絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【あ】

青木 正久 (あおきまさひさ)
「世界バラの旅」
(せかいばらのたび)


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*271頁
*発行 1962年

*目次
1 イタリー / 2 スペイン / 3 フランス / 4 ドイツ / 5 北欧スイス / 6 欧州その他 / 7 イギリス / 8 ソ連 / 9 アメリカ(東部) / 10 アメリカ(西部)とカナダ / 11 アジア・アフリカ / 12 巡礼をおわって



青地 晨 (あおちしん)
「冤罪の恐怖 無実の叫び」
(えんざいのきょうふ)


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*294頁
*発行 1975年

*目録文
冤罪とは無実の罪のこと。今この瞬間にも無実の人が刑を執行されています。本書は、戦前、横浜事件を通底する日本のファッショ弾圧に半生をかけている著者による冤罪告発の書。



青野 季吉 (あおのすえきち)
「青野季吉選集(全三巻)」
(あおのすえきちせんしゅう)


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*第1・231頁 / 第2・188頁 / 第3・196頁 / 発行 1953年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
第1 (革命と文学)
心霊の滅亡 / 文芸運動と労働階級 / 『調べた』芸術 / 外在批評論 / 文芸批評の一発展性 / 外在的批評への一寄与 / 目的意識論 / 自然生長と目的意識 / 自然生長と目的意識再論 / 正宗氏の批評に答え所懐を述ぶ / 現代文学者の階級的性質 / 政治的価値と芸術的価値の問題 / プロレタリア・リアリズムの高度化 / 農民文学論 / 農民文学論の根本問題 / 農民文学論の再出発に就て / 行動精神論 / 能動的精神の擡頭について / 行動主義の文学的実践について / 散文精神の問題 / 心霊の復活 / 文学的人生論 / 解説・亀井勝一カ
第2 (現代作家論)
芥川龍之介論 / 芥川龍之介と新時代 / 芥川龍之介の死に関聯して / 片上伸論 / 平林初之輔論 / 正宗白鳥論 / 川端康成の作品 / 藤村訪問記 / 『夜明け前』論 / (第一部)を論ず / (完結)を論ず / 島木健作論 / 窪川稻子論 / 追懷記 / 坪?博士のこと / 「人生劇場」の作者 / 「夜明け前」の作者 / ニイチェとドストエフスキイ / 河東碧梧桐について / バリモントを訪う / 萩野由之博士 / 川上凉花のこと / ボオドレエル聯想 / 漱石・?外・藤村 / 渡辺華山のこと / 良ェのこと / 平泉について / 初恋について / 紅葉山人について / 山のこと / 麦僊について / 抱月の晩年 / 飢えた山雀 / 荒木又石衞門 / 鶺鴒 / 大阪のこと / 解?・龜井勝一カ
第3 (文学と人生)
経堂襍記 / 感想など / 千利休 / 牧水を思う / 古典への態度 / 私に与えられた道 / 吉江博士と文壇 / 早稲田の昔 / 両親の画像 / 海に降る雨 / 柿のある風景 / 僕の愛読書 / 私の批評家的生立ち / 私の林道 / 未完成自画像 / 年譜 / 解説・亀井勝一郎


青野 季吉 (あおのすえきち)
「明治文学入門」
(めいじぶんがくにゅうもん)

*167頁 / 発行 1953年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
文庫版になるについて / 明治文学年代記 / 明治の文学青年 / 三人の明治作家 / 漱石の話 / 二葉亭の話 / 鴎外の話 / 後記


青山 茂 (あおやましげる) 川副 武胤 (かわさえたけたね) 平岡 定海 (ひらおかじょうかい)
「大和古寺巡礼」
(やまとこじじゅんれい)


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*429頁 / 発行 1962年

*目録文
万葉びとの心をさぐり、日本文化の粋を求めて訪ね歩く大和古寺巡礼。大和地方に点在する古寺百余寺を選び、その名宝と風物を鑑賞

*目次
平城京址より若草山を望む / 一、奈良付近 / 二、柳生・笠置・都介野 / 三、西の京 / 四、いかるがの里 / 五、生駒・平群 / 六、金剛・葛城 / 七、山の辺の道 / 八、長谷・室生 / 九、畝傍・飛鳥 / 十、吉野・熊野 / 大和の歴史 / 古寺巡礼ガイド / 古寺巡礼地図 / あとがき


