絶版文庫書誌集成

文春文庫
【む】


向井 敏 (むかいさとし)
「開高健 青春の闇」
(かいこうたけしせいしゅんのやみ)


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*195頁 / 発行 1999年
*カバー・神長文夫

*カバー文
ナイフで削いだようにざっくりとこけた頬に翳を溜めた、背の高い少年。口数少なく、教室の片隅で息をひそめていた男……。開高健十七歳の肖像描写に始まるこの物語は、戦後文学に比類なき異才の誕生と、その周辺に泡立つ青春の野心と焦燥を、臨場感あふれる文体で描きだした。これぞ、亡き友にたむける渾身の回想記である。

*目次
夜はいつ明けるか
沖を夢みる
いくつもの山いくつもの河
夢の渚で
文庫版あとがき
解説 岸壁の友 大岡玲


村田 喜代子 (むらたきよこ)
「龍秘御天歌」
(りゅうひぎょてんか)


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*263頁
*発行 2004年
*装画(題字とも)・小泉淳作「昇龍図」1999年 / デザイン・大久保明子

*カバー文
徳川の世が定まって五十年。秀吉軍に強制連行され、北九州の地に生きた朝鮮人陶工の頭領が亡くなった。すると、ゴッドマザー百婆が「クニの弔いをやるぞ」と宣言して、村中は大騒ぎに。朝鮮式と日本式がことごとくぶつかる。涙と笑いの渦の中、荒れ狂う骨肉の策謀。「哀号!」の叫びが胸に響く歴史物語の傑作。解説・辻原登


村田 喜代子 (むらたきよこ)
「蕨野行」
(わらびのこう)


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*236頁
*発行 1998年
*装画・智内兄助「天象 橋懸り 秋草」 / 装幀・菊地信義

*カバー文
押伏村には、六十歳を越えると蕨野へ棄てられる掟がある。死を待つ老人たちは悲惨で滑稽な集団生活を送りながらも、生への意志を逞しくしていく。死してなお魂は生き永らえるのか? 棄てられた姑と嫁の心の対話を通して、人間の「生」の本質に鋭く迫る、平成日本によみがえる衝撃の棄老伝説! 解説・辺見庸