絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【く】

日下 圭介 (くさかけいすけ)
「悪夢は三度見る」
 (あくむはさんどみる)


(画像はクリックで拡大します)

*395頁
*発行 昭和54年
*カバー装画・小原義也

*カバー文
2年前に毒殺された娘の家へ、ある日ひとりの女性が訪れる。彼女は「兄が犯人でした」と告白し、自殺した兄に代って詫びたいという。ところが、被害者と犯人の関係は誰にもわからない。小さな石の地蔵が暗示する人間模様がふと解けてみると、奇怪な事実が!! みごとな構成と優美なリズムで展開される推理秀作。

*解説頁・権田萬治


串田 孫一 (くしだまごいち)
「随想集 光と翳の領域」 
(ひかりとかげのりょういき)


(画像はクリックで拡大します)

*328頁
*発行 1973年
*カバー装画・串田孫一

*カバー文
過去、早春の林や秋山の路傍で、私は自分にとってかりそめならぬ書物の何頁ずつかを、繰り返し読んだものだ。串田さんのこの本は、久しぶりにそうした誘惑を私の心にひき起す。透徹した眼差、しんとしてまたふくよかな抒情。ここには稀な詩人と思索人とのまじわりがある。――北杜夫


楠山 正雄 (くすやままさお)
「日本の神話と十大昔話 日本童話宝玉集(二)」 (にほんのしんわとじゅうだいむかしばなし)
講談社学術文庫


*カバーデザイン・志賀紀子
(画像はクリックで拡大します)


*250頁 / 発行 1983年

*目次
『日本の神話と十大昔話』と『日本童話宝玉集』
 神話
世界の誕生
 一 世界の初め、人間の初め / 二 日と月 / 三 火の神
夜見の国
 一 鬼の群れ / 二 人間のいのち
闇と光
 一 ただ泣き / 二 誓い / 三 天の斑駒 / 四 天の岩屋 / 五 罰
素戔嗚尊
 一 八岐の大蛇 / 二 国引き / 三 木の種
大国主命とその兄弟
 一 白うさぎ / 二 赤い猪
大国主命と素戔嗚尊
 一 蛇とむかで / 二 なずみ / 三 むくの実と赤土
あけぼのの国
 一 八千矛の神 / 二 小さい神 / 三 賭け / 四 粟の穂 / 五 幸魂奇魂
神々のたそがれ
 一 天若彦 / 二 きじの使い / 三 鳥の会葬
日の御子
 一 猿田彦 / 二 もろい花
海幸山幸
 一 海のお宮 / 二 満潮の珠、干潮の珠 / 三 海の産屋

十大昔話
桃太郎 / 花咲じじい / かちかち山 / 舌切りすずめ / 猿かに合戦 / くらげのお使い / ねずみの嫁入り / 猫の草紙 / 文福茶がま / 金太郎
昔話と再話 序説(二) 楠山三香男


久世 光彦 (くぜみつひこ)
「触れもせで ― 向田邦子との二十年」 (ふれもせで)


(画像はクリックで拡大します)

*241頁
*発行 1996年
*カバーデザイン・中島かほる / カバー写真「ヨーロピアン・テキスタイル・パターンズ」(「京都書院」)より

*カバー文
遅刻魔 ― あんなに約束の時間にいい加減な人も珍しかった。嘘つき ― 大きな嘘も上手だったが、とりあえずの小細工もうまかった。泥棒 ― どこを探してもあの人からもらったものなど出てきはしない。奪られてばかりいた。二十年のパートナーなればこその知られざる“向田邦子の素顔”をはじめて明かす。

*解説頁・黒柳徹子


久保田 万太郎 (くぼたまんたろう)
「春泥・三の酉」
(しゅんでい・さんのとり)
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
(画像はクリックで拡大します)


*264頁 / 発行 2002年

*カバー文
小説、戯曲、俳句等、多様な表現を展開した万太郎の核心に迫る作品集。震災後の隅田川界隈の変貌を背景に、凋落する新派俳優の群像を描く代表作「春泥」、劇作家としての本領を発揮した読売文学賞受賞作「三の酉」の小説二作品に、自選三句集から百句を精選し、併せて収録。「浅草の詩人」といわれた著者が、東京下町の風趣とそこに生きる人々の心情を、情緒溢れる筆致で描き出す。

*目次
春泥
三の酉
俳句
 解説 槌田満文
 年譜 武藤康史
 著書目録 武藤康史


倉田 百三 (くらたひゃくぞう)
「法然と親鸞の信仰(上下)」 (ほうねんとしんらんのしんこう)
講談社学術文庫


*書・真鍋一男 / カバーデザイン・志賀紀子 (画像はクリックで拡大します)

