絶版文庫書誌集成

未分類絶版文庫 【ひ】

東 雅夫 (ひがしまさお)
「新訂版 クトゥルー神話事典」
(DICTIONARI OF CTHULHU MYTHOS)
学研M文庫


*イラストレーション・藤原ヨウコウ
 カバーデザイン・井上佳子
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*455頁 / 発行 平成13年

*カバー文
神秘と暗黒の〈クトゥルー神話大系〉。その全貌を明かす総合事典の最新版が装いも新たに登場! 神名、地名、人名から魔道書名に及ぶ用語解説に作品ガイド、作家名鑑、歴史年表を併録。95年刊行の単行本版に収録されたデータに、以後5年間に活況を呈したクトゥルー・ジャパネスクの展望と、新登場の作家作品を大幅増補した待望の“21世紀版”。ラヴクラフトと邪神世界の全貌を一巻に集約!

*目次
序〈クトゥルー神話の世界へ〉
禁断の大百科〈用語事典〉
暗黒の文学館〈作品案内〉
探奇の紳士録〈作家名鑑〉
恐怖の年代記〈歴史年表〉
付記
作品名索引



久生 十蘭 (ひさおじゅうらん)
「顎十郎捕物帳」 (あごじゅうろうとりものちょう)
朝日文芸文庫(久生十蘭コレクション)


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*678頁
*発行 1998年
*カバー装画・清原啓子「久生十蘭に捧ぐ」(部分) / 装丁・菊地信義

*カバー文
古袷(ふるあわせ)に冷飯草履(ひやめしぞうり)、はげちょろ鞘の両刀を鐺(こじり)さがりに落としこみ、ヘチマなりの顎をぶらさげボンヤリ間抜けな風情だが、謎解きにかけては江戸随一。難解な怪事件を解く鮮やかな手腕に奉行所同心も顔色なし。噂の顎十郎が大活躍する、捕物小説史上に名高い傑作。

*巻末エッセイ・村松友視


ヒサ クニヒコ
「国鉄あちこち体験記」
 
(こくてつあちこちたいけんき)
集英社文庫


*カバー・ヒサクニヒコ
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*255頁 / 発行 昭和61年

*カバー文
あのなつかしいSL、先端技術の粋を集めた新幹線、さらには国鉄の丸秘施設など、北は北海道、南は鹿児島まで全国30か所を踏破した、鉄道現場からのレポート風エッセイ。国鉄の分割・民営化騒動のさ中、貴重な資料になることうけあい! 鉄道マニア、旅行ファン必読の書。豪華カラー本。 解説・宮脇俊三

*目次
 まえがき / なつかしさでいっぱい SLやまぐち号 / 京浜をはしる茶色い国電 鶴見線 / ループとスイッチバック 大畑と真幸 / ススが眼にしみる 梅小路蒸気機関車館 / なんでも見てしまおう 交通博物館 / 津軽海峡波も静かに 青函連絡船 / 線路もしばれる 道北の防雪林 / フレートライナー EF65運転席同乗記 / 鎌倉駅 一日臨時駅員体験記 / ブルートレインの車掌さん / リニアモーターカー 宮崎で517キロを見た / 旅客車サービス班出動せよ! / これが黄色い新幹線だ / 歌声ひびく お楽しみお座敷列車 / 鉄道のおまわりさん 東京鉄道公安室 / 面白い装置でいっぱい 鉄道労働科学研究所 / 瀬戸は静かに 宇高連絡船 / 飯田線 ひとりぼっちの固定警戒番舎 / 峠をこえて温泉へ 山の中の国鉄バス / 夜中も活躍する 東京貨物ターミナル駅 / マル秘技術開発中 鉄道技術研究所 / 新幹線さまのお通りだ! / ひかりは北へ 新幹線総合試験線 / 鉄道跡をはしる 国鉄専用バス道白棚線 / 学生時代にもどって 中央鉄道学園 / 国鉄バス 渓流と新緑の十和田北線 / 義経、しづか 12年ぶりのご対面 / よみがえるSL 鷹取工場のC57 / ブルートレイン リフレッシュ / きっぷの誕生 東京印刷場 / 解説 宮脇俊三


