絶版文庫書誌集成

河出文庫 【な】

直木 三十五 (なおきさんじゅうご)
「日本剣豪列伝」 
(にほんけんごうれつでん)


*カバー装画・原田維夫
(画像はクリックで拡大します)

*271頁 / 発行 1986年

*カバー文
上泉信綱、伊藤一刀斎、柳生一門、富田勢源、宮本武蔵、辻月丹、平山子竜、千葉周作、山岡鉄舟―剣を、人を殺すための武技から人を生かすための“道”にまで高めた古今の名人たちの至妙な業と、その果てに到達した自在の境地を、小説の名手が闊達な筆で現代に蘇らせた剣豪小説の古典。他に、著者の剣法に対する独自の見解を示した「剣法の起源」「剣法の発達」を併収。

*目次
日本剣豪列伝
剣法の起源
剣法の発達
解説 清原康正


中井 英夫 (なかいひでお)
「薔薇への供物」 (ばらへのくもつ)


(画像はクリックで拡大します)

*215頁 / 発行 1990年
*カバーデザイン・HILLBILLY(保田薫)

*カバー文
ここに扱われている薔薇は、おおむね狂気と死との彩りであって、その香りは苦く、色彩はむしろ幻覚に近い ― 著者
薔薇への偏愛がいざなう、神秘にみちた薔薇園の迷宮……秘密の花園では少年も私もこの世のものではなくなり、牧神や聖女は現実となる…妖しく甘美な色彩と芳香にひそむ死と幻想と耽美の世界に仕掛けられた薔薇の罠。名作『虚無への供物』の作者の、薔薇ミステリー集大成。

*目次
火星植物園 / 薔薇の夜を旅するとき / 薔薇の獄 もしくは鳥の匂いのする少年 / 薔薇の縛め / 被衣〈かつぎ〉 / 呼び名 / 薔人〈ばらと〉 / 薔薇の戒め / 盲目の薔薇 / 薔薇の罠 / 重い薔薇 / 薔薇への遺言 / 薔薇の自叙伝 自作解説


中江 克己 (なかえかつみ)
「奥州藤原王朝の謎」
(おうしゅうふじわらおうちょうのなぞ)


*カバー装幀・戸田ヒロコ
(画像はクリックで拡大します)


*223頁 / 発行 1993年

*カバー文
燦然とかがやく中尊寺金色堂や「夏草やつわものどもが夢の跡」の句で知られる奥州平泉。そこに、戦乱をくぐりぬけ、京都につぐ第二の都市と独自の黄金文化を築いた奥州藤原氏。だが、藤原氏は四代、百二十年でついえた。藤原氏はぜ栄え、なぜ滅んだのか。さまざまなエピソードで、奥州藤原氏のドラマチックな興亡の歴史と黄金に支えられた平泉文化を浮きぼりにする。

*目次
プロローグ
第一章 奥州の戦乱
 「陸奥」「奥六郡」とはどんなところか / なぜ「蝦夷」「俘囚」と呼んだのか / 中央政府の陸奥侵略はなぜはじまったのか / 奥六郡の支配者・安部頼時はどういう人物か / 「前九年の合戦」の原因はなんだったのか / なぜ安倍一族はほろびたのか / 藤原経清が陸奥に住みついた理由 / 鎮守府将軍清原武則の出自は / なぜ清原家に内紛が起こったのか / 清衡と弟の家衡はなぜ争ったのか
第二章 藤原清衡
 清衡が育った複雑な環境とは / なぜ清衡は上洛したのか / 本当に清衡は反乱を企てたのか / 清衡はまぜ中尊寺を建立したのか / 金色堂はなんのために建てられたのか
第三章 藤原基衡
 基衡が後継者争いで勝った理由 / 基衡はなぜ毛越寺を建てたのか / 基衡と国司の争いの原因は / 頼時の増税要求に基衡はどう対応したか / 平泉は保元の乱の影響を受けたのか
第四章 藤原秀衡
 秀衡と平治の乱との関係は / 秀衡はなぜ鎮守府将軍に任命されたのか / なぜ秀衡は源平合戦で動かなかったのか / 秀衡は頼時の圧力にどう対処したか / なぜ秀衡は義経を受け入れたのか / 秀衡が六人の息子にした遺言とは / 秀衡はなぜ義経を討ったのか / 平泉はなぜ簡単に落ちたのか
第五章 平泉にかかわる人びと
 奥州藤原家の先祖・藤原秀郷とは / 金売吉次とは何者なのか / なぜ西行は二度も平泉を訪れたのか / 頼朝が釈放した由利八郎とは / マルコ=ポーロは平泉を知っていたのか / 芭蕉が見た平泉はどんなだったのか
第六章 平泉の文化と暮らし
 いつから金を産出したのか / 陸奥の馬に人気が集まった理由は / 平泉にミイラ信仰があったのか / 平泉が貿易国家だったのは本当か / 塗師などの職人はいたのか / 平泉ではどんな織物がつくられていたか / 陸奥名産の檀紙とはどんな紙か / 陶磁器やかわらけは何を物語るのか

