*カバー・日下潤一
カバーイラスト・森英二郎
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*528頁 / 発行 2005年
*カバー文
「白樺派」はかねてから“能天気な理想主義者”の代名詞であった。いまや完全に忘れ去られ、顧みる人すらいない。しかし、と著者はいう。武者小路実篤は一時代の革命者であり、志賀直哉は最先端思潮の体現者だったのだ、と。「新しき村」運動を軸に、大衆化に向かう近代史上の一大画期を描き出す渾身の力作評論。
*目次
序章 明治十五年以後生まれの青年
第一章 「改造」への衝動
・「新しき村」の建設・「改造」への衝動
第二章 女たちの「大正」
・「村」が直面した問題・武者小路房子という女・大正的理想主義の蹉跌
第三章 学習院という空間
・大正三年の「こゝろ」・学習院という空間・大正的自我、大正的人間
第四章 「友情」のコスモポリタニズム
・「友情」のコスモポリタンニズム・人類、日本、および群衆・人嫌い、なのに友人に「耽溺」
第五章 シベリア出兵と日本社会の変質
・アムール河畔における石光真清・シベリア出兵への道程・白虹日を貫けり・「デモクラシー」の希望と実情・新しい人、新しい時代
第六章 彼らが思った「美しい町」
・新興資本家の「夢」・「コミューン」への傾斜・季節外れの花のような時代・現代では金こそが天分である・野心的な大正の娘
第七章 或る青年たちの夢
・周兄弟の場合・「小僧の神様」における経済的側面・「仙吉」の大正八年・現代の発端たる大正時代
第八章 「大水路」の建設
・待望の「大水路」・「宣言一つ」・大正的あまりに大正的な「或る女」・蝿のうるさいことはどうだ
第九章 夫、父、家長としての志賀直哉
・関西移住・古都の春・筆は一本、箸は九十本
第十章 実篤、村を去る
・実篤、村を去る・「浮気」と「自家用」文学・「大正文学」終幕
終章 ものみな「歴史」となる
あとがき / 文庫版のための「あとがき」 / 解説 張競
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