阿木 翁助 (あきおうすけ)
「青春は築地小劇場からはじまった 自伝的日本演劇前史」
 (せいしゅんはつきじしょうげきじょうからはじまった)


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*296頁
*発行 1994年
*カバー・イラスト&デザイン=合津朱美

*カバー文
 演劇がまだ若かったころ、一九三〇年代のこと、日本にも恐慌の嵐が吹き荒れた。演劇に夢を託して、劇作家としての人生に船出した著者も、金なし、家なし、食いものなし、衣服は着の身着のままといったありさま。おまけに世は治安維持法下にあり、「左翼運動」に所属した彼は官憲にマークされ、再三にわたる留置所生活も味わう。そして「ムーラン・ルージュ」「新派」などなどを渡り歩き、よき友人や師に恵まれてキャリアを重ねることになるが……
 滝沢修、東野英治郎、沢村貞子、宇野重吉などスターたちの逸話も興味深い。


秋山 英夫 (あきやまひでお)
「人間ニーチエ」
(にんげんにーちぇ)


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*167頁 / 発行 1953年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
第一部 書簡による伝記
 T 友情 / U 恋愛 / V 運命
第二部 えっせえ
 T ニーチェの女性観 / U ドストエフスキーとニーチェ / V リルケとニーチェ
あとがき


秋山 虔 (あきやまけん)
「源氏物語 若い人への古典案内」
(げんじものがたり)


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*286頁
*発行 1971年

*目録文
物語としてのあらゆる要素をもった高雅な一大長編を、原作のイメージを損なわず、若い人向けにやさしく書きおろしたもの。


秋山 正美 (あきやままさみ)
「ロング・ロング・セラーズ 半世紀を生きぬいた本の魅力」


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*362頁 / 発行 1990年

*目録文
半世紀にわたって読みつがれてきた本から、それらがなぜ読まれたかの条件を探る。大衆読み物も含めた広い選択に内容解説・書誌的データ等を付した読書案内。

*目次
半世紀を生きぬいた出版物の条件 / 大正・昭和・平成3代のロング・セラーズ / データの読みかた / 中里介山「大菩薩峠」 / 岡本綺堂「半七捕物帳」 / 大仏次郎「角兵衛獅子」 / 佐藤紅縁「あゝ玉杯に花うけて」 / フレーベル館「キンダーブック」 / スタア社「スタア」 / 南洋一郎「海洋冒険物語」 / 夢野久作「ドグラ・マグラ」 / 川口松太郎「愛染かつら」 / 山本有三「路傍の石」 / ハガード「ソロモン王の洞窟」 / エクトル・マロ「家なき娘」 / ザルテン「バンビ」 / ロフティング「ドリトル先生航海記」 / どうすれば珍しい原本に出合えるか



芥川 龍之介著・社会思想社編 (あくたがわりゅうのすけ・しゃかいしそうしゃ)
「生と死の思索 芥川龍之介の言葉」
(せいとしのしさく)


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*259頁 / 発行 1965年

*目次
T 人とその周辺
 文明と社会 / 自然 / 動物 / 人間 / 愛 / 生と死
U 文学と芸術
 文学 / 言語と文章 / 思想 / 芸術
V 侏儒の言葉
W 西方の人
X 芥川龍之介入門 吉田精一
Y 芥川龍之介年譜



浅井 昭治他 (あさいしょうじ)
「日本の大衆芸術 民衆の涙と笑い」
(にほんのたいしゅうげいのう)


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*468頁 / 発行 1962年

*目次
はじめに … 浅井昭治
笑いの芸術・涙の芸術
 T 喜劇 … 佐藤忠男
 U 落語 … 虫明亜呂無
 V 漫才 … 森秀人
 W 浪曲 … 柳田邦夫
 X 講談 … 邑井操
 Y 流行歌 … 鶴見俊輔
大衆芸術のながれ … 加太こうじ
 T〜\
大衆芸術名作百選・解説 … 大衆芸術研究会
年表 … 浅井昭治
あとがき


