絶版文庫書誌集成
中公文庫 【あ】
阿井 景子 (あいけいこ)
「わが心の師 清張、魯山人」 (わがこころのしせいちょうろざんじん)
会田 雄次他 (あいだゆうじ)
「徳川慶喜と賢侯の時代」 (とくがわよしのぶとけんこうのじだい)
(画像はクリックで拡大します)
*265頁
*発行 1997年
*目録文
徳川慶喜を始め、島津斉彬・伊達宗城・鍋島閑叟ら幕末賢候の人物を通し、賢候の条件、賢候を生んだ時代を探るとともに、賢候たちの幕末維新を描く。
會津 八一 (あいづやいち)
「渾齋隨筆」 (こんさいずいひつ)
(画像はクリックで拡大します)
*190頁 / 発行 昭和53年 / 旧仮名旧字体
*カバー題字著者 / カバー・東大寺大仏蓮弁拓本
*カバー文
自作の短歌を通して、南都の風物を描きつつ、その歴史、美術、文学、言語についての薀蓄を披瀝するエッセイスト渾斎会津八一の面目を余すところなくつたえる随筆集。
*解説頁・松下英麿
會津 八一 (あいづやいち)
「續 渾齋隨筆」 (ぞくこんさいずいひつ)
(画像はクリックで拡大します)
*194頁 / 発行 昭和55年 / 旧仮名旧字体
*カバー題字著者(昭和十七年創元社刊『渾齋隨筆』より) / カバー・東大寺大仏蓮弁拓本
*カバー文
戦後の日本文化の傾向に対する痛烈な警鐘、美術や和歌についての深い洞察、師友への細やかな感懐など、芸文の世界に至高の境地をきわめた渾齋秋艸道人の精神をつたえるエッセイ三十四篇
*解説頁・宮川寅雄
青江 舜二郎 (あおえしゅんじろう)
「石原莞爾」 (いしはらかんじ)
青江 舜二郎 (あおえしゅんじろう)
「竹久夢二」 (たけひさゆめじ)
(画像はクリックで拡大します)
*379頁
*発行 昭和60年
*カバー・竹久夢二画(中山晋平民謡曲W「波浮の港」より)
*カバー文
風がひとり街の巷を走るなり ―― ロマンの詩画人夢二の出自・生誕から多感な青年時代の開花へ、また身辺を彩った女性のおもかげ。その生涯を実地に追究して“足”で描いた伝記文学の秀作。
青木 保 (あおきたもつ)
「タイの僧院にて」 (たいのそういんにて)
青木 保 (あおきたもつ)
「沈黙の文化を訪ねて」 (ちんもくのぶんかをたずねて)
青木 文教 (あおきぶんきょう)
「秘密の国 西蔵遊記」 (ひみつのくに ちべっとゆうき)
青山 光二 (あおやまこうじ)
「青春の賭け ― 小説織田作之助」 (せいしゅんのかけ−しょうせつおださくのすけ)
(画像はクリックで拡大します)
*275頁
*発行 1978年
*カバー文
戦後文学の旗手として活躍した織田作之助の暗い青春の彷徨を厚い友情の目でみつめ、混乱の世を文学に生きる人間の愛と反逆とその死を描く長篇実名小説
*解説頁・進藤純孝
青山 二郎 (あおやまじろう)
「眼の引越」 (めのひっこし)
(画像拡大不可)
*207頁 / 発行 1982年
*204頁 / 発行 2006年改版
*目録文
小林秀雄、中原中也らとの交友は世に「青山学院」と言われ、強烈な個性で影響を与えつづけた異才、青山二郎。自らの「眼」に美の発見を賭した独自の美学の精粋。
赤瀬川 原平 (あかせがわげんぺい)
「ピストルとマヨネーズ」
(画像はクリックで拡大します)
*212頁
*発行 1985年
*カバー・南伸坊
*カバー文
パロディが日常的なものに活力を与える。「ハン死ハン生」「手づくり犯罪」「思想の秋葉原」など強力新感覚エッセイ27篇。全ページに原平調の不思議な宇宙が展開する。
*解説頁・「巨人のやぶ蚊」南伸坊
赤瀬川 原平 (あかせがわげんぺい)
「ゼロ発信」 (ぜろはっしん)
阿川 弘之 / 北 杜夫 (あがわひろゆき / きたもりお)
「乗物万歳」 (のりものまんざい)
(画像はクリックで拡大します)
*183頁
*発行 昭和56年
*カバー・柳原良平
*カバー文
文壇随一の乗物通といわれる阿川弘之と、旅のベテラン北杜夫との痛快対談。
