絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【も】

本居宣長著 村岡典嗣校訂 (もとおりのりなが / むらおかつねつぐ)
「玉くしげ・秘本玉くしげ」
(たまくしげ・ひほんたまくしげ)
岩波文庫



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*106頁・旧仮名旧字体
*発行 1934年
*カバー・中野達彦 / 装画・内澤旬子

*カバー文
国学者本居宣長が藩主の命で、古道に基づく政治原理を説いたもの、「玉くしげ」には古道の本旨が、「秘本」には政策の具体例が述べられている。

*解説頁・村岡典嗣


本山 賢司 (もとやまけんじ)
「自然のポケットから」
(しぜんのぽけっとから)
小学館文庫


*カバーデザイン・遠藤勁
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*219頁 / 発行 1998年

*カバー文
 「竿先をすっと下げる。張っていた糸がゆるみ、一瞬、囮(おとり)のアユがふらりとする。そこを目がけて瀬のアユが攻撃をしかける、というわけだ」このくだりは、本山がアユ釣りの秘伝を聞いて書いているわけだが、いつの間にか本山はアユ釣りの達人になっている。この、のみこみの早さと観察力こそは本山の真骨頂。ぼくが愛し、ウムと唸るときである。(解説『自然児は酒呑童子』浅井愼平より)
 アウトドア派イラストレーターの筆者が、野宿して出会った日本の自然と各地の名人たちを、イラストとエッセイで綴る。

*目次
まえがき / 淡水魚ウォッチング / 川の狩人 / 北の海の魚二匹 / 沖縄の自然を撮る男たち / 幻の滝 / マングローブの幼根 / 礼文の花 / 草むらの小町 / 山の味 / 別嬪のカワセミ / 天寿を全う / 漂流者、安部川太郎 / キツネの災難 / 奇獣の化石 / キノコの知恵 / 照葉樹の魅力 / 自然観察指導員 / 山羊目のカモシカ / プリティ猪娘 / 鴨たちの冬 / 鵜捕り / アワビ捕りの眼光 / 寒中のザザ虫 / 雑木林の気配 / 雪中フィールド同行記 / 文庫版あとがき / 解説 自然児は酒呑童子 浅井愼平


森 鴎外著 長尾 剛編 (もりおうがい / ながおたけし)
「鴎外の『武士道』小説 傑作短篇選」
 (もりおうがいのぶしどうしょうせつ)
PHP文庫



*装丁 瀬錠二(Art 0f NOISE)
 装丁写真 林義勝
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*267頁 / 発行 2009年

*カバー文
乃木希典将軍の殉死をきっかけに武士道に興味を持ち、歴史小説に挑んだ明治の文豪・森鴎外。本書は、殉死をめぐる悲劇に迫る『阿部一族』のほか、父の敵を求めて全国を行脚する旅の苛酷さを描いた『護持院原の敵討』、主君のためには切腹も厭わない武士たちの姿をリアルなタッチで描ききった『堺事件』など傑作7編を収録。意地と忠義に貫かれた本物の「武士道」の真髄に迫る! 文庫オリジナル。

*目次
はじめに
『佐橋甚五郎』
『阿部一族』
『安井夫人』
『護持院原の敵討』
『最後の一句』
『堺事件』
『じいさんばあさん』
 ◎鑑賞のヒント
  『佐橋甚五郎』
  『阿部一族』
  『安井夫人』
  『護持院原の敵討』
  『最後の一句』
  『堺事件』
  『じいさんばあさん』


森 浩一 (もりこういち)
「記紀の考古学」
 (ききのこうこがく)
朝日文庫



*カバー装画・熊谷博人
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*376頁 / 発行 2005年

*カバー文
古代史の究明には、古事記・日本書紀に述べられている多くの物語を、考古学の史料と方法で検証することが必要であるとする著者が、崇神から欽明までの天皇を主として取り上げ、古墳時代の前期から後期前半までの古代日本をひもといていく。大好評既刊『日本神話の考古学』に続く第2弾。

*目次
第1章 イワレ彦とその妻たち
第2章 タケハニヤス彦とミマキイリ彦の戦い
第3章 箸墓伝説と纒向遺跡
第4章 大和古墳群と大王陵
第5章 倭大国魂神と中山大塚古墳
第6章 イクメイリ彦の諸問題
第7章 アメノヒボコ
第8章 ヤマトタケルと白鳥
第9章 オオタラシ彦の大旅行
第10章 タラシナカツ彦の死をめぐって
第11章 神功皇后をめぐって
第12章 応神天皇と皇后髪長媛
第13章 仁徳天皇と皇后磐之媛
第14章 仁徳天皇と都市づくり
第15章 仁徳天皇の子供たち
第16章 倭王興から倭王武のころ
第17章 伊勢と出雲での二つの発掘
第18章 越と継体・欽明王朝
あとがき
文庫版あとがき


