絶版文庫書誌集成

旺文社文庫・日本の著作
【さ】


西園寺 一晃 (さいおんじかずてる)
「中国辺境をゆく」 (ちゅうごくへんきょうをゆく)


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*398頁 / 発行 1986年

*紹介文
日本人のルーツをめぐって脚光を浴びる中国少数民族の現状と生活ぶりを詳細にレポートする。

*目次
青海省 ― 西寧から青海湖へ
内蒙古自治区 ― 呼和浩特から包頭へ
甘粛省 ― 河西走廊を敦煌へ
新疆ウイグル自治区 ― 烏魯木斉から吐魯番へ
雲南省 ― 昆明から西双版納へ
貴州省 ― 貴陽から黔東南へ
海南島 ― 海口から東海岸、中部山岳地帯をゆく
黒竜江省 ― 哈爾浜から牡丹江へ


斎藤 茂太 (さいとうしげた)
「とにかく飛行機への情熱」 (とにかくひこうきへのじょうねつ)


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*235頁
*発行 1983年
*カバー画・おおば比呂司

*カバー文
書斎にはプロペラを置き、応接間には旅客機のイスを配し、寝室はエアバグで足のふみ場もなく、就床面積が減る一方……というモタ先生。子供のころのツェッペリン飛行船の思い出から世界のヒコーキ野郎たち、空の博物館めぐりまで、ヒコーキのお話が満載!

*解説頁・岡部冬彦


斎藤 茂太 (さいとうしげた)
「モタさんの汽車の旅 ― 世界の街 世界の人」 (もたさんのきしゃのたび)


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*245頁
*発行 1982年
*カバー画・おおば比呂司

*目録文
メキシコ山岳鉄道、ハワイの小さなSL、アメリカ大陸横断……モタさんはまた旅にでる。


斎藤 茂太 (さいとうしげた)
「モタさんのヒコーキ談義」 (もたさんのひこーきだんぎ)


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*244頁
*発行 1982年
*カバー画・おおば比呂司

*カバー文
天明五年、日本最初の「飛行」をした浮田幸吉、琉球王国の"鳥人"・飛び安里、日本のレオナルド・ダ・ビンチ松森胤保……ヒコーキを語らせて右に出る者のないモタさんが薀蓄をかたむけて語るパイオニア達の物語。また、海外のヒコーキ体験から映画に登場するヒコーキの話へと、筆は快調に飛ぶ。


早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
かげろう伝奇」 (かげろうでんき)


*304頁 / 発行 1985年

目録
大江戸の泰平の夢を破って次々とおこる奇怪な殺人事件。妖異猫一族の陰謀と描く時代伝奇巨編。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「死神伝奇」 (しにがみでんき)

*405頁 / 発行 1985年

*紹介文
太閤秀吉暗殺を図って渡海来朝した南蛮妖術者十三人と、甲賀忍者・幻也斎の幻妖・惨虐の死闘。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「猫魔岳伝奇」 (ねこまたけでんき)

*283頁 / 発行 1985年

*紹介文
大江戸の泰平の夢を破って次々とおこる奇怪な殺人事件。妖異猫一族の陰謀と描く時代伝奇巨編。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「花笛伝奇」 (はなぶえでんき)

*302頁 / 発行 1986年

*紹介文
玉屋ァ,鍵屋ァの掛声にまじって,芸者のひく三味線,鼓の音が大川の川面を渡る夏の夜。その喧騒の中,一抹の哀愁と奇怪な無気味さを湛えて流れる横笛の調べ,続いておこる女の悲鳴,「人殺し!」の叫び……。死を呼ぶ花笛の謎を追って,陥穽に落ちた旗本青江弦四郎の必死の探索が続く。そして,ついに掴んだ殺人鬼“白狐”の正体は? 妖美なエロチシズムに彩られた伝奇巨篇。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「八幡船伝奇」
 (ばはんせんでんき)

*373頁 / 発行 1985年

*目録文
智勇兼備の戦国武士香月大介が御家再興の夢を賭けて南海に雄飛し、一筋の純愛を貫く長編伝奇。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「緋牡丹伝奇」 (ひぼたんでんき)

