絶版文庫書誌集成

現代教養文庫 【に】

ニコライ・ベルヂャーエフ著 氷上英廣譯 (Nikola? Berdiaev・ひがみひでひろ)
「孤獨と愛と社會」
(こどくとあいとしゃかい)


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*247頁 / 発行 1954年 / 社會思想研究會出版部名義

*カバー文
ベルヂャーエフ哲學の骨幹
人間は孤獨である。同時にまた社會的存在である。人間人格は社會的なものに吸収しつくされない。いかなる未来社會がこの矛盾に正しく答えるか?

*目次
一、哲學者の悲劇性と哲學の課題
二、主體と客體化
三、われ、孤獨、利益社會
四、時間の病氣、變化と永遠
五、人格、利益社會、共同體
ニコライ・ベルヂャーエフについて(氷上英廣)
あとがき


西尾 光一 (にしおこういち)
「今昔物語 若い人への古典案内」
(こんじゃくものがたり)


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*282頁
*発行 1970年

*目録文
説話話としての構成の妙や話の面白さを示している名作六十篇を選び、原文の味をそのままに若人向きに読みやすく書き下ろした好入門書。

*目次
悉達太子の出家 / 陀楼摩和尚の巡歴 / 月の兎 / 象に乗った狐 / 地獄めぐり / 後の千金 / 久米仙と久米寺 / 関寺の牛 / 紅梅の好きな少女 / 道成寺縁起 / 飼取僧都とその母 / 敦賀の貧女 / 伊香の郡司 / 矢を拾う小僧 / 女人の蘇生 / 蔵人宗正の出家 / 讃岐の源太夫の出家 / 幻術を使う法師 / 三修禅師と天狗 / 鷹狩りの折に / 乱酔の果てに / 実因僧都の月見 / 大井の光遠の妹 / 医師長秀と桂心 / 医師忠明の療法 / 博雅と蝉丸 / 玄象の紛失 / 花こそ宿のあるじ / 涙のます鏡 / 余五将軍平維茂 / 火と水と空と / 愛欲の修行僧 / 蛇とむかで / 妹兄島 / 河原院の源融の霊 / 紫辰殿の血痕 / 胴の精 / 踊る油瓶 / 安義の橋の鬼女 / 山科の鬼女 / 舎人重方とその妻 / 三人の勇士と牛車 / 小寺の小僧 / 衣更え / だまされた盗人 / 影法師 / 悲惨な最後 / 生き肝 / 国府の蔵に入った盗人 / 糸を盗んだ検非違使 / 鳥部の寺の事件 / 大江山の事件 / 蜂と水銀商 / 姥母棄山 / 蛇の干物 / 鮨鮎 / 解説


西木 正明 (にしきまさあき)
「オホーツク諜報船」
(おほーつくちょうほうせん)


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*334頁
*発行 1992年

*目録文
国境侵犯、密漁者の汚名を着せられた上、何年も収容所に入れられる危険にさらされて生きる漁師とレポ船の実態に迫る。「冷戦」下の漁師の運命は?


西脇 英夫 (にしわきひでお)
「日本のアクション映画 裕次郎から雷蔵まで」
(にほんのあくしょんえいが)


*カバー・イラスト ― 宮崎裕治
 (イラスト左は裕次郎、右は雷蔵)
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*362頁 / 発行 1996年

*カバー文
われわれにとって裕次郎とは何だったのか? 「ダメな青春」をかこちつつ、カッコイイ裕次郎に陶酔した世代にとって、それはまさに新しい価値観の到来であり、肉体を回復するチャンスであった。50年代後半から70年代初め、日本映画は疾風のように若者たちを巻き込み、熱狂させた。本書は当時の、日活アクション映画から東宝東映アクション映画、大映時代劇までの作品論、裕次郎、旭、赤木圭一郎、和田浩治、渡哲也、千恵蔵、長谷川一夫、雷蔵、勝新太郎などの俳優論、沢田幸弘、長谷部安春、三隅研次、深作欣二などの監督論からなる、時代と映画へのオマージュである。

