絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【せ】

青幻舎 (せいげんしゃ)
「桜さくら Picture Book of Cherry Blossoms」


*装訂・大西和重
(画像はクリックで拡大します)


*263頁・文庫本 / 発行 2006年

*カバー文
日本人がこよなく愛する桜の花を
名画にたどり、意匠の中に見出した、美しい桜尽くしの本です。
「源氏物語画帖」を彩った気品。「醍醐花見図」の絢爛。
浮世絵の中で、吉原の花魁道中と妍を競うあでやかさ。
桜文様は、着物や蒔絵の調度にもつややかに咲き満ちています。
本書にはまた、江戸時代の貴重な桜花写生図や、
失われゆく名桜の姿をとどめようと、
「桜守」先代佐野藤右衛門が作成した
昭和の桜花図譜も収めました。
さらに、山桜、彼岸桜、大島桜、里桜など
さまざまな品種を鮮やかに捉えた写真を付しています。
平安時代よりこのかた、先人が桜に寄せた美意識と造形の粋をこころゆくまでご堪能ください。

*目次
口絵
日本人と桜 並木誠士
桜に遊ぶ
桜を描く
 桜花図譜
桜の意匠
桜の種類
掲載美術品一覧


青幻舎第二編集室編 (せいげんしゃだいにへんしゅうしつ)
「20世紀の商業デザイン ― アール・デコから現代まで」
(20th Century Indasutrial Design)
青幻舎


*装訂・北尾崇
(画像はクリックで拡大します)

*256頁 / 発行 2008年

*カバー文
世界の美術・装飾史のなかで、“アール・デコ”が美術運動の総称として使用されるきっかけとなったのは、パリで開催された「現代装飾・美術国際展覧会」(1925年)によるものです。アール・デコは、量産化による直線的なデザインを特徴とし、大衆化の時代を迎えて、ポスターやファッション、家具など世界のあらゆるジャンルに大きな影響を及ぼしました。ここに収録された作品群は、色鮮やかなポスターや広告など、20世紀前半〜中期に製作されたデザインを幅広く収載しています。コンピューター導入以前、人の手によって生み出されたこれらのデザインは、ふくよかな線やかたち、色彩を有し、現在に生きる私たちの目に、斬新さと豊かさを感じさせてくれます。レトロな雰囲気と色褪せない魅力 ――
往時の商業デザインの世界をごゆっくりお愉しみください。

*目次
〔序文〕ナカムラユキ
海外編
雑誌広告・ポスター・書籍表紙など
化粧品・ファッション広告
家具・タイプライター広告
ディスプレイ・スケッチ
クリスマス・包装紙
パッケージ

日本編
雑誌広告・ポスター・書籍表紙など@
包装紙
新年・クリスマスカット資料
雑誌広告・ポスター・書籍表紙などA
ウィンドウディスプレイ
参考資料「色彩」塚田敢
作品一覧


青幻舎第二編集室編 (せいげんしゃだいにへんしゅうしつ)
「日本の染織T 絣」
(にほんのせんしょく かすり / Japanese TextilesT Ikat Kasuri)
青幻舎


*装丁・大西和重
(画像はクリックで拡大します)


*255頁 / 発行 2004年

*カバー文
インドに生まれた絣(イカット)は、西はペルシャから南ヨーロッパへ、東は中国および東南アジアの島々から、琉球へと渡来しました。日本の絣もまた、その素材や技法の多彩さにおいて世界に誇る豊かな美しさを備えています。本書は、18世紀以降の遺品から藍染めの木綿絣や薩摩白絣など代表的なものをはじめ、銘仙絣や絵絣など特徴ある布を約600点収載しました。手紡ぎの布の質感とともにシンプルにして奥行きのある絣の魅力が堪能できます。日本各地への伝播につれて固有の風土が育んだ絣は、まさに染織文化の粋と言えるでしょう。

*目次
絣について 吉本嘉門
資料・絣文様手控帳
明治絣反物のいろいろ
庶民所用の「絣日常着」
絣文様
 沖縄・九州
 中国・四国
 近畿
 中部・北陸
日本への絣の伝播参考地図
主要な絣柄手板図表