 あとがき / 奥州藤原氏関係略年表 / 主な参考文献


中里 介山 (なかざとかいざん)
「日本武術神妙記」 
(にほんぶじゅつしんみょうき)


(画像はクリックで拡大します)

*396頁
*発行 1985年

*カバー文
飯篠長威斎・松本備前守によって創始されたと伝えられる日本武術――以来多くの名手たちが、文字通り命を賭けて業を磨き至妙の境を極めようと研鑽を重ねてきた。本書は、中里介山が厖大な古書の中から剣法・槍術はもちろん、柔術・弓術・薙刀にいたるまで、いずれも聞こえた名人上手にかかわる興味深い逸話を集め編んだもので、後年流布された伝説的な挿話の源泉ともいえる書である。

*解説頁・伊藤和也


中沢 けい (なかざわけい)
「女ともだち」
(おんなともだち)
河出文庫BUNGEI Collection


(画像はクリックで拡大します)

*171頁
*発行 1994年

*目録文
いきいきとした感受性で、同時代を自由に生きる三人の娘達の、その夢と冒険と孤独を描いて絶賛された魅力作


中薗 英助 (なかぞのえいすけ)
「櫻の橋 詩僧蘇曼殊と辛亥革命」
(さくらのはし)


(画像はクリックで拡大します)

*346頁
*発行 1984年

*目録文
日中の混血児として生れ、辛亥革命に身を挺し早逝した“東洋のランボウ”の生涯。陳舜臣氏推薦!


中田 耕治 (なかだこうじ)
「メディチ家の人々 ─ ルネサンスの栄光と頽廃」
(めでぃちけのひとびと)


(画像はクリックで拡大します)

*451頁
*発行 1984年

*目録文
コシモ一世を中心にくり広げられるフィレンツェの名家メディチ家の愛と憎しみの壮絶なドラマ


永田 守弘・編 (ながたもりひろ)
「官能小説『絶頂』表現用語用例辞典」
(かんのうしょうせつぜっちょうひょうげんようごようれいじてん)
河出i文庫


*デザイン・栗津潔
(画像はクリックで拡大します)

*368頁 / 発行 2008年

*カバー文
官能小説には豊潤な言語感覚の世界があり、特殊な感覚によって淫猥な情景が描写される。
官能小説のヤマ場はセックス描写が最高潮に達するのが、「絶頂」シーン、とりわけ、女が快感のきわみで見せる、あられもない姿態である。男と女の肉感と情欲のミまりは、女の「絶頂」表現に集束される。
歴年の作家たちによって蓄積された、この分野ならではの表現の数々から官能表現の妙味を楽しんでもらいたい。 ── 編者

*目次
はじめに / 1 「姿態」系 / 2 「しぐさ」系 / 3 「淫声」系 / 4 「痴語」系 / 5 「貪欲」系 / 6 「交歓」系 / 7 「燃焼」系 / 8 「失神」系 / 9 「浮遊」系 / 10 「錯乱」系 / 11 「局所」系 / 12 「体液」系 / あとがき / 用例文献一覧(作者名・書名・版元・刊行年月)


長野 まゆみ (ながのまゆみ)
「夜啼く鳥は夢を見た」
(よるなくとりはゆめをみた)
河出文庫 BUNGEI Collection


(画像はクリックで拡大します)