森 浩一 (もりこういち)
「日本神話の考古学」
(にほんしんわのこうこがく)
朝日文庫


*装幀・地図=熊谷博人
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*253頁 / 発行 1999年

*カバー文
「イザナキ、イザナミの人物像は」「黄泉の国はどこにあったのか」「三種の神器・八咫鏡に有力候補」「古代出雲の姿とは」……日本神話に秘められた古代史の真相に、考古学の成果と実地踏査から迫る。考古学者である著者が、タブーとされたテーマに挑んだ問題作。

*目次
  はじめに
 国生みとイザナミの死
第1章 国生み物語と海上交通
第2章 黄泉の国の世界
 三種の神器
第3章 草薙剣
第4章 八咫鏡
第5章 八咫鏡(続)
第6章 八坂瓊勾玉
 出雲と日向
第7章 大国主命と出雲の古地形
第8章 海幸・山幸と隼人地域
第9章 “神代三陵”と隼人文化
 神武東征
第10章 船団による移動
第11章 高地性遺跡と戦乱の時代
第12章 河内の“湾岸戦争”から熊野への迂回
第13章 ウダでの山地戦から大和平定へ
  おわりに
巻末エッセイ 中山千夏


森 伸之 (もりのぶゆき)
「アンナミラーズで制服を」
 (あんなみらーずでせいふくを)
双葉文庫



*カバー装画・森伸之
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*190頁 / 発行 1998年

*カバー文
第一勧業銀行 / セブンイレブン / 日本航空国際線 / アンナミラーズ / 東京女子医科大学病院 / 警視庁 / デニーズ / 成田エクスプレス / ホブソンズ / 富士ゼロックス / ジャパンインターナショナルスクール / はとバス / たばこ販促員 / モーターショー・コンパニオン / 甲子園チアガール / 森高千里……[調査・研究対象の一部より] 噂の制服自由研究エッセイ完全版

*目次
ぼくらはリットン制服調査団 ―― ファストフード編
あなたの街のホットユニフォーム ―― コンビニ編
9時から5時までは会社のパッケージで ―― OL編
コンパニオン界のウィンブルドン ―― モーターショー編
♪私がオバさんになっても ―― ファミレス編
な〜んでも入る大きなポケットつき ―― 看護婦編
こんな制服着てたら逮捕しゃうぞ ―― 婦人警官編
案外ハードな力仕事なんです ―― アイスクリーム屋編
バルセロナに残した赤と白の記憶 ―― オリンピック選手団編
突然こんな姿で踊りだされても ―― サンバ・カーニバル編
(祝)宮沢りえ婚約記念…のつもりだったんだけど ―― エレベーターガール編
制服デザインも丹下健三に頼んだらぁ ―― 都庁制服編
新幹線の中の缶ビール うまいんだなこれが ―― レールウェイガール編
花のお江戸はごいっしょに ―― バスガイド編
地味な制服の下に隠されたもの ―― 女子行員編
ボディコン店員のリーチ目を逃すな ―― パチンコ屋店員編
ほら下から覗いてないで 君よ熱き青春を語れ ―― 甲子園チアガール編
ぶっとんだ制服もアトラクションの一部 ―― 遊園地スタッフ編
ロビーで目立ってるあのちょっと変な服 ―― ホテル従業員編
制服界のビッグネーム登場!! ―― スチュワーデス編
カワイイ制服でゲンかつぎ ―― 競馬場職員編
農耕民族の悲しさを思い知らされた目 ―― リレハンメル・オリンピック編
サベツはいけないって学校で習わなかった? ―― 各種・専修学校編
あなたのハートに火をつけてあげる ―― タバコ販促員編
ドームを熱くするビール売りの少女たち ―― 球場ビール販売員編
見えそうで見えない…ああストレスがたまる ―― アンナミラーズ編
Windows95の最大の功績 ―― PCギャル編
あとがき


森 博嗣著・萩尾 望都原作 (もりひろし・はぎおもと)
「トーマの心臓 Lost heart for Thoma」
(とーまのしんぞう)
MF文庫ダ・ヴィンチ(メディアファクトリー)


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*323頁
*発行 2012年
*カバーデザイン・鈴木成一デザイン室 / カバーイラスト・萩尾望都

*カバー文
彼にとって、死とは何だったのか
オスカーの友人、ユーリに手紙を残して死んだトーマという美しい下級生。ユーリを慕っていたという彼は、なぜ死を選んだのか。最近不安定なユーリの心に、彼の死がまた暗い影を落とすのではないか。そんな憂慮をするオスカーの前に現われた転校生エーリク。驚くことに彼はトーマそっくりだったのだ――。原作を敬愛する著者による渾身の小説化。若さゆえの苦悩を森博嗣的世界観で描いた美しい物語。解説 / 萩尾望都


