絶版文庫書誌集成

講談社文庫 【も】

森 敦 (もりあつし)
「われもまた おくのほそ道」
講談社文芸文庫


*デザイン・菊地信義
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*200頁 / 発行 1999年

*カバー文
『意味の変容』で小説表現の構造を解き明かした著者が、「おくのほそ道」の成り立ちを大きく「起承転結」の四つの要素から眺め、把握し、旅の細部を跡付けてゆく。芭蕉ゆかりの庄内平野での実生活を踏まえて名篇「月山」や「われ逝くもののごとく」を創り出した小説家ならではの経験と思索が長い歳月のうちに発酵した独自の芭蕉作品論。

*目次
起 旅立ち〜遊行柳
承 白河の関〜宮城野
転 壺の碑〜象潟
結 越後路〜大垣
 おくのほそ道行程図
解説 高橋英夫
年譜 森富子
著書目録 森富子


森田 悌 (もりたてい)
「王朝政治」
(おうちょうせいじ)
講談社学術文庫


*カバー写真・『紫式部日記絵詞』第五段
 「新造の龍頭鷁首の舟を見る藤原道長(部分)」
(藤田美術館所蔵)
 カバーデザイン・蟹江征治
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*258頁 / 発行 2004年

*カバー文
華麗な王朝文化を連想させる平安時代、その政治とは一体いかなるものだったのだろうか。藤原氏は、律令支配体制崩壊の中、試行錯誤の末、摂政・関白制度の妙策を案出し、王朝政治を確立した。冬嗣・基経・道長……。藤原氏覇権獲得の経緯は?天皇・公卿との熾烈な攻防や財政・軍事・警察制度など九〜十一世紀の政治の実態を解明する平安時代政治史。

*目次
学術文庫版へのまえがき / はじめに
概観 律令支配と王朝政治
一 太政官制と摂政・関白
 1 太政官制 / 2 政務執行の手続き / 3 摂政と関白
二 王朝政治の展開
 1 政治改革への模索 / 2 平安初期政治の基調 / 3 寛平・延喜の治 / 4 摂関政治の成立 / 5 摂関期の政治動向
三 王朝政治と財政および軍事・警察
 1 財政 / 2 軍事・警察 / 3 武士の台頭
四 王朝政治と民衆
 1 異端の信仰 / 2 御霊信仰 / 3 志多羅神入京
五 王朝貴族と学問・思想
 1 王朝貴族と教育 / 2 王朝政治思想 / 3 王土王民思想
研究の手びき / 皇室略系図 / 藤原摂関家略系図 / 略年表


森本 哲郎 (もりもとてつろう)
「夢二の小徑」
 (ゆめじのこみち)


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*94頁
*発行 昭和51年
*カバーデザイン・松永真

*カバー文
男は泣くもんじゃない、淋しいだとか、悲しいだとか、そんな感傷を歌ったり、描いたりするのは女女しいことであり、男として恥ずかしいことだ、という男性原理がつくりだした根強い意識のなかで、夢二は死ぬまで感傷を正直に吐露し、悲哀をそのまま描きあげた。勇気なくして、激しい情熱なくして、だれがそれをよくなしえようか。 ― 本文より


森本 元子 (もりもともとこ)
「讃岐典侍日記 全訳注」
 (さぬきのすけにっき)
講談社学術文庫



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*225頁
*発行 昭和52年
*装幀・蟹江征治

*カバー文
本書は、典侍という職掌にあり、また寵妾の一人として親しく堀河天皇に仕えた「讃岐典侍、藤原長子」が、重体から危篤、やがて崩御にいたる天皇の苛酷な現実を、悲傷と追慕の情をひたすらにこめて克明に綴った回想記録である。天皇といえども免れえないいたましい「死」をひとりの女の胸に刻み込んで記した点、他に類例を見ない。テーマも筆致もつつましく地味だが、哀痛迫る平安女流日記の一つとして愛読してほしい文学作品である。


森山 英一編著 (もりやまえいいち)
「古写真大図鑑 日本の名城」
(こしゃしんだいずかん・にほんのめいじょう)
講談社プラスアルファ文庫



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*435頁
*発行 1998年
*カバー写真・萩城 明治初年の撮影とみられる。(萩市郷土博物館蔵)

*カバー文
幕末から昭和初期に撮影された城郭古写真300枚と精密度の高い復元図、復元模型の数々を揃えて一挙掲載。戦火や取り壊し、火災などによって失われた城のかつての景観がここに甦る。厳選93城、日本の名城が辿った軌跡をさぐる必見の書!!