*目次
1 アウトローの青春 ― 日活アクション映画論
 アウトローの孤独な興亡 *一九五四ー五八年
  なぜ日活アクションなのか / ダイヤモンドラインの原点 / 救世主・裕次郎 / ドキュメント・アクションの男たち
 〈死にがい〉の時代への移行 *一九五九ー六三年
  下降するヒーロー・旭 / 死影を秘めた男・赤木 / ヤングパワーとしての和田 / コメディ・アクションとハードボイルド
 私怨と殺意の展開と終焉 *一九六三ー六九年
  新時代を告げる作家たち / ニュー・アクションの雄・渡
 アウトローの凶暴な復活 *一九七〇ー七一年
  帰ってきた渡り鳥 / 狂気のもつエネルギー・渡五郎 / 暴走集団・野良猫ロック / 反逆のメロディーを聞いた
2 アウトローからのメッセージ ― 日活アクションスター・監督論
 ヒロイズムと戦後青春の残像
  再開に苦悩する日活時代劇 / コメディ・アクションの原点・日活喜劇映画 / われわれにとって裕次郎とは何だったのか / 旭の唄は望郷の唄 / 第三の男トニー・栄光は消えず / 十五歳の短命ヒーロー・和田浩治 / チンピラの実存感・渡哲也 / 無言の作品群 / 日活青春映画の祖・舛田利雄 / プログラム・ピクチュアの昇華・野村孝
3 ヒーローとアウトロー ― 東映東宝アクション映画論
 アクション映画の源流と傍流 *一九四六ー七三年
  戦後アクションの定型 / 多羅尾伴内と金田一耕助シリーズ / 千恵蔵ギャングアクション・シリーズ / スター不在の東宝アクション
4 アウトローと社会性 ― 東映大泉映画論
東映アクションの真率な世界 *一九四八ー七四年
  ギャング映画から暗黒映画へ / 社会派推理劇の登場 / 集団ギャングアクションの台頭 / 刑事アクションのその後 / チンピラ・アクションの個性的完成
5 大衆の中のアウトロー ― 大映時代劇映画論
 髷をつけたアウトローたち *一九四五ー六〇年
  大映時代劇への哀惜 / 阪妻・大河内の終焉 / 長谷川一夫一代記 / 最後の侍・市川雷蔵
 双面のニヒリズムの突出 *一九五九ー六三年
  不遇なるスター・勝新太郎 / 大映新時代劇をつくった監督たち / 知的ニヒリズムの生と死 / 下層アウトローの強靭な生きざま
6 私の愛したアウトロー監督たち ― インタビューからの推論
  沢田幸弘・反逆の可能性
   エネルギッシュな告発者 / ニュー・アクションを支える発想の奇抜さ / 青春・反抗・復讐 / ロマン・ポルノにおける男性映画とは
  長谷川安春・行為(アクション)への執着
   政治不在の集団劇 / 純日本的アクションのモダンさ / 暴力とエロチシズムの一体化
  三隈研次・花と剣との葛藤
   ヒューマニズム時代劇の誕生 / ニヒリズムの影 / 映像美の完成
  深作欣二・焼け跡からの凝視
   とり残された田舎の子せがれ / 後衛者の戦後確認 / 自己破壊から状況の破壊へ
 あとがき / 映画名索引


ニーチェ著・秋山英夫訳編 (Nietzsche・あきやまひでお)
「愛と悩み ニーチェの言葉」
(あいとなやみ)


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*220頁 / 発行 1960年 / 社会思想研究会出版部名義

*目録文
数々のニーチェの名言を親しみやすく分類し便利な座右銘として利用できるように編集し巻末に写真によるニーチェの生涯を付す

*目次
第一部 生きるために
1 幸福に必要なもの / 2 退屈への勇気 / 3 精神の三つの変化 / 4 本来の君自身となれ / 5 脱皮できない蛇は滅びる / 6 読書について / 7 恋愛と結婚について / 8 子供たちの国を愛せ / 9 偉大とは方向をあたえることだ / 10 未来の人間性 / 11 哲学者とは? / 12 第七の孤独から / 13 苦悩から愛へ / 14 私は人間ではない、ダイナマイトだ

第二部 考えるために
1 知られない神に / 2 人間は深淵にかけわたされた一条の綱である / 3 生活の収穫は生活 / 4 歴史の見方について / 5 ニヒリズム、あるいは現代史 / 6 キリストとキリスト教 / 7 善人はつねに終末の発端である / 8 芸術に対するわれわれの感謝 / 9 この人をみよ
写真によるニーチェのプロフィール 略年譜 / あとがき


蜷川 譲 (にながわゆずる)
「フランス文学散歩」
(ふらんすぶんがくさんぽ)


