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*262頁 / 発行 1987年
*カバー文
『寓話』でその名を不朽ならしめたラ・フォンテーヌだが、彼は『寓話』よりも早く『小話(コント)』の執筆をはじめていた。浮気女や寝とられた亭主、好色坊主などが、愛の騙し合いやアバンチュールの技を競うといった、ボッカチオやラブレーに素材を借りた風流小話が大部分ながら、さすが才気にあふれる巧妙な口調で語られ、独特の魅力にあふれた艶笑譚となっている。『寓話』作家の快楽主義者としての本性を存分に発揮した作品である。
*目次
ジョコンダ ― ロンバルディア王との魅力くらべ
リッチャルド・ミヌートロ ― 恋の手並み
殴られて喜んだコキュ ― 貞潔な奥方との忠実な従僕のペテン
聴罪司祭に化けた亭主 ― 浮気女房が一枚上手
シャトーティエリで起こった事件 ― 三人ともに得するためには
アテナイオスによる小話 ― 美しい娘の父親はどちら?
アテナイオスによる小話(その2) ― 食いしんぼう
※※※についての小話 ― 赤ん坊を産んだ修道女
メールの判事 ― 判決はくじ引きで
領主に逆らった農夫 ― 踏んだり蹴ったり
『恋愛判決集』による模作 ― 恋心に応じない美しい婦人
耳作りと型直し ― おなかの赤ん坊の仕上げ
カタロニアの修道士 ― 婦人たちが支払った十分の一税
揺りかご ― 娘と女房を寝取られた宿屋の亭主
馬丁 ― 王を欺くしたたかさ ―
聖ジュリアーノの祈り ― 災難転じて至福となる
無罪を立証された小間使い ― 妻を欺いた男の話
三人の仲のよい女たちの賭け ― 夫を欺く悪だくみ
老人たちの暦 ― 満たされない若い妻
貪欲な女と山師 ― 亭主の金を女房の贈り物に
人の考えることには限界がある ― 焼き餅焼き男の女房の手口
子牛を捜す村人 ― 若者が驚嘆した眺め
ハンス・カルヴェルの指輪 ― 老境の夫と若い妻
罰を蒙ったガスコーニュ男 ― 恋人と同衾してちぢみ上がる
隠者 ― 教皇の母となるべき娘との勤行
ランポレキオの間抜け男 ― 九人の修道女をもてなす
フィリップ爺さんの雁 ― 女や欲望や愛の存在を知らない息子
鷹 ― 愛のあかしに財産をすべて捧げた男
恋する娼婦 ― 厳しい試練ののちに手にした果実
鞍 ― 浮気のしるし
接吻のお返し ― 忠実に守られた約束
金銀宝石をもたらす女 ― 妖精からの贈り物
解説(訳者)
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