*497頁 / 発行 1986年

*紹介文
いまだ戦国遺風の残る関ヶ原戦後の京。月光の中、紙屋川を辷るように行く孤舟。舟着場に降りた清艶な女を片膝ついて敬虔に迎えた屈強の武士達は、次の一瞬一刀のもとに船頭を斬殺した。思わず悲鳴をあげた阿国を、血刀をひっさげて追う男達。……戦国余燼の京に出雲阿国の妖艶な姿が舞い、名古屋山三郎の槍が躍る。三成の忘形見菊姫の野望に阿国の悲恋がからむ、剣と恋の伝奇巨篇。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「まぼろし伝奇」 (まぼろしでんき)

*280頁 / 発行 1986年

*紹介文
越後の上杉謙信,甲斐の武田信玄,尾張の織田信長らが天下布武をかけて激しく争う戦国末期。信長の寵童森力丸は夜伽明けで下城の途次,大道で妖艶に舞う派手小袖の美女に魅せられた。女の蠱惑的双眸で幻妖の忍法にとらわれた力丸は,夢遊病者のように安土城に這入り主君信長を暗殺しようとするが……。信長を襲う北越忍者,謙信を狙う甲賀忍者,そして艶美なくノーが,秘術を尽くして死闘する伝奇時代小説。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「山彦伝奇」 (やまひこでんき)

*297頁 / 発行 1986年

*紹介文
戦国末期の九州では、名族宇都宮氏と豊臣秀吉の威を借る黒田氏との凄絶な闘いが展開されていた。……甲賀頭領夜太夫指揮する女忍者と、久内率いる流ノ忍者が妖異艶美な死闘を繰り返し、犬丸道人が獺を操り英彦山の外法を駆使する。戦国武将の力と謀略の陰で、死を賭して誇りを守り闇に消えた忍者たちの怨念を描き切った傑作忍法小説。



早乙女 貢 (さおとめみつぐ)
「妖刀伝奇」 (ようとうでんき)

*292頁 / 発行 1985年

*紹介文
怪奇な伝説のゆえ長い眠りの中にあった妖刀村正がいま甦る! 自ら鞘走り、自ら求めて人を斬る!



坂上 弘 (さかがみひろし)
「ある秋の出来事 他六編」 
(あるあきのできごと)

*発行 1974年

*紹介文
殺す悪ではなく殺さない悪を選びとった〈私〉を、透明無比な文体に刻んだ表題作の他、「野菜売りの声」など代表作六編を収録。 柄谷行人解説



坂上 弘 (さかがみひろし)
「遅い帰りの道で」
(おそいかえりのみちで)


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*211頁
*発行 1978年

*目録文
ある年の秋、肉親への愛をふりすてるように家出し、年上の女と同棲する青年の早熟な青春の季節。


榊原 和夫 (さかきばらかずお)
「新・道の風土記」 
(しんみちのふどき)

*191頁 / 発行 1986年

*目録文
脇往還の周辺にいまだ息吹く伝統文化をたずね、ペンとカメラでレポートした歴史紀行。カラー版。



榊原 和夫 (さかきばらかずお)
「道の風土記 ― 街道が運んだ生活文化」
 (みちのふどき)


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*191頁
*発行 1984年

*目録文
脇往還の周辺に今も残る日本の生活文化をカラー写真と文章で紹介。ゴゼ・ベンガラなど十四道。

*註=「脇往還」(わきおうかん)は、江戸時代の五街道以外の主要な街道をいう。脇街道(わきかいどう)、また単に脇道(わきみち)ともいった。


坂口 安吾 (さかぐちあんご)
「信長」
(のぶなが)


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*414頁 / 発行 1974年

*カバー文
豪放磊落な詩精神を小説・評論と多彩に展開させた鬼才坂口安吾は、独得の“安吾史観”を駆使して、歴史小説にも数々の作品を遺した。織田信長は安吾が最も熟愛した歴史上の人物であり、それ故、この長編小説『信長』は、人馬一体と言うべきか、作者と主人公が見事な魂の交感を果たし得た稀有の例である。

*目次
信長
青い絨毯
 解説
  坂口安吾・人と文学について 兵藤正之助
  放浪と凋落と ―― 作品解説 大久保典夫
 代表作品解題
 参考文献
 年譜

挿絵 賀茂牛之


佐々木 たづ (ささきたづ)
「ロバータさあ歩きましょう」 (ろばーたさああるきましょう)