*上巻165頁・下巻209頁
*発行 昭和52年

*カバー文
上巻
「信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の『拠りどころ』でなくてはならぬ」と考える著者が、法然と親鸞の信仰について、情熱をかたむけて説いた名著。本巻では、法然の生涯について語ったのち、「一枚起請文」の成立ちから奥義までをわかりやすく注釈する。

下巻
倉田百三は歎異鈔について、「その志向が内界完成にあるので、徹頭徹尾求心的なものである。その方面での典型的なものとして、世界第一の文書である。信仰の本質問題から決して遊離せず、人間の心理の実相を凝視し、痕づけて、寸毫も虚偽を許さず、生死の一大事とまっしぐらに取り組んでひたすら救済の心証へと究め迫っている」と述べている。厳しく日々の生活を見つめることを通して親鸞追求を行った著者が、歎異鈔の全てを語った書。

*目次
上巻 ―― 一枚起請文を中心として

はしがき
第一章 内容一般
 一 縁起 / 二 異説 / 三 動機

第二章 法然の生涯(その時代的背景)
 一 誕生と生い立ち / 二 出家 / 三 修道の目的 / 四 法然の人となり / 五 彷徨時代初まる / 六 暗黒時代 / 七 真信打発 / 八 仏の境涯と人間の命数 / 九 名号の意味 / 一〇 時代についての予言 / 一一 長明の方丈記と兼実の玉葉 / 一二 末法の世相と無常感 / 一三 一切善悪の凡夫人の救済 / 一四 新宗教の旗幟 / 一五 釈尊以来の大導師 / 一六 大原問答 / 一七 法然の勝利 / 一八 大原談義と鴻門の会 / 一九 浄土宗の事実上の承認 / 二〇 法難時代はじまる / 二一 清濁併せ呑む法門 / 二二 念仏禁止 / 二三 法然と兼実 / 二四 配流の法然 / 二五 赦免の沙汰 / 二六 臨終と絶筆一枚起請文 / 二七 滅後 / 二八 主要人物の略伝 / 二九 法然までの念仏門の歴史

第三章 一枚起請文講評
 一 そのまま素直に / 二 ただ一つのもの / 三 理智の苦悩 / 四 素直な、悪びれない謙遜 / 五 まじりなき念仏 / 六 三昧発得 / 七 法然にともなう異象 / 八 全文の眼目 / 九 うつしみの実感 / 一〇浅ましき穢土 / 一一 入信と境遇の背景 / 一二 三心四修 / 一三 偽善と偽悪 / 一四 誓いをたのむ心 / 一五 ほれぼれと唱える / 一六 愚かものの一念 / 一七 聖とは何か / 一八 とどめを刺す / 一九 念仏と世の渡り様 / 二〇 申さるるほど申せ / 二一 生活の虎の巻 / 二二 生きる欲望の強さ / 二三 念仏申さるるように決めるわけ / 二四 人生の実相 / 二五 人生の鍵は正義か犠牲か / 二六 虚無の足下からひらける世界 / 二七 今一息の不徹底(親鸞出世の必然性)

下巻 ―― 歎異抄を中心として
第一章 内容一般
 一 求心的な本の典型 / 二 現代的な心理解剖 / 三 偏依歎異鈔

第二章 親鸞聖人の生涯
 一 親鸞の歴史的存在 / 二 誕生と氏姓 / 三 出家 / 四 現実苦の親鸞 / 五 信仰は思想ではない / 六 業の所成 / 七 肯き合う心 / 八 受身に感ずるこころ / 九 親鸞の肉食妻帯 / 一〇 念仏申さるるように / 一一 信行両座と信心諍論 / 一二 法難 / 一三 落ち行く親鸞 / 一四 業報に哭く / 一五 稲田時代 / 一六 立宗の意志なし / 一七 何のための帰洛か / 一八 最後の精進 / 一九 善鸞との義絶 / 二〇 親鸞の死(うたかたの法悦)

第三章 歎異鈔講評
 一 その序について / 二 初めに不思議あり / 三 一大事と賭けるこころ / 四 悪人の往生 / 五 末通りたる慈悲心 / 六 浄土の孝養 / 七 弟子一人も無し / 八 無二無三の一路 / 九 催されて生きる態度 / 一〇 信心とリアリズム / 一一 はからいなき信心 / 一二 無縫の信心 / 一三 学者の心なきわざ / 一四 善悪と宿業 / 一五 正定聚のくらい / 一六 成仏と往生 / 一七 ただ一度の廻心 / 一八 第二十の願のこころ / 一九 弥陀の身量 / 二〇 結文 / 二一 附録と奥書
後書
解説