青幻舎第二編集室編 (せいげんしゃだいにへんしゅうしつ)
「日本の染織U 縞・格子」 (にほんのせんしょく・しま・こうし / Japanese Textiles U Stripes & Lattices)
青幻舎


*装丁・大西和重
(画像はクリックで拡大します)

*255頁・文庫本 / 発行 2004年

*カバー文
江戸の粋と呼応して、人々に愛好された縞や格子は、驚くほどモダンに映ります。
素朴な木綿縞や粋な黄八丈。味わい深い芭蕉布。
柄の多彩さをとっても、千筋、万筋、みじん縞、よろけ縞や千鳥格子、吉野格子、弁慶格子など独自の発展を見ました。
本書収載の約800点の優品は、江戸期から明治、大正を通じての手織り縞・格子パターンの推移と展開を生き生きと物語ってくれるでしょう。着物好きの方、染織に興味のある方に、デザインソースとしても最適な美しい一冊です。

*目次
筋・縞・格子文様について 吉本嘉門
『縞帳』
凡例
筋・縞・格子文様
 木綿縞
 唐棧
 黄八丈
 芭蕉布
 麻縞
 絹縞
 絣縞
主要な絣手板図表


企画構成・青人社 (せいじんしゃ)
「日本の染型」
(Traditional Japanese stencil designs)
青幻舎


*装丁・大西和重
(画像はクリックで拡大します)

*255頁
*発行 2004年

*カバー文
和紙を柿渋で貼り合わせた型地紙に多彩な文様を彫りつけた型紙は広く染色に用いられてきました。優れた染めを得るためには、相応する型紙が必要とされます。中でも三重県鈴鹿市の白子町や寺家町では古来、その伝統技法が育まれ「伊勢型紙」として有名です。
本書は、至高の職人技が生み出す、繊麗にして力強い文様を多数収録。時代の文化と技がもたらす、研ぎ澄まされた型の美をお届けします。


関 裕二 (せきゆうじ)
「海峡を往還する神々」
(かいきょうをおうかんするかみがみ)
PHP文庫


*装丁・多田和博
 装丁写真・amanaimages
(画像はクリックで拡大します)

*297頁 / 発行 2010年

*カバー文
スサノオは日本に来る前に新羅に降臨したと、『日本書紀』にはある。また『古事記』『日本書紀』には、アメノヒボコという新羅の王子が描かれている。かたや新羅には、海の彼方からやってきたとされる脱解王の伝説が……。日本と新羅、海を隔てて響きあう伝説が意味するものとは何か。両国の伝承を丹念に読み込み、考古学の最新成果を照合するとき、古代史最大の謎、天皇家のルーツが見えてくる。

*目次
 はじめに
第一章 渡来人と森の話
第二章 アメノヒボコの謎
第三章 ヤマト建国の知られざる黒幕
第四章 往還する神々と天皇家の正体
おわりに / 参考文献


関 容子 (せきようこ)
「日本の鶯 堀口大學聞書き」
(にほんのうぐいす ほりぐちだいがくききがき)
岩波現代文庫


*カバー・和田誠
(画像はクリックで拡大します)

*432頁 / 発行 2010年

*カバー文
女流画家マリー・ローランサンは若き日の堀口を、「日本の鴬」と呼んで愛した。そんな青春の秘話をはじめ、生涯を通じての佐藤春夫との交友、恩師・与謝野寛・晶子夫妻や永井荷風、コクトー、アポリネールらとの出会い。最晩年の大詩人が、エスプリあふれる言葉で、恋と文学と人生の来し方を語った日本エッセイストクラブ賞受賞作。

*目次
序 (堀口大學) / 第一章 現役の詩人 / 第二章 陶印譚 / 第三章 若き二十(はたち)の頃なれや / 第四章 詩人と酒 / 第五章 山中湖にて / 第六章 ジャン・コクトーのこと / 第七章 マリー / 第八章 ギヨーム・アポリネールのこと / 第九章 子供のときから作文が得意 / 第十章 盗む / 第十一章 春の夜の夢 / 第十二章 第一書房主人 / 第十三章 ある銅版画家の思い出 / 第十四章 女たち / 第十五章 ズズのことなど / あとがき / 岩波現代文庫版あとがき / 解説 (丸谷才一)

