絶版文庫書誌集成

ちくま文庫 【と】
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徳川 夢声 (とくがわむせい)
「夢声の動物記」
(むせいのどうぶつき)


*カバー装画・横山泰三
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*238頁 / 発行 1996年

*カバー文
アヒルが原因で奥さんに逃げられた友人石黒呑天のこと、犬殺しに連れていかれた飼犬エスを探しに屠殺場まで自転車を走らせた自分のこと、アヒル、犬、鯰、芋虫、狸猫、カラスなどの動物とそれらにふりまわされる人間の悲喜こもごもをユーモアたっぷりに描く。

*目次
アヒル競騒曲
怪猫伝
駄犬・駄主人
ブルドッグ・ジュリー
鯰和尚行状記
芋虫
狸猫
トム公の居候
カラスの記
 しかしいい人ですなあ 横山泰三
 解説 夢声翁の休日 井坂洋子


徳川 夢声・阿川 佐和子編 (とくがわむせい・あがわさわこ)
「問答有用 徳川夢声対談集」
(もんどうゆうよう)


*カバーデザイン・南伸坊
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*446頁 / 発行 2010年

*カバー文
相手の心を和らげ、話題を引き出す術は夢声の話術にある。対談のジャンルに独特の世界を拓いた『問答有用』から、『週刊文春』長期連載対談中の阿川佐和子が精選したベスト版。対談の名手の前で思わず本音を吐露してしまう有名人は、吉田茂、湯川秀樹など20名。

*目次
吉田茂 ― 機智とユーモア、ワンマン宰相
湯川秀樹 ― ノーベル賞博士の推理と直感
志賀直哉 ― 小説の神様のガマ綺談
吉川英治 ― 歳月五年、「新・平家」長旅のこと
柳田國男 ― ひとつ目小僧から記紀まで
山下清 ― 「兵隊の位」が好きな裸の大将
今東光 ― 「ダンカはダニや」、河内の毒舌和尚
長嶋茂雄 ― ゴールデン・ボーイの野球観
平林たい子 ― 職業転々、反権威を貫く
花森安治 ― パーマにスカートの衣裳哲学
武者小路実篤 ― 真理先生の楽天的人生観
松本清張 ― 社会派推理小説のパイオニア
牧野富太郎 ― 植物に捧げた九十年
藤田嗣治 ― 国際画家のパリ画壇交友録
尾崎士郎 ― 「人生劇場」の客気おとろえず
吉田健一 ― 宰相御曹司の「あいつとぼく」
岡本太郎 ― さらば職業画家、前衛派の気炎
子母澤寛 ― 子母澤文学のエスプリ
高浜虚子 ― ホトトギス王国率いて十万句
谷崎潤一郎 ― 老境を楽しむ江戸っ子文豪

編者解説 問答の原点 阿川佐和子



栃折 久美子 (とちおりくみこ)
「モロッコ革の本」
(もろっこがわのほん)


*カバーデザイン・平野甲賀
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*280頁 / 発行 1991年

*カバー文
1972年、ブック・デザイナーとして活躍中だった著者は、洋本の原形である手づくりの製本術を学ぶため、ベルギーの国立学校に実習生として留学した。職人気質の先生たちとその周辺を浮彫りにし、ブリュッセルで学んだ五か月を活写した旅行記。明晰にして柔軟、ウィットに富んだエッセーが、ものを創るということ、生きるということについて、確かな手ざわりを与えてくれる。

*目次
マドモワゼルに髭はなかった
スタッサール通り71番地
モロッコ革の本
デュルト氏とその家族
イクセルの池
ある週末
ケルンの国際コンクール
忙しい夏休み
1990年ブリュッセル ── あとがきにかえて
ルリユールの娘 ウラジミル・チェケルール
解説 アルチザンに出会うよろこび 富士正晴
 挿図 著者

*関連文庫(サイト内リンク)
 栃折久美子 「装丁ノート 製本工房から」 集英社文庫


殿山 泰司 (とのやまたいじ)
「三文役者あなあきい伝 PART1」 (さんもんやくしゃあなあきいでんぱーとわん)


*カバーデザイン・南伸坊
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*277頁 / 発行 1995年

*カバー文
「これでおれの、人生への出発点が狂ったようだな。うん、確かに狂ったんだ」。イキでライブで泣けて、抱腹絶倒の、精神の奔放さがそのまま文章になった類まれなる本。名・性格俳優が語る、“ガキ”の頃からのエピソード、戦前の日本映画界、そして怒り心頭の戦争、「日本帝国の糞ったれ。あ、いけねえ、鉛筆が折れてしもうたがな…」。死後なお“モノホンの”天才ぶりを披露する究極の言文一致、タイちゃん節に驚け。