浅野 清 (あさのきよし)
「法隆寺」
(ほうりゅうじ)


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*225頁 / 発行 1963年

*目録文
千数百年もの長い歴史を耐えぬいて来た世界最古の木造建築“法隆寺”の貴重な文化遺産から歴史にいたるまで言及した古寺巡礼。

*目次
T 法隆寺はなぜ大切か
U 法隆寺の歴史
V 西院伽藍
W 大宝蔵殿
X 東院伽藍
Y 子院
Z 法隆寺の保存
法隆寺ガイド / あとがき / 法隆寺略年表 / 英文ガイド


朝日新聞社会部 (あさひしんぶんしゃかいぶ)
「日本シネマ紀行」
 (にほんしねまきこう)


*カバー・「あゝ野麦峠」より、兄(地井武男)に背負われたみね(大竹しのぶ) 背景は野麦峠に建てられた「あゝ野麦峠」の碑
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*213頁 / 発行 1993年

*カバー文
 信濃と飛騨の境の野麦峠で、明治四十二年の晩秋、一人の若い女が死んだ、「あゝ飛騨が見える」とつぶやいて ― 。最期をみとったのは、一番仲のよかった兄と、見渡すかぎり生い茂ったクマザサと、乗鞍岳だけだった。
「あゝ野麦峠」を見終えた元工女たちは、映画館に向かって丁寧に合掌してから立ち去ったという……。
 これは、二十七名の社会部記者が、シナリオを読み、映画を見直し、ロケ地に足を踏み入れ、映画の関係者に取材してまとめた映画風土記である。

*目次
「あゝ野麦峠」 ― 高根村(岐阜)
「潮騒」 ― 鳥羽神島(三重)
「緋牡丹博徒・花札勝負」 ― 円頓寺(名古屋市)
「忍ぶ糸」 ― 伊賀上野(三重)
「台風騒動記」 ― 渥美(愛知)
「喜びも悲しみも幾歳月」 ― 安乗埼(三重)
「復讐するは我にあり」 ― 浜松(静岡)
「十三人の刺客」 ― 中津川(岐阜)
「動脈列島」 ― 坂野坂(愛知)
「ねむの木の詩がきこえる」 ― 浜岡(静岡)
「野菊の如き君なりき」 ― 長野市
「悪い奴ほどよく眠る」 ― 豊川(愛知)
「青銅の基督」 ― 瀬戸(愛知)
「トラック野郎・突撃一番星」 ― 下呂(岐阜)
「氷壁」 ― 上高地(長野)
「遠い雲」 ― 高山(岐阜)
「黒の試走車(テストカー)」 ― 豊田(愛知)
「憂愁平野」 ― 恵那(岐阜)
「日本の青春」 ― 名古屋市
「砂の器」 ― 伊勢二見(三重)
「鬼畜」 ― 能登金剛(石川)
「肉弾」 ― 浜岡(静岡)
「飼育」 ― 南相木村(長野)
「夜明け前」 ― 馬籠(長野)
「笛吹川」 ― 長野市
「砂の女」 ― 合戸白砂海岸(静岡)
「風立ちぬ」 ― 富士見(長野)
「木曽山今昔」 ― 木曽(長野)
「伊豆の踊り子」 ― 湯が島→下田(静岡)
「ゼロの焦点」 ― 能登外浦(石川)
「無法松の一生」 ― 津(三重)
「湖の琴」 ― 湖北(滋賀)
「男はつらいよ・フーテンの寅」 ― 湯の山温泉(三重)
「病院坂の首縊りの家」 ― 伊賀上野(三重)
「旅路」 ― 尾鷲(三重)
「二等兵物語」 ― 豊橋(愛知)
「正午(まひる)なり」 ― 大町(長野)
「桜の森の満開の下」 ― 吉野(奈良)
「七人の侍」 ― 伊豆長岡(静岡)
「穂高岳賛歌」 ― 北アルプス(岐阜・長野)
「沓掛時次郎・遊侠一匹」 ― 中軽井沢(長野)
「人生劇場」 ― 吉良(愛知)
「青い山脈」 ― 中津川・恵那(岐阜)
 あとがき


芦田 孝昭 (あしだたかあき)
「中国の故事・ことわざ」
(ちゅうごくのこじことわざ)