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*204頁 / 発行 1959年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
パリ文学地図 / 一 生きた知恵は泉のごとく / 二 幼い魂を描く叙事詩 / 三 文学は青春の生命をうたう / 四 その甘き香りに魅せられるジィド / 五 朝な夕なにきざむ大伽藍の鐘の音 / 六 郷土を、そして祖国を愛する人びと / 七 二人の巨匠・スタンダールとバルザック / 八 観察の眼はとぎすまされる / 九 フランスの五つの祭典 / 十 コメディ・フランセーズと「機智の人」 / 十一 モラリストの生きた古典 / 十二 三人の先駆者の思想を求めて / 十三 女流作家の歩み / 十四 ヴェルレーヌのパリからアラゴンのパリへ / 十五 知性の粋としての詩人 / 十六 社会の壁画を描く大河小説 / 十七 レジスタンス文学の伝統 / 十八 実存主義者の表情 / 十九 フランス文学も、またわれわれの糧である / あとがき / 邦訳作品一覧表 / フランス文学略年譜


蜷川 譲 (にながわゆずる)
「ロシア文学の旅」
(ろしあぶんがくのたび)


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*237頁 / 発行 1961年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
一 シベリアの旅
 密林のウスリー地方 / 極東の町・ハバロフスク / シベリアの流刑者たち / シベリアの都・イルクーツク市 / シベリアの住民 / バイカル湖 / ピオニエール / われわれのクーペ / 終着駅に近づく列車
二 モスクワ訪問
 赤の広場 / クレムリン宮殿 / 歴史博物館 / 国立百貨店グーム / ゴリキー通り / モスクワ芸術座 / ボリショイ劇場など / マールイ・テアトル / プーシキンの家 / レールモントフ博物館 / ゲルツェンの生家とゴーゴリの没した家 / ドストエフスキー生家 / トルストイ博物館 / チェホフの家 / ゴーリキーのモスクワ / マヤコフスキーの家 / オストロフスキー博物館 / 新しいモスクワ / モスクワのひとり歩き
三 ツゥラ街道
 ヤースナヤ・ポリャーナのトルストイ / ツルゲーネフのオリョール
四 ウクライナの旅
 ウクライナ語 / ゴーゴリの故郷 / 緑の町・キエフ / ウクライナ文学の祖シェフチェンコ / 要都・ハリコフ
五 クリミヤ半島
 チェホフのヤルタ / 保養地クリミヤ / プーシキンのバフチサライ / 黒海の門戸オデッサ
六 コーカサス・ドン河流域
 『静かなるドン』
七 ポーランドへの道
 スモレンスク街道 / グリンカの生地 / 白い平野のあとには、別の白い平野があらわれる
八 ヴォルガ河を下る
九 十二世紀の都
 市の歴史 / 歴史美術博物館 / ラヂーシチェフの旅
十 古都レニングラード
 ネフスキー通り / ゴーゴリの『外套』 / ドストエフスキーの『貧しき人びと』 / 民衆詩人ネクラーソフの家 / エルミタージュ博物館 / ネヴァ河岸 / 革命の遺跡 / カザン寺院 / 文学と音楽の町 / 奇蹟のレニングラード / ロシア人気質
十一 プーシキンという町
 プーシキン新婚当時の家 / 夏の離宮ペテルホーフ / カレリア地方を通って
ロシア・ソヴェト文学邦訳一覧表 / ロシア・ソヴェト文学略年譜 / あとがき


蜷川 譲・兵藤 正之助 (にながわゆずる・ひょうどうまさのすけ)
「ロマン・ロラン 生涯と芸術」
(Romain・Rolland)


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*232頁 / 発行 1958年 / 社会思想研究会出版部名義

*目次
まえがき / 第一章 生いたち / 第二章 青年時代 / 第三章 自由な魂『ジャン・クリストフ』 / 第四章 第一次大戦前後のロラン / 第五章 ロマン・ロランとインド / 第六章 反ファシズム運動の下に / 第七章 ロマン・ロランと音楽 / 第八章 二〇世紀の壁画『魅せられた魂』 / 第九章 レジスタンスと晩年のロラン / 第十章 日本におけるロマン・ロラン / 〈付録〉ロマン・ロラン年表


日本経済新聞社編 (にほんけいざいしんぶんしゃ)
「企業開国」
(きぎょうかいこく)

*216頁 / 発行 1994年
*カバー画像はありません。

*目次
第1章 株主の復権
第2章 支配の構図
第3章 崩れる共同体
第4章 組織の落とし穴
第5章 企業開国
付表 社長アンケート〈対象企業一覧〉


日本経済新聞社婦人家庭部編 (にほんけいざいしんぶんしゃふじんかていぶ)
「街道今昔 趣味の宿場めぐり(上下)」
(かいどうこんじゃく)




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*上348頁 / 下317頁
* 発行 1962年
*社会思想研究会出版部名義

