絶版文庫書誌集成

角川文庫 【か】

海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「海と風と虹と」(上下巻) 
(うみとかぜとにじと)




*カバー・御正伸
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*昭和51年NHK大河ドラマ化カバー
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*上巻428頁・下巻466頁
*発行 昭和43年

*カバー文
【上巻】
 身のたけ六尺ニ、三寸、諸仏守護の天界の神将を想わせる体躯に、やや憂鬱の色を湛えたりりしい顔を持つ、その人物、名は、平将門。
 坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗跋こする都の退廃を目にしたが、その武勇と剛直な人柄に刮目した藤原純友は朝廷転覆の驚くべき野心を、彼にもらした。
 純友は、伊予大津の豪族。知略にたけて色を好むが、つとに官途への望みを絶ち、力による天下改革を夢見ていた。
 伊予掾に任じられて都を去る純友、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門。 純友は、海賊の首領に通じて、ひそかに将門の無事を画策した。……
 NHKテレビ・大河ドラマ「風と雲と虹と」原作。

【下巻】
 海賊追捕に際立つ功なく、鬱欝とする将門に、純友は、朝廷の官位の無価値を説き、帰国を勧めた。
 が、東国で将門を待ち受けていた、一族争闘の運命。
 東西呼応して乱を起すことを望む純友は、争いの拡大をひそか工作、彼自身もまた、天下万悪の責任は中央にあり、と公言して、海賊大将軍となった。
 やがて、もたらされた将門叛乱の報。機は熟した!
 純友は、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。
 東西両雄の夢を象徴するかのように、遠い空にかかった、一筋の巨大な虹。……
 NHKテレビ・大河ドラマ「風と雲と虹と」原作。

*解説頁・尾崎秀樹(下巻収録)


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「南国回天記」
(なんごくかいてんき)


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*277頁 / 発行 平成2年
*カバー・村上豊

*カバー文
 お侠(きゃん)な大阪芸者お葭(よし)は、曾我どんの傘焼きの夜、樺山小一郎の弾く勁烈な薩摩琵琶の音に魅せられてしまった。
 黒船来航以来、南国の雄藩薩摩の若ものたちのあいだにも時代への焦慮がみなぎっていた。主君島津斉彬悩みを軽くせんと、小一郎は、ひとり江戸へと旅立った。自分の恋心に気づいたお葭も江戸へ。が、奸臣誅殺の失敗を恥じた小一郎は、行方をたってしまった。お葭は、小一郎の汚名をはらすための情報を得て、必死にそに行方をさぐるのであった。探索に西郷や大久保らも協力するが、刻々と貴重な時がすぎてゆく……。
 維新前夜の激流のなかで,懸命に前途をひらこうとする若いふたりと島津斉彬を中心に、かたく結ばれた薩摩の青春群像を描く傑作長編。

*解説頁・尾崎秀樹


海音寺 潮五郎 (かいおんじちょうごろう)
「明治太平記」
 (めいじたいへいき)


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*443頁 / 発行 1968年
*カバー装画・記名無し

*カバー文(富士見書房・時代小説文庫版より)
 元会津藩士の青年滝山修平は昼は車夫、夜は福沢塾へ通う苦学生。ある日、客の護衛で出むいた横浜のフランス商館で同郷旧知の通詞石川金之助に再会、南部藩尾去沢銅山の採掘にまつわる疑惑の話をきく。やがて司法省の役人となった修平は、大物黒幕の究明にのりだすのだが……。
 修平をめぐる女たち―元幕臣の娘で吉原の白拍子となっている梨影、年増のおりん、混血の美少女茉利。そして西郷吉之助、桐野利秋をはじめ明治の歴史を飾る史上実在の英雄たち。これら多彩な登場人物のおりなす波瀾のドラマを香りたかくうたいあげる異色歴史小説。

*解説頁・尾崎秀樹


梶山 季之 (かじやまとしゆき)
「怪女赤頭巾」
(かいじょあかずきん)