土方 定一 (ひじかたていいち)
「日本の近代美術」
(にほんのきんだいびじゅつ)
岩波文庫


*カバーカット・海老原喜之助「曲馬」一九三五年、油彩、熊本県立美術館蔵
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*304頁 / 発行 2010年

*カバー文
美術批評と美術館行政への功績でしられる土方定一は、みずからの眼で絵画や彫刻を確かめる“経験としての美術”へと読者を誘う。この本は西欧の遠近法や明暗の摂取を江戸期にさぐり、日本画と洋画の抗争や相互影響を戦後までたどる。日本美術を世界美術の中におく史観と人間への洞察ひかる名著。図版多数。

*目次
序章
1 伝統美術と近代美術
2 初期洋画のプリミティヴィスム
3 岡倉天心と民族主義的浪漫主義
4 黒田清輝と外光派
5 日本画のなかの近代
6 近代と造形
7 日本画の近代の展開
8 近代日本の彫刻
9 社会思想と造形
10 二十世紀の近代美術
 一 日本におけるフォーヴィスム
 二 日本におけるシュルレアリスムと抽象芸術
11 戦後
 注 / あとがき / 補注 / 解説(酒井忠康) / 索引


樋田 豊次郎著 / シーグ社出版編 (ひだとよじろう / しーぐしゃしゅっぱん)
「日本文様図集 明治の輸出工芸図案 起立工商会社の歴史」
(にほんもんようずしゅう めいじのゆしゅつこうげいずあん きりゅうこうしょうがいしゃのれきし)
京都書院アーツコレクション 工芸関係シリーズ


*表紙 / 金工 花瓶(花鳥図)部分
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*333頁 / 発行 1998年

*紹介文
明治期に外国輸出用の工芸品製作のために設立された起立工商会社が手がけた工芸品の図案をカラーで収録。図案の美術的価値や図案作成の背景などを解説。87年刊「明治の輸出工芸図案」の改題改訂。

*目次
改訂にあたっての序
図版
 花瓶(草花図) / 花瓶(花鳥図) / 樹栽鉢 / 置物 / 角皿 / 丸皿 / 盆 / 箱 / 筥 / 手袋箱 / 硯函 / 燭台 / シャンデリア / ガスランプ / ランプ台 / 香炉 / 服ブラシ / ブラシ / 柄 / 化粧具 / 黛刷毛入 / 扇 / ティーポット / ティーセット / ナプキンリング / マッチ入 / 抽斗 / 箪笥 / 図案(草花図) / 図案(
紋) / 図案(花鳥図) / 図案(その他)
解説
 はじめに ―― 明治期工芸図案の再評価について
T 起立工商会社の歴史
  1 設立 / 2 松尾と若井の経歴 / 3 取扱い品 / 4 職人たち / 5 解散まで
U 起立工商会社設立の背景
  1 工芸品の輸出向け商品化 / 2 美術工業振興策 / 3 工芸概念の変化
V 起立工商会社の図案
  1 図案の概略 / 2 図案の画工たち
年譜 / 英文要旨

=穴に果


日名子 暁 (ひなごあきら)
「ストリップ血風録 ― 道頓堀劇場主・矢野浩祐伝」
(すとりっぷけっぷうろく)
幻冬舎アウトロー文庫


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*262頁
*発行 平成10年
*カバーデザイン・芦澤泰偉 / カバーイラスト・おのざわ さんいち

