*カバー装幀・伊藤由樹緒
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*244頁 / 発行 1998年
*カバー文
愛人を殺し、男根を切りとって持ち歩くというセンセーショナルな事件をひき起こした女・阿部定。半世紀以上を経た今も関心を集めつづけ、ベストセラー小説『失楽園』の下地ともなった事件を、お定はなぜひき起こすことになったのか。生い立ちから33歳で事件を起こすまでのお定の歩みを、彼女の立場に立ち、彼女に寄り添うようにして描いた告白体小説。
*目次
はじめに
序
第一章 愛慾+独占=殺人
私は「愛する」と云う言葉より、平俗に、「惚れる」とか「好きだ」と云う方が好きなのです。 ―― 里見ク「多情仏心」
第二章 捨てられた男
まず彼女のプロフィルを……荒淫か、多淫か、変態か
人間の本能とは
第三章 生い立ち
処女を奪われた乙女!!
自棄 ―― 不良少女へ
第四章 流転
環境が彼女を支配したか
生れつきの浮気娘であったか
第五章 愛慾巡礼
芸妓→娼妓→女給→淫売婦→妾→女中
第六章 娼妓時代
一生の重荷に代えて購(あが)なえる一夜の妻の美しさかな
第七章 高等淫売時代
第八章 希望への道へ!
かけまくも月は流転をかけそらしわが越し方を何と跳むる
上京商業の校長さんの出現
第九章 邪恋地獄
清元の保名の恋の一と節を涙ながして聴くは誰が子ぞ
吉田屋の主人=石田吉蔵
第十章 焦燥・懊悩
仮名屋小梅の大川端の殺し場 ―― 刃物の魅力
第十一章 惑溺の世界
爛れ行く愛慾生活
尽きざる性の饗宴
第十二章 楽しき殺害
第十三章 逃避行
落人 ―― 五月雨煙る中を……
第十四章 恋愛論
彼女の恋愛論
解説 鈴木敏文
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