森 博嗣作 / 佐久間 真人画 (もりひろし / さくままこと)
「猫の建築家」
(ねこのけんちくか)
光文社文庫


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*ノンブル無し / 発行 2006年
*カバーデザイン・泉沢光雄 / カバーイラスト・佐久間真人

*カバー文
 猫は建築家だった。何度か生まれ変わったけれど、そのたびに建築家になる ── 。
 何を造ろうか、どう造ろうか。思いをめぐらしながら、猫は街へ出る。そして、造られるものの「形」や「機能」に思いふけるうちに、ふと気づく。鍵を握るのは、「美」だと ── 。
 人気ミステリィ作家・森博嗣と新進画家・佐久間真人が共同で紡ぎ上げた静謐な物語。


森 まゆみ (もりまゆみ)
「抱きしめる、東京」
(だきしめるとうきょう)
ポプラ文庫


*デザイン・矢萩多聞
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*315頁 / 発行 2010年

*カバー文
懐かしい風景が今も残る東京、谷根千。ここで生まれ育ち、仕事をし、遊び、子育てもしてきた著者にとって、この町はかけがえのない「故郷」。時代の移り変わりとともに大きな変貌をとげていく町の姿を、自らの半生に重ねて綴る、愛にあふれた自伝的エッセイ。

*目次
T
 花電車のころ / 東京オリンピック / 東大落城す / 都電の消えた日 / 早稲田と赤坂
U
 安心して死ねる町 / さよなら水晶ローソク / 地上げの嵐 / 路地の人々 / 大家ハラスメント / つわものどもが夢のあと
東京という故郷 / 文庫版のためのあとがき / 解説 ジョルダン・サンド


森繁 久彌 (もりしげひさや)
「にんげん望艶鏡」
 (にんげんぼうえんきょう)
朝日文庫



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*326頁
*発行 昭和58年
*カバー題字・森繁 久彌 / カバー装幀・多田進

*目次
屋根の上の拳闘家 / 枯れ木林に桃の花 / 今は懐かし恐怖の首領(ドン) / 隻眼少佐と女中尉 / ああ東宝大争議 / さすらいの一匹狼 / 「夫婦善哉」のこと / 共演したくない相手 / ヅカの頂上から来た娘 / 役者の正月ばなし / 素人役者横行す / よき時代の“大物”たち / 社長より座長 / 税吏よ、人間であれ / わが愛しの海と船 / 省みて若者を論ず / 田宮二郎の死のあとで / わが女優大連名 / 玄関上手とウソ上手 / 山田耕筰先生の大駄作 / 森繁劇団の思い出 / おかし哀し魔性のオカマ世界 / 役者が甲羅をぬぐとき / 「ふじやま丸」の思い出 / おそるべし勝新太郎 / 老ゆるなかれ、熟すべし / 遺言を書かぬわけ / 夢みるコンペイトウの芯 / 猿の齢を生きる身の……
 あとがき
 解説(早乙女貢)


森繁 久彌 (もりしげひさや)
「品格と色気と哀愁と」
 (ひんかくといろけとあいしゅうと)
朝日文庫



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*196頁
*発行 200年
*カバー装幀・装画=宇野亜喜良

*カバー文
人のぬくもりは哀しい ― 原節子、勝新太郎、三木のり平、杉村春子、有吉佐和子…そして愛おしき妻杏子。俳優として時代を駆け抜けた著者が、過ぎ去りし日々の、忘れがたき粋な男たち・女たちとの熱き思い出を、艶やかに軽妙な筆致で綴った名エッセイ集第2弾。

*解説頁・ラジオで聴きたい! ― 永六輔


森本 哲郎 (もりもとてつろう)
「日本人の暮らしのかたち」
(にほんじんのくらしのかたち)
PHP文庫


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*307頁 / 発行 2007年
*装丁・倉田明典 / 装丁イラスト・(C)MIXA CO., LTD/amanaimages

*カバー文
遠い昔から、長く日本人の暮らしとともにあったものたち。 ── 火鉢、下駄、手拭い、提灯から、井戸、濡れ縁、露地など。これらが消え去って久しい。生活様式が洋風化し、便利になった中で、私たちは何か大切な暮らしの実感や味わいを無くしてきたのではないのか? という問いかけの書である。「なつかしさ」とともに、日本人のあるべき「暮らしのかたち」を考える本。『日本の挽歌』を改題。

*目次
 文庫版まえがき / 冷たい火鉢 / 煤けた軒端 / ゆるい下駄 / 遅き日の濡れ縁 / あやしの枝折戸 / 山吹の井戸 / 破れた扇 / ひなびた簾 / 焼野の地蔵 / 夕日の水車 / ほおずきの境内 / 色あせた蚊帳 / 藍染めの手拭い / 蛇の目の衣鉢 / 帆影うつす障子 / 無常の手桶 / 遠い提灯 / 白露の家 / 葛の葉の露地 / 遠近の砧 / 古びた屏風 / 埋もれた野路 / 霜夜の鐘 / 私的生活の再建