(画像拡大不可)

*242頁
*発行 1970年

*目録文
中国に生まれた故事成句、ことわざのなかの民族のちがいをこえた人間の知恵として日本人に親しまれているものの意味来歴を説く。


麻生芳伸編・金原亭馬生さし絵 (あそうよしのぶ・きんげんてい ばしょう)
「落語百選 全4巻」
(らくごひゃくせん)








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*春 336頁 / 発行 1979年
 夏 336頁 / 発行 1980年
 秋 400頁 / 発行 1980年
 冬 400頁 / 発行 1980年

*目録文
落語の感覚に欠くことのできない季節の流れに散りばめて、なじみの深い噺を寄席の雰囲気の中に甦らせる。それぞれの落語のあとには簡潔な解説をつけた「読む落語」の決定版!

*目次


猫久 / たらちね / 湯屋番 / 浮世床 / 長屋の花見 / 三人旅 / 三方一両損 / 饅頭こわい / 粗忽の使者 / 明烏 / 王子の狐 / 猫の皿 / 蟇の油 / 〆込み / 花見酒 / 崇徳院 / 大工調べ / 四段目 / 付き馬 / 松山鏡 / 豊竹屋 / 一つ穴 / こんにゃく問答 / 百年目 / あたま山


出来心 / 道灌 / 狸賽 / 笠碁 / 金明竹 / 鹿政談 / しわい屋 / 百川 / 青菜 / 一眼国 / 素人鰻 / 二十四孝 / 売り声 / 船徳 / お化け長屋 / たが屋 / 夏の医者 / 佃祭 / あくび指南 / 水屋の富 / 紙入れ / 千両みかん / 麻のれん / 三年目 / 唐茄子屋


道具屋 / 天災 / つるつる / 目黒のさんま / 厩火事 / 寿限無 / 時そば / 五人回し / やかん / ねずみ / 山崎屋 / 真田小僧 / 返し馬 / 茶の湯 / 三人無筆 / 宿屋の仇討 / 一人酒盛 / ぞろぞろ / 猫怪談 / 野ざらし / 碁どろ / 干物箱 / 死神 / 粗忽の釘 / 子別れ


うどんや / 牛ほめ / 弥次郎 / 寝床 / 火焔太鼓 / 首提灯 / 勘定板 / 鼠穴 / 二番煎じ / 火事息子 / 按摩の炬燵 / 大仏餅 / 文七元結 / 芝浜 / 掛取万歳 / 御慶 / かつぎや / 千早振る / 藪入り / 阿武松 / 初天神 / 妾馬 / 雪てん / 夢の瀬川 / 粗忽長屋 / 落語題名一覧付


安宅 夏夫 (あたかなつお)
「愛の狩人 室生犀星」
(あいのかりうど むろうさいせい)


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*246頁
*発行 1973年

*目録文
私生児として生まれ、悩み苦しんだ幼い魂が天上に飛翔し、犀星文学の花を咲かせるに至った軌跡を辿る。


足立 倫行 (あだちのりゆき)
「人、旅に暮らす」
(ひとたびにくらす)


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*316頁 / 発行 1993年

*目録文
「職業としての旅」を手法とするこの作家のルポルタージュ処女作。「ノンフィクションの時代」の本格的到来をつげた代表的ライターの記念碑的作品。

*目次
バンクの渡り鳥 ─ 黄金の脚を持つ競輪選手
鯉の仕掛人 ─ 泳ぐ宝石を鑑定する観賞魚問屋
群衆の中の狩人 ─ 血も涙もある通称“スリ係”の鬼刑事
密室の調律師 ─ 急成長ラブホテルの陰の演出者
メルヘンの調教師 ─ プロ級の奇術の腕前を持つロボット動物のイヴェントマン
深海の軽業師 ─ 果てしない水面下の旅を続けるプロフェッショナル・ダイバー
大地の監視人 ─ 十分の一ミリの極小世界に目を凝らす国土地理院の測量官
票田の開拓者 ─ 主の“影”に徹して集票マシーンを動かす国会議員秘書
花園の漂泊者 ─ 花を追って南から北へと渡り歩く養蜂家
金の卵の鑑定士 ─ 明日の逸材を求めて奔走するプロ球団スカウト
聖堂の魔術師 ─ “楽器の女王”パイプオルガンに憑かれたオルガン・ビルダー
華麗なる伝道師 ─ 生花の様式美を説く〈小原流〉指導員の普及・伝道の旅


