絶版文庫書誌集成

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別冊宝島編集部編 (べっさつたからじまへんしゅうぶ)
「帝都・東京」
(ていと・とうきょう)
宝島SUGOI文庫


*カバーデザイン:テンフォーティー 豊島昭市
 本文DTP:株式会社明昌堂
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*239頁 / 発行 2008年

*カバー文
「帝都東京」は戦前の読み名ではない。戦後60年を経たいまでも、東京は帝都なのだ。明治初年の東幸、帝国憲法発布と天皇儀礼の創出、関東大震災後の復興、そして敗戦から現在にいたるまで、東京には「帝」=ミカドが刻み込まれてきた。歴史学者、民俗学者、工業デザイナー、建築史研究家など各界の第一人者がそのベールをひとつひとつ明らかにしていく。いままでにない東京探検だ。

*目次
introduction 帝都の記憶は眠らない
帝都東京マップ
プロローグ 帝都誕生前夜
 帝都誕生へのプレリュード
 東京はいつ、どのようにして首都となったのか?……佐々木克
 構成・森山典子
第一部 聖空間の出現 ミカドの都
 ■聖空間@ 皇居
  町なかの京都御所から、「神聖不可侵」の宮城へ!……岡田精司
 ■聖空間A 明治神宮/神宮外苑
  最新技術を駆使した明治大帝のモニュメント……内藤正敏
 ■聖空間B 乃木神社/東郷神社
  神として生きつづける帝国陸海軍の申し子……小松和彦
 ■聖空間 プランナーたちの系譜
  「妄想力」を帝都の街造りにみなぎらせよ!……藤森輝信VS井上章一
 ■聖空間の反面・「貧民窟」
  帝都の中心に残された不思議な空間 ──“火避地”鮫ヶ橋の秘密……村野薫
 ■天皇の聖空間ネットワーク・東京 ─ 京都 ─ 奈良
  帝の「伝統」を視覚化する〈京都〉〈奈良〉聖地化計画……高木博志
第二部 歴史発見! 帝都の演出装置
 ■演出装置@ 花電車
  花電車は帝のプロパガンダ装置だった!……橋爪紳也 構成・土居浩
 ■演出装置A 遊覧バス
  「はとバス」観光コースに組み込まれた帝都の記憶……原遼平
 ■演出装置B 銅像
  東京にちりばめられた帝都ゆかりの銅像めぐり……藤本正行
 ■演出装置C 郊外鉄道
  「聖」と「不浄」を結ぶ武蔵野の鉄道・京王線……上島敏明
 ■帝都遺跡・「鉄道編」
  いまは亡き「幻の駅」に帝都の残像をみた!……原遼平
第三部 軍都東京 大元帥の都
 ■帝都の軍事施設・戸山ケ原
  都の西北に生きつづける帝国陸軍の伝説……佐伯修
 ■帝都遺跡・「軍事編」
  探訪! 帝都防衛に挫折した軍事遺跡……藤井尚夫
筆者紹介 表紙写真 / 清水啓二 本文写真(二〇〇八年) / 金子靖 図版 / 平岡省三


別役 実 (べつやくみのる)
「別役実 T 壊れた風景 / 象」
(こわれたふうけい / ぞう)
ハヤカワ演劇文庫



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*253頁 / 発行 2007年
*カバーデザイン・工房はやし

*カバー文
食べ物からパラソルに蓄音器まで用意された素敵なピクニックの場に通りがかった他人同士。不在の主に遠慮していたはずが、ついひとつまみから大宴会へ。無責任な集団心理を衝いて笑いを誘う快作「壊れた風景」。背中に残る被爆痕を人目に晒すことでしか自己の存在を確認できない男と、それを嫌悪する男。深い孤独と不安に耐え、静かな生活を守りぬこうとする人間の姿を鮮烈に描き、演劇界に衝撃を与えた初期代表作「象」。

*解説頁・大場建治


別役 実 (べつやくみのる)
「当世商売往来」
(とうせいしょうばいおうらい)
朝日文庫


*カバー装幀・浅沼テイジ
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*199頁 / 発行 1999年

*カバー文
どんな文明の、どんな知恵が、その商売を商売たらしめたのか ── 30に及ぶ商売について、大真面目に分析する。もっともだが、どこかナンセンス。ふと、込み上げる笑いの中に現代社会のさまざまな側面が見えてくる。好奇心をくすぐる発見の書。

*目次
T
総会屋 / セールスマン / 地見師 / 両替屋 / お笑いタレント / ペット・ショップ / 保険金取得業
U
探偵 / ダフ屋 / カメラマン / 押し屋 / 料理評論家 / 自動販売機 / こえかい
V
喫茶店 / 示談屋 / 有名人 / やくざ / 行列屋 / 銭湯 / 宗教家
W
電話の時間貸し屋 / 俳優 / 緑の小母さん / 動物園 / 当り屋 / 主婦 / つなぎや / いたこ / 君主
あとがき / 朝日文庫のためのあとがき
かいせつ 青井陽治