*カバー文
九州・小倉で愚連隊から身を起こした矢野浩祐。売られたケンカには必ず命を張る、その度胸を買われ、極道に転身するが、やがて指を詰め、組を脱退。本番無しでも客を呼べる伝説の道頓堀劇場(東京・渋谷)の小屋主に。“お上”と闘い、踊り子と哀歓を共にしながら四十年間、戦後風俗を見届けた矢野の波瀾の奮戦記。渾身の書き下ろしノンフィクション。


美乃美 (びのび)
「色彩のコスチューム 中国55少数民族の服飾」 (しきさいのこすちゅーむ)
京都書院アーツコレクション


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*367頁 / 発行 平成9年

*紹介文
モンゴル族からジノー族まで55の少数民族の服飾のすべてを、晴れ着から日常着にいたるまで、染織のデザインを中心に帽子、くつ、バッグ、アクセサリーなど装飾品もあわせてカラー図鑑184点を収録。

*目次

中国少数民族分布図
図版
服飾
装飾品
中国55少数民族の服飾


平岩 弓枝 (ひらいわゆみえ)
「椿説弓張月」
(ちんせつゆみはりづき)
学研M文庫


*カバー・ブックデザイン:中谷匡児
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*220頁 / 発行 2002年

*カバー文
江戸時代後期の作家、滝沢馬琴の出世作。大ベストセラーとなり、浄瑠璃や歌舞伎にもとりあげられてヒットした。物語は、伊豆大島に流されて死んだはずの源八郎為朝が、実は生きていて、やがて琉球に渡り、王家の内紛で大活躍するという波瀾万丈の活劇ドラマ。『御宿かわせみ』などで知られる時代小説作家、平岩弓枝の現代語訳が、いきいきとその面白さを伝える。

*目次
はじめに
第一章 英雄誕生す
第二章 不屈の闘魂
第三章 危うし琉球王国
第四章 卍巴の攻防
第五章 破魔の弦音
あとがき


平岩 弓枝監修 (ひらいわゆみえ)
「花と剣と侍 新鷹会・傑作時代小説選」
 (はなとけんとさむらい)
光文社時代小説文庫



*カバーイラスト・小宮山逢邦
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*423頁 / 発行 2009年

*カバー文
千葉道場“芸武館”で塾頭までつとめた草莽の志士の軌跡を描く「真田範之助」、凄腕の渡世人・追分の伊三蔵の秘められた悲惨な過去とは? 「ひとり狼」。手先の器用さがわざわいして職人となった元赤穂藩士が、討ち入りの陰で活躍する「舞台うらの男」。大川端の破れ舟で毒殺された髪結い職人の謎を追う「子を思う闇」など、粒選りの時代小説九篇と書下ろし三篇を収録!

*目次(アンソロジー)
はじめに  平岩弓枝 / 真田範之助  長谷川伸 / ひとり狼  村上元三 / 霧の中  山手樹一郎 / 舞台うらの男  池波正太郎 / 京の夢  戸部新十郎 / 五人の武士  武田八州満 / 人間の情景  野村俊雄 / 男谷精一郎信友  戸川幸夫 / 海賊船ドクター・サイゾー  松岡弘一 / 深川形櫛  古賀宣子 / 末期の夢  鎌田樹 / 子を思う闇  平岩弓枝 / 解説 朝比奈次郎


平田 オリザ (ひらたおりざ)
「平田オリザ T 東京ノート」
(とうきょうのーと)
ハヤカワ演劇文庫 8


*カバーデザイン・工房はやし
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*209頁 / 発行 2007年

*カバー文
美術館の片隅のロビーは、人々が一休みしにやって来ては去る。恋人たち、久しぶりに再会するきょうだいと連れ合い、個人所蔵画の寄贈者、学生。会話の断片は世界情勢から個人の悩みまで照らし出す。戦火が広がるヨーロッパから多数の名画が日本に疎開してきているらしい。故郷で老親を世話する長女を理解してくれるのは誰なのか。淡々とした会話から、穏やかな日常とは裏腹の世界を鮮やかに切り取る岸田國士戯曲賞受賞作。

