
*カバー絵画・『石山寺縁起』(石山寺蔵)より
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*295頁 / 発行 1991年
*カバー文
およそ四世紀余にわたる中世を生きた無数の群像は、著者の研究生活の中で深い印象を刻みこんだ人びとばかりである。実在の人物のみならず、架空の人物を登場させているのは、かえってその時代を生きた「人間」の心のありどころを示すからだという。躍動する中世の“熱気”を伝える人物「史話」十八編。
*目次
はじめに
1 藤原頼長 ―― 変革期のなかの父子像
2 下河辺行秀 ―― 太平洋のかなたに消えた東国武士
3 北条政子 ―― 承久三年五月十九日の尼将軍
4 建礼門院右京大夫 ―― 永い余生を歌に生きた歌人
5 藤原定家 ―― 寛喜大飢饉の渦中に生きた公家歌人
6 忍性 ―― 非人・癩者に直面しつづけた律宗僧
7 一遍 ―― 遊行と捨身の生涯
8 伏見宮貞成のたたかい ―― 室町時代の皇位継承問題
9 小嶋法師 ―― なかぞらに浮かぶ“太平記作者”のおもかげ
10 ぶあく ―― 桧舞台に躍動する衆庶の面目
11 文正 ―― 絵本にたちこめる立身出世の夢
12 門次郎と願阿弥 ―― 大飢饉に直面した二人の庶民
13 いままいり ―― “女のいくさ”に敗れた一女傑の最期
14 宇野玄周 ―― 下剋上の世を生き抜いた町衆
15 千本の赤 ―― 権益争奪の地獄を生きた河原者
16 ザビエルとアンジロー ―― 万里の波涛をこえてきた師弟
17 織田信長 ―― 天正十年夏
18 宗易と宗二 ―― 「茶話」のなかの師弟像
文庫版あとがき
解説 ―― 横井史学の魅力 赤坂憲雄
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