アーノルド・J.トインビー著 深瀬 基寛訳 (Arnold・Joseph,Toynbee ふかせもとひろ)
「試練に立つ文明」
(しれんにたつぶんめい)

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*旧版 上 207頁 / 下 163頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義
*新版 366頁 / 発行 1966年

*目次(1966年版)
訳者の序 / まえがき / 1 わが歴史観 / 2 歴史における現代の位置 / 3 歴史は繰りかえすか / 4 ギリシァ・ローマ文明 / 5 世界の合一化と歴史的展望の変化 / 6 ヨーロッパの矮小化 / 7 国際的展望 / 8 試練に立つ文明 / 9 ロシアにおけるビザンチン帝国の遺産 / 10 回教世界と西欧、及びその将来 / 11 文明と文明とのあいだの遭遇戦 / 12 キリスト教と文明 / 13 歴史は人間の魂にとって何を意味するか / 索引


アーノルド・J.トインビー著・吉田 健一訳 (Arnold Joseph,Toynbee・よしだけんいち)
「世界と西欧」
(せかいとせいおう)


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*164頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
第一章 ロシアと西欧
第二章 マホメット教圏と西欧
第三章 インドと西欧
第四章 極東と西欧
第五章 接触の心理
第六章 世界とギリシャ人、およびローマ人
訳者あとがき
トインビーの体系 (山本新)


阿部 喜三男 (あべきみお) / 高岡 松雄 (たかおかまつお) / 松尾 靖秋 (まつおやすあき)
「芭蕉と旅」 〈上下〉
 (ばしょうとたび)


*カバー写真・近江浮御堂/大橋治三撮影
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*上巻267頁・下巻292頁 / 発行 昭和48年

*上巻カバー文
  旅寝してわが句を知れや秋の風
 旅を通して人生の喜怒哀楽を知った芭蕉、彼が泪を落とし、その日の哀れ、その時の悲しさを刻んだ山や河、名所、旧跡は今でもその名残りをとどめている。
 本書は、故郷を離れて江戸におもむき、さらに東海・吉野・京・近江等を旅した野ざらし紀行、鹿島詣の旅、また東海・伊勢・吉野・高野山・奈良・大阪・須磨等に行った笈の小文、そして信州をめぐった更科紀行の跡をたどってみた。
 句碑、関係者の旧跡や墓碑の写真、詳細な地図を付して芭蕉をしたう旅人の良き伴侶となるようにした。

*目次
上巻
一、故郷を離れる / 二、江戸の流れ者 / 三、野ざらしの旅 / 四、鹿島詣の旅 / 五、笈の小文の旅 / 六、さらしなの旅

下巻
七、おくのほそ道 / 八、『おくのほそ道』以後の旅 / 九、最後の旅 / あとがき / 索引


天野 貞祐 (あまのていゆう)
「若き女性のために」
(わかきじょせいのために)


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*202頁 / 発行 1957年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
若き女性のために / 新しい時代に生きる女性たちへ / 婦人学徒に与う / 若き女性に与う / 幸福とはなにか / 若き人達と幸福を語る / 幸福の意味 / 生活のうるおい / 運命と幸福 / 幸福の一断面 / 教養への道 / 文化と教養 / 教育と社会 / 教育問答 / 女性の敬重 / 教養ということ / これからの家庭教育 / 思い出すこと / 私の少年時代 / 思い出の先生 / わが母のことなど / 身辺雜記 / 感心したことしないこと / 満点 / 自然と人生 / 短文五章 / 新年 / 手のない話 / ひとの運命 / 世界をわが家に / 歴史を信ぜよ / 青年の自覚のために / 新年のことば(一) / 新年のことば(二) / 新春の感想 / 年少学徒に与う / 学習の原則 / 自覚と反省 / あとがき


荒 正人編 (あらまさと)
「文学 その創作と鑑賞」
(ぶんがく そのそうさくとかんしょう)


