*カバー写真=「コンバット」
写真提供=(株)ユニフォト・プレス
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*246頁 / 発行 1998年
*カバー文
戦争映画とは、たとえば「ナバロンの要塞」のような作品だとする見方と、「ひめゆりの塔」のような反戦映画でなければならないとの意見が真向うから対立し、オールラウンドの戦争映画の本は、これまでほとんど出版されてこなかった。本書はアクション、レジスタンス、反戦映画など、「戦争」を描いた映像を網羅して、そのイメージについての真実を、改めて読み解こうとしたものである。
*目次
1 アクション映画
戦争アクション最高峰 ― 「ナバロンの要塞」 / 悲劇と栄光のドラマ ― 「大脱走」
/ ビッグスター大共演 ― 「史上最大の作戦」 / えんえん続く戦闘シーン「バルジ大作戦」
/ 口あたりのよいアクション ― 「レマゲン鉄橋」 / 「トラ・トラ・トラ!」が一級映画でない理由
/ 小隊(プラトーン)の戦い / ボーダーレス戦争映画 / ミニチュアのなかの戦争
/ 「眼下の敵」とのバトル / 地獄のヨーロッパ戦線 / 戦争コメディ / 砂漠の戦い
/ B級ヨーロッパ戦線 / 見せ場は空中戦 / 日本の戦争 / 戦争映画の構図 / ヤクザと兵隊
/ 陸軍中野サラリーマン学校 / 戦争スパイ映画 ― 「36時間」のトリック / 戦争映画エトセトラ
2 戦意高揚映画
反ファシズム反ナチ映画 / 悪玉はコミュニズム / 反日戦意高揚映画の系譜
/ 日本の戦意高揚映画の定番 ― 「五人の斥候兵」「土と兵隊」 / 敵の姿と味方の正体
/ プロバガンダ映画 ― 「支那の夜」「蘇州の夜」 / ドキュメンタリー映画の役割
3 レジスタンス映画
名作の数々 ― 「無防備都市」など / こだわりの大作 ― 「パリは燃えているか」
/ 東欧のレジスタンス映画 ― 「地下水道」「抵抗のプラハ」 / 第二次大戦秘話
― 「暁の七人」「テレマークの要塞」 / その他のレジスタンス映画 / 日本の抵抗映画・山本薩夫の仕事
4 反戦映画
戦争責任追及の欠如 / 戦争被害者としての作品が主流 / 「ひめゆりの塔」の再映画化は必要だったか
/ 岡本喜八監督の仕事 / 啓蒙映画の功罪 / 戦争映画のメインテーマとサブテーマ
/ 現代の戦争映画への苦言 / 評価したい反戦映画 ― 「海軍特別年少兵」「戦ふ兵隊」
/ 西欧反戦映画とのリアリティ・ギャップ / 日本はなぜ戦争責任を問わないのか?
5 日本の戦争映画
戦争責任 / 「東洋鬼」日本軍を描いた「戦争と人間」 / 極限状況下を描く
― 「続兵隊やくざ」 / その他の日本映画を検証する / 外から見た日本の戦争
/ ニュールンベルグと東京の間
6 核戦争映画
原子雲の下で生れた「原爆の子」 / 世界情勢としての核戦争映画 / ついに昨日の「ザ・デイ・アブター」
/ ブラック・ユーモア / 暴かれる核被害 / 核モンスターたち
7 テレビ映画
最長シリーズ「コンバット」登場 / 戦争アクションとしての先駆性 / 「史上最大の作戦」とプラトーンものがルーツ
/ 駆け足で過ぎ去ったテレビ戦争ドラマ
8 その他の戦争映画
戦争映画の分類 / 中東の火種 / 現実世界の複雑化 / 新たな悪玉探し / 敵は内部にあり
エピローグ
あとがき / 索引
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