絶版文庫書誌集成

中公文庫
【む】

村上 健司 (むらかみけんじ)
「手わざの記憶」
(てわざのきおく)


*カバー・中央公論新社デザイン室
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*221頁 / 発行 2009年

*カバー文
現代日本で消滅しつつある職人の「手わざ」。消えゆく伝統工芸を「最後のひとり」をテーマにして取材した。12回にわたり連載された「中央公論」の記事に、その後の周辺事情を追加取材するなど大幅に加筆、修正し、「職人」と「もの作り」の今を問う。

*目次
 はじめに
再生された手摺り花札 … カルタ職人・松井重夫
鋳物の町の意地が残したベーゴマ … ベーゴマ職人・辻井俊一郎
子供たちの万能ナイフ「肥後守」 … 鍛冶職人・荒井良
「涼」を演出する江戸風鈴 … 風鈴職人・篠原裕
ガラスの中で時を刻む砂時計 … 砂時計職人・金子實
光輝く筆記用具、ガラスペン … ガラスペン職人・佐瀬勇
実用本位で作られる花巻傘 … 和傘職人・滝田信夫
持ち運び可能の箪笥、柳行李 … 柳行李職人・松野好成
天然素材の掃除用具、座敷箒 … 箒職人・永倉一男
魔法の焜炉、切り出し七輪 … 七輪職人・脇田又次
植物生まれの和の光、和蝋燭 … 和蝋燭職人・磯部亮次
 取材を終えて


村上 元三 (むらかみげんぞう)
「江戸雑記帳」 (えどざっきちょう)


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*299頁 / 発行 1977年

*カバー文
「茶坊主の話」「江戸の白浪」「料理屋の話」「掏摸〈スリ〉の話」「武器と武具」など、江戸生活の実態を、活字本によらずに、当時の文献資料に基づいて新解釈を加え、生き生きと描く考証随筆集。

*目次

江戸雑記帳
 茶坊主の話 / 大名の話 / 江戸の町奉行 / 十手捕縄 / 江戸の白浪 / 掏摸の話 / 松之廊下 / 江戸城の刃傷 / 徳川の御家人 / 金持の話 / 庶民の暮し / 料理屋の話 / 武家火消 / 隅田川西岸 / 隅田川東岸 / 道中の話 / 代官の話 / 武器と武具 / 病気の話 / 上と下の話

歴史に見る人間像
 源平武将論 / 義経大いに騒がす / 義経逃避行 / 虚実・水戸黄門記 / 平賀源内 / 大槻伝蔵 / 「次郎長三国志」表と裏 / 近世遊侠ばなし / 大久保彦左衛門 / 隠岐騒動 / 大久保一翁

歴史に生きる風土
 いするぎの神 / 北陸の古戦場 / 歴史小説に描いた北陸路 / 北海道への歴史的興味 / 米沢の旅 / 抜参り考

 解説 武蔵野次郎


村上 元三 (むらかみげんぞう)
「五彩の図絵」(上下) (ごさいのずえ)


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*上385頁・下361頁
*発行 昭和52年
*カバー・明治六年米沢城下絵図 部分(村上元三氏蔵)

*下巻カバー文
爛熟した元禄時代の影の世界で暗躍する若き米沢藩士春日今之助と、悪に徹した玄武道印。絵図をたてに、公儀に隠した城の修築をあばき、御所修復の裏を探って、巨万の富を掌中にものにしようとする……。享楽の世相を背景に、うごめく人間群像をとらえて生き生きと描く。

*解説頁・杉本苑子


村上 元三 (むらかみげんぞう)
「六本木随筆」 (ろっぽんぎずいひつ)


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*340頁
*発行 1980年
*カバー・小林清親画「九段坂五月夜」(村上元三氏蔵)

*カバー文
六本木町名の由来、麻布の七不思議、渋谷の道玄物見の松、内藤新宿、不動尊のいろいろ、小林清親の版画等、東京に残る江戸、明治の面影を、江戸絵図や当時の文献資料をもとにたずね歩く考証随筆。


村上 泰亮 (むらかみやすすけ)
「新中間大衆の時代 戦後日本の解剖学」
(しんちゅうかんたいしゅうのじだい)


*カバー画・羽原智達
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*371頁 / 発行 1987年

*カバー文
学界と論壇に新鮮な衝撃を与えた「新中間大衆」の観念を駆使しての、日本の体系的現状分析。保守支配の政治・経済から、変動相場制批判に及ぶ現代社会論。

*目次
 まえがき
 序章 ひとつの時代の終り ── 日本という名の現象
T 戦後日本の経済システム ── 経済と行政のインターフェイス
 第一章 戦後日本企業の特性
 第二章 戦後政府介入のシステム特性
 第三章 戦後経済システムの終焉
U 戦後日本の政治システム ── 新中間大衆政治の時代
 第四章 新中間大衆の出現
 第五章 保守支配の構造
V 戦後国際環境の変動 ── 20世紀から21世紀へ
 第六章 20世紀システムの衰退 ── 新自由主義経済政策批判
 第七章 世界経済解体の症候群 ── 吉冨勝氏の批判に応えて
 第八章 21世紀産業文明への展望 ── 「技術パラダイム」論による一考察
 文庫版あとがき