倉橋 由美子 (くらはしゆみこ)
「偏愛文学館」
(へんあいぶんがくかん)


*カバー写真・American Images Ink/Getty Images
 カバーデザイン・阿部克昭(ワイ・ディー)
(画像はクリックで拡大します)

*232頁 / 発行 2008年

*カバー文
夏目漱石、吉田健一、宮部みゆき、ジュリアン・グラック、ラヴゼイ……。古今東西様々なジャンルの「本」39冊を独自の視点観点で紹介する。ブックガイドとしてだけでなく、『大人のための残酷童話』『パルタイ』といった名作を残した著者自身の作品世界、その背景までも垣間見ることのできる究極の読書案内。

*目次
夢十夜 ── 夏目漱石
灰燼/かのように ── 森鴎外
半七捕物帳 ── 岡本綺堂
鍵・瘋癲老人日記 ── 谷崎潤一郎
冥途・旅順入城式 ── 内田百
雨月物語・春雨物語 ── 上田秋成
山月記・李陵 ── 中島敦
火車 ── 宮部みゆき
百物語 ── 杉浦日向子
聊斎志異 ── 蒲松齢
蘇東坡詩選 ── 蘇東坡
魔の山 ── トーマス・マン
カフカ短篇集 ── フランツ・カフカ
アンゴールの城にて ── ジュリアン・グラック
シルトの岸辺 ── ジュリアン・グラック
異邦人 ── カミュ
恐るべき子供たち ── ジャン・コクトー
アドリエンヌ・ムジュラ ── ジュリアン・グリーン
架空の伝記 ── マルセル・シュオブ
名士小伝 ── ジョン・オーブリー
コスモポリタンズ ── サマセット・モーム
偽のデュー警部 ── ラヴゼイ
高慢と偏見 ── ジェーン・オースティン
サキ傑作集 ── サキ
太陽がいっぱい ── パトリシア・ハイスミス
ビンフォールドの試練 ── イーヴリン・ウォー
めざせダウニング街10番地 ── ジェフリー・アーチャー
リオノーラの肖像 ── ロバート・ゴダール
ブライヅヘッドふたたび ── イーヴリン・ウォー
二十四の瞳 ── 壺井栄
山の音 ── 川端康成
ヴィヨンの妻 ── 太宰治
怪奇な話 ── 吉田健一
海市 ── 福永武彦
真夏の死 ── 三島由紀夫
楡家の人びと ── 北杜夫
高丘親王航海記 ── 澁澤龍彦
金沢 ── 吉田健一


倉橋 由美子 (くらはしゆみこ)
「迷路の旅人」 
(めいろのたびびと)


(画像はクリックで拡大します)

*365頁
*発行 昭和50年
*カバー装画・島谷晃

*カバー文
想像力・思想・文体・文章・テーマ等々、小説を構成する諸々の要素に触れて、何が本物の小説かを論じた長編評論「反小説論」。“異常で病的で幼稚”な今日の文学の風潮を批判した「遊びと文学」。ほかに、ユニークな作家論や折り折りの感慨をつづった随筆を収録。『わたしのなかのかれへ』に続く第二エッセイ集である。


倉橋 由美子 (くらはしゆみこ)
「わたしのなかのかれへ」 上下巻



(画像はクリックで拡大します)

*発行 1973年
*カバー装画・栃折久美子

*上巻カバー文
異色作「パルタイ」で文壇に登場。既成の文学に挑戦して独特の文学世界を構築する著者の第一エッセイ集。上巻は1960年から1965年までの6年間を収録。独自の小説理念を述べたものや、青春論、映画論、紀行文など、幅広い対象を文学者の眼で省察。豊かな想像力とみずみずしいイメージの充溢する待望の書。


栗田 子郎 (くりたしろう)
「進化生物学入門 宇宙発生からヒト誕生への137億年」
(しんかせいぶつがくにゅうもん)
講談社学術文庫


*カバーデザイン・蟹江征治
(画像はクリックで拡大します)

*384頁 / 発行 2013年

*カバー文
宇宙誕生は一三七億年前。地球発生は四六億年前。三八億年前の原始の海に、化学進化で生物の原料・アミノ酸ができ、最初の生命体(プロトビオント)が誕生した。真核生物、多細胞生物を経て、五億五〇〇〇万年前、カンブリアの大爆発。しかし、奇妙な生物の多数は絶滅。何が起こったのか? その後の進化とは? 多様な生物が生きる地球の壮大な生命のドラマを読み解く。