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*299頁
*発行 昭和61年
*カバー・辰已四郎

*カバー文
 汚い物ほど儲かる ―― それが波多野昌代の持論だった。赤熊のような癖毛から、人呼んで赤頭巾。終戦直後、GI相手の娼婦から身をおこし、広告業、不動産業で大成功をおさめたあとも、その欲望はとどまるところを知らなかった。
 新型コンドーム、痔と便秘の薬と“汚い物”の開発を命じ、ついには屎尿処理にまで手を伸ばす……。そのうえ彼女は男を枯らしてしまうほどの凄まじい精力の持主でもあった ――
 戦後史を生きた破天荒な女傑の、途方もない一代記。

*解説頁・渡部雄吉


梶山 季之 (かじやまとしゆき)
「ぽるの日本史」
 (ぽるのにほんし)


*カバー / 本文イラスト・辰已四郎
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*346頁 / 発行 昭和60年

*カバー文
 著者は“スペインの蠅(スパニッシュ・フライ)”と呼ばれるものが何なのか、大いに興味を持った。媚薬らしいのだが正体がわからない。そして、とうとうスペインに出かけ、カンタリスという甲虫の一種であると突きとめた。この粉末は飲んでよし、塗ってよしの催淫剤で、あのマルキ・ド・サドも用いたという。これがまた量を間違えると死に至るという猛毒だけに、実によく効くらしい。ところがスペインにも実物はない。それから7年、著者は執念の探索の末、ついに東南アジアで実物を手に入れる。そしてその効果は ― ?
 生前、性豪作家として知られた著者が、その旺盛な好奇心と取材欲によって集めた、セックスにまつわる古今東西の逸話をサービス満点に語る。

*目次
通史篇
 神武以前の性生活のこと / 『古事記』のころの女性上位 / 結婚のかたちをふり返る / 道鏡、膝ではないか説 / 梅毒は、いつ来たか / 後家好き家康の遺産 / 接吻は人類の偉大な発見

異常性愛篇
 どんでんが来る / 男色はいつからあったか / 同性愛は文明の象徴 / 変態性欲とは何か / 日本人の淫虐なる血 / サドとマゾは同居している / 女の脚の美しさに就いて

性語・秘語篇
 性語辞典をつくろう / 精液の呼び名について / 女を口説く“方言”の感触 / いろいろある四十八手 / 十五夜お月様うす曇り / 『色道禁秘抄』入門 / いわゆる「秘語」について

秘具・性具篇
 丑満の頃角が生え / なぜ男に進歩はないのか / 姫泣き、ナマコ、助計舟(たすけぶね) / 肥後ずいき奇談 / 湯屋の石と多毛の関係

媚薬篇
 ペイコノインポ考 / いまいましいいもり / ペニスは強壮薬か? / 胎盤を飲んでベットに行こう / 香港の惚れ薬由来 / 禿鶏散は効くのか / スペインの蠅を追う / 自己暗示という媚薬 / 媚薬についての新実験

回春・不老不死篇
 セックス、この不可思議 / 思想は性欲に先行するか / 女の気とはなんぞや / 房中術のスター達 / 採陰補陽の奥義 / 偉大なる中国人 / 精を垂れ流して死んだ帝王 / ゲイバーの創始者は誰か

性と社会篇
 本能は禁じられるか / 赤線復活論序説 / 楽は苦の種、苦は楽の種 / 浮世絵はワイセツか / 隅から隅までズイーッと
 解説 丸茂ジュン


片岡 義男 (かたおかよしお)
「文房具を買いに」
(ぶんぼうぐをかいに)


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*185頁
*発行 2010年
*カバー・片岡義男

*カバー文
こんな素敵な文房具に囲まれて暮らしたい! 何気ない文房具には、平凡な日常をほんの少しドラマチックに変える、はっとさせられる色や形、そして物語が隠れています。ジム・ジャームッシュが愛用した手帳に誘惑され、フランス製のボールペンにそそのかされ、昔からずっと変わらないデザインの色鉛筆にとらわれる。雑貨に秘められた魅力と、豊かで愛すべきストーリーを、極上のオールカラー写真と共に紹介するエッセイ。


勝 惟寅著・勝部 真長編訳 (かつこれとら・かつべみたけ)
「夢酔独言 ― 勝小吉自伝」 
(むすいどくげん・かつこきちじでん)