*解説頁・内田洋一


平野 謙 (ひらのけん)
「芸術と実生活」
(げいじゅつとじっせいかつ)
岩波現代文庫


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*383頁 / 発行 2001年

*カバー文
日本近代文学固有の産物、私小説とは何か。作家たちは芸術の理想と実生活の現実とのギャップにどう対処したのか。この二律背反の観点から、自然主義を淵源とする私小説・心境小説を分析し、鴎外・花袋・藤村・秋声・荷風・志賀・漱石らの私生活と作品の相関を追究した本書は、文学研究の流れを方向づけた、戦後の私小説論の一大到達点である。

*目次
T
問題の発端 / 私小説の二律背反
U
森鴎外 / 田山花袋 / 島崎藤村 / 徳田秋声 / 永井荷風 / 志賀直哉 / 夏目漱石
V
演技説修正 / 被害者と加害者 / 芸術家の自由 / 日常性の快復 / 愛とエゴイズム / 疵は癒されるか
 解説 川西政明


平原 毅 (ひらはらつよし)
「英国大使の博物誌」 (えいこくたいしのはくぶつし)
朝日文庫


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*317頁 / 発行 1993年
*カバー装幀・多田進

*カバー文
亀が鳴く話、カメレオンを食卓に飾った話、羊の座布団尾、陽貴妃の乳房、朝鮮がらすの思い出 ― 。古今東西の事象に旺盛な好奇心を持つ動物好きの元外交官が、海外滞在中の体験と古事記、神話、聖書などから引いた多彩なエピソードを、ユーモアたっぷりに綴る。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作。

*目次
序 犬養道子 / 第一章 亀 / 第二章 カメレオン / 第三章 羊 / 第四章 かささぎ / 第五章 はりねずみ / 第六章 鶏 / 文庫版あとがき


平山 蘆江 (ひらやまろこう)
「蘆江怪談集」
(ろこうかいだんしゅう)
ウェッジ文庫


*装丁・和田誠
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*293頁 / 発行 2009年 / 旧仮名遣い

*カバー文
 都新聞の花柳演芸記者を勤め、長唄、清元など演芸全般に通じた粹人平山蘆江は、泉鏡花、喜多村緑郎らと夜な夜な「怪談会」に打ち興じる怪談好きとしても知られた。
 本書は、蘆江がものした怪談小説十二本に随筆「怪異雑記」の附録つき。「火焔つつじ」など二三の作品がアンソロジーに収録されただけで、令名のみ高く、その全貌を見たものが殆どいなかった幻の怪談集を、昭和九年の初刊以来七十五年振りに復刊。

*目次
序にかへて 妖怪七首 / お岩伊右衛門 / 空家さがし / 怪談青眉毛 / 二十六夜待 / 火焔つつじ / 鈴鹿峠の雨 / 天井の怪 / 悪業地蔵 / 縛られ塚 / うら二階 / 投げ丁半 / 大島怪談 / 怪異雑記 / 怪異雑記 / 解説 東雅夫


広岡 敬一 (ひろおかけいいち)
「ちろりん村顛末記」 
(ちろりんむらてんまつき)
朝日文庫



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*235頁
*発行 1984年
*カバー装画・畑田国男

*本文より
琵琶湖の蜃気楼
「ちろりん村」は忽然とその姿をあらわした。そして、いつの日かおなじように忽然と消えていくのだろう。まるで蜃気楼のように……。
 昭和四十八年、はじめて私はこの「村」を訪れた。開村して三年目の晩春のことだった。そのときの印象は鮮烈で、田んぼのむこうの地平線に、ぽっかりと浮かびあがった異様な建物の群落は、蜃気楼としかいいようがないほど唐突で驚異的だった。以来、訪れるたびにその印象は変わらない。トルコ風呂と、そこを職場としている人間の生活機能だけがシマをこしらえ、日本全国、ここだけの特異なトルコ地帯が「ちろりん村」だ。