*目次
学術文庫版まえがき / まえがき
第一章 絶え間なき創造 多様化の歴史
 1 宇宙の誕生 / 2 地球の誕生 / 3 化学進化 / 4 生命の誕生 / 5 先カンブリア時代の微化石 / 6 真核細胞の起源 / 7 奇妙奇天烈な生物たち / 8 カンブリア紀の爆発的多様化の特異性 / 9 非運多数死 / 10 オルドビス紀以降の生物界の変遷
第二章 種の問題 多様化の機構
 1 種の概念 / 2 種内変異 / 3 種形成の様式
第三章 霊長類の系統と進化 多様化の一例
 1 霊長類の特徴 / 2 現生する霊長類の分類 / 3 霊長類の進化
あとがき
引用文献 / 全般的参考図書 / 索引


クルト・ジンガー著 / 鯖田 豊之訳 (Kurt Singer さばたとよゆき)
「三種の神器 ― 西洋人の日本文化史観」
(さんしゅのじんぎ)
講談社学術文庫



*カバーデザイン・島田拓史
(画像はクリックで拡大します)

*286頁 / 発行 1994年

*カバー文
ドイツの経済学者ジンガーは、昭和六年に来日し、東大等で政治経済学を講じた。日本の風習と文化に深く心惹かれたジンガーは、日本人の心の深層に残る民族的遺産として三種の神器に着目し、鏡・剣・勾玉を正義・英知・敬虔という日本人の徳目の象徴と捉えた。中国と日本の生活観・芸術観を西洋人の立場から比較し、〈日本的なもの〉の本質を考察するなど、今なお新鮮さを失わない日本文化論の名著。

*目次
編者序文 リチャード・ストーリー
著者序文
第一章 幼年期の四季
第二章 霧に閉ざされた文化
第三章 自然のるつぼ
第四章 調和の流れの法則
第五章 少数の法則
第六章 日本文化の幾何学的解釈
第七章 日本と中国の比較
第八章 書道・詩歌・禅
第九章 サムライ ―― 伝説と現実
訳者あとがき 鯖田豊之
解説 アヒム・エッシェンバッハ
人名索引 / 事項索引


黒井 千次 (くろいせんじ)
「風の絵本」
 (かぜのえほん)


*カバー装画・山東洋
(画像はクリックで拡大します)


*218頁
*発行 昭和55年

*カバー文
色のあわい日常生活を、風のように流されていく郁子。ふと郁子は日常をぬけ出して旅に出る。いわば<風の絵本>のヒロインである。彼女の目の前に次々とあらわれるのは、時間のひだにかくされていたいくつかの思い出――。知的女性のゆれる心理を、実験的な手法と新鮮な矜情とで描いた秀作。その他二編収録。

*目次
蝋燭の家

風の絵本
 解説 高橋英夫
 年譜


黒岩 比佐子 (くろいわひさこ)
「パンとペン 社会主義者・堺利彦と『売文社』の闘い」


*カバーデザイン・三村淳
(画像はクリックで拡大します)

*640頁 / 発行 2013年

*カバー文
親友・幸徳秋水らが処刑された大逆事件後の弾圧の時代、堺利彦は「売文社」を立ち上げる。手紙や借金依頼の代筆から翻訳まで、あらゆる売文業を請け負い、窮地の同志に仕事と居場所を与えたのだ。不屈とユーモアの精神で暗黒の時代を闘った堺の業績に光を当てる、著者の人生を締め括る傑作!〈読売文学賞受賞〉

*目次
序章 一九一〇年、絶望のなかに活路を求めて
第一章 文士・堺枯川
第二章 日露戦争と非戦論
第三章 “理想郷”としての平民社
第四章 「冬の時代」前夜
第五章 大逆事件
第六章 売文社創業
第七章 『へちまの花』
第八章 多彩な出版活動
第九章 高畠素之との対立から解散へ
終章 一九二三年、そして一九三三年の死
あとがき / 堺利彦 / 主要参考文献 / 解説 梯久美子

*関連書(サイト内リンク)
 堺 利彦 「堺利彦伝」 中公文庫


桑田 忠親 (くわたただちか)
「反逆の系譜」
 (はんぎゃくのけいふ)


*カバー装画・倉橋三郎
(画像はクリックで拡大します)