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*220頁 / 発行 1956年 / 社会思想研究会出版部名義

*目録文
文学を愛する若い人びとの為に文学の本質と創作の態度について、丹羽、椎名、野間、三島、青山、田宮、荒の各権威者が語る。

*執筆者
丹羽文雄 椎名麟三 野間宏 田宮虎彦 三島由紀夫 青山光二 荒正人


荒 正人編 (あらまさと)
「文学入門」
(ぶんがくにゅうもん)

*274頁 / 発行 1965年
*カバー画像はありません。

*目次
小説の書き方 ── 猛獣の心に計算器の手を 安部公房 / 入門書について / 書き方はあるのか / 「なにを」と「いかに」の統一 / 創作の動機 / 読者の役割 / 作者と読者の関係 / 読者から作家になる / 文学的才能とは / 小説の構造 / 小説は魂の技術である / 作者の第一課 / 作者の第二課と第三課 / 作家としての根本をつかむこと / 典型の発見 / マヤコフスキーの体験 / 書き方の秘伝 / 描写について 大岡昇平 / 描写について / 漱石の描写 / 自然描写について / 私の創作体験 堀田善衛 / 書きはじめのころ / 一つの体験 ── 戦中戦後の中国 / 『歴史』について / 『時間』について / 『歯車』について / 日本の方法 伊藤整 / 芸術至上主義 / 泉鏡花 / 森鴎外 / 永井荷風 / 漱石の場合 / 芥川竜之介 / 志賀直哉 / 武者小路実篤 / 作家の態度 ── 近代文学への疑問 中村真一郎 / 奇妙な事実 / 「自己中心的」と「文学中心的」 / 古典主義とローマン主義の対立 / 家から家庭へ ── 「家庭」の崩壊と文学的意味 奥野健男 / テーマとしての「家庭」 / 家庭の正体 / 夫婦と家庭 / 家庭の本質 / 文学的実験 / 作家の心情 ── 文学的羞恥について 小松伸六 / 文学的羞恥心 / 羞恥の喪失 / 羞恥が表現に導く / はにかみの作家 / 虚栄と羞恥感 / 都会人的羞恥心の文学 / 夢について ── 或いは、可能性の作家 埴谷雄高 / 夢の自已実験 / 夢の出発点 / 白昼の思考と夜の夢 / 未知への飛翔 / ある芸術家の問題 ── レオナルド・ダ・ヴインチの場合 中田耕治 / ぼくたちの生きる意味 / 実際的な天才 / 非情な世界 / 天才の条件 / 性とはなにか / 神の否定 / 破滅をめざして / 詩とはなにか ── 詩の自覚の歴史 山本健吉 / 詩の自覚の推移 / 詞華集について / 人麻呂・芭蕉・世阿弥 / 類似の歴史 / 詩における人称 / 三人称的発想 / 二つの裁判 荒正人 / 「幸徳事件」と啄木 / 「大審問官」と粛清裁判 / ノーベル文学賞受賞者リスト・巻末 / ノーベル受賞作家の横顔・巻末 / 編者の言葉


荒井 まり子 (あらいまりこ)
「未決囚十一年の青春」
(みけつしゅうじゅういちねんのせいしゅん)


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*334頁 / 発行 1994年

*カバー文
「精神的無形的幇助」の罪名で逮捕……。獄中12年で綴った同時代史。

*目次

上古川の四季
中学・高校時代
東京生活
獄中から


荒川 秀俊 (あらかわひでとし)
「異国漂流物語」 
(いこくひょうりゅうものがたり)


*カバー写真・「船絵馬」
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*212頁 / 発行 昭和44年

*カバー文
 本書は、第一部では、『今昔物語』『古今著聞集』などに出てくる上古や中世の海難物語などを収録し、第二部では、近世に起った有名な漂流の記録(これらはすべて真実の物語である)を二十数篇選んで編集したものである。
 読者は、これらの漂流の体験記を一読することによって、「事実は小説よりも奇なり」という感を深めることであろう。

