絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【ち】

チェーホフ著・木村 彰一訳 (きむらしょういち)
「たいくつな話・浮気な女」
(たいくつなはなし・うわきなおんな)
講談社文芸文庫


*カバーデザイン・菊地信義
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*312頁 / 発行 2000年

*カバー文
一八六〇年南ロシアに生まれたチェーホフは短篇小説作家として頂点を極め、晩年には「桜の園」「かもめ」など劇作に力を注いで演劇の新時代を画した。本書には、功成り名とげた老教授の寒々とした日常を綴った名作「たいくつな話」、夫がありながら奔放な恋にふける人妻を描いた「浮気な女」の他、「アリアドナ」「殻にはいった男」「たわむれ」「コーラス・ガール」を収録。

*目次
たいくつな話
浮気な女
アリアドナ
殻にはいった男
たわむれ
コーラス・ガール
 解説 浦雅春
 年譜 木村彰一
 主要作品 浦雅春


近松 秋江 (ちかまつしゅうこう)
「黒髪・別れたる妻に送る手紙」
(くろかみ・わかれたるつまにおくるてがみ)
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
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*282頁 / 発行 1997年

*カバー文
京都の遊女に惹かれて尽し、年季明けには一緒になろうとの夢が、手酷く裏切られる転末を冷静に書いた「黒髪」。家を出てしまった妻への恋情を連綿と綴る書簡体小説の「別れたる妻に送る手紙」と、日光までも妻の足跡を追い捜し回るその続篇「疑惑」。 明治九年、岡山に生まれ、男の情痴の世界を大胆に描いて、晩年は両眼ともに失明、昭和十九年没した破滅型私小説作家の“栄光と哀しみ”。

*目次
黒髪
別れたる妻に送る手紙
疑惑
 著者に代わって読者へ
 解説 勝又 浩
 作家案内 柳沢孝子
 著書目録・参考文献 柳沢孝子


秩父宮妃 勢津子 (ちちぶのみやせつこ)
「銀のボンボニエール 親王の妃として」
(ぎんのぼんぼにえーるしんのうのひとして)
講談社+アルファ文庫


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*392頁 / 発行 1994年
*デザイン・鈴木成一デザイン室

*カバー文
旧会津藩主・松平容保を祖父にもち、外交官である父の任地英国で生まれた著者はお転婆で、楽しい青春時代を過ごす。そののち19歳で秩父宮雍仁殿下と結婚。親王妃としての戸惑いと幸せなふたりの日々。その後の宮さまの発病と12年間にわたる闘病生活と死別。宮さまの生涯と著者の80年余の来(こ)し方を綴って心温まる皇族自らの回想記。

*目次
本書関連系図 / 第一章 英国生まれ / 第二章 幼年時代 / 第三章 少女時代 / 第四章 アメリカ ── 青春時代 / 第五章 嫁ぐ日まで / 第六章 親王妃として / 第七章 銀のボンボニエール / 第八章 ふたりの日々 / 第九章 開戦まで / 第十章 御殿場御別邸 / 第十一章 露のあけくれ / 第十二章 国際親善 / 終わりに