波照間へ与那国へ,著者は80年代の離島を歩く.種子島の鉄砲伝来とロケット基地など歴史と現代を探る本書の頃の,領有権問題・日韓大陸棚紛争・200カイリ漁業水域とは? 渾身のルポから四半世紀,政治経済と環境は激浪の中にある.日本はどこまで日本なのか.問いは今も新しい.

*目次
海は国境になった 焼尻島・天売島
鉄砲とロケットの間に 種子島
二十日は山に五日は海に 屋久島
遺唐使から養殖漁業まで 福江島
元寇から韓国船まで 対馬
南の果て 波照間島
西の果て、台湾が見える 与那国島
潮目の中で 隠岐
日韓の波浪 竹島
遙か太平洋上に 父島
北方の激浪に揺れる島々 択捉・国後・色丹・歯舞
そこに石油があるからだ! 尖閣列島


有吉 佐和子 (ありよしさわこ)
「日本の島々、昔と今。」
 (にほんのしまじまいまとむかし)
集英社文庫



*カバー・後藤市三
(画像はクリックで拡大します)

*459頁 / 発行 昭和59年

*カバー文
種子島、対馬、焼尻島……文化伝来の橋渡しの役を果たしてきた島々は日本列島のいわば鋭敏な“触角”である。鉄砲伝来、元の来襲など、領土帰属、大陸棚問題へとつながり、いま警鐘を鳴らす。羅針盤を失い、方向性を失った世界のうめきが波浪となって打ち寄せる離島の現実を、鋭く抉る話題の長篇ルポルタージュ。

*目次
海は国境になった〈その一〉 … 焼尻島・天売島
鉄砲とロケットの間に〈その二〉 … 種子島
二十日は山に五日は海に〈その三〉 … 屋久島
遺唐使から養殖漁業まで〈その四〉 … 福江島
元寇から韓国船まで〈その五〉 … 対馬
南の果て〈その六〉 … 波照間島
西の果て、台湾が見える〈その七〉 … 与那国島
潮目の中で〈その八〉 … 隠岐
日韓の波浪〈番外の一〉 … 竹島
遙か太平洋上に〈その九〉 … 父島
北方の激浪に揺れる島々〈番外の二〉 … 択捉・国後・色丹・歯舞
そこに石油があるからだ!〈番外の三〉 … 尖閣列島
 解説 篠田一士


アルベール・カミュ著 岩切 正一郎訳 (Albert・Camus いわきりしょういちろう)
「アルベール・カミュ 1 カリギュラ」
(Caligula)
ハヤカワ演劇文庫


(画像はクリックで拡大します)

*184頁
*発行 2008年
*カバーデザイン・工房はやし

*カバー文
”不可能! おれはそれを世界の涯てまで探しに行った。おれ自身の果てまで”。ローマ帝国の若き皇帝カリギュラは、最愛の妹ドリュジラの急死を境に、狂気の暴君へと変貌した。市民の財産相続権の剥奪と無差別処刑に端を発する、数々の非道なるふるまい。それは、世界の根源的不条理に対する彼の孤独な闘いだった……『異邦人』『シーシュポスの神話』とともにカミュ〈不条理三部作〉をなす傑作、新訳で復活。解説 / 内田樹


安西 篤子 (あんざいあつこ)
「安西篤子の南総里見八犬伝 ― わたしの古典シリーズ」
(あんざいあつこのなんそうさとみはっけんでん)
集英社文庫


*カバー作品・栗田敬子 / AD・菊地信義
(画像はクリックで拡大します)


*288頁
*発行 1996年

*カバー文
室町時代、下総国の豪族、里見義実は戦に敗れた里見家を再興した。安西景連に攻められ、景連をかみ殺した功績に報い飼い犬の八房に愛娘伏姫を与えた。やがて伏姫の胎内から、仁、義、礼、智、忠、信、孝、悌の八個の珠と白気が出てきて、八犬士が出生し、里見家の家臣となった。正義が優先する男達の理の世界のほかに、女達に動かされる情の世界を軸に、壮大なストーリーを分かりやすく、面白く読む。