*カバー画・赤坂三好
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*277頁 / 発行 1980年

*カバー文
ある日、あなたが突然光を失ったとしたら、どんな思いがするだろうか?青春のさなかに、この不幸な出来事に襲われた著者は、盲導犬ロバータと出会うことによって、大きな希望を与えられたのだった。童話作家として生きる著者の姿や、犬と人間の美しい交流、周囲の温かい心づかいをえがいた愛と感動の記録。

*目次
第1部 ロバータ話してきかせましょう
第2部 ロバータあなたの力を貸して下さい
第3部 ロバータ覚えているでしょう
第4部 ロバータさあ歩いていきましょう


笹沢 左保 (ささざわさほ)
「天を突く石像」 
(てんをつくせきぞう)

*281頁 / 発行 1984年

*紹介文
精神異常者を装い自殺した親友の死に疑問を持った主人公が、独自の調査で真相をつきとめる……。



佐瀬 稔 (させみのる)
「官僚たちの八月十五日」 (かんりょうたちのはちがくじゅうごにち)



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*278頁 / 発行 1986年

*カバー文
昭和20年8月15日。日本の超エリート達は、その時何をしたか?開戦、終戦時の官僚たちの去就をドキュメントタッチで鋭く描く!!

*目次
第一章 大平正芳は観音像を抱いて走った
第二章 革新官僚は皇国の勝利を信じた
第三章 岸信介は偶然、死を免れた
第四章 宮沢喜一はドアを閉め忘れた
第五章 外務省の白鳥はパドリオのアリアを歌った
第六章 中曽根康弘は内務省の臨終をみとらなかった
あとがき


佐多 稲子 (さたいなこ)
「女の宿・水・人形と笛 他七編」 (おんなのやど・みず・にんぎょうとふえ)

*209頁 / 発行 1976年

*紹介文
第二回女流文学賞受賞の作品集“女の宿”から九編を収録。ひっそりと生きる市井の女達の生活の悲哀を描いた珠玉短編集。



佐藤春夫著 (さとうはるお) 阪本越郎編 (さかもとえつろう)
「佐藤春夫詩集」 (さとうはるおししゅう)


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*276頁
*発行 昭和49年
*カバー・深尾庄介

*カバー文
口語自由詩興隆のさなか、作家春夫は文語体定型の詩形をもって詩人として出発した。
「古さ」に個性の輝きを見出し、独自の詩風を拓いた詩人の数々の作品には、永遠の青春を象徴する情熱と苦悩がこめられている。「殉情詩集」「我が一九二二年」など一六〇余編を収録。

*解説頁・阪本越郎/林富士馬


佐藤 春夫 (さとうはるお)
「美の世界・愛の世界四季のうた恋のうた」 
(びのせかい・あいのせかい)


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*233頁
*発行 1981年
*カバー・田村義也

*カバー文
幼い子を失って悲しみなげいている哀切な万葉集の歌。愛の目ざめの陶酔を歌うハイネ。また、相思相愛のよろこびを高らかに歌った与謝野晶子 ― 。詩人、佐藤春夫が古今東西の名作のなかから四季折々のうたと恋のうたを選び、鑑賞する。美しい詩の世界に読者は引き込まれるであろう。

*解説頁・林富士馬


佐野 洋 (さのよう)
「赤外音楽」
 (せきがいおんがく)


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*199頁
*発行 1983年

*目録文
番組にない不思議な深夜放送。放送局も否定する怪電波を操るのは誰か? その目的は何か?


三代目三遊亭金馬 (さんだいめさんゆうていきんば)
「浮世断語」 (うきよだんご)

*254頁 / 発行 1981年

*紹介文
落語界の好学の士、先代金馬が、落語に関することなら何でも、手当たり次第に語った好読物集。



三遊亭 圓生 (さんゆうていえんしょう)
「浮世に言い忘れたこと」 (うきよにいいわすれたこと)


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*265頁
*発行 1985年

*目録文
昭和の名人、六代目三遊亭圓生が、芸のこと、寄席のこと、食べもののことなど軽妙に語る。


三遊亭 圓生 (さんゆうていえんしょう)
「書きかけの自伝」 (かきかけのじでん)


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*291頁
*発行 1985年

*目録文
昭和の名人・故六代目三遊亭圓生の来し方を、ユーモア溢れる語り口で綴る。楽しい対談も併録。