*154頁 / 発行 1993年
*カバー装画・長瀬典子 / カバー装丁・泉沢光雄

*カバー文
子供たちが沈んでいる、と云われる美しい沼のほとりに建つ一軒の家。そこで祖母と二人きりで暮らしている従兄の草一を、紅於と頬白鳥の兄弟が訪れる。沼の底へと誘う青い鳥を追って消えた少年たちの愛を描く水紅色の物語。

*巻末解説頁・水の夢想 井辻朱美


中野 孝次 (なかのこうじ)
「麦熟るる日に」
(むぎうるるひに)
河出文庫BUNGEI Collection


*カバーデザイン・菊地信義
(画像はクリックで拡大します)

*263頁 / 発行 昭和57年

*カバー文
おれはいったい、何者になるんだろう。── 知への欲求と周囲の環境への嫌悪。独学で世界を切り開いていこうとする少年の前に立ちはだかる戦争。“昭和の青春”を生きた、自伝的三部作を収録。平林たい子賞受賞の名篇。

*目次
上鳥屋の日々
雪ふる年よ
麦熟るる日に
著者ノート はじめての手紙


中野 美代子 (なかのみよこ)
「契丹伝奇集」
 (きりしたんでんきしゅう)


*カバーデザイン・芦澤泰信
(画像はクリックで拡大します)

*348頁 / 発行 1995年

*カバー文
古今東西の正史秘史に通じ、ポスト澁澤龍彦の一番手と目されている中国文化史家、中野美代子氏の多才の面目躍如たる綺譚集。一読魅了とはこのことである。……描かれる世界に応じて文体自体くるりくるりと万華鏡のごとくに変幻とどまることを知らぬ自在無碍に、作品世界に湿潤にのめりこむことをよしとしない乾いたマニエリスムを感じて気持がよい。 ― 高山宏

*目次
女俑(じょよう)
耀変(ようへん)
蜃気楼三題
青海(クク・ノール)
敦煌
掌篇四話
 考古綺譚 ワクワクの樹 海獣人 屍体幻想
翩篇七話
 狄 杪 膏 蝕 ? ? ?(環境依存文字)
跋 / 文庫版あとがき
『契丹伝奇集』をめぐって(高山宏 / 池内紀)


中平 まみ (なかひらまみ)
「ストレイ・シープ」


(画像はクリックで拡大します)

*151頁
*発行 1981年

*目録文
妻子のある男と恋と別れ…娘から女への愛の旅立を描く文藝賞受賞の表題作と帰らぬ父を唱う「映画座」


永山 則夫 (ながやまのりお)
「人民をわすれたカナリアたち 続・無知の涙」
(じんみんをわすれたかなりあたち)
河出文庫 文芸コレクション


*カバー装幀・岩瀬聡
(画像はクリックで拡大します)

*373頁 / 発行 1998年

*カバー文
地下生活者の魂を発起してドブネズミの如く都市を動揺せしめよ! ベストセラー『無知の涙』につづく獄中ノートを収めた幻の第二著作がいま甦える。自己の出自を問いつつ独自の思想を形成しようとするみずみずしい精神の軌跡。

*目次
ノート11 薔薇をかくして
ノート12 核の引金に黒い指を
ノート13 出口のない入口 入口のない出口
ノート14 ハイエナを見たり
あとがき
 解説 永山則夫の「歌の別れ」 井口時男


永山 久夫 (ながやまひさお)
「たべもの古代史」
(たべものこだいし)


(画像はクリックで拡大します)

*254頁
*発行 1984年

*目録文
女王卑弥呼のたべていたもの、古代ヨーグルト文化、ナットウ・ロードなど、古代人の謎と知恵を解明


中村 融・山岸 真編 (なかむらとおる・やまぎしまこと)
「20世紀SFB1960年代・砂の檻」
(にじゅっせいきえすえふ)


*カバーデザイン・祖父江慎
 カバー装画・笹部紀成
(画像はクリックで拡大します)

*501頁 / 発行 2001年

*カバー文
20世紀の英語圏SFを年代別に集大成したシリーズ第3巻は、〈新しい波(ニュー・ウエーブ)〉運動が華々しく展開され、SFの可能性を拡大した、激動の1960年代編! 火星の砂に埋もれた滅びゆく世界を描いた、時代の旗手バラードの記念碑的作品「砂の檻」、映画『2001年宇宙の旅』にて巨匠の地位を不動にしたクラークの名作、SF界のカリスマ作家エリスンの出世作ほか全14篇。