ヒーロー倶楽部・編 (ひーろーくらぶ)
「君は、ハリマオを覚えているか ― われらのヒーロー・グラフィティ 1953-1969」
 (きみははりまおをおぼえているか)
PHP文庫



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*205頁
*発行 1985年
*装幀・岸顕樹郎

*カバー文
少年時代のなつかしのヒーロー達 ― 。
 鉄腕アトム、月光仮面、赤胴鈴之助……えェーと、それから、スーパーマン、少年探偵団、まぼろし探偵、隠密剣士、白馬童子……まだまだ、少年ジェット、おそ松くん、あしたのジョー、エイトマン ― 。
 思い出せばキリがない。あの声、あの顔、あの姿。今、再び甦るあの興奮!!


広瀬 隆 (ひろせたかし)
「私物国家 ― 日本の黒幕の系図」
(しぶつこっか)
知恵の森文庫(光文社)


*カバーデザイン・亀海昌次
 カバー写真・GRADE ONE
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*382頁 / 発行 2000年

*カバー文
 日本国民が国家から押しつけられた借金は、1人400万円、1家族1000万円超! それを生み出した原因は、歴史的人脈にあった。不良債権を生み、経済と国家を崩壊させ、ひたすら私腹を肥やすのは誰か? 生ぐさい事件の数々の裏にひそむ、この国のすさまじい血脈を追跡し、暗黒事件の高度なメカニズムを解きあかした初めての記録。

*目次
本書の主な登場人物
序章 誰かが、どこかで、動いている
 野村證券・第一勧銀事件の総会屋が知っていた秘密
第一章 日本人がかかえた借金の額と泉井事件の黒幕
 日本人が始末をつけるべきこと / 泉井事件 ―― 本物の黒幕 / 霞が関の天下り人事を動かす二人の男
第二章 東京信用組合破綻事件とオレンジ共済組合詐欺事件
 東京のふたつの信用組合を誰が破綻させたか / 浜口首相と満州事変 / オレンジ共済組合詐欺事件の大詐欺師
第三章 大蔵官僚腐敗と不良債権処理
 株の暴落と大蔵省の“反撃” / イトマン(伊藤萬)事件と不良債権 / 住宅金融専門会社(住専)と大蔵官僚 / リクルート事件・バブル経済・消費税導入・国鉄解体・共和事件 ―― そして“謎の男”窪田邦夫 / 三〇〇億円献金事件と金丸信の不正蓄財 / 小沢一郎の裏切りと政治腐敗
第四章 ゼネコンの悪の系譜が生んだ自治体と厚生省の腐敗
 日本の産業労働者の一割を占める最大産業 / 東京湾横断道路の談合事件と日銀総裁・松下康雄 / 大手ゼネコン五社の権益 / 自治体汚職のシンボル ―― 茨城県知事・竹内藤男逮捕事件の真相 / 厚生事務次官・岡光序治の黒幕と厚生大臣の姻戚関係 / 薬害エイズと今後の不安
第五章 行財政改革とビッグバンの怪
 行政改革会議によって増える税金 / 政治家と官僚がなすべきこと / 行革四天王の正体 / 大蔵省はなぜ解体されないか ―― 行革にひそむ裏方の陰謀 / ビッグバンの危険性 / ロッキード事件の人脈に反旗をひるがえした国士 / 若狭得治と日本船舶振興会の人脈 / 橋龍が率いる大軍団と有事問題
第六章 日本最大の官僚組織・電力会社と軍需工場・三菱重工
 知られざるプルトニウムの軍事利用計画 / 電力消費を加速させるメカニズム / 電力会社が官僚組織に育った歴史 / 原発現地の住民が置かれた危機的状況
  【図と系図のリスト】
 凡例 系図の読み方
  図1 総会屋事件の野村證券・第一勧銀人脈 / 図2 預貯金の残高グラフ / 図3 25年間の地価と為替レートの変化 / 図4 日本の赤字国債と銀行の不良債権 / 図5 日本の産業・金融腐敗事件の全相関図
  系図1 「野村・勧銀の総会屋事件」と「泉井事件」 / 系図2 「泉井事件」と「官僚天下り支配者」 / 系図3 「東京2信組破綻」と「オレンジ共済事件」 / 系図4 「イトマン事件」と「証券不祥事」 / 系図5 「住専」経営者と「大蔵省・日銀幹部」 / 系図6 「腐敗政治屋」一族による「暗黒事件」 / 系図7 「建設業者」全ファミリーと「建設族のドン」 / 系図8 「厚生省スキャンダル」と「自治体汚職」 / 系図9 「行政改革」四天王と「大蔵官僚・日銀総裁」 / 系図10 「ロッキード事件」の大物逮捕者 / 系図11 「駐日大使」ライシャワー〜モンデールと「橋本首相」 / 系図12 「台湾総督」と「日立・東芝・三菱核兵器軍需財閥」 / 系図13 「電力首脳」と「プルトニウム原爆計画」 / 系図14 国家と私物化した一族の婚姻関係「全系図」
あとがき / 文庫版の発刊に寄せて / 人名・項目INDEX