*巻末頁
 登場人物紹介 板坂則子
 解説 板坂則子
 鑑賞 ねじめ正一
 参考図 穂積和夫


安西 均 (あんざいひとし)
「安西均詩集」
(あんざいひとしししゅう)
芸林21世紀文庫



*装画・池田満寿夫「聖なる手1」
 装幀・高林昭太
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*128頁 / 発行 2003年

*目次
花の店
美男
葉の桜
夜の驟雨
機会の詩
金閣
暗喩の夏
お辞儀するひと
チェーホフの猟銃
晩夏光
指を洗ふ
拾遺詩篇・余滴

須臾の詩人 安水稔和


安西 水丸 (あんざいみずまる)
「青の時代」 
(あおのじだい)
光文社文庫(知の森文庫)



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*242頁 / 発行 1999年
*カバーイラスト・安西水丸 / カバーデザイン・久米亜紀子


*カバー文
「水丸の風景へのかかわりかたは、父を失った少年がもつ、したたかな意志だ。悲しく、孤独で、透明な意志だ」(嵐山光三郎〔解説〕より)。父の死、姉との別れ、喧嘩、垣間見た大人の世界……。著者自らが育った港町・千倉を舞台に、少年の視線で、ときめき、不安、あこがれ、恐れなど、日常の中で起こるさまざまな事件を細やかに描き出した名作12編。

*目次
青の時代 / 少女ロマンス / 冬まつり / 荒れた海辺 / 裏庭 / 汽車 / 草競馬〈千倉町美学・改題〉 / 冬レンズ / よいどれ雲 / 魚の家 / 自転車屋 / 怪人二十面相の墓・上 / 怪人二十面相の墓・下 / 解説・嵐山光三郎 / あとがき


安西 水丸 (あんざいみずまる)
「大衆食堂へ行こう」
 (たいしゅうしょくどうへいこう)
朝日文庫



(画像はクリックで拡大します)

*239頁
*発行 2006年
*カバー装画・安西水丸

*カバー文
「ときわ食堂」のアジフライ定食、「キッチンめとろ」のカレーライス、「せきざわ食堂」のサンマ焼き定食…。町民のいのちと健康を支えてきた大衆食堂。しっかり御飯を食べて「ああ、しあわせ。元気出すぞ」。ほのぼのイラストとしみじみ紀行文で「大衆食堂の良心」を活写! 築地から西荻窪まで55の町を食べ歩く決定版。


安西 水丸 (あんざいみずまる)
「夜の草を踏む」
 (よるのくさをふむ)
光文社文庫



*カバーイラストレーション・安西水丸
 カバーデザイン・久米亜紀子

(画像はクリックで拡大します)

*336頁 / 発行 2004年

*カバー文
 中村清吾は母親からカフェの経営を任されていた。身の回りはメイドの桃子がみてくれる。彼女は、母親が彼のために差し向けた被虐願望の強い女だった。ある夜、二人は公園にいた。ワンピースを脱ぐと桃子は裸だった。清吾が飛ばした模型飛行機を追って走る白い肉体。落下する飛行機と桃子の姿が哀しく重なる(表題作)。妖しい官能をせつなく描いた傑作短編集。

*目次
夜の草を踏む
石切り場のある風景
白い悲しみ
デビルの足
ボクサーの休息
ケーキを焼く
ひみつ
笹舟
夜空
パパラッチ
事件
インドの女
あとがき


アントワーヌ・ド サン=テグジュペリ著・倉橋 由美子訳 (Antoine de Saint‐Exup´ery・くらはしゆみこ)
「新訳 星の王子さま」
(しんやくほしのおうじさま)
宝島社文庫


(画像はクリックで拡大します)

*165頁
*発行 2006年
*装丁・坂川英治+田中久子(坂川事務所)

*カバー文
第二次大戦末期、ひとりのフランス人作家の遺作として書かれ、以後、世界中で読み継がれてきた「永遠の名作」が、いま新しく生まれ変わった! 子供のための童話ではなく、大人が生き直すために書かれた小説だったのだ。同じ作家として、訳者・倉橋由美子が解いた原作の「謎」。大胆にして清新、訳者最後の仕事となった見事な訳文と美しい装丁でおくる「大人のための星の王子さま」 ── 待望の文庫化!