
*カバー・一三世紀末のドイツ(ミニアチュール)より
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*432頁 / 発行 1969年
*カバー文
『デカメロン』は、エロチックな恋の冒険、大胆不敵な姦通、奇抜な策略、滑稽な失敗等の物語を皮肉と諷刺で楽しく語ったルネサンス期の大傑作である。
本書ではこれら一〇〇の物語から「天使になりすまして悪事を働いた修道士」「王妃を寝とった馬丁」「馬を買いにいってルビーを得た話」等、特に有名な三〇話を選び出した。またこれらに物語の舞台となった各都市の写真と解説をそえ、作者ボッカチオが暗に意図した地域性を折り込んで親しみやすくした。
*目次
はしがき
トレヴィーゾ
1 仮病の道化師の嘘がばれる話 ヴェネツィア
2 好色な修道士が天使になりすまし悪事を働く話 ブレシャ
3 恋人に急死された娘が貞淑な修道女となる話 ミラーノ
4 金銭で純潔を汚した女がまんまと一杯くわされた話 バヴィア
5 王妃の寝室に秘かに忍びこんだ賢い馬丁の話 カステル・グイリエルモ
6 追剥にあった男が寡婦に助けられ一命をまっとうする話 ボローニャ
7 老医師が未亡人に真剣な恋情をよせる話 キアッシ
8 正義の残忍性により熱烈な青年の恋が報われる話 ピストイア
9 二人の男に懸想された婦人がうまく厄介払いする話 リミニ
10 司祭に変装した嫉妬深い夫が妻に仕返しされる話 ブラート
11 姦通を発見された女性が当意即妙な返答で法を改めさせる話 ファーノ
12 娘をめぐって二人の男が相争う話 フィレンツェ
13 恋に全財産を費やした男が残った最愛の鷹で相手を接待する話
14 単純で奇行に富んだ画家と瓢軽な仲間の話1
15 単純で奇行に富んだ画家と瓢軽な仲間の話2 アレッツォ
16 家を閉め出された細君が逆に夫を閉め出す話 シエナ
17 代父となった修道士が子供の母親と寝る話 ペルージャ
18 下劣な行為のため細君に裏切られた亭主の話 ローマ
19 駆け落ちした男女が大艱難の末結婚する話 バルレッタ
20 細君を牝馬にする魔法が台なしになる話 ナポリ
21 馬を買いに行ってルビーを手に入れる話 イスキア
22 火刑になりかかった恋人たちの波乱に富んだ話 サレルノ
23 父親に熱愛された娘の悲劇的な恋の話 メッシーナ
24 恋を兄弟に邪魔されて泣き死んだ不幸な娘の話 パレムモ
25 いまだ相見ぬ恋人との恋愛にともども命を落とす話 トラバニ
26 主人の娘と恋愛し絞首刑を言い渡された孤児の話 カブサ
27 うぶな娘が悪魔を地獄に追いこむことを教えられる話 ライアッツォ
28 二人の青年がソロモンから知恵を授けられる話 パリ
29 ユダヤ人が教皇庁へ行きキリスト教徒になる決心をする話 カッタイオ
30 羨望のあまり殺意を抱いた相手の鷹揚さに恥じる話
解説
1 作者の略歴 / 2 『十日物語』の成立と特徴
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