*目次
序にかえて
第一部
 一 女護ガ島へ漂着した話 / 二 巨人国に漂着した話 / 三 漁人が不思議な島に漂着した話 / 四 ハプニングで漂着した兄妹 / 五 仏の巧徳で助かった智證大師 / 六 渡唐の船が観音経の巧徳で助かった話 / 七 菩薩の巧徳で助かった話 / 八 洪水で流された筏 / 九 欲ばりな僧が突き落とされた話 / 一〇 名玉の効験 / 一一 命より玉を大切にした男 / 一二 龍の首の玉を取りに行って / 一三 気味悪い漂着人 / 一四 小人国の舟が流れ着いた話 / 一五 長屋親王の骨が流れ着いて疫病が流行った話 / 一六 阿修羅女の死骸が打ち上げられた話 / 一七 亀に助けられた話 (1) / 一八 亀に助けられた話 (2) / 一九 魚に助けられて日本へ着いた幼児の話 / 二〇 浦島の物語 / 二一 六国史に現われた漂流記事 / 二二 弟橘媛の入水 / 二三 日本の版図だった吐火羅はどこを指すか / 二四 流れついた香木 / 二五 命がけだった海外使節 / 二六 遣唐使と漂流 / 二七 慈覚大師の渡唐物語 / 二八 阿倍仲麻呂の話 / 二九 鑑真の渡来 / 三〇 異国人を海へ投げ入れた話 / 三一 元寇と台風
第二部
 一 漂流のさまざま / 二 だったん漂流記 / 三 馬丹漂流記 / 四 巴旦漁船漂着記 / 五 遠州新居船の無人島漂流記 ― 自然の暴威に勝ち抜いた三人の男 / 六 初めての露日辞典を作った権左 / 七 偽証して帰国した漂流民 ― 呂宋漂流記 / 八 ボルネオ漂流記 / 九 漂海録 ― 中国大陸へ漂着した陸奥の漁民 / 一〇 伊勢の漂民光太夫 / 一一 土佐の長平無人島漂流記 / 一二 津太夫らの世界一周記 / 一三 異国船による略奪 / 一四 稲若丸漂流記 / 一五 督乗丸漂流記 / 一六 『異国船之記』に見える漂流民送還 / 一七 二檣帆船キイプラス号事件 / 一八 モリソン号事件 / 一九 長者丸漂流記 ― 時規物語 / 二〇 ジョン万次郎漂流記 / 二一 栄寿丸漂流記 / 二二 マンハッタン号事件と幸宝丸漂流記 / 二三 ジョセフ彦蔵漂流記 / 二四 上海航記 / 二五 台湾征討の発端となった宮古島の漂流 / 二六 良栄丸の漂流
漂流と諸問題
 (1) 異国船打払令 / (2) マッコウ鯨が開国を促す / (3) 漂流民が開国のいとぐちになる / (4) 漂流記から見たアメリカの個人主義・ロシアの官僚主義 / (5) 日本人と漂流 / (6) デッチ上げられた漂流記 / (7) 海難・漂流の文献
参考書目


荒川 秀俊 (あらかわひでとし)
「台風 猛威への挑戦」
(たいふう)


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*203頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
自序
T 台風と吹雪の日本的風土 ―― 南国的な豪快さと北国的な陰欝さ
U 気象にいどむ現代科学 ―― 高気圧・低気圧と天気予報のしかた
V 台風とはなにものか ―― その性質
W 台風はどこで生まれるか ―― 発生についてのさまざまな分析
X 台風の進路 ―― 正常経路・転向・蛇行・迷走
Y 猛威をふるう壮年期の台風 ―― そのエネルギー・立体構造と台風の眼
Z もだえる末期の台風 ―― 日本を襲うころとその対策
[ 台風と闘かう観測陣と研究陣 ── 定点観測・レーダー観測・航空偵察・数値予報
IX 日本を震憾させた台風 ―― 元寇の神風から洞爺丸台風まで
] 台風研究のあゆみと参考文献
索引


アルカジ・イレオクム著 / 市場 泰男訳編 (Leokum, Arkady / いちばやすお)
「ポケットサイエンス ― どれだけ答えられますか? (全5巻)」


(画像拡大不可)

*T 244頁 / 発行 1970年
*U 245頁 / 発行 1970年
*V 251頁 / 発行 1970年
*W 245頁 / 発行 1970年
*X 232頁 / 発行 1971年

