絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【せ】

瀬尾 信蔵 (せおのぶぞう)
「老子 よく生きるための81章」
(ろうし)


(画像拡大不可)

*351頁
*発行 1996年

*目録文
『老子』は全体が五千数百字と短いが、あたかも格言集か、ことわざ集の如く名言が並ぶ。その思想の中核をなす概念の「道」の本質に迫るとともに、平易に解説する。

*目次
道の道とす可きは常の道に非ず / 天下皆美の美たるを知る / 賢を尚ばざれば / 道は冲にして之を用う / 天地は仁とせず / 谷神は死せず / 天は長く地は久し / 上善は水の若し / 持して之を盈たさんとするは / 営魄を載せ一を抱き〔ほか〕



関 計夫 (せきかずお)
「美の心理学」
(びのしんりがく)


(画像拡大不可)

*266頁 / 発行 1962年
*社会思想研究会出版部名義

*目録文
我々はなぜ芸術を美しいと感ずるのだろう。本書は古今の絵画彫刻を素材とし、これに最新の心理学を適用して美の本源を解明する。

*目次
はしがき / 序論 / 第一章 視覚 / 第二章 プロポーション / 第三章 構図(コンポジション) / 第四章 図形と地面 / 第五章 遠近画法 / 第六章 明暗 / 第七章 色彩 / 第八章 運動の表現


関 楠生訳編 (せきくすお)
「知と愛について ドイツ作家の言葉」
(ちとあいについて)


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*246頁 / 発行 1965年

*目次
一 人間について
人間というもの / 男と女 / 賢者と愚者
二 人生について
人生とは / 人生の喜びと楽しみ / 人生の苦しみと悲しみ / 幸福をめぐって / 人生の種々相 / 生と死をめぐって
三 愛情について
友情 / 情熱 / 結婚
四 自己と世界
世間 / 自由 / 自然
五 学問について
学問 / 思想 / 真理 / 読書 / 教育 / 歴史
六 政治について
七 人生・叡知
教訓 / 格言 / 寓話 / さまざまな人生知
八 徳について
美徳と悪徳をめぐって / 美徳のさまざま / 悪徳のさまざま
九 宗教と神
宗教と神 / 迷信
十 芸術について
作家略歴と索引 / あとがき


瀬木 慎一 (せぎしんいち)
「現代の美術 新しい芸術は理解できるか」
(げんだいのびじゅつ)


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*234頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
T
 モダン・アートの半世紀
 世紀末の作家たち
 フォーヴィズムからキュビズムへ
 キュビズムとその周辺
 ダダとシュールリアリズム
 アブストラクト・アート
 戦後の絵画
U
 現代美術の発想
 構成について
 抽象芸術の可能性
 視覚言語
 生活のなかの美術
  1 教育美術 / 2 グラフィック・デザイン / 3 生活空間について / 4 都市美
V
 伝統への照明
 日本のモダン・アート
 先進と後進
あとがき


瀬木 慎一 (せぎしんいち)
「ゴッホ 生涯と芸術」
(Gogh)


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*146頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
色刷
 1 果樹園 / 2 はね橋 / 3 糸杉のある道
写真版
 1 ブラバントの農婦 / 2 馬鈴薯を食う人びと / 3 静物 / 4 日本的なもの(I) / 5 日本的なもの(II) / 6 ル・ムーラン・ド・ラ・ギャレツト / 7 サント・マリーの舟 / 8 アルゼリアの歩兵 / 9 プロヴァンスの老農夫の像 / 10 種子をまく人 / 11 ひまわり / 12 夜のキァフェ / 13 アルマン・ルーランの像 / 14 糸杉 / 15 静物 / 16 実れる麦 / 17 耳を切った画家の自画像 / 18 画架の前に立てる自画像 / 19 静物<菖蒲> / 20 オーヴェールの階段 / 21 居酒屋の娘ラヴウ嬢 / 22 医師ガッシェの像 / 23 オーヴェールの原 / 24 富くじ売場(水彩) / 25 織工(水彩) / 26 悲しみ(石版) / 27 種子をまく人(ペン画) / 28 盲人(黒チョーク) / 29 甜菜を植える農婦(黒チョーク) / 30 農夫の顔(デッサン) / 31 手車を押す農夫(デッサン) / 32 種子をまく人(ペン) / 33 アルルのゴッホの寝室(ペン) / 34 プロヴァンスの農家(ペン) / 35 洗濯する女(ペン) / 36 アルルのキァフェ(ペン) / 37 月下の糸杉(葦ペン) / 38 家と木(木炭と水彩) / 39 ゴッホの父(写真) / 40 ゴッホの母(ビッホ筆、油絵) / 41 弟デオ(ゴッホ筆、デッサン)
一 ゴッホの生涯
 はじめに / 若きゴッホ / 宗教への関心 / 画家ゴッホの誕生 / ハーグでの試練 / ゴッホの愛 / 悲しみ / パリの生活 / アルルの生活 / ゴーギャンとの共同生活 / 「狂人」ゴッホ / パリへ帰る / 自殺 / ゴッホの教えたもの
二 ゴッホの芸術
 1 耳切り事件の?末 / 2 ゴッホのコレクション ―― クロラ・ミユラー美術館を訪ねて / 3 ゴッホと日本
 年譜 / 文献 / あとがき


