絶版文庫書誌集成

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ニコラ・ブルバキ著 / 村田 全・清水 達雄・杉浦 光夫訳 (NICOLAS BOURBAKI / むらたたもつ・しみずたつお・すぎうらみつお)
「ブルバキ数学史(上下)」
(ぶるばきすうがくし)
ちくま学芸文庫



*カバーデザイン・plump plum
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*上318頁 / 下350頁 / 発行 2006年

*カバー文
「構造」の観点から20世紀の数学全体を基礎づけ直したフランスの若き数学者集団ブルバキ。彼らの壮大な試みはユークリッドの『原論』を模して『数学原論』40余冊として結晶した。最新の各理論の指導的理念やその形成展開の過程はどのようなものであったのか。膨大な原典史料を駆使して、理論の背後にある思考様式や哲学を含め考察したものが、「歴史覚えがき」として著された本書である。「構造」を「歴史」から逆照射する、数学者自身によるユニークな数学史。数学専攻の学生・研究者はもちろん、「構造主義」哲学に関心ある読者には必読。文庫版は3篇を増補した決定版。

*目次

序 / 再版にあたって / 数学の基礎.論理.集合論 / 記数法.組合せ論 / 代数学の進展 / 線型および複線型代数学 / 多項式と可換体 / 整除性.順序体 / 可換代数学.代数的整数論 / 非可換代数学 / 2次形式.初等幾何学 / 位相空間 / 一様空間

実数 / 指数と対数 / n次元空間 / 複素数、角の計量 / 距離空間 / 微分積分学 / 漸近展開 / ガンマ関数 / 関数空間 / 位相線型空間 / 局所コンパクト空間上の積分 / ハール測度.畳み込み積 / 局所コンパクトではない空間上の積分 / リー群とリー環 / 鏡映群.ルート系 / 文献 / 訳者覚えがき / 訳者あとがき / 文庫版訳者あとがき / 解題 ブルバキ 数学原論 数学史


蜷川 幸雄 (にながわゆきお)
「千のナイフ、千の目」
(せんのないふ、せんのめ)


*カバー写真・柿沼隆
 カバーデザイン・神田昇和
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*302頁 / 発行 2013年

*カバー文
本書は、自伝的エッセイと自身の演劇に対する姿勢を書きつづった短編とから成る。タイトルは「客席に千人の青年がいるとしたら、彼らは千のナイフを持っているのだ」という本文から取られている。七十七歳になった今でもその言葉の呪縛から逃れられないと語る蜷川の、若き日の決意と情熱がほとばしりでるエッセイ集。本音を語る魅力あるエピソードは、時を経ても古びない。

*目次
T章 演劇をめぐる自伝
 役者から演出家へ(一九五五〜一九六五)
  騒乱の新宿時代(一九六六〜一九七三)
   千のナイフ(一九七四〜一九八三)
    メランコリーの季節(一九八四〜一九八九)
U章 演劇という病
 深夜の話 演出とは何か
 砕けた鏡
 風ももうすぐやむだろう
 すべては舞台の上にある 朝日劇評との闘争記
 非日常空間へ誘う苦しくも愉しいたくらみ
 「1991・待つ」の集団創作法
 いつかあいつらを撲ってやる
 マスコミによる魔女狩り NHK紅白歌合戦辞退の理由
 芝居と私
 TANGO AT THE END OF WINTER 演劇による文化交流
 舞台としての建築 ── 西本願寺・飛雲閣
V章 千のまなざし
 コミュニケーションの訓練
 演劇的教育論
 僕の中の三つの東京
  あとがき / 文庫版あとがき