*目次
復讐の女神 … ロジャー・ゼラズニイ
「悔い改めよ、ハーレクィン!」とチクタクマンはいった … ハーラン・エリスン
コロナ … サミュエル・R.ディレイニー
メイルシュトレーム2 … アーサー・C.クラーク
砂の檻 … J.G.バラード
やっぱりきみは最高だ … ケイト・ウィルヘルム
町かどの穴 … R.A.ラファティ
リスの檻 … トーマス・M.ディッシュ
イルカの流儀 … ゴードン・R.ディクスン
銀河の“核”へ … ラリイ・ニーヴン
太陽踊り … ロバート・シルヴァーバーグ
何時からおいでで … ダニー・プラクタ
讃美歌百番 … ブライアン・W.オールディス
月の蛾 … ジャック・ヴァンス
 解説 ── 変革の嵐が吹き荒れた時代 … 中村融


中村 融・山岸 真編 (なかむらとおる・やまぎしまこと)
「20世紀SFC1970年代 接続された女」
(にじゅっせいきえすえふ)


*カバーデザイン・祖父江慎
 カバー装画・秋山曜子
(画像はクリックで拡大します)

*490頁 / 発行 2001年

*カバー文
20世紀の英語圏SFを年代別に集大成したシリーズ第4巻は、新旧あらゆるタイプのSFが百花繚乱のごとく現れた、成熟の1970年代編!ティプトリーJrが超絶的技巧を駆使して描いた、SF史上屈指の傑作「接続された女」、ル・グィンの新訳、ビショップ、ラファティ、マーティンによる、いずれも名のみ高かった本邦初訳作品3篇ほか、充実の全11篇。

*目次
接続された女 … ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
デス博士の島その他の物語 … ジーン・ウルフ
変革のとき … ジョアンナ・ラス
アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、「動物言語学会誌」からの抜粋 … アーシュラ・K.ル・グィン
逆行の夏 … ジョン・ヴァーリイ
情けを分かつ者たちの館 … マイクル・ビショップ
限りなき夏 … クリストファー・プリースト
洞察鏡奇譚 … バリントン・J.ベイリー
空(スカイ) … R.A.ラファティ
あの飛行船をつかまえろ … フリッツ・ライバー
七たび戒めん、人を殺めるなかれと / ジョージ・R・R・マーティン
 解説 ─ 高揚と幻滅のはざまで 中村融


夏目 伸六 (なつめしんろく)
「猫の墓 父・漱石の思い出」
(ねこのはか)


(画像はクリックで拡大します)

*242頁
*発行 1984年

*目録文
漱石の末っ子である著者が、父母家庭・父の友人たちのエピソードを愛情こめて綴る思い出の珠玉集。


夏目 漱石他 (なつめそうせき)
「文豪ナンセンス小説選」
 (ぶんごうなんせんすしょうせつせん)


(画像はクリックで拡大します)

*259頁 / 発行 昭和62年
*カバー装画・装丁 黒鉄ヒロシ

*カバー文
何だか訳の分からない変な話、ただただ笑ってしまう可笑しな話、現実には有り得ない面妖な話、魂も凍る恐ろしい話。人生、時代、社会など、さまざまの意味づけで覆われてきた。“正統文学史”からはみ出した不思議傑作十六篇を集成 ―― 漱石・鴎外・芥川・鏡花などの文豪から夢野久作・久生十蘭などの異端、そして石川淳の単行本・全集未収録作品まで。小説の面白さを再発見してみませんか?