関 泰祐訳編 (せきたいすけ)
「真実に生きる ゲーテの言葉2」
(しんじつにいきる)

*246頁 / 発行 1966年
*カバー画像はありません。

*目次
神と自然について / 神および神的なるもの / 宗教・敬虔 / 自然 / 人間と人間性について / 人間 / 幸福 / 待望と憂悶 / 経験の教えるもの / 経験の教えるもの / 行為・仕事 / 教育 / 科学および思想について / 自然科学 / 思想 / 国家・社会、および歴史について / 国家・社会 / 協同 / 伝統と革新 / 歴史 / 文学と言語について / 文学 / 言語 / 芸術および芸術家について / 真と認識について / 真理 / 倫理 / 認識 / 愛すること・友情・美 / 愛 / 友情 / 美 / 人生の経験および様相 / 人生の経験 / 人生の様相 / 生きる知恵 / 随想 / 敬愛する人物たち / ゲーテの生涯 / ゲーテ雑感 / あとがき


関 豊治 (せきとよじ)
「スキー 準備と技術」
(ski)


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*241頁
* 発行 1958年
*社会思想研究会出版部名義

関 嘉彦 (せきよしひこ)
「新しい社会主義 民主社会主義の理論と政策」
(あたらしいしゃかいしゅぎ)

*350頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義
*カバー画像はありません。

*目次
はしがき
第一部 偏見の除去
 第一章 序論
  第一節 社会主義の反省 / 第二節 民主社会主義の立場
 第二章 社会主義思想の歴史
  第一節 ユトーピア思想と自由主義的社会主義 / 第二節 フランス社会主義とマルクス・レーニン主義 / 第三節 民主社会主義の抬頭
 第三章 社会主義の「必然性」
  第一節 唯物史観の内容 / 第二節 唯物史観の吟味 / 第三節 歴史の理論と社会主義の必然性
第二部 民主社会主義の理論
 第四章 人格主義
  第一節 人間の本質 / 第二節 道徳の本質 / 第三節 社会主義と道徳
 第五章 社会再編の原理
  第一節 開放的社会 / 第二節 社会と国家 / 第三節 自由の原理 / 第四節 平等の原理 / 第五節 協力の原理
 第六章 民主社会主義の社会制度
  第一節 政治制度 / 第二節 経済制度 / 第三節 無政府主義と全体主義
第三部 民主社会主義の政策
 第七章 資本主義の分析と批判
  第一節 古典的資本主義 / 第二節 資本主義の功罪 / 第三節 弊害の原因 / 第四節 資本主義の変容 / 第五節 統制的経営者社会の評価
 第八章 民主社会主義の経済社会政策
  第一節 計画化政策 / 第二節 国有化政策 / 第三節 平等化政策 / 第四節 産業の民主化
 第九章 民主社会主義の政治政策
  第一節 革命戦術の批判 / 第二節 議会主義 / 第三節 政党と労働組合
結語 / 参考文献


関口 真大 (せきぐちしんだい)
「禅とはなにか」
(ぜんとはなにか)


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*271頁 / 発行 1963年

*目録文
本書は専門的用語を一切用いず、私たちの身近な生活の中に禅の精神を発見しようとした禅の入門書。一挙一動の中に禅があると説く。

*目次

一 坐禅の仕方
二 坐禅の秘訣
三 禅の発見
四、禅の活用
五、禅の生活
六、参禅
七、直指人心
あとがき


関口 真大 (せきぐちしんだい)
「くらしにいきる坐禅教室」
(くらしにいきるざぜんきょうしつ)