村越 伸 (むらこしのぶる)
「眼、一筋 ある画商の来た道」
(めひとすじ)


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*268頁 / 発行 1997年
*カバー題字・小倉遊亀 / カバー画・加山又造 「風」(一九七四年)

*カバー文
ものを見る眼、そして時代を読む眼 ── 。己れの眼を信じて、数々の優れた日本画家を世に送り出してきた画商が、半世紀余の来し方を回想し、作品と人との出逢いを綴る。

*目次
序にかえて / 奇しき因縁 / 丁稚「伸どん」 / 終生の恩師 / 吉田幸三郎と速水御舟 / 先見の明 / 大観芸術の底力 / 南太平洋の夜空に / 独立への道 / 「轟会」誕生の頃 / 名画の運命 / 個展のすすめ / 「日相会」の発足まで / 「水墨画」断想 / 加山又造の変遷 / 平山郁夫の「眼」と「心」 / 死且不朽(しすともかつくちず) / 忘れ得ぬ先達 / お遊亀神輿と「無月紅梅」 / 野獣の本性に似て / 眼、一筋 / 文庫版へのあとがき


村雨 退二郎 (むらさめたいじろう)
「史談あれやこれ」 (しだんあれやこれ)


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*223頁 / 発行 昭和52年

*カバー文
豊かな歴史知識から「与太者」の語源と系譜をさぐり、神巧皇后・藤原薬子に古代史の謎を釈く。にせもの義士外伝、幕末北海道共和国の崩壊など、歴史の表裏を明らめる考証随筆と、短章の中に重要な課題を含む歴史小説論考を合わせ全十八章。
歴史上の俗説を考証によって鋭く峻別し、真偽を追求する好著『史談蚤の市』の姉妹篇。

*目次
珍物語源考 / ことば雑談 / きものと万葉集 / 古代反逆史の人々 / 歴史の謎・神宮皇后 / 平安の妖婦・藤原薬子 / 裏からみた頼朝とその周囲 / 二人の剣士と幸村の娘 / 元禄鵜飼舟紛争 / にせもの義士外伝 / 自殺か暗殺か孝明天皇の死 / 北海道共和国の崩壊 / 厚葬の罰 / 学者うそくらべ / 埋蔵金はまだ出る / 統一のない文学の定義 / 歴史教育と歴史小説 / 歴史小説を育てよう / 解説 真鍋元之


村雨 退二郎 (むらさめたいじろう)
「史談蚤の市」 (しだんのみのいち)


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*213頁 / 発行 1976年

*カバー文
「歴史には、表通りもあれば裏通りもある。表通りの方はもっぱら歴史家にまかせることにして、わたしは歴史の裏通りや横丁の、こまごまとした、人間くさい話を一冊にまとめてみた」と著者はいう。
首の相場や築城法を綴った「乱世合切袋」、後世を惑わせた名人「偽書作り沢田源内」、論考「歴史文学と歴史考証」など全十九章。歴史上の俗説を考証によって鋭く峻別し、真偽を追究した好読物。

*目次
人を裁く人 / 乱世合切袋 / 剣豪小説の種本 / 寛永御前試合の真相 / 明治天皇への脅迫状 / 民権運動の軍資金 / 悲劇の皇女和宮 / 憎めぬ男 / 日本左衛門と白井権八 / 石田三成型の人間 / 稲富伊賀の伽羅奢夫人の死 / 偽書作り沢田源内 / 画人田崎草雲 / 誰のために泣くか / 「阿部一族」の史実など / 「佐橋甚五郎」の場合 / 芥川竜之介の歴史文学 / 歴史文学と歴史考証 / 小説の悲劇的結末 / あとがき / 解説 真鍋元之


村雨 退二郎 (むらさめたいじろう)
「明治巌窟王(上下)」
(めいじがんくつおう)


*カバー画・河鍋暁斎
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*上414頁・下370頁 / 発行 昭和61年

*カバー文
上巻
征韓の議を覆した岩倉具視暗殺の企てに荷担し、捕縛、投獄される土佐の青年士族柊(ひいらぎ)民之助 ―― 明治新政府の権力に抗し苛酷な運命に翻弄される熱血漢の雄姿を、維新直後の騒然たる世相を背景に描く歴史長篇前篇。