*319頁 / 発行 昭和62年

*カバー文
反逆は歴史を動かす。日本史始まって以来、数かぎりないさまざまな反逆のくり返しが今日の日本を創ったともいえる。平将門や木曾義仲などのあまりにも著名な反逆はもとより、名もない百姓貧民の土一揆や宗門信徒のそれまで、歴史は常に反逆とともにあった。過去・現代にわたるその赤裸々な態様をさぐる。

*目次
第一編 古代
一、菅公の怨霊に共鳴した庶民の怒り
二、貴族の都に百鬼夜行
三、中央貴族に対する地方武士の反乱
四、蝦夷俘囚(えぞふしゅう)の寃霊
五、僧徒の強訴と争乱
六、源氏の反逆児木曾義仲
第二編 中世
一、信頼されずに反逆者となった源義経
二、鎌倉幕府を倒した悪党の跳梁
三、二度も反逆した足利尊氏
四、群小武士の一揆
五、下剋上の動きと室町幕府への反乱
六、民衆の反抗と一揆の頻発
七、戦国大名と下剋上
八、明智の三日天下
第三編 近世
一、天下を取るための反逆
二、吉利支丹一揆の反乱
三、浪人者の反乱
四、明和の百姓一揆と天明の打ちこわし
五、大塩と生田の反乱
六、世直し一揆と御札降り
第四編 現代
一、明治新政府に対する士族の反乱
二、自由民権運動と自由党の暴動
三、日露戦争と反戦論
四、大正デモクラシーと米騒動
五、東条英機に反抗した中野正剛
六、太平洋戦争後における日本民主化の嵐
 あとがき / 略年譜・業績


桑田 忠親 (くわたただちか)
「古田織部の茶道」
(ふるたおりべのちゃどう)
講談社学術文庫


*カバーデザイン・寺沢彰二
(画像はクリックで拡大します)

*255頁 / 発行 1990年

*カバー文
「茶の湯の名人」の称をもち、千利休の高弟中の随一と謳われる古田織部は、自ら千軍万馬の戦場を往来した戦国大名。その故にか豊臣家滅亡後、家康より切腹を命ぜられる悲劇をもって波瀾の生涯を閉じる。織部こそ利休に次ぐ茶の湯名人と確信する著者は、あらゆる史料を博捜してその人と芸術を描き出す。桃山文化の神髄として不朽の光を放ち続ける織部の茶道の全体像を、初めて明らかにされた記念碑的労作。

*目次
まえがき
一、武と茶の経歴
 織部の本名と素姓 信長との関係 本能寺の変と織部 織部茶会の初見

二、利休との交誼
 交誼の初見 織部に宛てた利休の書状 利休の書状に見えた織部

三、豊臣から徳川へ
 利休の処罰と織部 利休と織部との逸話 太閤秀吉と織部 茶の湯の名人古田織部 関ヶ原合戦と織部 伏見における織部屋敷の茶会 将軍秀忠へ点茶の指南

四、織部と数奇大名
 織部と毛利秀元 織部と松井康之 織部と伊達政宗 織部と佐竹義宣 織部と浅野長政父子と上田宗箇 織部と織田有楽 織部と黒田如水 織部と大野治房 織部と板倉重宗 織部と猪子一時 織部と有馬豊氏 織部と小堀遠州

五、織部と数奇者
 織部と川端道喜 織部と横浜一庵 織部と博多の数寄者 織部と松井友閑 織部と毛利勘左衛門 織部と本阿弥光悦 織部と近衛信尹 織部と進藤修理大夫 織部と尾崎喜介

六、大坂陣と織部
 織部と春屋禅師 清韓禅師をもてなす 大坂冬の陣と織部 大坂夏の陣と織部

七、織部の処罰とその原因
 織部の処罰 処罰の原因 大坂内通事件 織部死後の処分

八、織部と茶道
 茶道史上の地位 茶事の上の作意 織部流茶道の伝書

九、織部好みと織部焼
 織部好みの特徴 織部好みの茶室 織部好みの茶碗 織部好みの茶入 織部茶杓 織部好みの水指と花入 織部好みの茶釜 織部好みの掛物 織部好みの懐石器具 織部焼 織部好みの懐石料理

古田織部年譜

解説 芳賀幸四郎


桑原 武夫 (くわはらたけお)
「フランス学序説」
(ふらんすがくじょせつ)
講談社学術文庫



(画像はクリックで拡大します)

*243頁
*発行 1976年

*目録文
文化や歴史や社会を個別にあつかうのではなくて、それらの複合たるフランス文明を対象にし、その綜合的把握をめざす、というのが本書の意図である。生きた学問によって明皙に捕えられた生きたフランス。