講談社文庫版(サイト内リンク)


関川 夏央 (せきかわなつお)
「昭和時代回想」
 (しょうわじだいかいそう)
集英社文庫



*イラスト・森英二郎
(画像はクリックで拡大します)

*248頁 / 発行 2002年

*カバー文
かつて、この国には「昭和」という時代があった。そして「戦後」や「高度成長」という風景も。敗戦後の発展途上国から自意識に悩む中進国、そして虚栄に踊る先進国へとつき進んだ数十年間。いま日本に生きるわれわれの大多数が生まれ育ってきた、あの長い昭和時代とは果たして何だったのか。希代の名文家が、過ぎ去った忘れ得ぬものたちへのほろ苦い思いを込めて描き出す珠玉のエッセイ集。

*目次
 溶明する民主主義
T いわゆる青春について
U 暑さに疲れた夕方
V 「老い」という大陸
W 「停滞」へのあこがれ
 あとがき / 文庫版あとがき / 解説 斎藤美奈子


世界のタイル博物館編 (せかいのたいるはくぶつかん)
「世界の装飾タイル 古代オリエントから近代まで、建築装飾を彩る文様の世界」
(せかいのそうしょくたいる)
青幻舎



*装釘・大西和重
(画像はクリックで拡大します)

*255頁 / 発行 2007年

*カバー文
私たちの身の回りにはさまざまなタイルが使われていますが、その歴史は古く、紀元前2650年頃、世界最古の散タイルがエジプトのピラミッドから見出されています。イスラムの世界では、タイルはモスクを飾る建材として発達し、設計家たちは複雑を極めた幾何学模様を用いました。その後、タイルは中近東、ヨーロッパへと広がりを見せ、オスマン・トルコのイズニック・タイル、スペインのマジョリカ、オランダのデルフトなど多彩な技法が開花しました。また、産業革命後のイギリスでは、暮らしを豊かに彩る建築装飾やインテリアとして、様々な色や柄のタイルが広く浸透しました。本書では、「世界のタイル博物館」より優品を厳選し、色彩と文様が織りなす装飾性豊かなタイルを収録しました。古代から現代まで歴史のロマンに思いを馳せながら、装飾する人々の魂が込められたタイルのデザインをお楽しみください。

*目次
はじめに
オリエントのタイル
イスラームのタイル
スペインのタイル
オランダのタイル
イギリスのタイル
日本のタイル
タイルのできるまで
INAXライブミュージアム・世界のタイル博物館案内
別項 中国磁器の影響 / ドイツのストーブ・タイルと陶板画


千田 堅吉 (せんだけんきち)
「唐長の京からかみ文様譜」
(からちょうのきょうからかみもんようふ)
京都書院アーツコレクション


(画像はクリックで拡大します)

*255頁 / 発行 1997年

*カバー文
 唐紙(からかみ)とは、元来中国(唐)より輸入した美術紙の総称であるが、ここでいう「からかみ」は、唐紙のなかでも紋唐紙 ── 文様の彫られた板木に雲母や具をのせ、和紙に文様をうつしたもの ── を、国内で模造したものをさしている。
 この和製「からかみ」は、やがて襖障子の装飾に貼られるようになり、以来日本の簡潔な住居に奥行きを与え、空間を繊細に彩ってきた。
 現在、京都で唯一「からかみ」をつくり続けている唐長(からちょう)では、江戸時代から受け継がれた六百数十種の板木を蔵している。長い時間をかけて淘汰され、今に残った文様は、いずれも現代の目にも清新なものばかりである。
 洗練された図柄と、自然に育まれた微妙な色彩が織り成す、京からかみ文様図譜。

*目次
植物文様 / 風月万象 / 動物文様 / 有職・幾何学文様 / 唐長の「京からかみ」 千田堅吉