*目次
INFANCY (幼年期)
A BROTHER (弟)
GO WHORING (女郎買い)
GO ON THE STAGE (役者への道)
IN ONE,S YOUTH (青春時代に)
A STORY OF YOTSUYA (四谷物語)
THE EVENING (前夜)
1940 IN KYOTO (京都にて昭和十五年)
THE JAPANESE ARMY (日本の軍隊)
AN INTERVAL (幕間)
P・O・W (捕虜)
SUMMING UP (総括して言えば)

解説 殿山さんのこと 吉行淳之介
文庫版解説 一発モンのナマ 町田町蔵


殿山 泰司 (とのやまたいじ)
「三文役者の無責任放言録」
(さんもんやくしゃのむせきにんほうげんろく)


*カバーデザイン・南伸坊
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*254頁 / 発行 2000年

*カバー文
「無責任国のお粗末な役者が、一人イキがって責任なんぞ取ってはオカシイとオレは考える」 ── 心底自由人で庶民の代表のような自称「三文役者」が、幅広い俳優人生における喜怒哀楽を天衣無縫な文章で綴る随筆集。女を愛し、女に愛され、酒を好み、ジャズを聴き……そこには、人間に対する愛情があり、テコでも動かない正義感と八方破れみたいで実はチャントした論理がある。

*目次
オレは食事をケイベツする / 酒は金をかけずに飲むべし / オレにはオンナがわからない / 銀座と親父とオレと / 静かなる随筆 / 悲しき祝賀パーティ / サマー・イン・バンコック / ルポルタージュ・喜界島 / ワン・モア・ヒロシマ / 小さな《川島雄三伝》 / ピストルと平和都市 / オレの東京バカンス / 遺伝について / 大阪の宿 / 現代二号論 / いけがみ日記 / 《鬼婆》の世界 / 音羽信子抄論 / 断酒亭日誌 / ジャリタレ物語 / バカタレの川ばたエレジイ / 新幹線に乗って京都へ / ラプドディ・アホタレ / 牛馬の如く働け!! / ヘンなオンナの物語 / 高瀬川慕情 / グッド・デ・ナイ香港 / 河原林の《悪党》 / あとがき / 解説 殿山さんの〈あなあきい〉な視線 井家上隆幸


殿山 泰司 (とのやまたいじ)
「三文役者のニッポン日記」
(さんもんやくしゃのにっぽんにっき)


*カバーデザイン・南伸坊
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*422頁 / 発行 2001年

*カバー文
なぜか世界中が活気にあふれていた1960年代、三文役者・殿山泰司が世界をゆく。ベトナム、台湾、アメリカ、そしてニッポン。三文役者がゆくところ、酒と女とジャズがつきまとう。権威も権力もクソくらえ! トコトン“あなあきい”で、いつもと変わらぬ殿山節に秘められた鋭い観察眼は、21世紀のいま、ますます輝きをましているのだ。

*目次
1 三文役者のサイゴン日記
 1 タイ先生サイゴンに向かう / 2 タイ先生動乱の南ベトナムを行く / 3 タイ先生メコン・デルタを行く / 4 タイ先生180円の売春窟を行く / 5 タイ先生サイゴンでニッポン女性と逢う / 6 タイ先生夜の台湾を行く / 7 タイ先生孤独な台北の夜再訪
2 三文役者のアメリカ日記
 1 “プレイボーイ・マンション”の夜は更けて / 2 ロサンゼルスの虚しい夜 / 3 ベガスの鉄火場からケネディ「殉職の地」へ / 4 ボス、ニューヨーク・ガールを漁る / 5 ボス、コールガールの本拠に挑む / 6 サンフランシスコのフーテン・ジジイ
3 三文役者のニッポン日記
あとがき / 解説 タイチャン礼賛 小林薫


富岡 多惠子 (とみおかたえこ)
「室生犀星」
 (むろうさいせい)
ちくま学芸文庫



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*288頁 / 発行 1994年

*紹介文
なぜ詩人・室生犀星は小説を書くようになっていったのか。そして、なぜ小説家になったあとも、死ぬまで詩を棄てずに作り続けたのか。北原白秋や荻原朔太郎を感動させた『抒情小曲集』から晩年の『昨日いらっしって下さい』に至るまで、生涯を通じて、詩人がウタ(詩)の向こうに何を見出だしたか、何を受け取ったかを、ダイナミックにかつ繊細に探り出した傑作評伝。

*目次
1 詩人の誕生 / 2 『愛の詩集』と『抒情小曲集』 / 3 詩から小説へ / 4 詩の微熱 / 5 戦時下の詩 / 6 詩の晩年 / 犀星に出会う