*目次(アンソロジー)
雨ばけ … 泉鏡花 / 夢十夜 第二夜 … 夏目漱石 / 北溟・虎 … 内田百 / 煙草と悪魔 … 芥川龍之介 / 星を売る店 … 稲垣足穂 / 寒山拾得 … 森鴎外 / 頭ならびに腹 … 横光利一 / 霊感 … 夢野久作 / 死なない蛸 … 萩原朔太郎 / 化物 … 宇野浩二 / 愛撫 … 梶井基次郎 / 謝肉祭の支那服 … 久生十蘭 / 風博士 … 坂口安吾 / ゼーロン … 牧野信一 / 知られざる季節 … 石川淳 / 文字禍 … 中島敦 / 解説 鈴木貞美


名和 弓雄 (なわゆみお)
「間違いだらけの時代劇」
(まちがいだらけのじだいげき)


(画像はクリックで拡大します)

*221頁
*発行 1989年

*カバー文
言葉の乱れとともに、テレビや映画や芝居の時代劇も乱れが目立つようになってきた。時代劇は、チョン髷を頭にのせ、刀を腰に帯びた現代劇であってはならぬ。昔の姿に近づけば近づくほど、おもしろくなっていくものなのである。時代考証を正しくやればドラマがおもしろくなくなるというのは、物を知らぬ人の言い逃れに過ぎない。この本の内容は、時代考証の初歩であり、基礎となる部分である。


縄田 一男編 (なわたかずお)
「大江戸歳時記 捕物帳傑作選 夏の巻」
(おおえどさいじきとりものちょうけっさくせんなつのまき)


*カバー装幀・巌谷純介
(画像はクリックで拡大します)

*251頁 / 発行 1990年

*カバー文
端午の節句は武者人形に鯉のぼり。さあ、いよいよお江戸の夏。花火に映える両国の川開きに山王祭り、七月七日は七夕でそろそろ幽霊の噂が、八百八町の夜の闇を駆けめぐる頃……懐かしい江戸の夏の風物詩にからむ怪事件・難事件に立向う半七・平次・佐七の三大捕物名人に加え若さま侍・顎十郎・ハイカラ右京・砂絵のセンセーも登場して、ますます好調! 異色の捕物ミステリー・シリーズ第2弾

*目次(アンソロジー)
巻頭エッセイ 半七紹介状 岡本綺堂
五つ目の鍾馗 人形佐七捕物帳 横溝正史
幽霊駕篭 若さま侍捕物手帖 城昌幸
氷献上 顎十郎捕物帳 久生十蘭
坊主めくり なめくじ長屋捕物さわぎ 都筑道夫
狐の嫁入 銭形平次捕物控 野村胡堂
幽霊買い度し ハイカラ右京探偵暦 日影丈吉
半七先生 半七捕物帳 岡本綺堂
解説 縄田一男


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「古城秘話」
(こじょうひわ)


(画像はクリックで拡大します)

*244頁
*発行 1985年

*目録文
全国各地の古城にまつわるあるいは奇異な、あるいは悲惨なエピソードの数々。南條歴史夜話!


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「駿河城御前試合」 (するがじょうごぜんじあい)


(画像はクリックで拡大します)

*402頁
*発行 昭和58年
*カバー装画・村上豊

*カバー文
いわゆる寛永御前試合はすべて後世のフィクションであり、実は、寛永六年九月駿河大納言徳川忠長の面前で闘われた十一番の異常な勝負であったという。しかも試合はすべて真剣が用いられ、十一番中八組までが相手を殺しており、残りの三組は双方の剣士が共に斃れるという凄惨な結果に終っている ―― 新鮮な歴史観と奔放な空想力でこの試合の顛末を描く著者独自の剣豪残酷小説。

徳間文庫版(サイト内リンク)


南條 範夫 (なんじょうのりお)
「廃城奇譚」
 (はいじょうきたん)


*カバー装画・村上豊
(画像はクリックで拡大します)

*352頁 / 発行 昭和59年

*カバー文
城中二百数十人が一夜のうちに忽然と消え失せた宇都宮城、権力と莫大な財宝をめぐって骨肉・主従入り乱れての地獄絵をくりひろげた奥飛騨・亀洞城、稀にみる復讐劇の舞台となった出羽・立谷沢城、山崩れによってすべて埋没し去った幻の帰雲城など、絶え間ない権謀と裏切りの果に廃城の悲運に遭い、今はもうその跡さえさだかでない城砦の数々 ― 。鬼哭啾々、著者独自の古城残酷物語。

*目次
宇都宮城の間道
亀洞城の廃絶
高山城前史
横尾城の白骨
地獄城
霧の城
奇怪な城主
三度死んだ城主
藩主消失
帰雲城三代
戦国謀殺
 あとがき