
*カバー写真・毎日新聞社提供
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*368頁 / 発行 2017年
*カバー文
岩宿遺跡を発掘した在野の研究家、相澤忠洋。「旧石器の神様」と呼ばれた考古学者、芹沢長介。日本人の根源を辿る考古学界において、歴史を変えたその新発見は激しい学術論争、学閥抗争を巻き起こす。やがて沈殿した人間関係の澱は、日本を震撼させた「神の手」騒動に流れ着き ―― 。微に入り細を穿つ徹底取材が生んだ骨太ノンフィクション。『石の虚塔 発見と捏造、考古学に憑かれた男たち』改題。
*目次
序章 オレたちの神様
第一章 岩宿の発見
日本人のルーツ発見 / 「考古ボーイ」たち / 芹沢と相澤の出会い / それまでの旧石器研究 / 「明石原人」を巡る論争 / 相澤のライバル / 始まった世紀の発掘 / 周囲の冷淡な目
第二章 人間・相澤忠洋
旅芸人の息子として / 初めて手にした石器 / 離散した家族 / 母との再会 / 父としての相澤忠洋 / 亡き妻へのオマージュ
第三章 芹沢長介と登呂の鬼
染色家の父 / 病との闘い / 登呂の鬼 / 火の杉原、水の芹沢 / 「岩宿の発見」は誰のものか? / 杉原vs芹沢
第四章 前期旧石器狂騒
「この怨みは一生忘れないぞ」 / 考古学は博打か / 人類の起源 / 芹沢の苦悩 / 師弟対決 / 岩宿の再発掘調査 / 晩年の相澤
第五章 孤立する芹沢
層位は型式に優先する / こだわりの写真撮影 / 芹沢の愛弟子たち / 本当の敵は誰か / 孤立する神様
第六章 暴かれる神の手
虚実ない交ぜの男 / 「出たどーッ」 / 神の手への疑問 / 考古学における日仏の差 / 科学検査では「OK」 / 無視された藤村批判論文 / 動き始めた取材チーム / 検証委員会は何をしたのか
最終章 神々の黄昏
相澤忠洋になろうとした男 / 道化師よ、衣装をつけろ / 旧石器の神様の最期
あとがき / 参考文献一覧 / 解説 増田俊也
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