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*177頁 / 発行 1966年
*塚原 琢哉撮影

*目次
1 ここにも禅がある
2 坐禅のしかた
 坐禅のための準備体操
  一 第一体操 / 二 第二体操 / 三 第三体操 / 四 坐禅をはじめるまえの用心
 坐禅のときの坐りかた
  一 結跏趺坐 / 二 半跏坐 / 三 女性の坐禅 / 四 坐ぶとん / 五 法界定印
 姿勢をととのえる順序
  一 重心のおちつけかた / 二 吐気法 / 三 唇と歯の合わせかた / 四 半眼
 坐禅のときの呼吸法
  一 呼吸の四階梯 / 二 呼吸をととのえる秘訣
 心の統一のしかた
  一 数息観 / 二 随息観 / 三 阿吽の呼吸 / 四 沈浮寛急の調節 /
 警策のうけかた
 坐禅のきりあげかた
  一 止める順序 / 二 その注意点
 坐禅入定中の心得
  一 身息心の調和 / 二 坐禅によい時間
3 行動の禅
 常行三昧
  一 歩き禅のやりかた / 二 経行 / 三 常行三昧の応用 / 四 半行半坐三昧
 起居進退
  一 立ちかた坐りかた / 二 上の足・下の足 / 三 進みかた退きかた / 四 正中の線
 礼拝
  一 合掌 / 二 五体投地
 非行非坐三昧
 随自意三昧
4 坐禅をするには
 禅の理想 / 心と体 / 妄想と無心
最上のテキスト / 参禅ガイド / 坐禅道場全国一覧


関口真大著 カメラ・日光フォトクラブ (せきぐちしんだい)
「日光 その周辺の美と自然」
(にっこう)


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*152頁 / 発行 1964年

*目次
序 / 日光山ガイド 日光国立公園交通図 / 日光山交通図 / 社寺参拝順路 / 三仏堂境内 / 山内 / 東照宮 / 日光廟大猷院 / 中禅寺・華厳ノ滝 / 中禅寺湖・戦場ガ原・湯本 / 山・川・湖・滝 / 日光山の自然 日光の山々 / 中禅寺湖・四十八湖 / 川・峡谷 / 華厳ノ滝・七十二滝 / 高原・湿原 / 日光山の温泉 / 地質学からみた日光山 / 植物学からみた日光山 / 動物学からみた日光山 / 日光山の四季 / 日光山の歴史 / 奈良朝 日光という地名 / 開山勝道上人 / 山菅の蛇橋 / 四本竜寺 / 中禅寺 / 波之利大黒 / 平安朝 弘法大師・滝尾権現 / 慈覚大師・二ツ堂 / 日光三社 / 延年ノ舞・強飯式 / 藤原氏と日光山 / 源平の戦 / 鎌倉時代:鎌倉幕府と日光山 / 修験道 / 禅頂 / 吉野朝廷と日光山 / 室町時代:室町幕府と日光山 / 戦国時代の日光山 / 児ガ墓・幻夢物語 / 女人堂・馬返 / 札所・納経・釘念仏 / 安土・桃山時代:豊臣秀吉 / 江戸時代:慈眼大師・天海版 / 東照大権現 / 鳴竜・眠猫・三猿・杉並木 / 家光公の大猷院 / 陽明門と皇嘉門 / 輪王寺宮 / 奥の細道 / 幕末の勤皇・二宮尊徳 / 明治以後:明治維新 / 神仏分離 / 二社一寺 / 明治天皇 / 日光離宮・国立公園 / 宝物館・博物館・植物園 / あとがき / 日光山史略年表 / 英文解説


関口 真大・森定 慈紹共著 (せきぐちしんだい・もちさだじしょう)
「比叡山」
(ひえいざん)


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*206頁 / 発行 1963年

*目次

諸説 日本文化の揺籃
奈良朝 滋賀の都
比叡山の開創 日枝山寺
平安朝 真言密教の発達
鎌倉時代 「末法」の思想
南北朝 宋学と国学
室町・安土桃山 物語
江戸時代 東叡山
現代 廃仏毀釈
比叡山ガイド 交通と宿泊
あとがき / 比叡山史略年表 / 英文解説


瀬戸川 宗太 (せとがわそうた)
「戦争映画館」 
(せんそうえいがかん)


*カバー写真=「コンバット」
 写真提供=(株)ユニフォト・プレス
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*246頁 / 発行 1998年

*カバー文
戦争映画とは、たとえば「ナバロンの要塞」のような作品だとする見方と、「ひめゆりの塔」のような反戦映画でなければならないとの意見が真向うから対立し、オールラウンドの戦争映画の本は、これまでほとんど出版されてこなかった。本書はアクション、レジスタンス、反戦映画など、「戦争」を描いた映像を網羅して、そのイメージについての真実を、改めて読み解こうとしたものである。