広瀬 正 (ひろせただし)
「鏡の国のアリス 広瀬正・小説全集・4」
(かがみのくにのありす)
集英社文庫



*カバー・和田誠
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*362頁 / 発行 昭和57年

*カバー文
ひとりの青年が銭湯につかっていた。ふと気がつくと、そこはいつの間にか女湯になっていて、追い出された彼が迷いこんだのは、左右が逆になっている“鏡の中の世界”だった ―― 美容整形医の私のところに、性転換手術の相談にきた青年が語る奇妙な体験。すべてがあべこべの世界で彼が遭遇した出来事の数かずは……。他に短篇三作品を収録。

*目次
鏡の国のアリス
フォボスとディモス
遊覧バスは何を見た
おねえさんはあそこに
 解説 井上ひさし


広瀬 辰五郎[いせ辰四世] (ひろせたつごろう)
「千代紙」
(ちよがみ)
京都書院アーツコレクション


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*255頁 / 発行 1997年

*目録文
〈千代紙〉は和紙にさまざまな模様を色摺りしたもので、江戸時代中期に公家や上流夫人が墨流しや吹き絵を短冊や色紙に仕立て、歌を記したものにはじまる。また贈答品に添えるのし紙、小箱の内張り、姉様人形の衣装にも用いられた。最初は奉書に絵具をうすく塗り、肉筆で模様を描いたのが上方(京都)、これに江戸の錦絵屋が着目し木版画で売出したのが千代紙のはじまりである。本書では現代人の目にも鮮やかで洗練された江戸のデザインの粋200余点をオールカラーで紹介する、資料性の高い文様事典である。

*目次
序文 小椋修賢
図版
しゃれもん・洒落紋の千代紙 いせ辰四世 広瀬辰五郎
作品解説
江戸千代紙の作り方・千代紙の使い方


広瀬 仁紀 (ひろせにき)
「飛竜の如く ― 小説・五島慶太」
 (ひりゅうのごとく・しょうせつごとうけいた)
光文社文庫



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*326頁
*発行 1996年
*カバーイラスト・石川俊

*カバー文
 明治34年、19歳の小林慶太(のちの五島慶太)は、大望を抱いて上京した。苦学の末、農商務省の官吏となり、事業家への足がかりをつかむ。持ち前の強引さで、デパート、ホテル、観光業と、次々に事業を伸ばしていった。そして、西武コンツェルンの総帥・堤康次郎との鎬を削る企業戦争が展開した……。
“強盗慶太”と仇名され、東急を一代で築き上げた男の生き様。

*解説頁・佐高信