*カバーデザイン 横尾忠則
カバー写真 パブロ・ピカソ「アヴェニョンの娘たち」1907年/PPS
(C)Succession Picasso,Paris&BCF,Tokyo,2001
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*242頁 / 発行 2001年
*カバー文
裸婦は絵画の主題でも最もポピュラーで、裸婦に挑戦しなかった画家を探す方がむしろ困難なくらいだ。もし「素」の気持ちで絵を観ることができれば、逆に絵の方からどんどん情報を伝えてくれるものである ── 。知識に頼るのではなく、五感を通して楽しむ絵画との旅。書下ろしを多数含む、特別オリジナル作品。
*目次
はじめに
1 今でも新鮮な作品の秘密 エドゥワール・マネ「草上の昼食」
2 激しく愛し合った二人の女 ギュスターブ・クールベ「眠り」
3 乳房の不思議な位置 ポール・ゴーギャン「ネヴァモア」
4 生と死を同時に描く エドヴァルド・ムンク「マドンナ」「少女と死」
5 エロスがなくても美しい絵 ポール・セザンヌ「大水浴図」
6 ピカソの四次元論 パブロ・ピカソ「アヴィニョンの娘たち」
7 無防備な裸女 アンリ・ルソー「夢」
8 愛が昇華する瞬間 エゴン・シーレ「夢で見たもの」
9 人間の深奥の魂を描く グスタフ・クリムト「死と生」
10 筆の自由な動きに酔う ピエール・オーギュスト・ルノワール「水浴びする女たち」
11 女性の裸を想像させる絵 マックス・エルンスト「透き通った最初の言葉を聞いて」
12 マグリットのペテン師的才能 ルネ・マグリット「無謀な企て」
13 マン・レイの気まぐれ マン・レイ「天文台の時 ── 恋人たち」「処女」
14 珍しいキリコの裸婦像 ジョルジョ・キリコ「海辺の水浴図」
15 心の平安と生の歓び ピエール・ボナール「入浴する裸婦」
16 目まぐるしく変化する作風と女性 フランシス・ピカビア「女とブルドッグ」
17 もうひとつの夢 ポール・デルヴォー「こだま」
18 静寂だけが支配する世界 エドワード・ホッパー「ある都会の朝」
19 世界の悲劇 フリーダ・カーロ「折れた背骨」
20 あきらめの早さ ヴィレム・デ・クーニング「女T」「ピンクの天使」
21 おかしなおかしな物語作家 フリードリッヒ・シュレーダー・ゾンネンシュテルン「おこない」
22 ピカソとの共通点 マリー・ローランサン「3人の若い女」
23 危険なエロスの世界 バルテュス「部屋」
24 ポップアートの先駆的作品 リチャード・ハミルトン「いったい何が今日の家庭をこれほどに変え、魅力的にしているのか」
25 作品の死と密接な関係 イヴ・クライン「人体測定プリントANTー66」
26 天国と地獄が同居する世界 クロビス・トルイユ「魔術師」
27 至福の気分を呼び起こす トム・ウェッセルマン「グレイト・アメリカン・ヌードNo54」
28 不可解な謎 マルセル・デェシャン「1.水の落下、2.照明用ガス、が与えられたとせよ」
29 ポップアートが排除した精神性 リチャード・リンドナー「レバード・リリー」
30 死の匂いを喚起させる画面 アンディ・ウォーホール「ダブル・トルソ」
31 ポップアートのパロディ メル・ラモス「河馬」
32 世界一の贋作作家? エロ「ヴィーナスの丘で」
33 おぞましい光景 エリック・フィッシュュル「いけない?」
34 見る者を幻惑する快適さ デヴィッド・サーレ「マスキュラー・ペーパー」
35 自由な精神 ニキ・ド・サンファル「ビッグ・レディ」
36 生と性の大海の中で フランチェスコ・クレメンテ「はさみと蝶」
解説 木村重信 / 掲載画家索引
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