絶版文庫書誌集成
文春文庫 【ま】
松本 清張 (まつもとせいちょう)
「形影 ― 菊池寛と佐佐木茂索」 (けいえい)
丸谷 才一・山崎 正和 (まるやさいいち・やまざきまさかず)
「日本の町」 (にほんのまち)
*目次
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*283頁
*発行 1994年
*カバー・安野光雅
*カバー文
前田利家はなぜ隻眼の肖像を描かせなかったか? 笹かまぼことてんぷらの関係。京都人が瀬戸内の魚を食べないわけ ―― 。金沢、小樽、宇和島、長崎、弘前……。日本の八つの町を選び、その町をその町たらしめているものは何かを、風土、歴史、文学から探る。座談の名手二人がおくる、造詣深いオシャベリ都市論。
金沢 ―― 江戸よりも江戸的な
前田利家の両目 / 内治政策としての文化 / 「江戸」が生きている / 大国のゆたかさ / ゴリをめぐる考察 / すごみのある底力
小樽 ―― 「近代」への郷愁
哀しい響きのある地名 / 三つの双生児都市 / 近代百年の博物館 / 運河問題を考える / 「廃墟の美」について / 小樽が生きぬくために
宇和島 ―― 海のエネルギー
海に面した城下町 / 不思議な豊かさ / 仙台的なものとの関係 / 残躯な天の赦す所 / 御霊信仰と山家清兵衛 / 一言居士の血筋 / 「理想の国家」の風景
長崎 ―― エトランジェの坂道
歌謡曲がよんだ長崎の雨 / グラバーの大きな賭け / 人工性の強い港町 / ミツブシの城下町 / 遊んでいてもいい世界 / 長崎生まれの人びと / 甘味が重要な料理の要素 / 唐寺めぐりの楽しさ
西宮 芦屋 ―― 女たちがつくった町
消えた葱畑 / 商品としての地方主義 / 野崎観音のCMソング / ハイカラということ / 影が薄い男たち / イメージの伝統を売る / 文化産業の町 / 「阪神文化」と「阪急文化」 / “漫画球団”タイガース / ブルジョアジーの化石
弘前 ―― 東北的なもの
明るさとのびやかさ / 宮廷の文化が残っている / 雅びでやさしい言葉 / 相撲・ねぶた・棟方志巧 / 一種の宇宙感覚がある / 「寡黙な東北人」は間違い / 地域文化の真の姿 / 文化が重層的であるということ
松江 ―― 「出雲」論
審美的な風景美 / 浄土真宗と出雲 / 感動的な神魂神社 / 大国主命と山中鹿之介 / 大和朝廷からみた出雲 / 塩谷判官伝説の運命 / 文学者の出にくい土壌 / 女性によって立つ国 / 懐しさを誘う地形 / 西洋人に理解されぬ人間像 / 書かれなかった航海日誌 / 日本の散文は小説家が作った / 日本の国酒は清酒か? / 繊細な明治建築、興雲閣
東京 ―― 富士の見える町
富士山を中心にしてできた町 / 古代呪術と農村封建制の共存 / 「でこぼこ」のもつ意味 / 火事は江戸を浄めた / 村が複合した都市 / なぜ水を捨ててしまったのか / 統一感を獲得できるか / 東京人の慎みとエネルギー
解説 川本三郎
丸谷 才一・著 和田 誠・絵 (まるやさいいち・わだまこと)
「猫のつもりが虎」 (ねこのつもりがとら)