*目次

旅 今と昔 / 一、今の旅と昔の旅 / 二、宿場の成立 / 三、街道の種類 / 四、道の設備 / 五、特権者のための旅の施設 / 六、庶民のための旅の施設 / 東海道 / 京街道 / 西国街道 / 山陽道 / 九州の諸道 / 瀬戸の島々 / 金毘羅街道 / 四国の諸道 / 紀州・大和の諸道 / 伊勢道 / 山陰道 / 山陽・山陰を結ぶ諸道 / 北陸道 / 池上道 / 甲州道中 / 甲州から出た諸道 / 大山街道 / 旅の知識 / 西国三十三所観音霊場地名 / 秩父三十四所観音霊場地名 / 坂東三十三所観音霊場地名 / 諸国御関所 / 東海道道中地図 / 索引


中山道 / 北国道 / 善光寺道 / 三国通り北国道 / 日光道中 / 日光御成道 / 日光列幣使道 / 奥洲道中 / 奥洲諸道 / 水戸・佐倉道 / 千葉の諸道 / 川越街道 / 旅の知識 / 旅行用心集 / 道中用心六十一ケ条 / 諸国温泉案内 / 参考図書 / 大日本早引細見絵図 / あとがき



日本経済新聞政治部 (にほんけいざいしんぶんせいじぶ)
「ドキュメント族議員」
(documentぞくぎいん)


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*203頁 / 発行 1994年

*目次
第1部 台頭する第二の政府
 首相のラブレター ── トップダウンの衝撃
 部会長の一声 ── 三千万円、電話で即日
 「族」への登竜門 ── ひしめく顔、道険しく
 センセイ連関表 ── 後ろだて、産業別人脈
 スーパーの“乱買” ── 出遅れ気づき急接近
 他
第2部 族の研究
 「税のプロ」の意地 ── 免税点上げへ“涙の演技”
 橋や道路に“天の声” ── 地元のためは票のため
 掛け捨て政治保険 ── 輸入時計、効いた千二百万円
 「党幕」の進軍ラッパ ── 予算獲得劇、飛ぶ指令
 教科書の向こう傷 ── 信念の一枚岩に亀裂
 他
第3部 政策決定の力学
 付けひげの密使 ── 日韓打開、陰の演出者
 総理直訴の離れ業 ── 三度拝んで高速道二十二キロ
 堕胎論争そっと安静 ── こじれる前に先送り
 とにかく声量第一 ── 「サラリーマン派」宣言
 官庁OB切り込み隊 ── 比例選、二枚腰で日の目
 他


日本植物友の会編 (にほんしょくぶつとものかい)
「花の名所案内 美しき自然を訪ねて」
(はなのめいしょあんない)


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*267頁 / 発行 1966年

*目次

早春の花の旅(一月〜三月) / 房総の花めぐり / 南伊豆の花栽培 / 渥美半島の花栽培 / 淡路島の花どころ / スイセンの名所 / 久能山の石垣苺栽培 / 温室めぐり / サボテン見学 / 観梅 / フクジュソウ見学 / ツバキ見学 / ミツマタの花の名所 / マンサクの花の名所 / 春の花の旅(三月〜四月) / アセビの花の名所 / 桃の花の名所 / ルピナスの花の名所 / 腰折山のエヒメアヤメ / 陽春の花の旅(四月〜五月) / サクラの花の名所 / ナシとリンゴの花のみられるところ / ツツジの花の名所 / アンズの花の名所 / ハナミズキの花の名所 / バラの花の名所 / サクラソウの自生地 / ボタン・シャクヤクの名所 / チューリップの花の名所

初夏の花の旅(五月〜六月) / フジの花の名所 / アウチの花の名木 / ミカンの花のみられるところ / シャクナゲの名所 / オリーブの花と小豆島 / アジサイと六甲山 / スズランの名所 / アヤメ・ハナショウブ・カキツバタの名所 / ノハナショウブ / ミズバショウと尾瀬 / 夏の花の旅(七月〜八月) / ハマナスの花の名所 / ハマユウの花の名所 / 高山植物の花のみられるところ / 阿寒湖のマリモ / ユリの花の名所 / アサガオ見学 / ハスの花の名所 / 出羽のベニバナ / 河間のダリヤ / 青島のキョウチクトウ

初秋の花の旅(九月〜一〇月) / 秋草をみるコース / モクセイの名木 / 中秋〜晩秋の花の旅 / (一〇月〜一一月) / キクの花の名所 / ノジギクの花の名所 / 紅葉の名所

冬の花の旅(二〜三月) / 冬の草花・ラン・観葉植物の見学 / サザンカの花の名所 / 冬の花見・フユザクラ / ビワの花の名所 / ナンテンの名木
付録 / 全国名木めぐり / 花の名所一覧表(索引付)