「世界の乗物」をめぐって硬軟自在、秘術を尽して繰り拡げる舌戦の全録音。一読、議論に負けない技術を習得する大漫才――
*目次
汽車の旅 / 車の話 / 飛行機の話 / 船の話
阿川 弘之 (あがわひろゆき)
「山本元帥!阿川大尉が参りました」 (やまもとげんすいあがわたいいがまいりました)
芥川 文著 中野 妙子記 (あくたがわふみ/なかのたえこ)
「追想 芥川龍之介」 (ついそうあくたがわりゅうのすけ)
(画像はクリックで拡大します)
*186頁
*発行 1981年
*カバー文
十八歳で芥川に嫁し、昭和二年七月、龍之介自 殺の日まで、わずか十年の結婚生活の中に、日々深まる夫の苦悩に心を痛めつつも、優しい気配りを絶やすことのなかった夫人が、去りいく年月の足音を愛惜しつつ、陰影豊かな、抑制のきいた美しい語り口で物語る追想録。
*解説頁・磯田光一
阿佐田 哲也 (あさだてつや)
「次郎長放浪記」 (じろちょうほうろうき)
浅見雅男 (あさみまさお)
「華族たちの近代」 (かぞくたちのきんだい)
(画像はクリックで拡大します)
*301頁
*発行 2007年
*カバーデザイン・長谷川徹
*カバー文
華族の誕生、分類、特権、義務などを詳述した「華族についての基礎知識」「華族になれなかった人々」「華族の条件」「華族と結婚」「華族と軍隊」「華族と事件」「華族になりたくなかったひと」の七章から、華族制度の全貌を具体例を挙げて解き明かす。前作『華族誕生』に続く華族研究のための絶好の入門書。
浅見 雅男 (あさみまさお)
「公爵家の娘 岩倉靖子とある時代」 (こうしゃくけのむすめ)
足立 巻一 (あだちけんいち)
「立川文庫の英雄たち」 (たつかわぶんこのえいゆうたち)
阿刀田 高 (あとうだたかし)
「夢の宴 ― 私の蕗谷虹児伝」 (ゆめのうたげ わたしのふきやこうじでん)
(画像はクリックで拡大します)
*375頁
*発行 1993年
*カバー画・蕗谷虹児「うたたね」 一九七三年
*カバー文
大正・昭和を通じて、女性を熱狂させた挿し絵画家虹児。早熟なデビュー、パリのサロン・ドートンヌでの活躍、帰国後の円熟。竹久夢二の頽廃の美とは異なる清冽な抒情画は、時代の象徴として人びとの心に生きる。一代の流行児の波瀾の生涯をたどり、新境地を拓く長篇伝記小説。
*解説頁 尾崎秀樹
阿部 昭 (あべあきら)
「司令の休暇」 (しれいのきゅうか)
(画像はクリックで拡大します)
*199頁
*発行 1976年
*カバー文
敗戦とともに長い「休暇」に入った一軍人の最後の日々を、息子の曇りない目で描いて、父と子の肉親劇に時代を象徴する広がりとリアリティを与えた記念碑的長篇。
*目次
司令の休暇
明治四十二年夏
解説 佐伯彰一
阿部 昭 (あべあきら)
「日日の友」 (ひびのとも)
(画像はクリックで拡大します)
*221頁
*発行 昭和52年
*カバー文
同僚の病い、隣人との往き来、妻の抱く不安 ― 日々の生活に潜む“愛”のすがたをさりげなく描いて、人生のかたちを浮き彫りする。珠玉四篇に初期の佳品「月の光」を収める。
*目次
月の光 / 日日の友 / 川 / 窓の眺め / 一日の労苦 / 解説 上田三四二
安部 公房 (あべこうぼう)
「内なる辺境」 (うちなるへんきょう)
(画像はクリックで拡大します)
*106頁 / 発行 1975年
*カバー・安部真知
*カバー文
ナチスの軍服が若者の反抗心をくすぐりファシズムがエロチシズムと結びつく。この贋の異端の流行の中で、内なる辺境による現代の異端の本質を考察する連作エッセイ。前衛作家の創造の核心を知る。
*目次
ミリタリィ・ルック
異端のパスポート
内なる辺境
解説 ドナルド・キーン
安部 公房 (あべこうぼう)
「榎本武揚」 (えのもとぶよう)
阿部 知二 (あべともじ)
「火の島 ジャワ・バリ島の記」 (ひのしま じゃわ・ばりとうのき)
阿部 良雄 (あべよしお)
「群衆の中の芸術家 ボードレールと十九世紀フランス絵画」 (ぐんしゅうのなかのげいじゅつか)
嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「書斎は戦場なり 小説・山田美妙」 (しょさいはせんじょうなり しょうせつ・やまだびしょう)
嵐山 光三郎 (あらしやまこうざぶろう)
「桃仙人 小説 深沢七郎」 (ももせんにん)
有本 芳水 (ありもとほうすい)
「笛鳴りやまず ある日の作家たち」 (ふえなりやまず)
有吉 佐和子 (ありよしさわこ)
「出雲の阿国」 全三巻 (いずものおくに)
*上之巻303頁・中之巻288頁・下之巻383頁 / 発行 1974年(旧版)
*カバー・中尾進画 (画像はクリックで拡大します)
*カバー文
上之巻
桃山文化が生んだ天下一の踊り手、歌舞伎の創始者として日本芸能史上不滅の名を謳われる出雲の阿国 ― 阿国とともに踊り、嘆き、祈りつつ著者は四年の歳月をかけ、全力を傾注して、その生涯を描き上げた。
「芸術選奨」に輝く記念碑的大作 ―
中之巻
殺生関白秀次の暗い噂が京大坂に流れる ― 阿国は、豊満な肉体にたぎる情熱を華麗な小袖のうちに秘めて、一心に踊る ― 数奇な運命の綾に身もだえながらも、新しく男振りの踊りを生み出してゆく阿国を描いて、興趣いよいよ深まる中之巻。
下之巻
阿国をふかく陶酔させる笛の音 ― その主は名護屋山三。ふたりの恋は激しく燃える。しかし、山三の死がふたりを引き裂く。上方から江戸へそして出雲へと阿国は旅し、雪の中にその生涯を閉じる。息もつかせぬ感動のうちに完結する長篇ロマン。
*解説頁(下之巻収録)・服部幸雄
有吉 佐和子 (ありよしさわこ)
「ふるあめりかに袖はぬらさじ」 (ふるあめりかにそではぬらさじ)
*2012年刊行のカバー。玉三郎舞台化用の二重カバー(カバーの上にカバーを重ねています)
*写真 岡本隆史
*デザイン 間村俊一
*特別寄稿
有吉佐和子と『ふるあめりかに袖はぬらさじ』 坂東玉三郎
アルバート アインシュタイン他著・井上 健訳 (Albert Einstein・いのうえけん)
「科学者と世界平和」 (かがくしゃとせかいへいわ)
中公文庫BIBLIO20世紀
アンソニー・サマーズ / トム・マンゴールド著 高橋 正訳 (たかはしただし)
「ロマノフ家の最期」 (ろまのふけのさいご)
アンリ・トロワイヤ著 工藤 庸子訳 (Henri Troyat / くどうようこ)
「イヴァン雷帝」 (いヴぁんらいてい)
アンリ・トロワイヤ著 工藤 庸子訳 (Henri Troyat / くどうようこ)
「大帝ピョートル」 (たいていPierre)
*旧版カバー
(画像はクリックで拡大します)
*2002年刊中公文庫BIBLIO版カバー
*439頁
*発行 1987年
*原題「Pierre le Grand」
*カバー文
東方の眠れる巨人・ロシアを根底から揺り起こし、西方の近代国家へと変貌させた大いなる男、大帝ピョートルの豪壮苛烈な死闘と放埒な恋の遍歴を、雄大なロシアの自然風土を背景に描く歴史巨篇。
安藤 更生 (あんどうこうせい)
「銀座細見」 (ぎんざさいけん)
安東 次男 (あんどうつぐお)
「芭蕉」 (ばしょう)
(画像はクリックで拡大します)
*338頁
*発行 1979年
*カバー・元禄板『猿蓑』より
*カバー文
言い古された『奥の細道』や芭蕉の名句は、どう読み直したら面白くなるか。俳諧師の〈孤心と連衆心〉の親和・相克を存分に究めながら、格調高い文章で綴る芭蕉論の名著
安東 次男 (あんどうつぐお)
「花づとめ ― 季節のうた百三章」 (はなづとめ)
(画像はクリックで拡大します)
*329頁
*発行 1993年
*カバー画 岡鹿之助、ペン・彩色、一九七三年
*カバー文
和歌に、俳句に、解釈学に一石を投じてきた著者の文業は夙に名高い。
斬新な読みと卓抜な洞察。清爽かつ含蓄のある文章できこえた詩人が、四季折々の心にひびいたうたをかたる珠玉の随筆百三章。
*解説頁・向井敏