下巻
三池の監獄を破獄した柊民之助は、名を変えて法曹界に身を置き、少壮判事として弱者救済に命を賭して辣腕をふるうが、執拗な捕吏の眼は絶えず民之助の背後に注がれる…。興趣溢れる歴史長篇完結篇。

*解説頁・磯貝勝太郎(下巻収録)


村松 暎 (むらまつえい)
「瞽説 史記」 (こせつしき)



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*268頁 / 発行 1996年
*カバー版画・関野準一郎 / カバーレイアウト・丸山邦彦(CREATIVE MIND)

*カバー文
強烈な個性をもって躍動する古代中国の群像。彼らの会心と失意―。「呂不韋の奇貨」「匈奴の男」「宰相李斯」など、不朽の古典『史記』の世界を臨場感溢れる筆致でよみがえらせる。関野準一郎版画15点を収録。

*目次
第一話 呂不韋の奇貨
第二話 陳勝の造反
第三話 管鮑の交り
第四話 匈奴の男
第五話 兵法家呉起
第六話 不遇な将軍
第七話 女帝呂后の執念
第八話 宰相李斯
 文庫版あとがき


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「女経」 (じょきょう)


*カバー・棟方志功
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*186頁 / 発行 1975年

*カバー文
女がが男に向かって心の扉を開く瞬間に、永遠不滅の詩が、人生の歓びや悲しみを歌い出す。私はそれを書いたのだと、著者はいう。甘美と苦渋の体験からにじみでた哀愁深い艶笑文学十二話 ― 。

*目次
第一話 円満の女が必ずしも幸福ではない
 女にとって生活と恋とどっちが重い
 昔の中国にはこんな女がいた、今はいない
 雪国の女は奔放な冒険家である
 ヨシワラは完全に地上から消え去った
 ある種の恋愛はかなしい道化である
 旅先の女に悔いを残すものではない
 今は昔芝神明の物語
 昔の恋人を訪ねるのも時と場合によることである
 「真景累ヶ淵」はいつの時代にもある話だ
 初恋物語
 人が老いるのではない、恋愛が老いるのだ
 解説 村松喬


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「本朝画人傳 巻一」 (ほんちょうがじんでん)


*カバー画=円山応挙筆・郭子儀図
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*246頁 / 発行 昭和51年

*カバー文
絢爛たる元禄文化を反映する光琳を始め、町絵師英派の祖一蝶、わが国文人画の第一人者大雅また蕪村、装飾画と写実画の融合者応挙の生涯を逸話を交えて克明に辿り、近世人物美術史の開幕を告げる。

*目次
尾形光琳
英一蝶
池大雅
与謝蕪村
円山応挙
 画人小傅


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「本朝画人傳 巻三」
(ほんちょうがじんでん)


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*263頁 / 発行 昭和51年
*カバー画 渡辺崋山筆・于公高門図(部分)

*カバー文
武士にして文人崋山、浮世絵派最後の巨匠、画狂人北斎、中京文人画の雄、竹洞と梅逸、浮世絵史における風景画の金字塔広重、大和絵の復興につとめ書歌にすぐれた憂国の画人一宦B幕末動乱期、よく国画風を発揮した六画人の全伝。

*目次
渡辺崋山
葛飾北斎
中林竹洞と山本梅逸
安藤広重
宇喜多一
 画人小傅


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「本朝画人傳 巻四」 (ほんちょうがじんでん)


*カバー画=狩野芳崖筆・仁王捉鬼図
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*275頁 / 発行 昭和51年

*カバー文
復古大和絵派の巨匠為恭、歴史人物画の一人者容斎、国画近代化の父芳崖、奇想縦横の諷刺に富む暁斎、文人諸家の技法をうかがい一家をなした穂庵、軽妙な筆致に琳派の装飾性を加味した是真。幕末明治に活躍した六画人の全伝。

*目次
冷泉為恭
菊池容斎
狩野芳崖
河鍋暁斎
平福穂庵
柴田是真
 画人小傳


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「本朝画人傳 巻五」 (ほんちょうがじんでん)


*カバー画・橋本雅邦筆 龍虎(部分) 静嘉堂蔵
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*252頁 / 発行 昭和51年

*カバー文
幕末の京都画壇を代表する寛斎と楳嶺、写生を重視して迫真の虎図に秀でた竹堂、脱藩放浪、あばれ梅渓の異名をとる山水花鳥の妙手草雲、枯淡飄逸、清新優雅の画風で知られる雲坪、国画近代化の推進者雅邦ら六画人の生涯を辿る

*収録画人
 森 寛斎
 幸野 楳嶺
 岸 竹堂
 田崎 草雲
 長井 雲坪
 橋本 雅邦


村松 梢風 (むらまつしょうふう)
「本朝画人傳 巻六」 (ほんちょうがじんでん)