*目録文
自然科学や技術に関するものを中心に、(宇宙はどのくらい大きいのか)(海水はなぜ塩からいのか)など、著者はたくみな比喩を用いて簡潔に解説する。



安斎 秀夫 (あんざいひでお)
「温泉旅行」
(おんせんりょこう)

*333頁 / 発行 1962年

*目次
まえがき / 北海道 / 東北 / 関東 / 中部 / 関西・中国・四国 / 九州 / 附録 温泉の知識


安西 均編著 (あんざいひとし)
「恋のうた」
(こいのうた)

*348頁 / 発行 1965年
*カバー画像はありません。

*目次
目次
まえがき / 古代の恋歌 / 記紀歌謡より / 催馬楽より / 風俗歌より / 万葉の恋歌1 / 万葉の恋歌2 / 柿本人麻呂歌集より / 東歌より / 作者不明の歌 / 防人の歌 / 伝説の女たち / 宮廷の恋歌 / 庶民の恋歌 / 『梁塵秘抄』より / 『閑吟集』より / 狂言の歌謡より / 『隆達小歌』より / 『松の葉』より / 近世俳句より / 芭蕉とその前後 / 川柳 / 蕪村とその前後 / 一茶


安西 均編著 (あんざいひとし)
「戦後の詩 <現代>はどう表現されたか」
(せんごのし)


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*421頁 / 発行 1962年

*目次
 はじめに / 人名索引(解説欄のための)
前編
 わが子へ / 一九四五年八月十五日 / 疎開ぐらしの中で / 復員と帰還と戦死と / 敗戦風俗 / 死者と戦傷者と / 一九四九(昭和二四)年ごろ / 朝鮮戦争を背景に / 一九五一(昭和二六) / 島還る ― 一九五三年 / 死の灰・原爆忌 / 海外旅行から
中編
 「荒地」グループから / 「時間」グループから / 「地球」グループから / 「歴程」グループから / 「日本未来派」グループ・その他から / 小説家の詩 / 女性詩人群像
後編
 家族・戦争の少年 / 日本の南の土・北の土 / 抒情詩の系譜 / 憂愁の美学・残酷のイメージ


アントニー・バウチャー著・仁賀 克雄訳 (Anthony Boucher・じんかかつお)
「シャーロキアン殺人事件」
(THE CASE OF THE BAKER STREET IRREGULAS)


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*402頁
*発行 1995年

*紹介文
札つきのホームズ嫌いが「まだらの紐」の映画の脚本担当に。「ベイカー・ストリート・イレギュラーズ」の会員からの非難が映画会社に殺到した。一計を案じた会社は嘱託として会員をハリウッドに招待した。そしてパーティの席に現れた当の脚本家が大騒ぎを起こしたあげく殺される。が、死体が消えた。暗号・密室・国際的陰謀……シャーロキアンが知識を総動員して推理に当たる。


アンドレ・ジード著 白井健三郎訳 (Andre.Gide しらいけんざぶろう)
「狭き門・田園交響楽」
(せまきもん・でんえんこうきょうきょく)


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*302頁
*発行 1965年年

*目次
狭き門
田園交響楽
アンドレ・ジード
作品と背景
年譜


アンドレアス・ロンメル著 大林太良訳 (Andreas Lommel おおばやしたりょう)
「美のあけぼの オーストラリヤの未開美術」
(びのあけぼの)


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*178頁
*発行 1964年

*目次
序文 / 一 はじめに / 二 北西部の岩壁絵画 / 三 北西部の神話 / 四 北西部のヴォンジナ岩壁絵画遺跡 / 五 総括 / 六 エレガントな様式 / 七 アーネムランドの岩絵 / 八 アーネムランドの樹皮絵画 / 九 オエンペルリにおける年代の順序 / 一〇 オエンピルリからの放射 / 一一 彫刻 / 一二 西オーストラリア / 一三 クイーンズランド / 一四 ニュー・サウスウェールズ / 一五 ヴィクトリア / 一六 南および中央オーストラリア / 一七 装飾美術 / 一八 全体的考察 / 一九 外来の諸影響 / あとがき / 口絵目録 / 挿図目次 / 地図目次