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*278頁 / 発行 1974年

*カバー文
 生涯を無頼三昧で送った勝小吉が、自分の一生を振り返り、あまりにも下らない生涯であったと観念して、子々孫々のいましめのために書き残した痛快無比の自叙伝。不覊奔放の生活と、徹底した悪党ぶりは、男の原像ともいえる豪快なすがすがしさを感じさせてくれる。維新をリードした海舟の政治的手腕も、所詮はこの無頼の血によるところ大であることがわかって興味深い。坂口安吾が本書を評して、「最上の芸術家の筆を以てようやく達しうる精神の高さ個性の深さがある」と絶賛したほど、自伝文学としても評価が高い。

*目次
 まえがき / 鶯谷庵独言 / 気心は勤身
 出生 / 五歳のとき / 七歳・勝家の養子となる / 八歳のとき / 九歳のとき / 十歳のころ・馬の稽古 / 十一歳のころ / 十二歳のころ / 十三歳のころ / 十四歳・出奔・こじき旅・御師・龍太夫 / 府中の与力 / 鞠子の賭場 / 旅に病んで / 二丁目の廓の客 / 秋月藩の仲間親方 / 箱根山中の野宿 / 小田原の人足喜平次 / 四か月ふびの帰宅 / 十六歳・出勤・逢対 / 吉原初遊び / 喧嘩の師匠源兵衛 / 十七歳・剣術修業 / 他流試合の元祖 / 十八歳・信州ゆき / 小林隼太・小野兼吉 / 樽屋三右衛門 / 再び小林隼太がこと / 十九歳のころ / 二十一歳・再び出奔 / 切死の覚悟・こわいものなし / 遠州森町の逗留 / 二十一歳から二十四歳まで(檻の中) / 就職運動に成功せず / 本所割下水・刀剣の売買 / 父の死 / 裏店神主吉田兵庫のこと / 殿村南平について修行 / またまた小林隼太のこと / 寄せ加持 / 行と断食 / 刀の研ぎ・目きき・胴試し / 葉山孫三郎のこと / 麟太郎、犬にかまれる / 尾張屋亀吉のこと / 地主岡野孫一郎の不業跡 / 貧乏から立ち直る / 剣術道場の仲間 / 秩父屋三九郎のこと / 林町の次兄の家のこと / したい事をして死ぬ覚悟 / 三十七歳で隠居・その後の生活 / 島田虎之助とのつきあい / 香取・鹿島詣で / 大川丈助一件 / 有髪改名・上坂 / 御願塚村での金談 / 金談のかけひき・虚々実々 / 能勢の妙見詣で / 奉行掘伊賀守の使い / 百姓相手の大芝居 / 一件落着 / 他行留めをくう / 茶道楽 / 大病・押込めにあう / ひんよう師中村多仲・斉藤監物のこと / 女難剣難 / 吉原での喧嘩沙汰 / 生涯の回顧・反省 / 悔悟・教訓

夢酔と海舟 ― 父と子 ―   勝部真長
 一、坂口安吾と「夢酔独言」
 二、自伝文学としての「夢酔独言」
 三、勝家
 四、父と子
 五、江戸という大都会
 年譜
 男谷家系図


角川書店編 (かどかわしょてん)
「日本史探訪 14 江戸期の芸術家と豪商」
 (にほんしたんぽう)


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*311頁 / 発行 昭和59年
*カバーデザイン・熊谷博人
 カバー写真 上・花鳥円門蒔絵螺鈿印籠 芝山作(東京国立博物館蔵) 下・京都四条河原早雲座の芝居風景(個 人蔵)

*カバー文
 織田・豊臣の時代を経て、徳川氏が天下に君臨した265年 ― 江戸時代は、日本人が初めて迎えた人間の時代であり、文化と商業の時代である。
 角倉了以をはじめ、廉売商法の三井高利、みかん船と大尽遊びの紀伊国屋文左衛門など、歴史に名を残す豪商の経済力を背景に、歌舞伎では坂田藤十郎・市川団十郎の名優が、人形浄瑠璃では竹本義太夫が出て、舞台芸術の花を競い、絵画では本阿弥光悦・尾形光琳に続いて、葛飾北斎、喜多川歌麿らが浮世絵全盛時代を現出した。
 江戸期の芸術家と豪商を生き生きと描く!

