絶版文庫書誌集成

角川文庫 【う】

ウージェーヌ・シュー著 (Eugene Sue) / 小林龍雄訳 (こばやしたつお)
「さまよえるユダヤ人(上下巻)」
(Le Juif Errant)


(画像はクリックで拡大します)


 
*上363頁・下319頁
*発行 昭和26年
*カバー画像・平成元年刊「リバイバルコレクション」版カバー
 カバーデザイン・鈴木一誌

*カバー文
かつてパリを沸騰させた新聞連載小説の世界的先駆。一八四四〜一八四五年に連載され、新聞社の前には小説の筋の運びを待ちかねた愛読者の群れが押し寄せたという。五枚のメダルをめぐる雄大かつ複雑怪奇な波瀾万丈の物語。【全二冊】


ヴァレリー著 堀口 大學訳
「ヴァレリー文学論」 
(ヴぁれりーぶんがくろん)


(画像はクリックで拡大します)

*160頁 / 発行 昭和30年
*カバー画像・平成元年刊「リバイバル・コレクション」版カバー

*カバー文
マラルメに私淑したヴァレリーは一八九八年以来二〇年間、文学上の方法を探究すると称して文学と完全に絶縁状態を続けた。
本書は文学的沈黙を守ったその思索の頂点であり、文学上の重要な根本意義を解き明かした。

*目次
第一部
第二部
第三部
 付録 ヴァレリー一家言
 解説
  ポール・ヴァレリー ― 人と作品
  「文学論」について
 年譜


ヴァーツヤーヤナ / リチャード・バートン英訳・大場 正史邦訳 (おおばまさふみ)
「バートン版 カーマ・スートラ」
(旧版)


(画像はクリックで拡大します)

*244頁 / 発行 昭和46年
*カバー画像・平成2年刊「リバイバル・コレクション」版カバー
 カバー・デザイン ― 鈴木一誌+蒲田孝夫

*カバー文
古代インドの【愛の経典】。
著者のヴァーヤーヤナは
修行僧としてひたすら神を見つめながら
これを著した。
きわめて学究的かつ
具体的な“性典”として知られる秘書。

*目次
第1部 ヴァーツヤーヤナ・スートラ
第2部 性的結合について
第3部 妻の獲得について
第4部 妻について
第5部 他人の妻について
第6部 娼婦について
第7部 人を惹きつける法について


宇井 無愁 (ういむしゅう)
「笑辞典 落語の根多」 
(しょうじてんらくごのねた)


*カバー絵・加藤義明 / 題字・橘左近
(画像はクリックで拡大します)

*634頁 / 発行 昭和51年

*カバー文
 笑いの基盤が生活の中にあるとすれば、生活様式の変貌は笑いの変質をよびおこす。笑いの沃野(よくや)古典落語の世界から華やかな哄笑をひきだすことのできなくなった不孝な現代人。
 古今の落語に精通する著者が、芝居咄・廓咄などが豊饒な笑いを醸す誘因を、原話を通して現示するとともに、古典落語の新たな世界を現代人に贈る笑いのマニュアルである。

*目次
 文庫版への序
 演題目次
 東京演題索引
 記述の方法について
笑辞典 落語の根多
 上方落語演題一覧
 解説


上田 正昭 (うえだまさあき)
「日本の原像 ― 国つ神のいのち」 (にほんのげんぞう)


(画像はクリックで拡大します)

*233頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
 古代史には、謎の扉に閉ざされた知られざる部分が多い。だが、史料を欠く歴史過程のみが謎なのではない。書かれた歴史にしても、必ずしも、歴史の真相を映しているともいえまい。そこには往々にして時の権力者によって演出された虚構の歴史が展開されているからである。
 従って、古代史論争の中には、その実、歴史の真相究明から程遠い、一種の謎解きに類した興味本位の議論が少なくない。
 では如何にして、歴史の虚実を見分け、真実の歴史を浮かび上がらせることができるか。
 本書は、古代史学界の第一人者が、新しい歴史認識の上に立って、独自の史観を展開し、日本古代史の空白部分に画期的な照明を当てた待望の書である。古代史ファンの必読書といえよう。

*目次
序 歴史の虚実
 空白への模索 / 未知発掘 / 神話と歴史と
T 古代の黎明
 神々の故郷 / 邪馬台国の謎 / 倭朝廷の軌跡 / 継体朝の命運
U まつりの伝統
 祭祀と政治と / 開国原理の神々 / ヤタガラスの信仰 / 国つ神のいのち / 艮の金神の宗教 / 大教宣布と芸能復興 / 伝統行事の命脈
V 日本のたましい
 鎮魂の原点 / 浄の美意識 / 恐山生き地獄 / 対馬の現像 / 万葉挽歌の周辺 / 土着性の回復
W 文化史と新国学
 文化史学の課題 / 折口新国学の問題点

 あとがき

創元ライブラリ版(サイト内リンク)


梅田 英俊 (うめだひでとし)
「嘘曼陀羅」
 (うそまんだら)


(画像はクリックで拡大します)

*229頁
*発行 昭和60年
*カバー・梅田英俊

*カバー文
 この世は不思議なことばかり。
 例えばの話が ― 。
 堅牢無比、絶対頑丈なカバンがあった。一度中に入れたものは、二度と取り出せないのが、この特徴。ところが緊急に必要なものを、うっかり中にしまってしまった。それを無理に取り出そうと手を突っ込んだところが、その人はみるみるうちに ― 。
 しゃれたセンスと卓抜なブラックユーモアで味つけされたショートショート。それに、この世の中を右に左に裏側から眺め描いたショッキング・イラストレーションが加わって、いとも奇妙・痛烈な世界を現出する。
 現代の曼陀羅、いざ御開帳。