*目次
1 アクション映画
 戦争アクション最高峰 ― 「ナバロンの要塞」 / 悲劇と栄光のドラマ ― 「大脱走」 / ビッグスター大共演 ― 「史上最大の作戦」 / えんえん続く戦闘シーン「バルジ大作戦」 / 口あたりのよいアクション ― 「レマゲン鉄橋」 / 「トラ・トラ・トラ!」が一級映画でない理由 / 小隊(プラトーン)の戦い / ボーダーレス戦争映画 / ミニチュアのなかの戦争 / 「眼下の敵」とのバトル / 地獄のヨーロッパ戦線 / 戦争コメディ / 砂漠の戦い / B級ヨーロッパ戦線 / 見せ場は空中戦 / 日本の戦争 / 戦争映画の構図 / ヤクザと兵隊 / 陸軍中野サラリーマン学校 / 戦争スパイ映画 ― 「36時間」のトリック / 戦争映画エトセトラ
2 戦意高揚映画
 反ファシズム反ナチ映画 / 悪玉はコミュニズム / 反日戦意高揚映画の系譜 / 日本の戦意高揚映画の定番 ― 「五人の斥候兵」「土と兵隊」 / 敵の姿と味方の正体 / プロバガンダ映画 ― 「支那の夜」「蘇州の夜」 / ドキュメンタリー映画の役割
3 レジスタンス映画
 名作の数々 ― 「無防備都市」など / こだわりの大作 ― 「パリは燃えているか」 / 東欧のレジスタンス映画 ― 「地下水道」「抵抗のプラハ」 / 第二次大戦秘話 ― 「暁の七人」「テレマークの要塞」 / その他のレジスタンス映画 / 日本の抵抗映画・山本薩夫の仕事
4 反戦映画
 戦争責任追及の欠如 / 戦争被害者としての作品が主流 / 「ひめゆりの塔」の再映画化は必要だったか / 岡本喜八監督の仕事 / 啓蒙映画の功罪 / 戦争映画のメインテーマとサブテーマ / 現代の戦争映画への苦言 / 評価したい反戦映画 ― 「海軍特別年少兵」「戦ふ兵隊」 / 西欧反戦映画とのリアリティ・ギャップ / 日本はなぜ戦争責任を問わないのか?
5 日本の戦争映画
 戦争責任 / 「東洋鬼」日本軍を描いた「戦争と人間」 / 極限状況下を描く ― 「続兵隊やくざ」 / その他の日本映画を検証する / 外から見た日本の戦争 / ニュールンベルグと東京の間
6 核戦争映画
 原子雲の下で生れた「原爆の子」 / 世界情勢としての核戦争映画 / ついに昨日の「ザ・デイ・アブター」 / ブラック・ユーモア / 暴かれる核被害 / 核モンスターたち
7 テレビ映画
 最長シリーズ「コンバット」登場 / 戦争アクションとしての先駆性 / 「史上最大の作戦」とプラトーンものがルーツ / 駆け足で過ぎ去ったテレビ戦争ドラマ
8 その他の戦争映画
 戦争映画の分類 / 中東の火種 / 現実世界の複雑化 / 新たな悪玉探し / 敵は内部にあり
 エピローグ
 あとがき / 索引


瀬沼 茂樹 (せぬましげき)
「近代日本の文学 西欧文学の影響」
(きんだいにほんのぶんがく)


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*280頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
まえがき / 1 坪内逍遥とイギリス文学 / 2 二葉亭四迷とロシア文学 / 3 森?外とドイツ文学 / 4 『文学界』の詩人たち / 5 ゾラを中心として / 6 自然主義再説 / 7 トルストイの系譜 / 8 漱石の源泉 / 9 ?唐派の誕生 / 10 チエホフの幽霊 / 11 ホイットマンをめぐって / 12 前衛芸術と新感覚派文学 / 13 昭和文学とフランス文学 / 14 阿部知二と主知的文学 / 15 ジョイスの弟子たち / 16 堀辰雄とプルウスト / 17 ジッドの流行 / 18 日本の知識人の問題をめぐって / 19 家の問題をめぐって / 20 死の問題をめぐって / 21 島崎藤村 / 22 永井荷風 / 23 椎名麟三 / 24 近代文学の三つの流れ / 25 現代文学をどう読むべきか / 26 翻訳文学略年表 / あとがき


セルバンテス作 / ドレ画 / 窪田 般彌訳 (くぼたはんや)
「ドレ画 ドン・キホーテ物語」 
(どれがどんきほーてものがたり)


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*257頁
*発行1990年
*カバー ギュスターヴ・ドレ

*カバー文
「サンチョ、見えるか、あの途方もない巨人の群れが? 拙者は奴らと一戦し、息の根をとめてやりたい。」「殿、ご冗談を。あそこに見えますのは巨人ではなく風車です。」われらの英雄の耳には、この従者の声は聞こえなかった。盾で身を守り、槍をしっかり小脇にかかえ、一路、風車に突進。…狂気と正気、妄想と現実のあいだにもてあそばれる〈ドン・キホーテ〉はわれわれの近くにもいるのでは? 本書は、フランスの画家ギュスターヴ・ドレによる120枚の挿絵に場面の説明を付し、絵物語風に編んだもの。詩情豊かな絵がセルバンテスの名作にもうひとつの命をあたえている。