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*上巻428頁・下巻466頁 / 発行 1981年
*カバー・御正 伸
*カバー文
上巻
身のたけ六尺ニ、三寸、諸仏守護の天界の神将を想わせる体躯に、やや憂鬱の色を湛えたりりしい顔を持つ、その人物、名は、平将門。
坂東下総の住人で、官位を求めて京に上り、公家の専横と、盗賊・夜盗跋こする都の退廃を目にしたが、その武勇と剛直な人柄に刮目した藤原純友は朝廷転覆の驚くべき野心を、彼にもらした。
純友は、伊予大津の豪族。知略にたけて色を好むが、つとに官途への望みを絶ち、力による天下改革を夢見ていた。
伊予掾に任じられて都を去る純友、西海の海賊追捕の兵に加わって功名を求める将門。 純友は、海賊の首領に通じて、ひそかに将門の無事を画策した。……
下巻
海賊追捕に際立つ功なく、鬱欝とする将門に、純友は、朝廷の官位の無価値を説き、帰国を勧めた。
が、東国で将門を待ち受けていた、一族争闘の運命。
東西呼応して乱を起すことを望む純友は、争いの拡大をひそか工作、彼自身もまた、天下万悪の責任は中央にあり、と公言して、海賊大将軍となった。
やがて、もたらされた将門叛乱の報。機は熟した!
純友は、一気に都を攻略すべく、淀川河口に大船団を集結させた。
東西両雄の夢を象徴するかのように、遠い空にかかった、一筋の巨大な虹。
*解説頁・尾崎秀樹
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