絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【ほ】

堀川 惠子 (ほりかわけいこ)
「死刑の基準 『永山裁判』が遺したもの」
(しけいのきじゅん)


*カバーデザイン・岡本洋子(岡本デザイン室)
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*416頁 / 発行 2016年

*カバー文
「永山基準」として名を留める、十九歳の連続射殺犯・永山則夫。本書は、彼が遺した一万五千通に上る膨大な書簡から、その凄惨な生いたちと、獄中結婚した妻との出会いにより、はじめて「生きたい」と願うようになる心の軌跡を浮かび上がらせる。永山基準の虚構を暴く、圧巻の講談社ノンフィクション賞受賞作。

*目次
プロローグ
第一章 生いたちから事件まで
第二章 一審「死刑」
第三章 二審「無期懲役」
第四章 再び、「死刑」
第五章 「永山基準」とは何か
エピローグ
あとがき / 文庫化によせて / 主要参考文献


堀川 惠子・小笠原 信之 (ほりかわけいこ・おがさわらのぶゆき)
「チンチン電車と女学生 1945年8月6日・ヒロシマ」
(ちんちんでんしゃとじょがくせい)


*カバーデザイン
 岡本洋平+西沢唯(岡本デザイン室)
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*288頁 / 発行 2015年

*カバー文
原爆が炸裂したあの日も、チンチン電車は広島の街を走っていた。運転士と車掌の多くは14〜17歳の女学生たち。兵隊に取られた男たちの代わりを務めていたのだ。本書は、彼女らが通った「幻の女学校」の存在を明らかにし、徹底した取材で、少女たちの青春と、8月6日のヒロシマを記録する。待望の文庫化!

*目次
 プロローグ
第一章 「幻の女学校」との出会い
第二章 広島電鉄家政女学校開校
第三章 女学生運転士の誕生
第四章 青春の日々
第五章 軍都・広島とチンチン電車
第六章 八月六日、午前八時十五分
第七章 地獄絵のなかを
第八章 復旧電車が走る
第九章 女学生たちの六〇年
 エピローグ
 あとがき / 文庫化あとがき


堀越 二郎 (ほりこしじろう)
「零戦 その誕生と栄光の記録」 
(ぜろせん)


*カバーデザイン・道信勝彦
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*226頁 / 発行 昭和59年

*カバー文
「零戦の運命は日本の運命であった」とまでいわれた名戦闘機の誕生はまた、日本の技術開発の輝かしい成果でもあった。「苦しむと、いいんです。困ると、いいんです」とはその主任設計者・堀越二郎の口ぐせであったが、「零戦」の設計から完成までの過程は、秀れた先見力と独創的なアイデアがあふれた、技術開発の進め方のもっとも見事に成功したケースであると高く評価されている。

*目次
 まえがき
序章 昭和十二年十月六日
第一章 新戦闘機への模索
第二章 不可能への挑戦
第三章 試験飛行
第四章 第一の犠牲
第五章 初陣
第六章 第二の犠牲
第七章 太平洋上に敵なし
終章 昭和二十年八月十五日
 解説 柳田邦男
  写真提供 曽根嘉年 / 図版作製 さくら工芸社


本田 靖春 (ほんだやすはる)
「『戦後』美空ひばりとその時代」
 (せんご みそらひばりとそのじだい)


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*410頁
*発行 1989年
*カバーデザイン・河合良之 / カバー装画・ペーター佐藤

*カバー文
昭和の閉幕を待つようにこの世を去った美空ひばり。この不世出の歌姫はいかに誕生したか、その四十余年の軌跡をたどり、執拗に「戦後」の意味を追求する。彼女を生み育てた戦後に始まる民主主義が、過去のものとして切り捨てられるのはいかがなものか。警世の熱情あふれる、渾身のノンフィクション大作。

*解説頁・赤塚行雄


本田 靖春 (ほんだやすはる)
「評伝 今西錦司」
 (ひょうでんいまにしきんじ)


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*371頁
*発行 1995年
*カバー写真 熊切圭介 / カバーデザイン オム・デザイン

*カバー文
学問と探検の世界に独自の足跡を残した今西、彼のグループからは梅棹忠夫、中尾佐助、川喜田二郎、藤田和夫、伊谷純一郎氏等の錚々たる人材が育った。自然と人間が共生する世界観をもとに、卓抜した指導力と行動力を発揮した巨人の業績をたどりながら、自由奔放に生きた生涯を描いた力作ノンフィクション!