*目次
民衆が生んだ歌舞伎の始祖 出雲阿国 … 有吉佐和子
桃山の最後を飾る芸術家 本阿弥光悦 … 加藤藤九郎/奈良本辰也
高瀬川を開いた京の豪商 角倉了以 … 辻邦生/原田伴彦
スーパー廉売商法の元祖 三井高利 … 中内功/中田易直
政治と結んだ元禄の豪商 紀伊国屋文左衛門 … 中井易直/南條範夫
上方歌舞伎を始めた名優 坂田藤十郎 … 中村鴈治郎/長谷川幸延
人形浄瑠璃の歴史に残る名人 竹本義太夫 … 長谷川幸延/竹本津大夫
花開く元禄の装飾絵画完成者 尾形光琳 … 岡本太郎
風景版画を完成した画狂人 葛飾北斎 … 棟方志功
美人画家歌麿とその時代 江戸の町絵師 … 片岡球子/井上ひさし/大石慎三郎
獄死した豪商の雄大な夢 銭屋五兵衛 … 城山三郎
 解説・大石慎三郎
 関係年表
  本書構成 野水清・北山章之助・蛯子克郎・水谷慶一・浦田彰・上野重喜・板谷駿一


角川書店編 (かどかわしょてん)
「日本史探訪 15 戯作と俳諧」
 (にほんしたんぽう・げさくとはいかい)


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*261頁 / 発行 昭和60年
*カバーデザイン・熊谷博人
 写真 / 上・江戸時代の櫛(東京国立博物館蔵) 下・西鶴独吟自註絵巻(天理図書館蔵)

*カバー文
 近世300年の泰平は、商業を発達させ、歌舞伎、浄瑠璃・浮世絵など、庶民芸術の花を咲かせたが、文学の面でも、印刷術の普及と相俟って、俳諧・戯作など、庶民文芸の時代を現出した。
 俳諧の連歌は、芭蕉によって俳諧のジャンルと文学としての地位を確立し、蕪村・一茶などの俳人を生み出した。また、その滑稽・自由の精神は、談林派の俳人でもあった井原西鶴に受け継がれ、浮世草子『好色一代男』他の作品に結晶する。
 滑稽本の十返舎一九、読本の上田秋成・滝沢馬琴、狂歌師、大田蜀山人など、江戸期の文学者の素顔を探る!

*目次
町人生活を活写した天才作家 井原西鶴 … 開高健
元禄時代の浄瑠璃の神様 近松門左衛門 … 広末保・篠田正浩
江戸時代の浪漫派知識人 与謝蕪村 … 暉峻康隆・森本哲郎
批判精神を貫いた怪奇作家 上田秋成 … 小松左京
能吏でもあった大狂歌師 大田蜀山人 … 平岩弓枝・浜田義一郎
土に生きた信濃の俳人 小林一茶 … 一色次郎・金子兜太
書と歌に秀でた無心の禅僧 良寛 … 唐木順三
弥次喜多を生んだ戯作家 十辺舎一九 … 井上ひさし
里見八犬伝を書いた大作家 滝沢馬琴 … 井上ひさし・松田修
 解説 広末保
 関係年表
本巻構成 中田整一・武田一郎・蛭子克郎・北山章之助・山本三四郎


角川書店編 (かどかわしょてん)
「日本史探訪 17 講談・歌舞伎のヒーローたち」 
(にほんしたんぽう)


*カバー写真
 上・三代目市川八百蔵 豊国筆
 下・芝居絵看板 清長筆

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*384頁 / 発行 昭和60年

*カバー文
 伊賀は上野の鍵屋の辻で、河合又五郎をはじめ、付き人36人を斬った剣豪荒木又右衛門。太平の元禄の世に、さまざまの苦難をのりこえ、見事に主君の仇を討った赤穂浪士。巌流島で佐々木小次郎を倒した無敵の剣客宮本武蔵。助さん格さんを供に諸国を漫遊し、庶民の敵をやっつける天下の副将軍水戸黄門――
 いずれも、講談・歌舞伎、あるいは大衆文学・映画・テレビでおなじみの人物である。庶民の夢と願望を託されて虚構化されたヒーローたちの、虚像と実像を探る!