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*259頁
*発行 昭和51年
*カバー画 富岡鉄斎筆・阿部仲麿在唐詠和歌図 足立美術館蔵

*カバー文
色的没骨法による国画の鼓吹者春草、一代の女丈夫にして明治文人画界を代表する晴湖、光線画の新傾向を生みだした清親、日本美術院の花形広葉、わが国南宗画の掉美を飾る巨匠鉄斎、慎重寡作の逸材霊華。明治大正画壇を飾る六画人伝

*目次
菱田春草
奥原晴湖
小林清親
寺崎広業
富岡鉄斎
吉川霊華
 画人小傅


村松 剛 (むらまつたけし)
「死の日本文學史」 (しのにほんぶんがくし)


*カバー・鈴木正道
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*571頁・旧字体 / 発行 1994年

*カバー文
昭和四十六年にカナダのトロント大學の招きでトロントに行き、日本文學についての講義をしました。そのとき大學院で行なった講義が、日本人の死生觀でした。
ちょうど三島由紀夫氏の自殺の、直後になります。……事件はぼく自身にも大きな衝撃で、氣持の上でいろいろと辛い時期でした。  (「後記」より)

*目次
人麻呂とオフェリアのイメージ
花の理念の成立
平安朝の夢と怨靈
平安朝の夢と怨靈(續)
夢のうき橋
『平家物語』と運命
『とはずがたり』の世界
『太平記』の時代
「中世」の秋
キリシタンの一知識人の肖像
心中の美學
武士道と幕末のナショナリズム
死と現代
 後記
 人名索引


村松 剛 (むらまつたけし)
「帝王後醍醐 ― 『中世』の光と影」
(ていおうごだいご)


*カバー・町春草
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*494頁 / 発行 昭和56年

*カバー文
後醍醐帝の出現なしには明治維新はなかった。しかし戦前のタブーと戦後の無関心とは護良親王、楠公父子、足利尊氏などの群雄に彩られたこの時代の姿を闇に沈めている。日本の「中世」を照らし出す画期的評伝。

*目次
一ノ巻
 忠子の「恋」 / 尊治親王の側室たち / 後醍醐親政と日野資朝 / 正中の変
二ノ巻
 修験道と立川流 / 元弘の乱 / 笠置山 / 大塔宮と阿野廉子
三ノ巻
 金剛山の戦い / 隠岐閥と吉野閥 / 足利高氏と名和長年 / 六波羅滅亡
四ノ巻
 建武の中興 / 護良親王の悲劇 / 足利尊氏の叛乱
五ノ巻
 湊川の戦い / 三つの「王朝」 / 吉野の秋 / 南朝残映
  付表 後醍醐天皇の后妃、側室とその御子たち
  あとがき


室生 犀星 (むろうさいせい)
「わが愛する詩人の伝記」
(わがあいするしじんのでんき)


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*261頁
*発行 1974年・2005年改版

*目録文
生涯に亙り詩を書き続けた犀星が、親しい交わりを結んだ十一人の詩人達の遺していった優しい魂と眩しいことばの星々を仰ぎつつ、独自な筆致で捉えた日本抒情の流れ。

*目次
北原白秋 / 高村光太郎 / 萩原朔太郎 / 釈 迢空 / 堀 辰雄 / 立原道造 / 津村信夫 / 山村暮鳥 / 百田宗治 / 千家元麿 / 島崎藤村 / あとがき / 解説 三木卓 / 愛情は古いほど長い間薄ら痒い 佐々木幹雄


室伏 高信 (むろぶせこうしん)
「戦争私書」 (せんそうししょ)



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*359頁 / 発行 1990年
*カバー・大東亜共栄圏総図

*カバー文
戦争は生命を殺すだけでなく、人間の良心をも殺す。日中戦争から太平洋戦争、敗戦、戦後にわたって、日本を代表する政治家、科学者、文化人がどのように変節していったか。戦時中“非国民”と呼ばれた気骨のジャーナリストが、戦争と人間の堕落を透視し、風化する戦争の記憶を甦えらせる。

*目次
序 / 酩酊した百姓 / 支那とわたし / 支那との宿命 / 近衛首相を囲んで / ノーベル賞のかげに / 思い出の人々 / 如履薄氷 / 新体制あれこれ / 戦争中に躍った人々 / 汪兆銘との共鳴 / 敵の包囲の中 / 十二月八日朝のラジオ / 戦時下のジャーナリズム / 与瀬の幽囚 / 咢堂翁とわたし / 終戦までの1年半 / 崩壊の7日間 / 敗戦直後 ― 彼らは戦争中何をしていたか