 本書の内容
荒木又右衛門=尾崎秀樹
佐倉惣五郎=松永伍一 / 児玉幸多
幡随院長兵衛=村井益男 / 池波正太郎
宮本武蔵=升田幸三 / 尾崎秀樹
由比正雪=柴田錬三郎
大石良雄=福田善之 / 南條範夫
堀部安兵衛=吉行淳之介
吉良上野介=渡辺玄一 / 松島栄一
赤穂浪士=海音寺潮五郎
大久保彦左衛門=杉浦明平
柳生宗矩=五味康祐 / 今村嘉雄
水戸黄門=村上元三
天保水滸伝=笹沢左保 / 高橋☆一(☆=「いしへん」に「眞」。環境依存文字の為、表記出来ませんでした。 )
千葉周作=海音寺潮五郎

*解説頁・尾崎秀樹


上方落語協会編 (かみがたらくごきょうかい)
「古典落語I上方ばなし」 (こてんらくご)


*カバー・和田誠
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*293頁 / 発行 昭和50年

*カバー文
 戦後まもなく、それでさえ少なかった上方落語界の巨匠連があいついで亡くなり、一時は上方落語の燈が消えたとさえいわれた。その時代に噺家になった当代米朝、松鶴、小文枝、春団治の上方落語四天王が、苦節三十年の間に上方ばなしの粋と饒舌の素晴らしさを見事に伝え残してくれた代表傑作ほか、次代をになう若手真打の枝雀の「鷺とり」、福団治の「七度狐」など佳作を含めた13編。

*目次
野崎参り … 桂春団治
天王寺参り … 笑福亭松鶴
天神山 … 桂小文枝
いかけ屋 … 桂春団治
市助酒 … 笑福亭松鶴
鷺とり … 桂枝雀
船弁慶 … 桂小文枝
七度狐 … 桂福団治
地獄八景 … 桂米朝
皿屋敷 … 桂米朝
景清 … 林家染丸
 演者小伝
 解説 藤井宗哲
 さし絵 和田誠

亀井 勝一郎 (かめいかついちろう)
「美貌の皇后」 
(びぼうのこうごう)


*カバー・法華尼寺
 十一面観音像 撮影・入江泰吉
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*238頁
*発行 昭和41年

*目次
美貌の皇后(日本古典旅行記)
 美貌の皇后 / 中尊寺 / 吉野の山 / 飛鳥路 / 桂離宮 / 佐渡が島 / 古塔の天女 / 千代田城

古典美への旅
 盲目の聖者 / 豊頬と微笑 / 埴輪をめぐって / 光源氏の顔 / 晩秋の深大寺 / 乱世に生きる二つの表情 / ひらがなの美しさ / 茶室と光線 / 能面について / 新緑の高山寺 / 無名の人々の創造力 / 精神と顔について / 詩の心と絵の心 / 富士山

 解説 佐古純一郎


唐 十郎 (からじゅうろう)
「戯曲 盲導犬」 
(ぎきょくもうどうけん)


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*260頁
*発行 1974年
*カバー・合田佐和子

*カバー文
 夕陽に染まるコインロッカーの前を愛犬教師に牽かれた盲導犬の群がゆく。盲人・影破里夫の叫び ― “ファキイル”それはコヨーテの血をひく幻の黒い犬。澁澤龍彦の小説「犬狼都市」の後日譚ともいうべき秀作戯曲「盲導犬」。
 愛を争うさすらいの按摩とパンマたち。腐乱の腕が黒鉄を掴むとき、かつては川であった古代九州と朝鮮のはざま、黒髪海峡に幻想の合歓の花が咲く…。話題を呼んだ問題劇「海の牙 ― 黒髪海峡篇 ― 」を併録。未刊の2篇を一挙に収めた唐十郎の文庫シリーズ第2弾。

*解説頁 澁澤龍彦


川端 康成 (かわばたやすなり)
「日も月も」
 (ひもつきも)


*カバー・うねとおる
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*236頁
*発行 昭和32年

*目次
日も月も
 注釈
 解説 
   川端康成―人と作品 北條誠
   作品解説 古谷綱武
 主要参考文献
 年譜